三本木亮のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
ネタバレ前作から10年、工場長にすぎなかった主人公のアレックスは、グループ会社の副社長へと出世していた。
ところが世界的な不況のあおりを受けて業績不振に陥った会社は、アレックスが担当する多角事業部門を切り離し、売却するという。
今のままでは売却に伴って大量の人員整理を余儀なくされてしまう。
「企業の目的は、現在から将来にわたって、お金を儲けることだ」
その必要条件の一つは「現在から将来にわたって、従業員に対して安心で満足できる環境を与える」ことであり(高い生産性を保つのに必要)、「現在から将来にわたって、市場を満足させる」こと。
そのためにはどうしたらいいのか。
結局、状況はそれぞれ違うわけだし、刻々と変化もするしで、正解というのはないのだと思う。
常にこれが最適であるのかを検証し続けるしかない。
ただし、検証するためにはこれが最適であると導き出せるような思考のプロセスがあるのだという話。
私は経営者ではないので、理解しようというよりも小説として面白いかどうかで判断します。
というわけで、前作の方が面白かったなあ。
アレックスの処遇については、割と簡単に想像がつきました。
家族の問題というのも、前作のように家庭崩壊の危機というわけではなかったし、全体にスケールが小さくなったような気がしました。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ前作の「ザ・ゴール」が面白かったので続けて読んだ。
前作で大成功を収めたアレックスは、ユニコ社の副社長となり手腕を握っていた。
かつての彼の部下たちも、グループ会社の社長となり活躍していたが、
なかなか利益が出せず、売却される危機に。
短期間で眼を見張る利益を出すのは難しい。
それなら、いかに今後利益に繋がるビジネスをしているのかを示す必要がある。
こちらは前作と違って、物流ロジックの話ではなく、
どちらかというと、問題と見通しを明らかにして説得する話だった。
問題のコンフリクトを明らかにする「雲」や、「現状問題構造ツリー」といった手法を用い、
アレックスのかつての部下であった、ピート、ボブ、ステーシーは、それぞれの会社でおこっている問題を分析し、画期的なビジネス手法を編み出した。
解決手法の中では、問題とは大抵の場合「結果(UDE)」であり、それ自体は原因では無い。根本原因はもっと深いところにあり、それを潰さなければいけない。
という観点が新しかった。
ステーシーの会社は、最後まで苦戦をしており、「会社は何も投資してくれなかったのに、必要なくなったら切り離そうとする」と悲観的になるステーシーのシーンに少し共感をした。
しかし実は、追加投資をせずとも利益を出すことは可能であることがわかり、最後には、ステーシーたちもポジティブな方向へ舵をきることとなる。
今回も、アレックスの仕事仲間だけでなく、家族が登場する。
妻のジュリーは、結婚コンサルタントとして、日々ジョナの手法を活用し、アレックスの良き相談相手として、アレックスに的確なアドバイスをするようになる。
娘シャロンのボーイフレンドとの問題や、息子デイブの友人との自動車共同購入についての潜在的な問題など、子供達の問題とアレックスが真摯に向き合うシーンも印象的だった。
前作の「ザ・ゴール」よりは、「説得」という、汎用性と抽象度があがる手法で、衝撃は少なかったが、前作と変わらず読みやすいストーリーだった。 -
Posted by ブクログ
博士が嫌っているコスト会計なんて、古い概念で、今は使われていない・・・と言うのが思い込みであることを思い知らされました。本の中で、簡単なテスト(事例)がでてくるのですが、思いっきりコスト会計の考え方で回答しまちがっていると指摘されました。
本によると100人中99人までが間違えるそうで、根が深そうです。
そして、あとがきでもう一度衝撃を受けました。原著は1990年発行。つまり、現時点で20年前。20年前にもう古いから新しい考え方に変更しよう!と提案するために出版された本に、古い考え方してます。と指摘されたと思うと、、驚くやら情けないやら。 -
Posted by ブクログ
対立構造にある複雑な問題に対して、どのように解決の糸口を見出していくか。
そのような問いに、制約理論(TOC)を元にした思考プロセスなるもので応えていく、そんなストーリーだった。
本書で提示されている問題解決の心得は、
・表面的な問題に囚われず、根本原因を突き止める
・それに対してWin-winな解決策を考える
というそれだけ聞くと至極当たり前に聞こえる内容だが、本書のポイントは、そこに至る過程としてどのようなプロセスで検討を行うかという点である。
検討の中で、本書では現状分析ツリーや、未来分析ツリーなどと呼ばれるツールを活用していくことになるが、実際にそれをどのような手順で作成・活用していくかについて、会社の売却というストーリーの中で分かりやすく解説してくれている。
ただ、最初はなるほどと思いながら読み進めたものの、途中家族の問題にも思考プロセスを活用する場面が出てきて中弛みをしてしまい、読み終わるのには時間がかかってしまった。
とはいえ、複雑な問題に対する解決に向けたプロセス自体は、実社会でも非常に役に立つ内容ではあるので、しっかり腹落ちさせたいと思った。 -
Posted by ブクログ
制約条件の理論とは何か?
要はとにかく全部頑張る!は無意味。たった1つの制約を突破できなかったら、他を頑張っても生産性は上がらないって話。
細かく見ていくと、個別の工程の生産性や品質の改善ではなく、システム全体の目標を達成するための改善手法だってことになる。
企業というシステムの究極の目的は「現在から将来にかけて金を儲け続けること」で、その方法はスループットを増やすか、在庫を減らすか、経費を減らすか。この3つだけ。
で、一番重要なのはスループットを増やすこと。スループットとは、販売を通じて金を儲ける割合のこと。売上から資材費を引いた金額。ようは純利益かな。
なので、スループット最大化のために、顧客に売れる商品の生産量を最大化すればいい。でもその生産工程は複雑で、その中にボトルネックがある。このボトルネックの生産量が、全体の生産量と=になる。ボトルネックを越えて生産することはできない。
なのに、安直に生産量を部分の生産量の総和と考えると、工場内の在庫だけ増え続けることになって赤字になったりする。従来の経理システムの問題点がここにある。
制約条件の理論とは、このボトルネックの突破にリソースを注ぎ込むマネジメント手法である。企業というシステム全体の最適化に必要なのは、この一点を看破すること。
在庫だって、ボトルネックの前だけに置いておけばいいという話になって、在庫問題も解決してしまう。他に在庫があっても生産量は増えないですからね。優秀な解決策って、予想外の問題も解決しちゃいますよね。すごい。
より少ない労力で、はるかに大きな効果を出す方法を教えて、仕事を楽にしてくれる一冊。小説風の内容も軽快で嫌味がないのもグッド。