米長邦雄のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
勝負の3要素は確率、勢い、運である。
勢いについて
第1にタイミングを見極められるか。
第2にここと思った時に打って出るための準備をしているか。
第3に決定的場面で勇猛果敢に売って出れるか。
そのタイミングでない時にじっと我慢するのも勢いである。
運について
波長は違えど全ての人に平等にやってくる。そしてできるだけ波のいい所をつかまえて上手く乗った人が良い結果を得る。人生にはこの運の大きな波が何回かあり、小さな波は小刻みにたくさんある。
ではどうすればいいのか。
自分の利害には大した影響のない勝負で、必死に頑張ること。大1番と言われる勝負は実力さえあれば何度でも巡ってくる。そうではなく自分にとっては重要ではなくても相手にとって運命を左右しかねない戦いのことを指す。
そういう戦いはたとえ負けたとしても後から報われる。
それなりになるために必要な勉強時間は6000時間。
男が勝負に負けた時はじっとしているに限る。勝てば官軍、負ければ辛抱。
働くことが男の生き甲斐であって遊ぶことは働くことに比べるとかなり価値の落ちること。
遊んできた人と働いてきた人を比べるとどうも働いてきた人の方が充実している。
子供の教育で1番大事なのは才能や適性をあれこれ考えることよりも集中力をつけてやること。それには好きなことをやらせるのが1番いい。子供はやりたいことを一所懸命やるうちに集中力をつけていくものなのです。
そして「お前は一流になる」と励ます。 -
購入済み
手軽に楽しめる
これを読まずに、考えずに、見るだけで瞬時に解けるようになると9手詰めが7手詰めに、7手詰めが5手詰めに見える様になる。
何度も繰り返すことが大事かな。 -
Posted by ブクログ
印象に残っているエピソードが1つ。
棋士の卵達を集めた研究会で、対局者と観戦者がいるのだが、観戦に回った時、他人の対局を食い入るように見て、一緒に考えている参加者と、集中が続かなくてアクビしている参加者が必ずいる。
最初は偶然かと思っていたが、何度も観察していると、実力が足りずもっと勉強が必要な参加者に限って、アクビ組。見込みのある者は対局者の傍らで真剣に考えている。
その理由は…
というくだり。
さらに、アクビ組は、会の運営からすると空気を濁らせる存在。
ここが本当に目鱗で、それまでは、ちょっと毛色の違ったハイレベルなセミナーとかに誘われると、自分などが参加してよいかその度に迷っていたが、これを読んで、参加してよいか否かの基準が自分の中でできた。この一事だけでも、読んだ価値があった。
これを書く前に多くの方々の感想を拝見して、他にも大切なことが満載だったと思い出した。
園遊会での後日談は残念でしたが、本書の価値には関係ないでしょう。 -
Posted by ブクログ
BOOKOFFで懐かしい人の名前を見つけたので手にとりました。
米長邦雄氏は見るに、多彩すぎたように思えます。だが、運命の女神は見捨てなかった。
七たび名人へ挑戦し得たもの奇跡なら、50歳の時に、名人になれたのも奇跡である。
一度だけだが、彼に微笑んだのである。
対して、同時代人の大名人中原誠はひたすら将棋を指し、書いた本の中身もほぼ将棋一色です。
女に溺れたのを悪く書くようであるが、名人という重圧の元でそうは思いません。
でもその相手が米長の内弟子であったことも稀有の因縁なのでしょうか。
書中気になった言は以下のとおりです。
・いかなる局面においても、「自分は絶対に正しい」と思ってはならないということだ。謙虚でなければならない。
・どんなに自信があっても、それを絶対と思い込んで発言してはならない。
・足らぬ物は余る 余るものは足らぬ
・足りないと思っているうちに必ず間に合う、いくらでもあると思っているといつの間に足らなくなる
・どんな将棋でも、全力投球しなければならない。加えて、森下の実践哲学はその上を行く。目の前の一局がすべて。
・どうしても勝たなければならないのだ。さもなければ殺される。食うか食われるかの時代であった。
・言うは易く、行うは難し
・幸運は七度人を訪れる
・勝負も商売もおなじですよ。「運」「鈍」「根」。この3つが大切だ。
・世の中には、運と根の大切さに気付いている人はたくさんいる。でも、鈍ということをわかっている人は少ない。
・根というのも、よく知られている。根性、性根です。みんな大切だと思っている。しかし鈍はむずかしい。
・言葉だけは知っている人も多いようだが、これを実践できるかとなると、できる人はほとんどいないんです。
・「学ぶ」より「捨てる」ことのほうがむずかしい。一所懸命に学んで、どんどん捨てなければ、進歩はない。
・多くの企業人、経営者と接していくうちに、どんな人が出席していくかを見分けられるようになった。簡単にいうと平社員のときから、社長のような発想をしている人である。
・(勝負の)女神は、結果よりも、過程に興味を持っている
・天の時、人の和、地の利
目次
まえがき
第1章 生涯の女運を賭けた勝負
第2章 眼前の一局に生きる
第3章 惜福で生きる
第4章 馬鹿になれるか
第5章 トップの気概とは何か
第6章 女神の好きな国・嫌いな国
第7章 奇跡の起こし方
第8章 薹(とう)が立って咲く
第9章 七度目の名人戦
第10章 仰げば尊し
ISBN:9784396311155
出版社:祥伝社
判型:文庫
ページ数:256ページ
定価:533円(本体)
発行年月日:1999年02月
発売日:1999年02月10日 -
Posted by ブクログ
2012年に刊行された本の文庫版。当時日本将棋連盟会長であった米長邦雄さんがコンピュータとの対局で敗れた時の記録。対局に向けての準備や当日の模様などが記されている。解説は、コンピュータの代指しを行なった弟子の中村太地現八段。
今から読んで気づくのは、コンピュータの急速な進歩は予見しつつも、棋士が日常的にコンピュータで研究をしたり、AIの評価値が対局放送で表示されたりするような事態は、本書の時点ではまったく予想されていなかったということ。その一方で、インターネットメディアが将棋ファンを増やす可能性については、米長さんは既に確信していた。当たったこと、当たらなかったことのいずれにしても、ここ10年間での将棋界の急激な変化を浮き彫りにしてくれる1冊。 -
Posted by ブクログ
初版は1982年、つまり40年前。これに著者の個性が加わって、その「昭和的」価値観にビックリというか、閉口する箇所は、少なくない。
とはいえ、以下のような指摘は、流石米長さんだなと思ったりする。
・最善手を指し続けるのではなく、悪手をしないのが重要。
・どうすればカンが養えるか。カンは仮説の一種なのだから、カンを養うには仮説を立てる訓練をするのが良い。希望的観測でもよいので、まずは立ててからその検証をする。
・大雑把にできることは大雑把にすますのが、対局の多さや体力の低下を乗り切るコツ。どこまで大雑把にできるかを考える。
全般として、社会の変化が急速になっている状況をどう乗り切るか、という視点から書かれてている。出版から40年。社会の変化が一層急速になっているなか、参考になる個所が色々あった。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ第一回電脳戦戦記。阿川佐和子氏の「この棋士に会いたい」にこの本の触りが書かれていたのできちんと読みたくなり購入。
人対人の対局と何が違うのか。ボンクラーズをはじめとする将棋ソフトに勝つためにはどのような戦略が必要だったのか。
酒好きの米長名人が酒を断ち、数か月の時間をかけてこの一戦に備えた。
米長名人が「オレ、勝てるかな?」と細君に尋ねたところ、「若い愛人もいないようなあなたが勝てるわけがありません」と返される、有名なエピソードも収められている。
米長名人は後日、
「いままでにないような感じでマジメに取り組んでしまったところを一言で表現されたのだろう。真剣に取り組むのは当たり前だが、若い愛人を囲うくらいの勢いがないと将棋ソフトには勝てない、と」
テーブルと椅子で対局となってのは、
「第一線の棋戦から少し離れただけで正座ができなくなっていたことに気づいた」ためとのこと。体力の衰えは意外なとこからあらわになる、と。 -
Posted by ブクログ
2020年10月3日のNHK「あの人に会いたい」という10分番組で、彼のインタビューを見ました。20歳ぐらい若い人と対局する時、強みだと信じていた経験が逆に弱みになると気づいた、それを捨てて新たに挑戦することにしか可能性がないことに気づいた…みたいなことを言っていて、カッコいい!と痺れてしまいました。なんでもいいから彼の本を読んでみたいと思い、即、本屋。まだ置いてあるんですね。そういえば、30年前ぐらい当時の上司が週刊文春での米長邦雄の連載を楽しみにしてたなぁ、と思い出したりしました。結構、昭和な感じの本でしたが、それでも勝負というものが人生観の表れである、とことか浸み込みました。奥さんへのプロポーズのエピソードのトンデモっぷりも最高。さてさて、もし生きていたら米長邦雄は藤井聡太のこと、どう語るのかな?