キム・ホヨンのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレファン・ボルムさんの「ようこそ、ヒュナム洞書店へ」が面白かったので、韓国の小説もいいかなと思い、京都の恵文社で何気に手に取った一冊。
なので、2024年本屋大賞翻訳小説部門第3位だったとか、ドラマ化も進行中の世界的ベストセラー「Kヒーリング」小説ということも全く知らなかった(恥)、
かつ二作目だし。
最初はとっつきにくい感じもしたが、読み進める内に引き込まれた。
リアルに存在したら、きっとあまり近寄りたくないキャラのホン・クンべが、実は俳優で、役作りのためにALWAYSで深夜バイトしていたなんてびっくりした。
クンべを中心にあるいは絡ませながら、オーナーのヨムやオーナーの息子のミンシク、店長のソンスク、脚本家のインギョン等、キャラの濃い人物が次々と登場し、其々の抱えるものを曝け出したり、得たり、捨てたりしながら前に向かって生きていく様を見せる構成はよく考えられていると思ったし、面白かった。
時折出てくる韓国のB級(?)グルメ、食事のシーンは食欲を掻き立てた。
認知症の前段階になったオーナーの描写、「知らぬ間に砂時計が頭の上に置かれ、そこから時間の粉が流れ落ちて脳を満たして行くような気分だった。」にはほろっとしてしまった。
「幸せな記憶。特別な記憶があるからこそ。人は生きていける」。
一作目も読んでみようと思った。 -
Posted by ブクログ
①を再読し、あのコンビニの人たちはどうしてるのかなぁ〜と読み始めた②
前作のキーマン、トッコさんはコンビニを去り、新たな深夜バイトのクンベさんを中心に物語は進む。仕事を失った人や家族との関係に悩む人、将来に希望を持てない人、居場所がない孤独な人など、さまざまな苦しみを抱えた人たちが登場する。そんな彼らが、コンビニを通して人と関わることで、変わっていく姿が描かれている。
結局のところ人生は人間関係で、人間関係はコミュニケーション。幸せは遠く離れたものじゃなく、近くにいる人たちと互いに理解し共感し、泣き、笑い、支え合い、心を分かち合いながら共に生きることなんだよ、って教えてくれる。
最後のヨムさんとトッコさんの再会シーンは胸熱でした
できればトッコさんのスピンオフ出してほしいです。 -
Posted by ブクログ
『不便なコンビニ』の続編です。韓国の下町にあるコンビニ、ALWAYS青坡洞店のその後が書かれていました。
新しい深夜バイトのファン・クンベがいい味をだしていました。おしゃべりで、人に気を遣えるおじさんです。深夜バイトになりたかった理由は思ってもみなかったものでした。前作の独孤さんと同様に、驚かされました。
就活三年目の女性、コロナ禍で仕事がうまくいかない精肉食堂の経営者、不公平を感じている高校一年生の男子、そしてこのコンビニのオーナー。それぞれが悩みを抱えていましたが、クンベさんのおかげで新たな道筋を見つけていきました。
自分の本当の思いを聞いてくれる人がいるだけで、人は何かが変わるのかもしれないと思いました。人がいい方向に向かっていくのは、読んでいて心地よかったです。
そして前作での登場人物のその後もわかり、満足感あふれる読書時間が持てました。コロナ禍での物語の先には、大切なことに気づいた人たちがいました。
これからは、とうもろこしひげ茶を飲むたびに、この本のことを思い出すと思います。
〈目次〉
店長オ・ソンスク
ソウルスナック
老害のなかの老害
ツー・プラス・ワン
夜のコンビニ
オーナーバイト
ALWAYS
不便なコンビニ
―いくつかの季節が過ぎた後―
感謝のことば
訳者あとがき -
Posted by ブクログ
どこか足りない、不便なコンビニだけど…
やっぱり、何だか温かみを感じる場所。
不便なコンビニ2作目。
韓国の青坡洞(チョンパドン)にあるコンビニ
ALWAYSは、コロナ渦真っ只中。
そんな店に、前作は記憶喪失のホームレスの
独狐がメインでしたが
今作は、40代のポジティブマインドで
口数多い深夜アルバイトのファンクンベを
中心に話が進んでいきます。
コロナ禍の影響で店の営業がうまくいかない人や
家にも学校にも居場所がない少年、
就活がうまくいかない女性など
悩み、困っている人にクンベの明るい言葉が
問題解決のちょっとしたヒントをくれます。
個人的には「ツー・ワン・プラス」の
家にも学校にも居場所がなく、この世は不公平だ
と思っている少年ミンギュの話が個人的には
好きです。
雨に打たれる中、家を飛び出してきた少年が
コンビニでクンベにもらった温かいカップ麺に
トンカツを入れて味わうシーンは
身も心も温まります(^^)
前作のキャラクターも出てきて、それぞれの人生の
続きを少し知ることができ、
そこもよかったし
ラストのあるシーンは1作目から読んでいて
本当に良かったなと感動しました。
人生はそれぞれに辛く、悲しいことがあり、
決してみんな平等というわけではないけれど、
辛さや苦しみを吐き出せる場所や仲間が
少しでもいるだけど、きっと何とか
なっていくのではないのかなと思いました。
自分だけの居場所がまだない人や私ばっかり
辛い、損してる。と感じる人に
おすすめの作品です。
きっと誰もが自分だけの何かを求めていて
それを探していくのが、人生なのかなと感じます。 -
Posted by ブクログ
お客さんがあまり来なくて品揃えもいまいちなコンビニで、オーナーと深夜バイトさん、そしてお客さんとの交流に心温まる物語『不便なコンビニ』の続編。
今回は新しい深夜バイトさんとお客さん、オーナーの放蕩息子との交流にまたじーんとさせられました。
特に元オーナーとオーナーを引き継いだ放蕩息子の、母と息子の再起・心機一転のストーリーが心にぐぐっときました。
子育てでの後悔、ああしてあげればよかったという思い、息子へのあきらめ、自分の老い‥自分と重なって苦しくなってしまうほどだったけど、関係は変われるということに救われる思いでした。
「そのとき、姉の忠告が思い浮かんだ。
いつまでも自分が保護者だとは思うな、と。もう自分の弱さを認めて、子どもたちに頼れ、と。心配事を打ち明け、仮病でも使って、つらいことはつらいと言えばいい、と。」
「変化。これは誰かに言われてのことではなく、自分から変わることだ。人間は変化を嫌うのではなく、誰かから変化を求められることが嫌なのだ—そんな話を聞いたことがある。だから、変わることを求めるより、待つこと、そしてさりげなく手助けすることが大事なのだ。」
今回も個性的な深夜バイトさん。
「他人の目を気にしていたら何もできないよ」
1冊目にも登場している元アルバイトのその後も。
「よい関係は、自然に結ばれるわけではない。自分で調べ、探し回る努力が必要なのだ。」
みんな悩んでいたり進めないでいたりするけれど、勇気を出して、変なプライドも拗れた劣等感も捨てて、一歩踏み出す背中を押してくれる温かいストーリーでした。
今回もほっこり癒されました。 -
Posted by ブクログ
2021年に韓国で発売された「不便なコンビニ」は、当時コロナ蔓延の最中で人々が生きづらさを感じていたこともあって、本国でベストセラーになった作品です。
その後「Kヒーリング小説」なるジャンルが生まれ、この作品も世界18ヵ国で翻訳・出版、日本でも2024年に「本屋大賞翻訳小説部門」第3位に入りました。
本作は前作に引き続き、ソウルの下町に店を構える小さなコンビニ「ALWAYS」を舞台に8章からなる連作短編集です。
今回は各章ごとに、「ALWAYS」にやって来る、個性的なお客が中心人物となって話が展開されます。
そして今回の特徴的なのは深夜バイト店員のクァクの後を引き継いだ中年のファン・クンベです。
前作の独孤とキャラクターは違えど、問題を抱えるお客たちに、癒しと笑顔を与えてくれるのが彼です。
優秀な兄と比較され折り合いの悪い両親に疎まれ、深夜のコンビニが逃げ場となっている中学生のミンギュに、クンベはこう語ります。
「大人になったら、自分について次の三つのことをよく知るべきだというんだ。まず、得意なことは何か。次に、自分がやりたいことは何か。最後に、自分がやるべきことは何か」 ツー・プラス・ワン抜粋
頑固な、偏屈な客にめげることなく、接し、夜のコンビニ店員という仕事を天職のようにこなすクンベも、二人きりの家族である母を癌で亡くしてしまいます。
彼のお母さんの口癖が、私に言い聞かせられている気がする言葉です。
「比べるのはがん、心配するのは毒だよ。ただでさえ、生きていくのは大変さ。いまの自分だけを考えて生きていきなさい」 夜のコンビニ抜粋
本作が出版された2022年は、コロナが終息してもその負の影響を引きずっていた頃です。苦しんでいる人にとってエールとなる言葉です。
コンビニオーナーを息子ミンシクに譲ったヨムが初期の認知症を発症、進行を遅らそうと生き始め、クンベが出演したコンビニを舞台にした公演を鑑賞する姿にシニアの私も考えさせられました。
「変わることを求めるより、待つこと。そしてさりげなく手助けすることが大事なのだ。
公演を観覧することは、人生を経験すことだ。」ALWAYS抜粋
私にとっては続編も期待以上で、ドラマ化が待ち遠しいです。