【感想・ネタバレ】われ敗れたり コンピュータ棋戦のすべてを語るのレビュー

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Posted by ブクログ

2012年に刊行された本の文庫版。当時日本将棋連盟会長であった米長邦雄さんがコンピュータとの対局で敗れた時の記録。対局に向けての準備や当日の模様などが記されている。解説は、コンピュータの代指しを行なった弟子の中村太地現八段。

今から読んで気づくのは、コンピュータの急速な進歩は予見しつつも、棋士が日常的にコンピュータで研究をしたり、AIの評価値が対局放送で表示されたりするような事態は、本書の時点ではまったく予想されていなかったということ。その一方で、インターネットメディアが将棋ファンを増やす可能性については、米長さんは既に確信していた。当たったこと、当たらなかったことのいずれにしても、ここ10年間での将棋界の急激な変化を浮き彫りにしてくれる1冊。

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2023年03月22日

Posted by ブクログ

ネタバレ

 第一回電脳戦戦記。阿川佐和子氏の「この棋士に会いたい」にこの本の触りが書かれていたのできちんと読みたくなり購入。

 人対人の対局と何が違うのか。ボンクラーズをはじめとする将棋ソフトに勝つためにはどのような戦略が必要だったのか。

 酒好きの米長名人が酒を断ち、数か月の時間をかけてこの一戦に備えた
 
 米長名人が「オレ、勝てるかな?」と細君に尋ねたところ、「若い愛人もいないようなあなたが勝てるわけがありません」と返される、有名なエピソードも収められている。

 米長名人は後日、

 「いままでにないような感じでマジメに取り組んでしまったところを一言で表現されたのだろう。真剣に取り組むのは当たり前だが、若い愛人を囲うくらいの勢いがないと将棋ソフトには勝てない、と」

 テーブルと椅子で対局となってのは、

 「第一線の棋戦から少し離れただけで正座ができなくなっていたことに気づいた」ためとのこと。体力の衰えは意外なとこからあらわになる、と。

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2021年07月24日

Posted by ブクログ

「後手番初手の6二玉」
将棋を知っている方であれば、意味不明な初手である。

その奇をてらった一手こそ、著者・米長永世棋聖の導いた
「コンピュータ」と戦う最強の一手であった。

AIは、これまでの棋譜を勉強して、最良の一手を導く。
だからこそ、これまでの棋譜にない一手「後手番初手の6二玉」が作戦だったのである。

その戦いにかける米長氏の思い、
そしてその対局を見届けた数々の名将の話。


将棋ファン必読の一冊であると同時に、
「極めるとはなにか」を考えるための一般書でもある。

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2019年01月20日

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