的場知之のレビュー一覧

  • まじめに動物の言語を考えてみた

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    タイトルにひかれて購入しました。私のような門外漢にもわかりやすく書かれていて面白かったです。ただ1つひっかかった点があります。日本語のタイトルが「まじめに動物の言語を考えてみた」とありますが、現題はAnimal Communicationであり、著者は本書の中でも動物の「言語」を考えることに対する警鐘を鳴らしています。たしかに「動物の言語を考えてみた」のほうがキャッチ―で、私のように手に取る読者は増えるかもしれませんが、著者の意図をくむなら「動物のコミュニケーションを考えてみた」が正しいはず。

    他方、中身はとても面白かったです。本書ではオオカミ、イルカ、インコ、ハイラックス、テナガザル、チンパンジー、そして「ヒト」がどうコミュニケーションしているかを紹介していて、全部を読んだ印象ですが、コミュニケーションスタイルは、その生き物の社会構造と密接に関係しているということです。私が読み取ったのは、①生活集団の規模(メンバー数が少ないか多いか)、②メンバーの固定度(顔ぶれは固定的か流動的か)、③生活環境(例:海の中、ジャングルの中など視野が極端に悪い環境か)、あたりがコミュニケーションスタイルを規定する強い要因になっていそうということです。

    たとえばイルカは、シグネチャーホイッスルと呼ばれる「私だよ」というホイッスルを発しますが、この背景には、イルカの社会が小集団で離散流動型であることがあります。イルカは固定メンバーでずっと一緒に生活することはなく、離れては違う集団と合流し、またすぐ離れて違う集団と合流します。その際に「私だよ」というホイッスルが重要なわけです。他のイルカからすれば「ああお前か」となって受け入れるか、知らない奴が来たな、となるわけです。

    このあたりの記述を読んでいて、人間社会の多様性も、動物社会の多様性から説明できそうという印象を持ちました。たとえば米国では個人主義がなぜ発展したかを考えると、米国社会がイルカの社会のように、基本的に小集団で離散流動的であることと関係があるのかな、という仮説です。現在は違うかもしれませんが、西部開拓時代から1970年代くらいまで、米国人の多くが州をまたぐ引越しを頻繁にしていたと読んだことがありますが(タイラー・コーエン『大停滞』)、そのような社会のメンバーは「私だよ」というシグネチャーホイッスルを強化しがちなのかもしれません。本書で最後の章が「ヒト」になっているように、人間を動物の一種として、他の動物との比較の中でコミュニケーションスタイルを考えるきっかけになる本でした。

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    2026年05月02日
  • ネコはどうしてニャアと鳴くの?: すべてのネコ好きに贈る魅惑のモフモフ生物学

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    イギリス外飼いが多いのにびっくり。マンチカンについて、病弱なイメージあったけどそうでもないみたい。いろいろ勉強になりました。

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    2025年10月22日
  • もしニーチェがイッカクだったなら? 動物の知能から考えた人間の愚かさ

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    かなり面白かった。
    生物系の論文って、素人でも理解できて面白いものが多いけど、ひとつひとつ漁るのはさすがに骨が折れるからこういった1つのテーマに沿って色々な話を紹介してくれるる学術書の存在はほんとうにありがたい。

    ・イルカは死を認識できているが、『自らもいずれ死ぬ』という死の叡智には辿り着いていない。すべての動物の中でヒトだけが、死の不可避性を完全に認識できる

    ・死の叡智は、エピソード的未来予測の波及効果の避けられない帰結であり、ほかの認知能力と分かちがたく結びついている(つまり、「いずれ死ぬ」という懊悩だけ都合よく回避しつつ、他の認知能力を育てることはできない)

    ・ヒトの道徳的推論(たとえば、同性愛者を否定するなど、他の動物では規範的な問題にならないことを問題とみなす)進化的な意味では単によくないものかもしれない。機能というよりバグかもしれない。

    ・娘を育てる上で、オペラント条件付けという方法が役に立つ。ポジティブな話をしたらチーズポップコーンをあたえるだけでよい(これは子供ができたら使ってみたい)

    ・臓器提供意思表示フォームの形式によって、臓器提供への同意率が27.5%から98%まで変わる可能性がある。

    ・ホヤは、幼体から成体になる際、頭、尾、脳、脊髄の機能をあえて大きく捨てる。
    『ホヤに成功をもたらす最適経路は、あらゆる思考が起こりうる可能性を積極的に排除することであると、自然淘汰は結論づけた』←この文章かっこいい。

    よくある動物の本って、「この種の動物はこんなこともできてすごく賢い」とか、「この動物の機能にはこういった価値がある」ということを強調する場合が多い。
    だけどこの本は、動物の認知機能がヒトより制限されていることを説明したうえで、それではヒトは動物より“善く”生きることができているのか?という命題にフォーカスしている点が興味深く、おもしろかった。
     

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    2025年02月15日
  • 親切の人類史――ヒトはいかにして利他の心を獲得したか

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    1章から6章までは人間の利他行動に関する理論の要点とその妥当性を検証。ハミルトンの血縁淘汰と包括適応度、ウィン=エドワーズの群淘汰、マルチレベル淘汰とプライスの共分散方程式、アクセルロッド、アレキサンダーなどの互恵性理論など進化生物学の理論を手際よくまとめており、数学の知識が無い自分でも進化理論の進展についてポイントを摑めた気になった。
    この部分で特に印象深かったのはプライスの共分散定理。利他行動が優位となる淘汰の働きをたった一行の方程式にしてしまうのだから驚き。畏敬の念さえ覚える。
    また筆者はアレキサンダーなどの間接互恵性理論を現代人の利他行動を進化的に説明する概念として有望と評価している。ただし互恵性(reciplocity)と評判(reputation)だけでは友人関係あるいは古代社会のような小規模集団における利他行動を説明できても現代社会のような大規模な集団での協力体制を説明することは困難としてもう一つのR、理性(reason)の働きをあげ、7章以下で理性と社会構築に関する人間の能力の歴史的考察を展開している。

    筆者の歴史認識は全般的に楽観論に貫かれており12章(戦後復興と福祉国家の時代)までは同意できるのだが、ポスト福祉国家、新自由主義的イデオロギーが跋扈する時代(13章)の記述などは自分の実感とはやや異なる。
    生活保護受給者に対する虐め、冷酷な自己責任論など利他行動や社会的な協力を行う能力は少なくとも日本に於いては退化しているとしか思えない。

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    2024年04月04日
  • 親切の人類史――ヒトはいかにして利他の心を獲得したか

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    人間がいかにして利他的な心を持つようになったのか、歴史の大きな流れとともに考察していく一冊。

    気になっていた本だが、少し高めの価格にたじろぎながら、借りられるまで待ったが、借りられる期間である2週間で読み切るのはなかなか難しかった。

    読むこと自体はできても、理解するのにかなり苦労させられた。

    他人への寛大さは、一対一のものではなく、集団にとって利益になるからであり、また、他人への思いやりは「お返し」「インセンティブ」「活発な知的能力」「論理的思考」の四つからなっているそう。

    人間は様々な苦難を乗り越えながら、他人を思いやることが世界をより豊かにしていくことを学んでいった。もちろん、思いやりだけで全てが解決されるわけではないが、1日のうち一度でも他人を思いやる行動をすることができたなら、この本を読んだ意味がある気がする。

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    2023年04月22日
  • 親切の人類史――ヒトはいかにして利他の心を獲得したか

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    他人に親切にするのは自分勝手な人にいいように使われ、進化の過程で不利だったのでは?
    赤の他人にまで親切するのはなぜか?って疑問に進化と歴史の観点から答えた一冊。

    進化の疑問には
    「互恵性」と「評判」の2つが生存に有利だったみたいな話がされている。

    赤の他人に親切にするのは、上記の本能的な進化では説明できず、苦難の歴史や理性で説明できる。

    思いやりは進化の過程で獲得したものだと思っていたが、実際は他者への思いやりは人間がより大きな集団になったときに初めて得た能力らしい。
    思いやり、共感は理性があれば広がると。

    実践理性と呼ばれる正しい選択と決断をする能力が、歴史上、他人への思いやりを広める上で重要な役割を果たした。って主張には納得感がある。

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    2023年04月04日
  • カタニア先生は、キモい生きものに夢中!

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    めちゃくちゃ面白かった!
    マッカーサーフェロー受賞している神経科学者で、ホシバナモグラの研究者。内容がわかりやすく、写真、図などが効果的、ところどころにQRコードで動画などにアクセスできる。特に序盤のホシバナモグラの星と脳マップの章はめちゃめちゃ面白い。ホシバナモグラ、ヒゲミズヘビ、ワームグランティング、トウブモグラ、トガリネズミ、ミズベトガリネズミ、デンキウナギ、エメラルドゴキブリバチ。

    ただ、ものすごく難がある
    面白かったが、邦題が酷い。
    とても損をしていると感じる。

    "Great Adaptations"
    Star-nosed Moles, Electric Eels, and Other tails of Evolutions Mysteries Solved
    by Kenneth Catania 2020

    Great Adaptationsがなんでそうなるんよ?なんか、素晴らしく面白い本なのに、ガッカリ感ただようわ(主観)。
    この邦題だと、今流行の読むところ少ない、面白図鑑的な(先日読んだ”毛”ぇのやつ的な)雰囲気。アレを期待した小学生が手にとって、かなり読むのにてこずるのではないかと思う。そして、自然科学に苦手意識を持たれたりすると、ほんと悲しい(どこまでも妄想が進む)。
    そういえば、、私が小学生低学年の頃、『猫と魚の出会い』という文庫本を買って、ものすんごく読むのにてこずった(なんなら当時半分ぐらい理解できてなかった)のを思い出した。食生態の研究書だった。その文庫本、実家に置いてあるんだが、猫と魚のとっても可愛い装丁。今、南米河で検索したら、29980円だった!!さんまんえん!なにそれ怖い。

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    2022年10月16日
  • 生命の歴史は繰り返すのか?―進化の偶然と必然のナゾに実験で挑む

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    "ありえなさげな運命:宿命と成算と進化の未来”
    めちゃ面白かった。良い原題ですねぇ。まあ起こらなさそうなデステニー(自分で切り開くというか、選択的な感じの運命)、フェイト(どうしようもない運命)、成算、それに進化の未来。わくわくするねぇ。5年ほど前の書籍なので、研究系としてはちょっと古いような感じを受ける方も多いと思うが、なんちゅうても163年前の『種の起源』がまだ現役なので、名著に新旧はないと思う(分野と題材によりけりか)。ロソス博士はネイチャーやサイエンス連発の世界トップレベルの有名研究者。ここんところ進化生命学の文献やら書籍を読んでいたので、其の中でもかなり読み物として面白かった。ロソス博士の冒険譚的な面白さ。グールドの”Wonderful life : the Burgess Shale and the nature of history”が、リファレンスでめちゃ出てくるので、未読の人は読んでおくと、さらにわかりみが深くなると思います。という、私もめちゃくそ昔に読んだので、再読せねばと思う。
    研究の手法やら結果だけでなく、その時に起こったプチエピソードや、別の話や、いろんなアドベンチャーや失敗なども盛り込まれていて、臨場感がある。もちろんアノール(爬虫類)やグッピーだけでなく、色々な別の研究者の仕事やらも平易な言葉で説明され、理解が深まる。ハエはやっぱり進化実験の王道っぽく感じるねぇ(旧人類なので、笑)。
    運命と偶然、人の誕生は不可避だったのかっ?!これからもまだまだ掘りどころの多い、よみごたえのある分野だと思います。

    やっぱり収斂進化はおもしろい!!

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    2022年05月21日
  • Life Changing:ヒトが生命進化を加速する

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    本書の冒頭から「遺伝子改変されたオオカミすなわち犬」が出てくるが、家畜化された=選択交配で遺伝子改変された、という視点は当たり前のようでハッとする事実だと思う。人間が形質を選り好み家畜を増やしていくことで遺伝的多様性が失われていくのは明白なのに、そんな事は考えたことがなかった。
    野生動物よりはるかに多くの家畜がいて、それの飼料のための農地がたくさんあって自然破壊している…どうしようもなく持続不可能で危機的な状況であるが、本書ではテクノロジーによる課題解決を目指す前向きな話もたくさん出ててきて、それぞれが面白く、考えさせられた。
    ただ「再野生化」の取り組みについてはあまり良い話とは思わなかった。自然は複雑系であり、キーとなる中枢種をポンと入れただけで自然が回復していく、というのはさすがに都合の良い部分しか見ていないと思う。とはいえ、これらの取り組みをしっかりと評価して皆で自然について考えていくことが大事かと思った。ため、本書は広く周りにも勧めていきたい。

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    2021年12月25日
  • Life Changing:ヒトが生命進化を加速する

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    ものすごく面白かった(興味深かった)。人間が直接に間接にどんだけ生き物のDNAをいじったり影響を与えたか、そのエビデンスと考察。基本、怖く、そして非常にギルティに感じる。
    2006年にグリズリーとシロクマのハイブリッド(ピズリーベア)が発見されて、ものすごい物議を醸し、その後にぼちぼちとエビデンスがでてきて、今でもそこそこ話題です。アークテックエリアの流氷の上で子育てし、生きるシロクマ(ポーラーベア)だが、近年の地球温暖化で北極の氷が解け、このままでは近い未来には夏(繁殖期)に北極の氷は全てなくなると予想されている。が、シロクマが南下するには体毛などが暖かいところに適していないので、そこで、本能的に適したDNAを持つグリズリーと交配し、遺伝子をとりこんでいるんでは、というような話。逆にグリズリーのほうは温暖化で北限がさらに北上しているので、生息区域が被ってきているというのも原因の一つであろうかと思う。北極圏の交雑種は氷山の一角だと考えられていて、研究者によると、北極圏と亜北極圏のさまざまな海生哺乳類の間で、少なくとも34パターンの交雑がすでに起きていると言及されている。
     そんな感じで、人間が地球に与えた影響で、野生の生物たちが生き残りをかけて、遺伝子の取り込みをおこないはじめたのでは、というような話がたくさんでてくる。そして、直接的に遺伝子を弄って新種を生み出してもいるので、そちらのほうの説明にも多く割かれている。
    2004年に発表された、人懐っこい動物の選択交配がなぜ家畜化症候群の出現につながるかを説明する理論を提唱したが、神経堤とよばれる細胞の一群が鍵を握っていると考えられている。ペリャーエフのキツネの実験が紹介されていて、とてもわかりやすかった。脊椎動物の胚発生の途中で、神経堤の細胞は体のあちこちの部位に移動、そこで様々な種類の細胞や組織を形成する。耳、歯、色素産生などの他、副腎(闘争、逃走反応を司る)などとの繋がりも知られているらしい。理論の趣旨は、何世代にもわたって、従順さを選択してきた結果、神経堤になにかが起き、耳がきちんと形成されないため、垂れ耳になり、鼻面が伸びきらず、尾も伸びずに巻いた。色素産生細胞が成熟しなかったためまだら模様が生じる。副腎の発達が不十分で恐怖反応が薄れ、肉体的にも精神的にも不完全な発達の動物が誕生した。というような仮説。肉体的精神的に不完全な発達、というと子供、幼体ということで、これは愛玩動物としては有利な利点。
    そういえば、この本書を読んだ直後に、ヒューマニエンスというテレビ番組で、まさにここらへんのことが紹介されていて、タイミングの良さに驚いた。
     2018年にニュースになった、ニッカーズというホルスタインの話。オーロックスサイズに育って、食肉処理場の機械にフィットしなかったために、生き延びたとも言える個体。本当に凄まじく大きい。
     脱絶滅のためのクローン。CRISPRの活用についてもさっくりとわかりやすく書かれている。
    現在、哺乳類の25%、鳥類の14%、両生類の40%が絶滅の危機にあり、過去250年の間に失われた植物は600種にのぼる。つい今月にハシジロキツツキが絶滅と認定されたし、カタリーナパプフィッシュ、クリスマスアブラコウモリ、ブランブルケイメロミスなどもいなくなった。毎日30〜150の生物が絶滅していると言われている。もちろん、未調査だったり正式に”発見”されないままに絶滅するものもいる。
     DDTや殺虫剤に耐性のある蚊や、汚染に強いトムコッド、ピザやピーナツを消化できるように進化したセントラルパークのシロアシマウス、崩れやすい斜面や砂質の崖でなく、橋や高架、路側の排水溝に築巣するようになり交通事故を防ぐように翼を短く進化させたサンショクツバメ、ビルの壁面を登れるように進化したトカゲ、
     人間であることに非常に憂鬱になるが、知らねばならぬと感じる書籍であった。

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    2021年10月25日
  • 生命の歴史は繰り返すのか?―進化の偶然と必然のナゾに実験で挑む

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    糞面白!!
    収斂進化によって進化は決定論的だとする説と、そうではないう実験結果やカモノハシのような実例を上げ、解説するもの。
    この種の本としては専門的になりすぎず分りやすい。ワクワクするので、ページをめくる手がとめられなかった。
    進化について創作で設定を織り込みたいときは、収斂進化について、こんな感じの知識を仕入れておくと良いと思う。
    SFは特に。

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    2020年12月02日
  • 生命の歴史は繰り返すのか?―進化の偶然と必然のナゾに実験で挑む

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    淘汰圧、適応放散と収斂をキーワードに、従来再現実験が不可能と思われた進化の過程を実験で明かす斬新な試み。人間型の爬虫類や宇宙生命体の推察など知的好奇心を満足させる1冊。

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    2019年10月26日
  • 生命の歴史は繰り返すのか?―進化の偶然と必然のナゾに実験で挑む

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    進化の謎に迫る!イラスト入り(このイラストがまたいい)で具体的でここの科学者のプロフィールなど探検ものを呼んでいるような箇所もあり非常に面白かった.実験所かフィールドか,進化は収斂するのか.結果よりその過程にその努力情熱に感動した.

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    2019年10月08日
  • 生命の歴史は繰り返すのか?―進化の偶然と必然のナゾに実験で挑む

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    進化生物学の本です。ダーウィンは進化はゆっくり時間をかけてと唱えていたが、実際は早い進化もあったという話しでした。色んな実験が紹介されていて進化生物学という学問がどういうものなのか理解できるようになっています。収斂の事例がおもしろかった。にしても、この世界には収斂がたくさんある。トカゲの話しやネズミの色が変わる話し、グッピーの話しも興味深かった。外部環境によって進化するというのが良くわかりました。

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    2019年08月01日
  • 生命の歴史は繰り返すのか?―進化の偶然と必然のナゾに実験で挑む

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    オーストラリアでは有袋類が多様に進化し、他の大陸では有胎盤類の種として進化した動物によく似た動物が闊歩している。それぞれに適応放散し収斂進化した結果である。条件が同じであれば同じような進化を繰り返すのだろうか。ところが有袋類でもカンガルーは有胎盤類に似た種は見当たらない。進化の特異点となる。

    本書は進化の偶然と必然をテーマに、必然だとするサイモン・コンウェイ=モリスと偶然であるとするスティーヴン・ジェイ・グールドの主張を論評し、生命進化を観察と実験で明らかにしょうとする試みについて紹介する。ロソスは進化生物学は実験科学になりうると述べる。

    自然を観察する中で収斂進化の事例は沢山見つかる。本書によると多細胞生物から多細胞静物への進化は、動物で少なくとも動物で1回、菌類で6回、藻類で3回、細菌で3回起こっているらしい。しかし、だからと言っても進化の過程は必然とは言い切れない。DNAが解析できる現在ではシャーレの中で大腸菌などを使って遺伝子変化の過程を観察できる。大腸菌なので元になる大腸菌をある程度株分けしたものを冷凍保存しておくことで、同じ実験をリプレイすることも可能なのだ。

    リプレイしていく中で、同じような形質への進化であっても遺伝子レベルでは異なった変異なこともあり、また偶然の変異やいくつかの変異が順をおって起こらないと生じない適応形質がある事がわかる。進化は短期的には予測可能だが長い期間ではどんな偶然がおこるか判らないのである。

    地球外に知的生命体がいるかどうかはとても気になるテーマであるが、ロソスは否定的である。知性、自己認識能力は地球上では収斂進化したといえる。タコでもある程度の知性を持つし、鏡に映った自分をみてそれが自分だと判る動物も沢山いるようである。しかし、ヒトへの進化はアフリカでしか起こっていない。人がいなければ地球は猿の惑星になり得るか?小惑星衝突がなければ恐竜がヒトに進化していたか?

    本書では、進化生物学という分野をわかりやすく説明してくれ、こうした思考実験を楽し婿とができるのである

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    2019年05月12日
  • 親切の人類史――ヒトはいかにして利他の心を獲得したか

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    ポスト資本至上主義を考えようと選んだ一冊。日本の諺でも、「情けは人の為ならず」があるが、他者に親切にすることは、時代によっては生存確率を高めることさえあったわけで、これが遺伝的あるいは進化の過程として定着することでどんどん意識が高まってるような気がする。この本では、協力することで生存確率を高めていた狩猟民としての時代から、他の部族、他の国との争いに勝つため、そこから王や自分の所領の権威を高めるためとなり、宗教的な理由が重視されるようになり、人権や福祉の意識が高まるようになり、人だけでなく動物や自然そして地球の未来を考えるようになってきた、という大きな流れを解説してくれる。一方で、利他の意識が有効なのは、家族、親戚、何らかの共通点のある団体など、範囲が大きくなるにつれて薄くなる。このことが国際紛争の原因になったり、遠くの飢餓を無視できる根拠だったりする。なかなか難しい問題であるが、仕組みを理解することは大事。

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    2026年08月23日
  • まじめに動物の言語を考えてみた

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    オオカミ、イルカ、インコ、ハイラックス、テナガザル、チンパンジーらが言葉らしい音声を発しており、それらがヒトが使う言語とコミュニケートできるのかを、「まじめに」考察した著書だが、実験方法の確立からしてかなり難しいことは予想できる.ヒトのような音声を出すには解剖学的にかなり高度な構造を持つ必要があり、これらの動物たちがそのような咽喉を持っていない.また頭脳と言語の絡みもあり、一見話ができるように見えている事例の報告もあったが、やはりコミュニケーションを取ることは難しいというの結論のようだ.

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    2026年01月19日
  • Life Changing:ヒトが生命進化を加速する

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    <目次>
    第1章  おなかを見せたオオカミ
    第2章  戦略的ウシと黄金のヌー
    第3章  スーパーサーモンとスパイダー·ゴート
    第4章  ゲーム·オブ·クローンズ
    第5章  不妊のハエと自殺するフクロギツネ
    第6章  ニワトリの時代 
    第7章  シーモンキーとピズリーベア
    第8章  ダーウィンのガ
    第9章  サンゴは回復する
    第10章  愛の島 
    第11章  ブタと紫の皇帝
    第12章  新しい方舟

    <内容>
    予想以上に我々人類は、自然を改変していったことを知った。遺伝子組み換えの話なのかと思っていたが、いわゆる品種改良や自然を破壊した結果、そこにいた生物が、生き残るために自主的に?品種が変わった話など、目からうろこの話が多い。また最後の方では、自然を回復させつつ、そこにもともといた種を放牧し、そこから自然も回復させようという試みの話まで出てきて、人類の叡智もすごいと思うとともに、「種の保存」や「種の改変」は、どこが悪なのかもわからなくなってきた。

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    2022年11月05日
  • Life Changing:ヒトが生命進化を加速する

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    ネタバレ

    家畜化からゲノム編集まで。ともかく人間は迷惑なもののようだ。そうだよねえ、私が意識のある50年ですらこれほどに環境を改変しているのだから。

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    2021年10月17日
  • 生命の歴史は繰り返すのか?―進化の偶然と必然のナゾに実験で挑む

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    生物の進化について興味があったので読んでみた。
    結論的にいうと、前半部分(生き物の進化)については非常に面白かったが、後半部分(大腸菌などの微生物の進化)はちょっと難しく冗長に感じた。

    どのような生物でも同じような環境で暮らせば同じような進化をするのだろうか?
    本書では、そのようなテーマで生物の進化が論じられていく。
    語り口は素人にも分かりやすく、科学書といっても初学者でもきっちりと読みこなすことができる。

    本書で大きく扱われているのは『収斂化(しゅうれんか)』ということだ。
    収斂化とは、生物が互いに異なる性質などを持っていても環境によって変化し、最終的には、同質化・同等化・相似化していくということだ。
    例えば、哺乳類であるイルカやクジラが海の中で生活していくにつれ、魚類であるサメやその他の魚の形に似ていくということだ。

    それでは、すべての生き物の進化はこの「収斂化」で説明できるのだろうか。筆者はこれについては否定的な見解を示している。
    例えば、同じ地球環境でも状況によって「恐竜のような生物」が地球を支配したり、現在の「人間のような生物」が支配するなど、その進化の道筋は一つではないのだ。
    しかし、恐竜がもし絶滅しなかったら最終的には二足歩行の人間のような「恐竜人間(ディノサウロイド)」になったのではないかと昔は考えられていたが、現在の科学者は人類のようなヒューマノイドタイプではなく、鶏の羽が人間の腕のように進化し、脳が大きくなった「ニワトリ化け物」のような形に恐竜は進化したのではないかと想像している。非常に興味深い。

    そして、ダーウィンが予想した以上に生物の進化は早いということが分かった。
    イギリスで産業革命が起こった際、蛾の羽の模様がすぐに進化し、明るい色だった羽がすぐに進化し暗い色に変わったのだ。
    これは産業革命で空気が汚れ、木の色がくすみ、保護色であったはずのもともとの蛾の羽の色が明るい色では目立つようになってしまい、煙でくすんだ木の葉の色に対応した暗い色の羽の色にすぐに進化したのだ。

    生物の進化は生命の種族を絶やさないようにするため、すぐにその形態を変えることができるということは驚きの事実である。
    人間の歴史はまだ浅いが、あと数千後には驚くような進化を遂げているのかもしれない。

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    2020年01月18日