暮しの手帖編集部のレビュー一覧
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七十三人分の随筆を読んでいると、当然のことながら既に読み親しんでいる人もいれば、名前は存じ上げているものの著作には手が伸びていなかった人もいる。この随筆集を読む切っ掛けとなったのは津村記久子や岸本佐知子が何を書いているのかが知りたいからであったりするのだけれど、読んだことのない人の中にも、今度はこの人の本も読んでみたいなと思わせてくれる人もいるし、ちょっと自分には荷が重いかもと感じてしまう人もいる。そんな出会いがこのような随筆集のいいところなのかも知れない。
第一集同様「あなたの暮らしを教えてください」という問い掛けに答えた随筆の中から「日々の気付き」に関するものを集めたという第二集。「忘れ -
Posted by ブクログ
本を頭の中で音読するように読むようになって気付くのだけれど、句読点や改行などの息遣いがピタリと読む速度に合う文章とそうでない文章とがある。もちろん、音読すると言っても実際声に出す訳ではないが、読む速度は自ずと呼吸のリズムに合わせたものとなる。だから、自分の呼吸に合う心地よい拍の文章と息苦しい拍子の文章がある、と言い換えた方が感じるものに近いかも知れない。とは言え、読み進める内に拍子が合って来る人も居るので、必ずしもこちらの息遣いは固定された感覚ではない。ただし、音楽でいうところの速度記号の表示がある訳でもないので、適切なテンポが判らないままの文章もある。逆に読み慣れた作家などの文章はその作家の
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Posted by ブクログ
文字の多さもあるが内容の重要さもあってか、読みきるのに3週間もかかった。兵士の見てきたモノや死者の数、爆弾の威力や投下数、それだけが戦争ではない。「普通の人々の生活」が戦争に翻弄された。その体験1つ1つが身に染みて、真に迫るものがあった。あとがきを書かれた編集者のお祖母様の言葉「戦争はじょじょにじょじょにやってきた」というのが印象的であった。いま再びきな臭い世の中だと、戦争経験者が口を揃えて語っているという。「じょじょにじょじょに」私たちは戦後を終わらせようとしてないか?加担してないか?思考を停止せず、しっかり生きていかなければならないと感じた。