作品一覧

  • まじめに動物の言語を考えてみた
    3.0
    1巻2,860円 (税込)
    誰もが動物と会話したいと思っている。はたしてそれは可能なのだろうか。残念ながらこれまでの研究では明確な答えが出ていない。なぜなら、私たちはそれを調べる方法を間違えているからなのだ。  それを実現するには、動物が発する音(声)を調べて、それを人間の言葉に「翻訳」するのではなく、動物がなぜそのような行動をとるのか、その行動はどこから来るのか、そしてその行動を支えるために彼ら特有のコミュニケーションがどのように進化してきたのかを理解する必要があるのだ。しかも実験室の中ではなく動物たちが棲む本来の場所でのコミュニケーションを知らなければならないのだ。つまり、動物のコミュニケーションを彼らの視点から見ることが大事になる。  動物がしゃべるといっても、単純な要求に基づいて単純なコミュニケーションをしているのかもしれない。しかしそれこそが動物を理解する方法なのだ。なぜ動物が話すのか、話す必要があるのかを理解することで、初めて動物のコミュニケーションが理解できる。著者は自分自身のフィールドワークでの観察をもとに、動物の行動を科学的に明らかにしていく。

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  • ネコはどうしてニャアと鳴くの?: すべてのネコ好きに贈る魅惑のモフモフ生物学
    4.0
    1巻3,630円 (税込)
    進化生物学の第一人者であり大のネコ愛好家、ジョナサン・ロソスが贈るネコ本の決定版! トカゲ研究で名をはせた著者が、一緒に暮らすネコとの豊富なエピソードを交えながら、アフリカヤマネコから進化し家庭の一員となった過程を解説。最新の科学技術を駆使しながら、進化の歴史、そのユニークな行動や品種の多様さ、遺伝的特徴の秘密、そしてネコの未来までを解き明かします。ネコ好きの読者だけでなく、動物に興味のある人にも楽しめる一冊です。
  • 「絶滅の時代」に抗って――愛しき野獣の守り手たち
    -
    1巻4,180円 (税込)
    野生動物をどうまなざすか考えることは、わたしたちがどう振る舞うかを考えること。価値ある資源か、御しがたい厄介者か、はたまた守るべき隣人か。異なる価値観に翻弄されつつも、愛しき野獣を守ろうとした者たちの奮闘の歴史が、本書の主題である。これは、常識変遷のストーリーでもある。ほんの250年前、進化理論は影も形もなく、絶滅の概念さえおぼろげだった。ほんの100年前は、野生動物保護は狩猟のために行うのであって、オオカミやタカなどの捕食動物は駆除すべき害獣だった。そして、世界初の絶滅危惧種保護法が米国で成立したのが約60年前。それ以来、国際的な保護の機運が広がり、いまや「豊かな生物多様性の価値」は常識となりつつある。このような変化は、科学の発展によるところも大きい。だが、思想を深めた者、法に訴えた者、政治に働きかけた者、そして市民に広くよびかけた者なしには、決してありえなかったはずだ。レイチェル・カーソンやジュリアン・ハクスリー、アルド・レオポルドやウィリアム・ホーナデイなど、挫折や対立をものともせず「行動した者」たちが、今の常識を作ってきた。自然保護活動には、解決を待つ難題が山積みであり、昔も今も近道はない。先人たちや、今まさに現場にいる人々の奮闘を記した本書が羅針盤となり、これからも続く生物多様性保全の進展を導くだろう。
  • もしニーチェがイッカクだったなら? 動物の知能から考えた人間の愚かさ
    4.0
    1巻2,420円 (税込)
    動物にも意識があり、ほかの動物が死ぬと悲嘆にくれたり、相手を騙したりと知性があることがわかってきた。これまでは科学でも哲学でもヒトと動物は違うものとして考えてきたが、さまざまな研究から、程度は異なるもののこうしたヒトと同じ認識力があり、集団で生きる上での道徳さえもある。ではヒトと動物を比べてみたらどちらがより平和に暮らしているのだろうか。高度な能力を持つはずのヒトはなぜ不幸なのだろうか、その愚かさを明らかにする。

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  • 親切の人類史――ヒトはいかにして利他の心を獲得したか
    5.0
    1巻4,950円 (税込)
    人間の「利他の心」の存在はどのように説明できるだろう? 一筋縄ではいかないこの問いに、進化生物学と慈善の歴史という観点から挑みかかる。「利他行動」は生物学の難問の一つだ。ヒトをはじめ、他個体を利する行動をとる動物は実際に存在する。だがしかし、寛大にも他者を思いやる個体の遺伝子は、狡猾な個体に出し抜かれて繁殖機会を奪われ、淘汰されてしまうのでは? 生物学者たちはこのことにおおいに悩み、利他行動を説明できる理論を求めて奮闘してきた。ただし、人間の利他の心は、生物学だけで完全に説明することはできない。社会福祉制度や慈善活動などの方法で、血縁や地域を超えた「完全な赤の他人」にまで援助の手を差し伸べる動物は人間以外にいないのだ。ここには、何か特別な説明が必要になる。著者によれば、一万年の人類史における「七つの大いなる苦難」を、人類がどう解決してきたかが説明のカギだという。本書では、利他行動に関するいくつかの理論の要点とその妥当性を検討したのち、歴史を通して力を発揮してきた人間特有の能力を鮮やかに提示する。人類史上もっとも寛大な「思いやりの黄金時代」を生きる私たち。ここへ至るまでの道程を照らし出す、本能と理性のビッグヒストリー。
  • カタニア先生は、キモい生きものに夢中!
    4.5
    1巻2,530円 (税込)
    鋭い感覚の鼻をもつホシバナモグラから獲物を麻痺させるデンキウナギまで、生きものたちはユニークで並外れた能力をもっている。本書でカタニア先生は自然界で最も注目すべき「キモい」生きものを面白おかしく、そして魅力的に描く。触手のあるヘビ、小さなトガリネズミ、ゾンビをつくる“宝石バチ”などの行動の背後にある謎に光を当てる。これらの動物を研究することで、生命がどのように進化してきたかについて、深い洞察が得られるだけでなく、科学的発見がいかにワクワクして冒険と楽しみに満ちたものかを本書で示している。中学生・高校生から一般まで「研究すること」に興味のある人はぜひ読んでほしい。
  • Life Changing:ヒトが生命進化を加速する
    4.2
    1巻2,860円 (税込)
    ダーウィンはいった、「進化はゆっくり起こる」 だが、人間によって進化は急速に起こっている! 過去30億年、地球上の生命は自然の力によって形成されてきた。進化はゆっくりとしか起こらず、種は数千年にわたる自然淘汰でつくられた。数十万年前に「ホモ・サピエンス」が出現したことで、地球の自然史は突如として終わりを告げた。 私たちが生きる現代は、私たちの行動がすべての生命と絡み合い、ポスト自然の段階にある。野生動物は家畜化され、凶暴なオオカミはヒトの手をなめるイヌになった。ニワトリ (ブロイラー)は地球上で一番個体数の多い鳥になり、クローン馬でポロを競う。 気候変動は、ヒトや動植物にも多大な影響を与えている。ヒトの存在が、ある種の動物の進化を急速に進化させていることがわかってきた。勝手気ままに破壊を続けるヒトもいれ ば、一方で絶滅しかけの動物を救おうとする ヒトもいる。 進化の歴史から、遺伝子編集の技術にも言及 し、環境を破壊し続けた私たちヒトの責任を問う。明るい未来を子どもたちに引き継ぐために、私たちにできることとは・・・
  • 生命の歴史は繰り返すのか?―進化の偶然と必然のナゾに実験で挑む
    4.5
    1巻3,080円 (税込)
    ■地球の生命の歴史は、目を見張るような収斂の事例でいっぱいだ。眼や翼、木に登るトカゲは、何度も独立に進化した。一方で進化生物学者は、偶発性を示す例も数多く発見してきた。ランダムな遺伝的変異や、はるか昔のチョウの羽ばたきといった、ごくわずかな変化が、進化のたどる道筋をしばしば大きく書き換えた。この2つの力は、常に変わりつづける自然界で、それぞれどんな役割を果たしているのだろう? いま存在する動植物や、わたしたちヒトは、必然的に生まれたのか、それともたまたま運良く進化しただけなのか? ほかの惑星に存在する生命について、そこから何が言えるだろう? ■ジョナサン・ロソスは、進化生物学における最新のブレイクスルーが、いまなお続く科学界屈指の大論争にもたらした新たな知見を明らかにする。世界各地を訪れ、地球の生命史における最大のミステリーを、進化実験で解決しようと奮闘する研究者たちに出会う。ロソス自身も、このエキサイティングな新分野のリーダーのひとりだ。グッピー、ショウジョウバエ、細菌、キツネ、シカネズミ、そして彼自身のカリブの島じまのアノールトカゲの実験を通して、生命のテープのリプレイがおこなわれ、進化がきわめて急速に、また予測可能なかたちで起こりうることが明らかになる。 ■本書は、進化についての考え方や、議論のあり方を一変させるだろう。自然淘汰と進化的変化に関するロソスの洞察は、生態系の保護、食料供給の安定、有害なウイルスや細菌との闘いに、広く応用できる。臨場感たっぷりに描かれた、この進化をめぐる物語は、わたしたち人類について、そして自然界や宇宙における人類の役割について、新たな理解をもたらすものだ。

ユーザーレビュー

  • ネコはどうしてニャアと鳴くの?: すべてのネコ好きに贈る魅惑のモフモフ生物学

    Posted by ブクログ

    イギリス外飼いが多いのにびっくり。マンチカンについて、病弱なイメージあったけどそうでもないみたい。いろいろ勉強になりました。

    0
    2025年10月22日
  • もしニーチェがイッカクだったなら? 動物の知能から考えた人間の愚かさ

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    かなり面白かった。
    生物系の論文って、素人でも理解できて面白いものが多いけど、ひとつひとつ漁るのはさすがに骨が折れるからこういった1つのテーマに沿って色々な話を紹介してくれるる学術書の存在はほんとうにありがたい。

    ・イルカは死を認識できているが、『自らもいずれ死ぬ』という死の叡智には辿り着いていない。すべての動物の中でヒトだけが、死の不可避性を完全に認識できる

    ・死の叡智は、エピソード的未来予測の波及効果の避けられない帰結であり、ほかの認知能力と分かちがたく結びついている(つまり、「いずれ死ぬ」という懊悩だけ都合よく回避しつつ、他の認知能力を育てることはできない)

    ・ヒトの道徳的推論(た

    0
    2025年02月15日
  • 親切の人類史――ヒトはいかにして利他の心を獲得したか

    Posted by ブクログ

    1章から6章までは人間の利他行動に関する理論の要点とその妥当性を検証。ハミルトンの血縁淘汰と包括適応度、ウィン=エドワーズの群淘汰、マルチレベル淘汰とプライスの共分散方程式、アクセルロッド、アレキサンダーなどの互恵性理論など進化生物学の理論を手際よくまとめており、数学の知識が無い自分でも進化理論の進展についてポイントを摑めた気になった。
    この部分で特に印象深かったのはプライスの共分散定理。利他行動が優位となる淘汰の働きをたった一行の方程式にしてしまうのだから驚き。畏敬の念さえ覚える。
    また筆者はアレキサンダーなどの間接互恵性理論を現代人の利他行動を進化的に説明する概念として有望と評価している。

    0
    2024年04月04日
  • 親切の人類史――ヒトはいかにして利他の心を獲得したか

    Posted by ブクログ

    人間がいかにして利他的な心を持つようになったのか、歴史の大きな流れとともに考察していく一冊。

    気になっていた本だが、少し高めの価格にたじろぎながら、借りられるまで待ったが、借りられる期間である2週間で読み切るのはなかなか難しかった。

    読むこと自体はできても、理解するのにかなり苦労させられた。

    他人への寛大さは、一対一のものではなく、集団にとって利益になるからであり、また、他人への思いやりは「お返し」「インセンティブ」「活発な知的能力」「論理的思考」の四つからなっているそう。

    人間は様々な苦難を乗り越えながら、他人を思いやることが世界をより豊かにしていくことを学んでいった。もちろん、思い

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    2023年04月22日
  • 親切の人類史――ヒトはいかにして利他の心を獲得したか

    Posted by ブクログ

    他人に親切にするのは自分勝手な人にいいように使われ、進化の過程で不利だったのでは?
    赤の他人にまで親切するのはなぜか?って疑問に進化と歴史の観点から答えた一冊。

    進化の疑問には
    「互恵性」と「評判」の2つが生存に有利だったみたいな話がされている。

    赤の他人に親切にするのは、上記の本能的な進化では説明できず、苦難の歴史や理性で説明できる。

    思いやりは進化の過程で獲得したものだと思っていたが、実際は他者への思いやりは人間がより大きな集団になったときに初めて得た能力らしい。
    思いやり、共感は理性があれば広がると。

    実践理性と呼ばれる正しい選択と決断をする能力が、歴史上、他人への思いやりを広め

    0
    2023年04月04日

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