J.S.ミルのレビュー一覧

  • 大学教育について

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    やはり古典は素晴らしい。200年前に遠く離れたスコットランドで書かれたとは思われないほど、現代に通じる含蓄に満ちている。特に現代でも度々問いただされる古典不要論がJ.S.ミルが生きてた時代から言われてたと知ってつくづく人って変わらないなと思った。
    専門バカにはならないように大学在学中は広く学ぼうと思う。

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    2025年11月24日
  • 自由論

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    19世紀英国の思想家であるミルの代表作になります。本書は題名の通り「自由」について論じている本ですが、冒頭にも書かれているように、各人の市民的、社会的自由はどのように定義されるのか、を論じています。端的にいってしまえば、最終章に書かれている2つの格率が結論になります。第1に「個人は彼の行為が彼自身以外の何びとの利害とも無関係である限りは、社会に対して責任を負っていない」こと、第2に「他人の利益を害する行為については、個人は責任があり、また、社会が、その防衛のためには社会的刑罰または法律的刑罰を必要とする場合には、個人はそのいずれかに服さなければならない」ということです。そしてそれを説明するため

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    2023年05月02日
  • 自由論

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    内容の割に大変読みやすく、名著だと思った。
    あくまで合理主義の観点から考えているとはしつつ、ベンサムのような機械的な考え方ではなく、個人にフォーカスした人間的な考え方をしている点が受け入れやすかった。危害原理に対しては、パターナリズムや道徳の観点から反論も考えられると思うが、現代の自由論の基礎をなす考え方の一つだと思う。
    多様性について支持する考えがこの時代からあったことにとても驚いた。

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    2023年04月17日
  • 自由論

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    タイトルだけ読むと個人のあり方に関する書物という印象でしたが、個人にとどまらず、21世紀も色褪せない社会や組織のあり方について深く多面的な洞察による数多くのヒントが書かれていました。何回も読みたい名著です。

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    2023年01月23日
  • 自由論

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    完全な真理に到達するまでは可謬性を伴ってしまうとしても、多様な意見のぶつかり合いが必要だということなのです。基本的に世の中では一部の真理を含んでいる意見というものが多いわけなので(逆に言えば全て正解ではない)突飛な意見に見えるとしても実は聞くに値します。そのような訳でカントが「啓蒙とはなにか」の中で展開した議論と非常に似ているものがあります。この本の中で理性の公的な使用は制限されるべきではなく、一方で理性の私的利用は時には控えるべき場面もあると彼はいいます。例えば、すでに上官から命令が出ているのにも関わらず兵士がそれに対して意見を言うのは理性の私的利用を控えるべき場面に当たります。カントは全て

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    2023年01月18日
  • 功利主義

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    マルクシズムが終わってポストモダンもなんかよくわかんないまま終わってコロナとか戦争とかで結局ナショナリズムなの?ってとこにきて唯一機能し得る政治哲学は功利主義なんじゃないかって思ってる。てか下の世代の意識高い人の発想を聞いてると大抵無自覚に功利主義できなんだよね。
    ベンサムの功利主義への批判の半分くらいは既にミルが論破してるよね。動物的快楽に溺れてる自分の姿って嫌だから善人になりたくなるっしょ?みたいな。マズローの6段階?のやつは科学的ではなかったって証明されてしまったらしいけど、行動経済学とか新たな知見によって功利主義は補強されうると思う。
    ただし人間以外の動物も頭数に入れちゃうのはよくない

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    2022年04月03日
  • 功利主義

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    人間の生きる目的(幸福の追求)における「幸福」は決して普遍的ではなく、社会や他者・自身の思考の変化にも影響されて変わり続けていく
    幸福への手段である正義や道徳も避けがたい矛盾や変化を孕んでおり、絶対的な正解などはあり得ない
    だからこそ幸福についてあらゆる視点から考え続けていくことが重要なのだということが伝わってきた

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    2022年03月25日
  • 功利主義

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    ネタバレ

    初岩波白。

    正義にはそもそも色んな種類があって、その時々にちょうど良い正義を取り繕ってなんやかんや取り組むぜみたいなところには確かにそうかもなと思った。ぶっちゃけ見方次第で事の是非なんかどうとでもなる気がする。

    質的快楽についても、たとえば、セックスと研究のどちらがより価値のある快楽かと問われても、わたしにはわからない。セックスしたことある研究者に聞いてもどっちが優れてるかなんかまた別の話なんじゃないかな。

    それから功利主義は社会全体の利益を考えて行動するという提案をしているけど、この「社会全体」とはいったいどこまでをいうんだろう。この問いは翻訳者の解説に書いてあった問いだけど、確かに、

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    2021年07月19日
  • 功利主義

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    ジェレミ・ベンサムによって創始された最大多数の最大幸福を第一とする功利主義を、同調者であったジョン・スチュアート・ミルが解説する一冊。
    幸福と不幸の兼ね合いによって正誤を判断する思想を功利主義と認識していますが、幸不幸は主観的であり客観的に計測することは不可能です。
    高尚ですが曖昧さによって脆い骨子となっている考え方であり、それを語る本書は著者の挑戦であっただろうと思います。
    功利主義について要約されている部分を引用します。

    効用、つまり最大幸福原理を道徳の基礎として受け容れる考え方によれば、行為は幸福を増進する傾向があれば、その度合に応じて正しいものとなり、幸福とは反対のものをもたらす傾向

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    2021年07月10日
  • 自由論

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    他者危害の原則という考えは自分自身も非常に影響を受けた。他人に危害を加えない限り、当人の行為は自由に尊重されるべきである、というフィロソフィーは現代においても通ずるものが多々あると思う。

    ただこの理論思っていた以上に複雑。多岐に場面・シチュエーションが想定されていて、行為が尊重されるかどうかが論理的に説明されいる。個人的にはミルが一夫多妻制に否定的な立場だったのが意外だった。

    2章あたりのキリスト教が絡んでくる話がよく分からなかったので、次回の再読ポイント。

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    2021年05月30日
  • 自由論

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    ネタバレ

    他者危害原則(Harm principle)の出典として有名な言わずと知れた名著。自由論についてゼロベースで論理的に述べられているのが特徴。以下に、本書を実際に読んで印象的だった点を三つ述べる。

    ・ミルの自由侵害の範囲は法的刑罰のみを指していない。そこには政治的抑圧のみならず社会的専制、つまり世論による圧力のようなものも含んでいる。ミルによると、支配的な意見や感情の専制は政治的抑圧と比較し逃れる手段が少なく、生活の隅々に深く入り込んで魂それ自体を奴隷化する恐れがあり、これらからの防護は人間生活の健全な状態にとって必要不可欠である、という。特に「協調」が重要視されるアジアにおいては社会的専制の

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    2020年09月24日
  • 自由論

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    意見が世論や宗教に抑圧されず、議論が開かれていることの大切さ、個人を尊重する意義などが論じられており説得力があった。

    実例はイギリス政治やキリスト教などであったが、本質はどの時代でも通ずる内容であった。

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    2020年09月13日
  • 大学教育について

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    教養とは何か、それがなぜ重要なのか、そしてそれはどのようにして身につけられるものなのか。ミルの大学名誉学長就任演説である。学生に懇切丁寧に語っている。語られて150年近く経っているが、昨今の教養課程廃止や文系不要論への最良の反論となりうる。高校生や大学生に是非読んでほしいと思う本である。巻末の竹内洋の解説も簡にして要を得て素晴らしい。

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    2019年11月10日
  • 大学教育について

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    大学の中だけの事に限らず、
    人間が人生で生きる上で非常に重要なもの、それは教養だ。

    仕事をする上での専門技術も、それを人の役に立て、世の中を今までよりも良くする為にという素養があってこそ活きる。

    それを養うのが、教養だ。

    広く自分の専門分野でない事も、その分野の要点や本質を深く理解することは、人生を生きる上での武器となる。

    一生をかけて学ぶことは
    重要であり、楽しいことだ。

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    2017年12月06日
  • ミル自伝

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    歴史を書くのは全然義務ではなかったが、義務として書かなければならなかったものもある。詩である。あれは、課題の中で大嫌いなものの一つだった。なにもギリシャ語やラテン語で書かされたのではない。そもそも作詩法も教わらなかった。そんなことに時間をかける価値はないというのが父の持論で、朗読させて音律のまちがいを直すだけでよしとしていたからである。ちなみにギリシャ語では散文すら書かず、ラテン語でも申し訳程度だった。外国語の完全な習得に作文が効果的であることを父が知らなかったはずはないが、そのための時間がどうしてもとれなかったからである。というわけで、私が書かされたのは英語の詩だった。

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    2017年09月01日
  • 大学教育について

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    大学で学ぶ学生がぜひとも読むべき著作。大学の本質的な役割が良く分かる。政策考えるときも、この原点は頭に入れておかなくては。

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    2016年01月27日
  • 大学教育について

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    大学での教育について、古典文学、自然科学、芸術などに分けて語られています。
    自分はなぜ大学で勉強しているのかということを見つめ直すには、
    本書を読むと有効かもしれません。
    大変読みやすく、おもしろく、勉学意欲が湧いてきます。
    また、訳者の解説では、ミルの生涯について簡単紹介されています。
    短い解説ですが、大変興味深く、ミル自伝も読んで見たくなりました。
    薄い本なので、大学生は買って読むことをオススメします。

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    2012年06月15日
  • 大学教育について

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    読むべき本。

    p.178迄(6/17)
    p.108迄(6/16)
    p.58迄(6/15)文学教育について.古典と近代文学の対比.普遍性を感じる.今まで師事してきた人たちが各々異なる機会にのたまっていたことがすべて繋がっていくのが分かる.
    p.22迄(6/14)
    読み始め(6/14)

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    2012年06月17日
  • 大学教育について

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    薄い本だけれど、目が覚めるような言葉が各所にあって、一度ではなく何度も読みたい。

    ・「文系教育と理系教育、どっちを取るか」と語られることがあるが、どうして両方ではいけないのか。
    ・「言葉」は思考を決定してしまうおそれがあり、より客観的に物事を見るために、多くの言葉を学ぶ必要がある。そのために古典の学習は有効である。
    ・実験科学を学んで、物事を正しく推測、検証する方法を学ぶ。
    ・人に物事を語るときのために、論理学に触れておくことは有効。
    ・好奇心は人生の最高のパートナー

    大学で教養をつける重要性を語るが、ミルの話を聞いていると、彼自身が教養ある知識人を体現しているように思える。

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    2012年03月25日
  • 大学教育について

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    素晴らしい名著でした。
    J.S.ミルといえば自由論で有名だが、本書でもその適格かつ教養深い彼の思考、哲学が遺憾なく生きていて、それが凄まじい。

    約150年も前になされた演説の内容だというのに、
    その教育論は今日でも変わらず鮮烈であり、真理に通じている。

    とても勉強になりました。

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    2012年01月13日