J.S.ミルのレビュー一覧

  • 大学教育について

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    1867年に行われたミルの名誉学長就任演説.
    大学教育の目的と役割が古典教育と科学教育を両立させた教養教育にあると説き,個々の学問の意義を簡潔に説く.考え抜かれた言葉が読むものの心にまっすぐ届く.
    教養と大学が結びつかなくなり,教養が良き社会人の必須科目でなくなった現代であるにもかかわらず,ミルの言葉は古びることなく,いろいろなことに気づかせてくれる.

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    2012年02月03日
  • ミル自伝

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    3才にてギリシャ語を勉強するほどの早急は教育。そして、はやくに社会に出て、それもきりあげ思索と研究に励む。自伝なのでその思想内容ではなく環境的なところの記述になるが、19世紀の社会の様子も描かれ興味深い。

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    2025年06月07日
  • 自由論

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     大学の授業にて、offendとharmの違いを知ったことを思い出しました。

    offend:相手の気分を害する
    harm:相手を身体的に傷つける

    harmは、いくら自由とはいえ許されない、とのことでした。同感です。

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    2024年03月25日
  • 自由論

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    ・功利主義を前提とした著書。

    ・社会的自由:個人がそれぞれの個性を発揮する。そしてその個性の結果の言動によって他者を害することなく、様々な幸福を追求していくこと。だから、他者を害していない(一般的功利を損なっていない)行為の抑制は不当であり、そのラインまでが社会が個人に対して行使できる権力の限界。

    ・19世紀以降、国民と政府ではなく、個人と個人の間で抑圧が発生するようになってきた(多数者の暴虐)。多数者の暴虐についても対処が必要であり、そのために用いるのが「危害原理」。危害原理とは、社会の自己防衛が目的の自由の規制は正当であるが、他者に害が及ばない範囲で権力の行使は生徒と言う考え方。

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    2022年07月10日
  • 功利主義

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     1863年刊。
     有名で、現在はしばしば悪評も高いベンサムのスローガン「最大多数の最大幸福」というアレに代表される「功利主義」の考え方について、あれやこれやと弁明を試みる著作。
     私自身、「最大多数の最大幸福」というスローガンは目下大嫌いで、あれを浅はかに理解し利用し、多数者のためなら少数者を虐待しても良い、多数決で決まったら少数意見はことどとく蹂躙して良い、といった暴虐につながりかねないからだ。
     ミルがどのようにこれを擁護するかというと、「効用」は人間の獣的な欲望の部分で測るべきはなく、すこぶる知的な・十全に道徳的な心性において最大限に長期的な視野に立って測るべきものだ、とするのだ。
     

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    2022年04月20日
  • 自由論

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    ネタバレ

    新功利主義を唱えた1800年代の思想家、J.S.ミルが記した自由な社会とはどうあるべきか ?

    について
    ・思想と討論の自由
    ・個性について
    ・社会が持つ権力限界について
    ・原理の応用

    という構成で議論を進めていく。

    とても魅力的な内容で、今の社会生活においても考えねばならない事が多いと思う。

    ただ、議論が厳密なため議論を追いかけるのが大変。
    正直、後半は挫折し十分理解できなまま読み進んでしまった。

    覚えておきたい原則
    「他人に危害や迷惑を加えない限りにおいて、個人の思想や行動は制限されてはならない」

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    2021年09月20日