チャイナ ミエヴィルのレビュー一覧

  • 都市と都市

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    SFとしては物足りない。ミステリーもソコソコ。何がそんなに面白いのか?
    単一民族、島国で差別に鈍感な日本人には実感としてわからないかも。
    モザイク状に空間が重なりあった異民族・異文化の2つの都市。都市の境界線は超法規的な監視組織に常に見張られており、お互いに見て見ぬ振りを続け、衝突を避け均衡を保っている。
    このSF設定は多民族国家、侵略された歴史を持つ国の現実をシュールに描写したもの。
    混じり合っているのに、決して融和することがない人々の哀しみです。
    寓意ではないそうですが、それでも滲みでてしまうものですね。

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    2014年05月25日
  • 言語都市

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    遙かな未来、人類は辺境の惑星アリエカに居留地“エンバシータウン”を建設し、謎めいた先住種族と共存していた。アリエカ人は、口に相当する二つの器官から同時に発話するという特殊な言語構造を持っている。そのため人類は、彼らと意思疎通できる能力を備えた“大使”をクローン生成し外交を行っていた。だが、平穏だったアリエカ社会は、ある日を境に大きな変化に見舞われる。新任大使エズ/ラーが赴任、異端の力を持つエズ/ラーの言葉は、あたかも麻薬のようにアリエカ人の間に浸透し、この星を動乱の渦に巻き込んでいった…。現代SFの旗手が描く新世代の異星SF。ローカス賞SF長篇部門受賞。

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    2013年10月24日
  • クラーケン(下)

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    このお話は、メタファ(隠喩)が現実になる物語なのですね。あらゆるカルトのメタファが喧嘩しながら現実化・裏返しになるだけで、ストーリーがつむげる。しかも、SFっぽい非現実的な事態についての「科学的解説」は不要(笑)しかも、もとはメタファなんだから、現実化したイメージは強烈。個人的には、Queen のJazz の曲が使われてたことに高まった。ワティがお気に入りのカーク人形も。でも、このお話のロンドンの街はきちゃないな~。

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    2013年10月20日
  • クラーケン(上)

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    典型的な表紙買い・タイトル買い。マイブームのダイオウイカさんの勢いで衝動買いしたら、ウィンダムの「海竜めざめる」でも「海底二万里」でもあなかった。クボデラさんの名前はちらっと登場。舞台はひたすらロンドン。カルトパンクとでもいうのでしょうか。これだけ異形のモノが詰め込まれてて、道を切開すると、臓物が脈打っているロンドンって、なんだかあとをひく魅力がある。なんといっても、ストライキを起こしている使い魔の親玉のワティがかわいい。女刑事コリングスウッド、ひっぱたきたくなるほど憎たらしい魅力がある女性は久しぶり。

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    2013年10月20日
  • クラーケン(下)

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    読みづらいが、舞台設定は面白いと思う。
    読んでいる期間は飲み屋などでイカを見るたびにこの話のことを思い出してしまった。

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    2013年10月19日
  • 言語都市

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    これぞSFか、世界観は綿密ですごい。しかし、読みづらい。世界観のすべては要らない気もする。主題とは関係ない設定が多く最初はとても読みづらい。
    全体としてはなかなか面白い。

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    2013年10月10日
  • 言語都市

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    ネタバレ

    哲学的なSF。遥かな未来、辺境の惑星アリエカ。先住種族アリエカ人は口に相当する二つの器官から同時に発話する特殊な言語構造を持つ。アリエカ人は現実に存在しないことを語ることができない。人類と平和に共存していたが、新任大使が来たことで動乱が起きる。
    事象と表明、直喩と嘘、記号論など、言語を中心として物語が展開していく。前に読んだ『都市と都市』と同じく、今回も脳が揺さぶられる感じがして面白かった。ただ、登場人物が魅力的でないのが残念。

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    2013年09月29日
  • クラーケン(下)

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    ミエヴィルの書いたトーチウッド+ハリー・ポッター??疾走感、おもちゃ箱感、ちょっとペルディード・ステーションがエンタメ感増で楽しく、という感じ。ある程度オカルトやSFの読書してないと楽しくないかもしれない。
    そして、日本語訳はこれダメです。原文のがいいです、絶対。翻訳したら余計わかりづらいって。。。

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    2013年09月11日
  • クラーケン(上)

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    読み始めはやめようと思った。現代詩の様な突飛な会話の構成と、遠慮容赦の無い、オカルト存在の機銃掃射。だが、読み進めて行く内にそれが癖になって行く、末節に拘らず読み流して行く感じで、いつの間にか、取り込まれてしまった!下巻が楽しみ、どうか裏切らないで…

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    2013年08月25日
  • クラーケン(下)

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    悪くはないけどそんなによくもない
    妙にコミカルな掛け合いとか言い回しで間延びしてる感がある
    あと誤植が何箇所かあった

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    2013年08月03日
  • 言語都市

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    この星の先住民族であるらしいアリエカ人。
    彼らは二つの口を持ち、言葉ではなく音に乗せた意識、
    ゲンゴで意思の疎通を行なう。
    地球人から進化したらしいテラ人は
    アリエカ人との意思の疎通を大使に委ねている。
    大使は二人一組で特別に育てられゲンゴを使用することができる。
    新たに赴任してきた大使は強大な力を持つブレーメンという
    外の星から思惑を抱えてやってきたのだった。

    ということを理解するまでに結構時間が掛かる、
    歯応えのあるSFでした。
    通常設定を理解すればその先は早く読めるのですが、
    この作品では後の方で明らかになる設定が結構あったので
    最後まで読むのが大変でした。
    SFらしい作品。

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    2013年06月14日
  • 言語都市

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    色んなとこの書評で絶賛に近かったので楽しみにしてたが。
    こんなもんかあ。
    この設定でこの筋立てだったら、もっと面白く出来んじゃないのかな。
    兎に角、色んなオリジナルの用語とか設定とかあるが、全く説明なくどかすか進んで行くのはきつい。この歳になると、登場人物の名前すら覚えられなくって、こいつ何やったんだっけと遡らないと判らない。
    途中から面倒臭くなって、判らないなら判らないままで読飛ばしたが、それでも大体判ったような気がする。
    てことは、そんなディテールはなくても良いんじゃないかと思った。

    あらすじ読むのが一番面白そう。

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    2013年05月18日
  • ジェイクをさがして

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    短編集は身がしまっていて好き。長編は丁寧に作られてるから好き。中編はしまりも丁寧さも曖昧であんまり得意じゃない。
    というわけで力作っぽい鏡は楽しめなかった。使い魔とかある医学百科事典の~とか表題作とかは好きだな。表題作は余韻のための作品で面白かった。合う合わないがすごいはっきりしてしまう作品集。

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    2012年10月03日
  • ペルディード・ストリート・ステーション 下

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    面白かったので,比較的一気に読み切ったのですが,元々何でもありのストーリだった為,だんだんストーリーも滅茶苦茶になって行っている感じが・・・。

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    2012年10月03日
  • ペルディード・ストリート・ステーション 下

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    ネタバレ

    という訳で、後篇です。
    いやはや、夢食いモスラに哲学しすぎる巨大タランチュラ、
    おまけにスカイネット的ジャンク製AIと来ましたか。

    スチームパンクと言えば蒸気機関と機械仕掛けの狭間で自我が芽生える、
    というのはお馴染みですが、その特異な精神の在り方がが
    ヴァンパイアすら吸い殺す精神を食べる系のクリーチャーの天敵、というのは何とも。
    人工知能VS超常現象クリーチャー、その狭間で人は、街は?
    的な展開で今後も続いて行くような気がします。行けばいいな(願望)
    このボリュームでパート1ってのも贅沢な話で。読むの結構かかったよ。

    鳥人ヤガレクがどうにも「ウォッチメン」のロールシャッハさんとダブって見

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    2012年06月24日
  • ペルディード・ストリート・ステーション 上

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    「都市と都市」で色んな人の魂をかっさらったチャイナ・ミエヴィルの本邦最新文庫作。
    どちらかと言うとこちらの作品のほうが古く、またシリーズ化もしているのですね。

    特筆すべきは何といっても世界観でしょう。
    いきなり都市の地図。
    そして始まる固有地名連発のモノローグ。
    入り乱れる種族・文化圏とギミック。
    これは・・・ハイファンタジーに入れるべきなのか?という気もしますが、
    スチームパンクとファンタジー要素は相性がいい、ということで。

    上巻は「どうよ、この世界観」的な描写が延々続いて話が進まないので、
    こういうの美味しく頂けない人は挫折しやすいかも。
    まぁ、途中からジェットコースターなんですけどね

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    2012年06月24日
  • ジェイクをさがして

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    ネタバレ

    なんで買ったのかよく覚えていない

    短編集としては可もなく不可もなくといった感じ
    意外にホラーっぽいのが多かった

    設定やコンセプトが面白いものはいくつかあるけど、わかりにくい。
    わかりやすいものはホラーっぽいもの

    読み終わってからも、なんで買ったのかな?と思った

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    2012年06月03日
  • ジェイクをさがして

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    都市と都市を読んで興味を持ったので購入。
    私が読んだことある中ではラブクラフト的、マシスン的な印象
    「仲介者」「飢餓の終わり」あたりの日常と狂気の境は面白いが、
    全体的に分かりにくいところもあり他人にはお薦めしない。
    他作品との関係は掴みきれないが「ジャック」は
    『お祈り』と出てきた時点でPraying Mantisが浮かび
    その通りだったので思い描きやすかった。
    叔父は「拝み太郎」に拝まれたら死ぬと教えられていて
    今でもPraying Mantisが嫌いなことを思い出した。
    拝まれて死ぬか、死者を祈るか、そんな解釈。

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    2012年03月25日
  • ジェイクをさがして

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     短編集。面白かった。
     特に「都市」というものだけを題材にしているわけではないのだが、しかし物語の基盤にはいつも、街や都市というものの存在の曖昧さや、街や都市がその内部に宿している何かに対する恐れのようなものが潜んでいるように思う。

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    2012年01月31日
  • 都市と都市

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    モザイク状に組み合わさった領土を持つ、二つの都市国家間で起こった殺人事件を捜査する刑事の姿を描いた小説。

    読んでみると純粋なSFやファンタジーという感じではなく、都市の様子なんかはけっこう現代的な印象。

    しかし設定は綿密に作りこまれていると感じます。ファンタジーやSF要素のあるミステリはたまにトリックを成立させようとするあまり、世界観やルールが作りこまれすぎていて不自然な印象を受ける時があるのですが、この小説は二つの国家間でのルールを自然に生かした、世界観ありきの小説で都市と都市の魅力を引き出すために殺人事件を使っているんだな、と感じました。

    少し切ないラストもいい印象で、架空世界を舞台

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    2014年04月19日