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Posted by ブクログ
谷川さん、羽生さんの本に比べまして、米長さんの本は、人生読本といった趣きがあります。それは、谷川さんの本が『集中力』、羽生さんの本が『決断力』と、人生に必要な“力(ちから)”をタイトルにしているのに比べて、米長さんは人生にあってほしくない“不運”を“すすめている”のですから、それだけでどこか違います。
運、不運に嘆き、苦しみ、自暴自棄になることがあります。しかし、運も不運も表裏一体で、運は不運の顔をしてやってくることもあります。見た目の運、不運に惑わされず、その時を如何に生きていくかということが大切なのかもしれません。
常に運に魅入られて進む人生のほうが稀なのですから、運と仲良くするだけではなく、不運をうまくやり過ごす心持ちを学んでおくことも大切かもしれません。また同じ失敗をするにしても、意味のある失敗をしていかないと、成長の種は見つかりません。この米長さんの著書は、様々な運、不運を示し、その時々の人生の処方箋になってくれるのではないかと思います。不運の中での自分の磨き方や、不運の中でも運を導く歩み方、そういった運と不運の実体験を教えてくれています。
米長さんの人生哲学の根底は、「ほほえみと謙虚さ」ということです。
厳しい勝負の世界で生き抜いて方が見出した人生哲学が、“ほほえみ”と“謙虚さ”。
大きな声で笑うのではなく、“ほほえみ”の程度にやさしさと思いやりがあり、たとえ数々のタイトルを戴冠しても傲慢にならずに“謙虚さ”を忘れない。この、常に自分自身を見失わない姿勢に、学ぶところがたくさんあると思います。
負けるのが嫌な私も、自分自身を磨く機会を見失わないように、謙虚な気持で、“負けること”を恐れず、負けることに内在する成長の種を学ぶため、これからも負けることを学ばないといけないと思います。
最後に、本書にもたびたび引用されている升田幸三の言葉を引用させていただきます。
升田幸三「人生、笑えるときに笑っておけ。すぐに泣く時がくる。」
Posted by ブクログ
面白いことに、将棋の世界では、どんなに勝ち続けた人でも最後には二勝一敗ペースを切る。〜逆にどんなに負けていても、最終的には一勝二敗のペースを上回る。〜こうした枠の中に、千勝したりタイトルを穫ったり、いろいろな成績の棋士がいるわけである。P.77
人生の要諦は、いかに勝つかではなく、いかに負けるか、なのだ。P.85
好調時に欠点を直し、不調時に長所を伸ばす。
まず好調で精神的に落ちついて余裕のある時には、欠点を直す。〜一方、スランプに陥って悩んでいるような時には、長所を伸ばすことである。というより、自分の欠点を見ない、と言うほうが正確だろうか。P.92
まさに人生は悪手の山だ。最善手を探すのは大変だが、悪手を指すのはいとも簡単なのである。人が欲望どおりに行動すれば、たいてい悪手になるといっても過言ではない。こういう状況の中では、少なくとも現在の自分よりも悪くならない手を探すことが大切である。極端な話、悪手でなければどんな手を指してもかまわない。P.123
世の中はたいてい、ヘボ同士で将棋を指しているようなものなのだから、無理をして変革しようとしなくてよい。実力以上のことをやるのは不可能なのである。まずは常識的なところからスタートする。最初から突飛なまねをせず、地道に人生街道を歩いていけばよい。次に相手の動きを見極める。自分をとりまく状況や人間関係、 社会情勢などをじっくり観察する。そして、三手目で自分の考えを持ち込む。P.136
Posted by ブクログ
[ 内容 ]
「不運」と「幸運」は、まさに表裏一体の関係にある。
「幸運」だけでは人生は勝てない。
[ 目次 ]
第1章 不運は人を強くする
第2章 運も不運も実力のうち
第3章 貧乏神に好かれないために
第4章 「道」を忘れれば運も落ちる
第5章 晩年の運の呼び方
第6章 明日の勝利をつかむために
終章 「名人戦問題」の不運は誰か
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