チャイナ ミエヴィルのレビュー一覧

  • 都市と都市

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    帯でなく表紙へ大書されているように
    SF関係の賞だけでなく世界幻想文学大賞も受賞している本
    中身は解説にもある通りハードボイルド調の警察もので
    この前読んだ「愛おしい骨」と同様に
    翻訳を透してそれだけで文化の違い(というより日本が島ということか)を
    感じる風な小説だが
    舞台設定が奇抜でそこがSF側のこれがSFだと推挙するところである
    「都市と星」というより「不確定世界の探偵物語」みたいな感じかと読んでいたが
    これを書いてしまうと未読のひとにいらぬ先入観を与えそうで嫌だが
    書かずにいられないので書くと
    「メンインブラック」にしか見えない
    一度そう思うとコメディにしか見えない
    というわけで読んでい

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    2018年12月08日
  • 言語都市

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    わーい、すごいすごい!
    想像力の幅と深さが桁外れ、著者はSF界の殿堂入りまちがいなしだな。

    あまりネタバレしてしまうのもよろしくないので具体的なことは書かずに。

    ゲンゴから言語へ。
    たかが日本語文化と他言語文化だけでも理解しあうのは困難なのに、全く違った大系・概念・表現のコミュニケーション手段をとる生命体同士が、どうやってわかりあうのか、それともわかりあえないのか。

    真実しか語らないゲンゴ、かぁ。すごいこと考えつくなー。
    後ろのほう、ややパワー切れを感じたけれど、難解でチャレンジしがいがある。
    読書好きならぜひ!

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    2018年11月14日
  • 都市と都市

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    数々の賞を受賞しカズオ・イシグロも絶賛したという小説。

    十何年ぶりに再読した。
    ベジェルとウルコーマという壁のない東西ベルリンみたいな話て2つの都市は異なる発展、言語で相互の国民が見ないことによって分断されていて、その境界を乱すものを監視するブリーチという超法規的謎の権力組織がその入り組んで隣接する境界を管理徹底している。
    そこに一人の女性の遺体が発見され……
    クロスハッチやブリーチなんていう特殊な言葉が普通に使われる。前後の文脈である程度わかるが、この世界の人達にとっては普通なので不都合についての感想は述べるけどその用語の説明はしない。
    隣接都市を盲点に追いやり共存するというユニークな設定

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    2017年12月18日
  • クラーケン(下)

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    ネタバレ

    いくつもの筋が絡み合うため、読むのに体力は使うけれど、展開に緊張感があって楽しく読めた。特に最後の戦いは、銃撃戦、魔術戦、言語による戦い、巨大生物の参戦と転換がバラエティに富んでいて息つく間もない。
    読後には苦味もあるものの、長い戦いを観戦し終えた開放感が残る良質なエンターテイメント小説。

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    2017年12月12日
  • クラーケン(上)

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    ネタバレ

    魔術都市・ロンドンに蠢く、数々の魔術師、預言者、占い師、使い魔、暗殺者、そしてカルト宗教家たちが入り乱れ、「聖なる遺骸」を奪い合う、というファンタジー小説。
    消えた「遺骸」(=博物館に展示されていたダイオウイカの死体)を巡る陰謀は、伝奇ロマンやSF、サスペンス、ミステリー等々の要素を混ぜ合わせ豪奢に描かれていて、「遺体」の突飛さにも関わらず説得力がある。特にダイオウイカを崇めるクラーケン神教会の教義は面白い。たとえば序文には、その神秘性が端的に表れていて、本編に入る前から期待感が高められる。

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    2017年12月07日
  • 爆発の三つの欠片

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    著者名だけで無条件に読もうと思う作家の一人。
    28 の作品からなる短篇集。
    こんなに多くの奇想はいったいどこからやって来るのか。
    ただただ読むだけ。楽しむだけ。

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    2017年07月10日
  • 都市と都市

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    ネタバレ

    物語の舞台となるのは、ふたつの都市国家。両国の領土は隣り合っているというより、飛び地のように入り混じっている。区画ごとに国が入れ替わるような地域もあれば、公園の真ん中や木立の途中で国境が引かれた地域もある。網目状に入り乱れた国境線には壁はない。しかし両国の住人たちは幼い頃から訓練を受け、たとえそれが目の前にあっても、隣国の情景は意識から追い出すよう求められる。そしてその規則を破ったとき〈ブリーチ〉と呼ばれる組織がどこからともなくやってくる…。
    奇抜な着想を、綿密なディテールによって読ませる、ハードボイルド・ミステリーでありSF小説。奇妙な都市と都市との間に、さらにもうひとつの都市が隠されている

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    2017年07月04日
  • 都市と都市

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    ヨーロッパあたりにある重なって存在する二つの都市国家.越境行為をすればブリーチという超法規的なパトロールがやってきて何処かへ連れ去られてしまう.そんな世界で起きた殺人事件.ボルル警部補は片方の都市では解決不能と見て他国に乗り込む.ディック風のハードボイルドSF.書評によれば訳がひどくてほぼ無茶苦茶らしい.ちゃんとした訳で読んで見たい.山形浩生あたりで.

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    2017年01月10日
  • クラーケン(下)

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     多彩な作風を示すミエヴィル、この『クラーケン』は『アンランダン』に似ている。シュールというよりアブサード。正直、あんまり好きじゃない作風。クラーケン、すなわちダイオウイカの標本が神? アホくさいことを言う。アホくさいことを承知の上で、アホくさいことをアホくさく言うのが、しらけてしまうのだ。アホくさいことに気づかず、アホくさいことをアホくさく言ったり、アホくさいことを承知の上で、アホくさいことを真面目くさって言うのはいいのだが、アホくさいことを承知の上で、アホくさいことをアホくさく言うのは、その内容のアホくささに語りのアホくささが加わって、しらけてしまうしかないではないか。
     ミエヴィルはこの

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    2016年02月05日
  • クラーケン(上)

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     「クラーケン」ですよ、海洋冒険SFでしょ、ふつう。オールド・ファンならジョン・ウィンダムを思い浮かべるかもしれません。
     ウィンダムのを星新一は「海竜」と訳したけど、クラーケンは本書の場合、ダイオウイカです。NHKが撮影に成功する前にも、ダイオウイカは存在し、その標本はあったわけで、本書はNHKのダイオウイカ・ブームとも関係ありません。
     ダイオウイカの標本はとあるロンドンの自然史博物館の呼び物です。ダイオウイカの標本作製を担当した学芸員のビリー・ハロウが主人公です。ある日、ビリーが見学者たちを案内していると、あの巨大なダイオウイカの標本が消えていた。というのが発端。
     奇妙な警察官がやって

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    2016年02月05日
  • ジェイクをさがして

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     『ペルディード・ストリート・ステーション』を読み終えて、私はミエヴィル中毒になった。これはミエヴィルの短編集。『ペルディード』ふたたび、と思っていると、やはりちょっと違う。彼はホラーとかウィアードの作家ということになっており、そういう掌編が並ぶ。マンガも。

     何だかダメになったロンドンでジェイクと別れた話。建物の基礎の声を聴く男。デパートのボールルームの怪異。魔法使いの使ったスプラッタな使い魔の行状。ある言葉を聞くと脳の一部が蠕虫状になって脳を食い荒らしてしまう病気についての医学事典の記載。クリスマスのあらゆる細部が商標登録されてしまったロンドンのお祭り騒ぎ。外界の線が相貌になって迫ってく

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    2016年02月05日
  • 都市と都市

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    我ながら500pよく読んだ。
    この本は読む人の想像力が問われるかも知れない。同じ空間に2つの都市、がお互いに目を合わさない事で成立しているという設定は面白い。映像的でもある。自国でないものにはフォーカスが合わずに、ぼやっとブラーがかかるイメージ。
    分かりづらいていう人もいるけど、常日頃見て見ぬふりってしてるし、今の時代隣人をあまり知らなかったりするし、割とリアリティーがあると感じた。
    ストーリー自体は、もはや映画化考えてるんじゃないの?と思うほどシンプル。映画の時間にちょうど収まりそう。ラストはもっとどんでん返しがあっても良かったかも。

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    2015年07月13日
  • 都市と都市

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    何だこれはSFなのか?
    物理的に重なり合った都市国家??でも異次元で重なり合うとか、パラレルワールドとかSF的な設定はありません。見えているのに見ないようにするぅ???もう想像力の限界です。

    日常的には目には写ってはいるけれど見えていないものは多いもので、意識して視ることが重要なんてことは言われますが、意識して見えていないようにするのは、かなり難しいです(歩きながらやってみた)。しかも、国という境界を識別して。隣の建物を見ないとか、倒れている人を障害物として認識するとか・・・眩暈がしてしまいます。ミエヴィル恐るべし。

    でも、何故そんな境界を引いているのか?と考えると、もちろん歴史的背景はあ

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    2014年08月27日
  • 都市と都市

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    ネタバレ

    翻訳の文体が好み。
    街の描写が特に上手い。

    そもそも国家などの成り立ちについて触れるのかと思いきや触れなかったので「そこ詳しく」とはなるもまぁそれはそれ本題ではなかったのだな、と流せる程度。

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    2014年04月24日
  • クラーケン(上)

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    話はたいして進んでいないのにこのボリューム。
    ミエヴィルらしい設定、仕掛けに対する動摩擦力が高いせいだと思う。
    私は耐熱服を着ているので、摩擦熱を結構楽しめた。
    下巻はどうだろう。

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    2013年09月15日
  • 言語都市

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    難解なSFでした。二つの口を持ち同時に発音して意思を伝えるゲンゴを話すアリエカ人、彼らは真実しか話すことができない。アリエカ人の星に居留する人類、アリエカ人と交流するためにクローンで二人一組で育てられた大使。この設定を理解するまでの序盤をクリアできるまでが辛い。
    人類の大使がゲンゴを使ってコミュニケーションをとり、アリエカ人に影響を与え、やがて真実以外を伝える新しいゲンゴを持ちはじめたアリエカ人が現れ、いろいろ確執が生まれてきてからの展開は面白かった。

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    2013年08月31日
  • 言語都市

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    間違いなくSFだけど、哲学書のような趣。今年のバカロレアの哲学の試験問題に通じる「言語は単なる記号なのか?」という…

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    2013年06月18日
  • 言語都市

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    やや難解ではあるが、
    とてもミエヴィルらしい都市の物語。
    異形の世界に連れて行ってもらえる事が読書の醍醐味。
    直喩の扱いがとても面白い。
    メタファーのない日常は味気ないと思います。

    2012 年 ローカス賞 SF 長篇部門受賞作品。

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    2013年04月05日
  • 都市と都市

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    2つの都市が同じ場所に存在していて,それぞれの住民は互いを見ないようにして生活している,という設定.「なんやそら」感がする設定ではあるけど,非常に真面目に書いてあるので変にリアリティがある.SFのレーベルから出ているが,基本的には警察小説.でも,いわゆる「見えない人」的なのでミステリっぽい,とか色々思ったりするので,むしろSFだとか思わずに読んだ方が良いかもしれない.

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    2018年10月07日
  • ジェイクをさがして

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    SFや幻想小説が詰まった短編集。個人的には少し異端だけど「使い魔」が好き。ただ、出来不出来が激しい気がする。

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    2013年04月03日