生命の歴史は繰り返すのか?―進化の偶然と必然のナゾに実験で挑む

生命の歴史は繰り返すのか?―進化の偶然と必然のナゾに実験で挑む

3,080円 (税込)

15pt

■地球の生命の歴史は、目を見張るような収斂の事例でいっぱいだ。眼や翼、木に登るトカゲは、何度も独立に進化した。一方で進化生物学者は、偶発性を示す例も数多く発見してきた。ランダムな遺伝的変異や、はるか昔のチョウの羽ばたきといった、ごくわずかな変化が、進化のたどる道筋をしばしば大きく書き換えた。この2つの力は、常に変わりつづける自然界で、それぞれどんな役割を果たしているのだろう? いま存在する動植物や、わたしたちヒトは、必然的に生まれたのか、それともたまたま運良く進化しただけなのか? ほかの惑星に存在する生命について、そこから何が言えるだろう?

■ジョナサン・ロソスは、進化生物学における最新のブレイクスルーが、いまなお続く科学界屈指の大論争にもたらした新たな知見を明らかにする。世界各地を訪れ、地球の生命史における最大のミステリーを、進化実験で解決しようと奮闘する研究者たちに出会う。ロソス自身も、このエキサイティングな新分野のリーダーのひとりだ。グッピー、ショウジョウバエ、細菌、キツネ、シカネズミ、そして彼自身のカリブの島じまのアノールトカゲの実験を通して、生命のテープのリプレイがおこなわれ、進化がきわめて急速に、また予測可能なかたちで起こりうることが明らかになる。

■本書は、進化についての考え方や、議論のあり方を一変させるだろう。自然淘汰と進化的変化に関するロソスの洞察は、生態系の保護、食料供給の安定、有害なウイルスや細菌との闘いに、広く応用できる。臨場感たっぷりに描かれた、この進化をめぐる物語は、わたしたち人類について、そして自然界や宇宙における人類の役割について、新たな理解をもたらすものだ。

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生命の歴史は繰り返すのか?―進化の偶然と必然のナゾに実験で挑む のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ 2022年05月21日

    "ありえなさげな運命:宿命と成算と進化の未来”
    めちゃ面白かった。良い原題ですねぇ。まあ起こらなさそうなデステニー(自分で切り開くというか、選択的な感じの運命)、フェイト(どうしようもない運命)、成算、それに進化の未来。わくわくするねぇ。5年ほど前の書籍なので、研究系としてはちょっと古いよ...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2019年10月26日

    淘汰圧、適応放散と収斂をキーワードに、従来再現実験が不可能と思われた進化の過程を実験で明かす斬新な試み。人間型の爬虫類や宇宙生命体の推察など知的好奇心を満足させる1冊。

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    Posted by ブクログ 2019年10月08日

    進化の謎に迫る!イラスト入り(このイラストがまたいい)で具体的でここの科学者のプロフィールなど探検ものを呼んでいるような箇所もあり非常に面白かった.実験所かフィールドか,進化は収斂するのか.結果よりその過程にその努力情熱に感動した.

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    Posted by ブクログ 2019年05月12日

    オーストラリアでは有袋類が多様に進化し、他の大陸では有胎盤類の種として進化した動物によく似た動物が闊歩している。それぞれに適応放散し収斂進化した結果である。条件が同じであれば同じような進化を繰り返すのだろうか。ところが有袋類でもカンガルーは有胎盤類に似た種は見当たらない。進化の特異点となる。

    本書...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2020年01月18日

    生物の進化について興味があったので読んでみた。
    結論的にいうと、前半部分(生き物の進化)については非常に面白かったが、後半部分(大腸菌などの微生物の進化)はちょっと難しく冗長に感じた。

    どのような生物でも同じような環境で暮らせば同じような進化をするのだろうか?
    本書では、そのようなテーマで生物の進...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2019年11月03日

    生命進化は、どこまでが必然で、どこまでが偶然なのか。そのテーマで書かれたのが、この本である。
    眼、翼、各種の防御機構、生物の持つ多くの機能は異なるパスで独立に進化してきた。基本でもある多細胞化も何度か進化したと言われている。いわゆる収斂進化であるが、自然界にはその収斂進化はあふれている。その観点から...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2019年07月15日

    進化は偶然か,必然か。収斂するのか,しないのか。そのミステリーに迫る。
    ラボを飛び出し,自然のフィールドを舞台にした進化研究の事例がおもしろい。
    動画や論文のQRコードリンクも理解を深めるのに助かる。

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    Posted by ブクログ 2019年09月12日

    進化を実験によって研究する分野があり、外圧があると進化は意外と短期間でも起こり得て、それは予測し得るというのがまず面白い。遺伝子的に違う種族でも、同じような環境では同じような形質に進化しがちで、中には見分けのつかない生物もいたりする(ウミヘビとか)というのもびっくりではある。
    科学者の著作だけど、内...続きを読む

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    ネタバレ

    Posted by ブクログ 2020年12月02日

    糞面白!!
    収斂進化によって進化は決定論的だとする説と、そうではないう実験結果やカモノハシのような実例を上げ、解説するもの。
    この種の本としては専門的になりすぎず分りやすい。ワクワクするので、ページをめくる手がとめられなかった。
    進化について創作で設定を織り込みたいときは、収斂進化について、こんな感...続きを読む

    0
    ネタバレ

    Posted by ブクログ 2019年08月01日

    進化生物学の本です。ダーウィンは進化はゆっくり時間をかけてと唱えていたが、実際は早い進化もあったという話しでした。色んな実験が紹介されていて進化生物学という学問がどういうものなのか理解できるようになっています。収斂の事例がおもしろかった。にしても、この世界には収斂がたくさんある。トカゲの話しやネズミ...続きを読む

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