米長邦雄のレビュー一覧
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勝負の3要素は確率、勢い、運である。
勢いについて
第1にタイミングを見極められるか。
第2にここと思った時に打って出るための準備をしているか。
第3に決定的場面で勇猛果敢に売って出れるか。
そのタイミングでない時にじっと我慢するのも勢いである。
運について
波長は違えど全ての人に平等にやってくる。そしてできるだけ波のいい所をつかまえて上手く乗った人が良い結果を得る。人生にはこの運の大きな波が何回かあり、小さな波は小刻みにたくさんある。
ではどうすればいいのか。
自分の利害には大した影響のない勝負で、必死に頑張ること。大1番と言われる勝負は実力さえあれば何度でも巡ってくる。そうではなく自分に -
購入済み
手軽に楽しめる
これを読まずに、考えずに、見るだけで瞬時に解けるようになると9手詰めが7手詰めに、7手詰めが5手詰めに見える様になる。
何度も繰り返すことが大事かな。 -
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印象に残っているエピソードが1つ。
棋士の卵達を集めた研究会で、対局者と観戦者がいるのだが、観戦に回った時、他人の対局を食い入るように見て、一緒に考えている参加者と、集中が続かなくてアクビしている参加者が必ずいる。
最初は偶然かと思っていたが、何度も観察していると、実力が足りずもっと勉強が必要な参加者に限って、アクビ組。見込みのある者は対局者の傍らで真剣に考えている。
その理由は…
というくだり。
さらに、アクビ組は、会の運営からすると空気を濁らせる存在。
ここが本当に目鱗で、それまでは、ちょっと毛色の違ったハイレベルなセミナーとかに誘われると、自分などが参加してよいかその度に迷っていたが、こ -
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BOOKOFFで懐かしい人の名前を見つけたので手にとりました。
米長邦雄氏は見るに、多彩すぎたように思えます。だが、運命の女神は見捨てなかった。
七たび名人へ挑戦し得たもの奇跡なら、50歳の時に、名人になれたのも奇跡である。
一度だけだが、彼に微笑んだのである。
対して、同時代人の大名人中原誠はひたすら将棋を指し、書いた本の中身もほぼ将棋一色です。
女に溺れたのを悪く書くようであるが、名人という重圧の元でそうは思いません。
でもその相手が米長の内弟子であったことも稀有の因縁なのでしょうか。
書中気になった言は以下のとおりです。
・いかなる局面においても、「自分は絶対に正しい」と思っては -
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2012年に刊行された本の文庫版。当時日本将棋連盟会長であった米長邦雄さんがコンピュータとの対局で敗れた時の記録。対局に向けての準備や当日の模様などが記されている。解説は、コンピュータの代指しを行なった弟子の中村太地現八段。
今から読んで気づくのは、コンピュータの急速な進歩は予見しつつも、棋士が日常的にコンピュータで研究をしたり、AIの評価値が対局放送で表示されたりするような事態は、本書の時点ではまったく予想されていなかったということ。その一方で、インターネットメディアが将棋ファンを増やす可能性については、米長さんは既に確信していた。当たったこと、当たらなかったことのいずれにしても、ここ10 -
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初版は1982年、つまり40年前。これに著者の個性が加わって、その「昭和的」価値観にビックリというか、閉口する箇所は、少なくない。
とはいえ、以下のような指摘は、流石米長さんだなと思ったりする。
・最善手を指し続けるのではなく、悪手をしないのが重要。
・どうすればカンが養えるか。カンは仮説の一種なのだから、カンを養うには仮説を立てる訓練をするのが良い。希望的観測でもよいので、まずは立ててからその検証をする。
・大雑把にできることは大雑把にすますのが、対局の多さや体力の低下を乗り切るコツ。どこまで大雑把にできるかを考える。
全般として、社会の変化が急速になっている状況をどう乗り切るか、とい -
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ネタバレ第一回電脳戦戦記。阿川佐和子氏の「この棋士に会いたい」にこの本の触りが書かれていたのできちんと読みたくなり購入。
人対人の対局と何が違うのか。ボンクラーズをはじめとする将棋ソフトに勝つためにはどのような戦略が必要だったのか。
酒好きの米長名人が酒を断ち、数か月の時間をかけてこの一戦に備えた。
米長名人が「オレ、勝てるかな?」と細君に尋ねたところ、「若い愛人もいないようなあなたが勝てるわけがありません」と返される、有名なエピソードも収められている。
米長名人は後日、
「いままでにないような感じでマジメに取り組んでしまったところを一言で表現されたのだろう。真剣に取り組むのは -
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2020年10月3日のNHK「あの人に会いたい」という10分番組で、彼のインタビューを見ました。20歳ぐらい若い人と対局する時、強みだと信じていた経験が逆に弱みになると気づいた、それを捨てて新たに挑戦することにしか可能性がないことに気づいた…みたいなことを言っていて、カッコいい!と痺れてしまいました。なんでもいいから彼の本を読んでみたいと思い、即、本屋。まだ置いてあるんですね。そういえば、30年前ぐらい当時の上司が週刊文春での米長邦雄の連載を楽しみにしてたなぁ、と思い出したりしました。結構、昭和な感じの本でしたが、それでも勝負というものが人生観の表れである、とことか浸み込みました。奥さんへのプ