米長邦雄のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
プロ棋士が、真っ直ぐな、プロフェッショナル論を述べている本書。
「私たちプロのレベルで申しますと、強くなりたいのなら、自分自身になりきることです。」
「大事なのは一日一日を今日は何のための日であるか、はっきり意識して過ごすことです。」
「人生で貸し方に回るか、借り方に回るか、どちらの立場を選ぶか」
といった、プロとして生きていた著者の考え方ですが、ビジネスマンとしても参考にできることがたくさんあると感じた。
結局は自分がどう生きたいかを決め、
それを実践していくことで、
自分で自分の人生を豊かに、意味のあったなと思える、繋がるということが書かれていた気がします。 -
Posted by ブクログ
米長は、昭和の時代の人だね。
男が男としての威厳をもとうとしている。
昭和の美徳の上に、勝負をしている。
人間に必要なのは、
女神にすかれる、きらわれないこと。
人生勝負と考え「さわやかに勝つ」
「確率」「勢い」「運」の 三要素。
「細部にとらわれず、全体を見る」
「弱いパットは入らない」
「孤独に耐えられる力が必要である」
「自分で解けそうもない問題を、
自分だけの力で答えを出そうという苦労」
「雑の精神」「省の精神」
男らしさは「理性」と「思いやり」
更に、男になるには、「貸し方」に回る。
言葉が、実感を伴っているので、深みがある。
将棋は、やはり図形認識しているなぁと思った。
次の一 -
Posted by ブクログ
先日亡くなった米長元名人の20年前の著作。米長さんの将棋における勝負の考え方を中心に、人生論、教育論、運や幸運の女神の引き寄せ方などが語られている。将棋の勝負の話が結構多く、将棋界のプロがどのように生活しているのか、プロ将棋の勝負において一局というものはどのように進められているのか、ということが(少しは将棋をかじったことがあれば)良く分かる。プロが1時間も2時間も次の一手を考えているときってのは何をどう考えているのか、本書で初めて知った。人生における”貸し借り論”というのも大変有意義な心構えだと思う。米長さんは「一生懸命」ではなく「一所懸命」を常に使っているのが個人的には非常に好きである。
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Posted by ブクログ
○常に「今日は何のための日か」を考える○歩の動きは王様の都合で決まる。
我慢するだけでなく現状を打破する機会と手段をじっといつも考えて待っている。
とにかくじっと我慢して与えられた仕事を必死にやる。そして現状を打開する方策をこらす。
いやな仕事を一所賢明にやりながら、自分のしたい仕事に対する準備を万端整えておく。この二つともやらない人は人生に失敗する危険性がある。
○雑の精神と省の精神
→決定的に負けになるとすればどこなのか、だけを見逃さなければ、勝負はなんとかなる。
○不利な時の勢い
逆転するには、どこでどういうことをすべきかを一心不乱にうかがう -
Posted by ブクログ
先日の『われ敗れたり』にあまりに感銘を受けたので、思わず米長邦雄永世棋聖の全盛期頃の本(当時かなりベストセラーになったらしい)も読んでみました。
名著には違いないとは思いますが、昭和57年の初版ですから、さすがに現在とは時代背景が違い、夫婦観や仕事観など今読むと価値観に違和感を感じるであろう部分もありますが、驚いたのは言っていることの肝心な部分は『われ敗れたり』とほぼ同じということ。つまり、ぶれが全くありません。
個人的には、この全盛期の本よりも、コンピュータに敗れた後の敗戦記である『われ~』の方がより円熟した迫力を感じましたが、とにかく氏が言っているのは「自分で考える」ことの大切さ。
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Posted by ブクログ
谷川さん、羽生さんの本に比べまして、米長さんの本は、人生読本といった趣きがあります。それは、谷川さんの本が『集中力』、羽生さんの本が『決断力』と、人生に必要な“力(ちから)”をタイトルにしているのに比べて、米長さんは人生にあってほしくない“不運”を“すすめている”のですから、それだけでどこか違います。
運、不運に嘆き、苦しみ、自暴自棄になることがあります。しかし、運も不運も表裏一体で、運は不運の顔をしてやってくることもあります。見た目の運、不運に惑わされず、その時を如何に生きていくかということが大切なのかもしれません。
常に運に魅入られて進む人生のほうが稀なのですから、運と仲良くするだけ -
Posted by ブクログ
26年前、プロ棋士であった米長邦雄氏が書いた勝負論
棋士ということもあり、1対1のガチンコ勝負に勝つ方法かと思いきや全然違った。
勝利の女神はどんな男に微笑むかといった、人生論ともいえる。
現在から考えると、若干昔の考え方もあるかなと感じることはあったが
著者のポジティブであれ、わがままであれという姿には昔のよき日本人の男らしさなのかな。
ある程度アクが強くないと、人生においても突出しないのかも
中でも感銘を受けた言葉を4つ挙げる
(1) 人間は常に悪手の中を歩いている。悪手をささないことに十二分な配慮を行う
(2) 集中力がないのではなく、何に集中するかが分かっていない
(3) 弱いも