あらすじ
プロ棋士とコンピュータの対局が世間の注目を集める中、日本将棋連盟会長の米長邦雄は、当時最強と言われたボンクラーズの対戦相手に自らを指名した。元名人とはいえ引退から8年経った棋士に勝機はあるのか。研究を重ねた米長は、ついに「敵」の弱点を突く秘策を見つける――。棋士対AIの先駆けともいえる大一番の全記録。
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Posted by ブクログ
第一回電脳戦戦記。阿川佐和子氏の「この棋士に会いたい」にこの本の触りが書かれていたのできちんと読みたくなり購入。
人対人の対局と何が違うのか。ボンクラーズをはじめとする将棋ソフトに勝つためにはどのような戦略が必要だったのか。
酒好きの米長名人が酒を断ち、数か月の時間をかけてこの一戦に備えた。
米長名人が「オレ、勝てるかな?」と細君に尋ねたところ、「若い愛人もいないようなあなたが勝てるわけがありません」と返される、有名なエピソードも収められている。
米長名人は後日、
「いままでにないような感じでマジメに取り組んでしまったところを一言で表現されたのだろう。真剣に取り組むのは当たり前だが、若い愛人を囲うくらいの勢いがないと将棋ソフトには勝てない、と」
テーブルと椅子で対局となってのは、
「第一線の棋戦から少し離れただけで正座ができなくなっていたことに気づいた」ためとのこと。体力の衰えは意外なとこからあらわになる、と。