笹原和俊のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
SNSのネットワークについて計算社会科学をもとに解説。特にフェイクニュースについて数理モデルや認知バイアスの知見から説明している。
もともと計算社会科学に関心があり本書を手にした。SNSを模倣した数理モデルのシミュレーションで思想の分断が生じること、フェイクニュースが拡散される要因を検証したことは計算社会科学の威力が十分に発揮された。
また、分析だけでは終わらず、SNSネットワークのシミュレーションを模倣できるサイトの紹介をしたり、フェイクニュースの対抗策についても解説している。
ただし、SNS業界は動きが非常に速いので、数年経つと情報が古くなっている。最近の情報は自身で随時取り入れていく必 -
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Posted by ブクログ
フェイクニュースの科学についての入門書。わかりやすく、データや研究に基づいた記述で信頼できる内容です。
文庫版で追加された補講では、2020年の新型コロナやトランプ落選を例にインフォデミックの時代を解説しています。
フェイクニュースを拡散するSNSは非難の対象にされていますが、SNSに残された「電子的痕跡」(ビッグデータ)によって情報生態系における人々の行動を定量的に調べることができるようになりました。つまりフェイクニュースを科学することも可能になった。
驚いたのはSNS上のいいねやシェアの内容で、個人の属性の特定がかなりの精度でできるということ。
アテンション・エコノミーという概念も始め -
Posted by ブクログ
フェイクニュースは、人間の認知特性と、SNSプラットホームの仕組みやパーソナライズ技術が、負のシナジー効果を発揮して、想像以上の社会問題を巻き起こしていることを改めて実感できた良書でした。
Twitterみてるの馬鹿馬鹿しくなっちゃうな(((^_^;)
この社会問題への対策がメディアリテラシーの向上とファクトチェック団体というのが、やっぱりちょっと心もとない気分です。前に立岩陽一郎氏の『ファクトチェック最前線』を読んで、ひとくちにファクトチェックと言っても…なかなか。ファクトチェック団体の信頼性はどうやって担保してゆくのだろう。フェイクニュースが死語になる未来は私には想像できませんでした( -
Posted by ブクログ
デマや流言についての研究と言えば、オルポート・ポストマンの『デマの心理学』、清水幾太郎『流言蜚語』といた古典が有名であったが、近年、嘘やデマ、陰謀論等の虚偽情報がソーシャルメディアを介して大規模に拡散し、人間行動や社会に影響を及ぼしてきている。
本書は、こうしたフェイクニュース現象を、情報の生産者と消費者が様々な利害関係の中でデジタルテクノロジーによってつながり合った「情報生態系(Information Ecosystem)の問題として捉え、その仕組みを計算社会科学という新しい学際科学の手法を活用して解明することを試みた入門書である。
具体的には、定量的、実証的裏付けを伴った、認知バ