藤沢周平のレビュー一覧

  • 用心棒日月抄

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    20120809 たぶん最初の藤沢作品、この後、いろいろな作品に入り込めた。最初にこの本で良かったと思う。

    20191201 令和になって再読。何度読んでも良い話は良い。忠臣蔵の時期に読み終えたのもタイムリーだった。シリーズを又読み直そうと思う。

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    2019年12月01日
  • 風雪の檻 獄医立花登手控え(二)

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    前作の最後で登(獄医師 立花登)によって、悪漢どもから救いだされた、従姉妹にして放蕩娘であった”おちえ”が すっかり しおらしくなって登場するのが笑える。事件が起こる度に、岡っ引きの藤吉親分と下っぴきの直蔵コンビから無償で助力を得たり、匕首を懐に飲んだヤクザ者を相手に、起倒流柔術の技だけを頼りに素手で戦ったりという、些かご都合主義的展開が続く。一応、捕り物帳の形式を踏んではいるが、事件の解決には重きを置いていない。藤沢文学は文体であり筋はワンパターンでも構わない。類似展開の繰り返しが麻薬的効果をもたらす。

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    2012年02月11日
  • 春秋の檻 獄医立花登手控え(一)

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    娑婆と牢内、二つの世界を行き来する主人公と、牢につながれた人々のそれぞれの物語を描く連作短編集。どこか幸せになりきれない話も多いけど、これでよかった、世の中こんなものなのかもしれない、と思わせる。

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    2011年09月04日
  • たそがれ清兵衛

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    登場人物ひとり一人が、なんとも味のある短編集。

    普通の人の生を一コマ覗かせてもらう。
    そんな感じがしました。

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    2011年08月13日
  • 闇の歯車

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    この時代は病だけじゃなく、いろんなことで死が近かった。
    あの600両はどこへ?
    もしかしたらこういうお金が「埋蔵金騒ぎ」の元になっていたりして。

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    2011年07月18日
  • 用心棒日月抄

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    やっぱ、カッコいいなぁ。

    ……おおっと!
    うっとりしているだけではありません。

    ワケあって国を出て浪人生活を送り、用心棒の仕事などを
    しながら日銭を稼いで暮らしている主人公・青江又八郎と、
    その周辺に見え隠れする赤穂浪士・敵の吉良の手の人々……

    歴史は「だれが良い者でだれが悪者」ということを決めてから
    語られるものですが、「良い者」として扱われるヒトにも「悪者」
    の側にさてしまったヒトにも、それぞれの正義があるんだな~と、
    読んでいてちょっと思いました。

    でもそれはそうと、やっぱりカッコいいです……

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    2019年01月16日
  • 春秋の檻 獄医立花登手控え(一)

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    主人公の獄医・立花登と、その居候先の娘・おちえとの仲が次第にニヤニヤした感じになっていくところが良い。初めは心底嫌っていたくせに気付けば…。

    登場人物の成長に一喜一憂できるのは長編の魅力。

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    2009年10月04日
  • たそがれ清兵衛

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    江戸時代の名もない剣士の物語が集められた短編集です。
     しかも、8人の剣士とも華々しい生活というよりも、ちょっと日陰な境遇の人達。ひっそりと生きる男たち。
     自分の力を誇ることなく、ひけらかすことなく、おごることなく生きるその姿こそ、まさに「卑怯」という言葉を一番に嫌う「武士道」そのもののように見えました。
     華美でなく、誇張しない文章からも、淡々とひたむきに生きた男たちの背中が見えてくるような気がしました。

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    2009年10月04日
  • 雪明かり

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     古さを感じさせない、美しい文章。読後に激烈な感情はなくて、なんとなくほんわかしたり、切なくなったり、そういう柔らかい感情を招き寄せてくれる。

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    2009年10月04日
  • たそがれ清兵衛

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    一昨年くらいに映画化され、ずいぶん話題になっていたのでためしに読んでみた。

    地方藩士の姿をうつした短編が8編入っている。
    あまり裕福でもなく、容貌も性格も地味だが筋の通った生き方をしている普通の人々の話だ。
    表題となった短編も、病気の妻を療養に出すため藩の政変で働く事になった「たそがれ清兵衛」と呼ばれる侍の話。
    彼らは静かに決まった仕事をこなし、仕事が終われば朋輩と飲みに行ったりする。藩とか侍というのは今でいう大企業と社員みたいなもんなのかなぁ、などと思う。
    かなり短いので、これで映画ができるのかと不思議に思ったけど、どうやらこの本の3つの短編が合わさって1本の映画になったようだ。

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    2009年10月04日
  • 雪明かり

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    短編小説がいくつか。そのどれもが切なくて、やるせなさがこみ上げてくる。もの悲しい物語の中に、人の情がやっぱりあたたかくって、じんじんしました。

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    2009年10月04日
  • 決闘の辻

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    剣豪たちの決闘や生きざまを描いた5編からなる短編集。お勧めは愛洲移香斎の短編。たぶん架空の人物・住吉波四郎が、父のかたき移香斎を求めて旅に出る話。兵法者の住む苛烈で荒涼とした世界を見た波四郎の決断がなんとも言えず良かった。

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    2009年10月04日
  • たそがれ清兵衛

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     藤沢周平の2冊目、やはり超娯楽作品で楽しめました。
     どの話も愛すべきキャラクターの設定で、しみじみ佳かったですが、私は最後の「祝い人助八」のラストシーンにグッときました。
     でも(どの話も)結局は「剣の力」で解決なんですよね。(時代劇だから仕方ないのかもしれないですが)
     「剣」の無い私は何で勝負できるかなぁ。
     勝負しなくても(勝てなくても)良いかぁ。命を取られることはないしね。
    【追記】
     調べてみたら映画「たそがれ清兵衛」では、「祝い人助八」のエピソードも組み込まれているらしいです。映画を見た方おられるかな?
     見ようか、見ない方が良いか迷っています。

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    2025年09月23日
  • たそがれ清兵衛

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    青山文平は藤沢周平に作風が似ている、との何かの記載をきっかけに。なげやり私、に最近なっているので、昔から人の悩みはあるよね、的なことを感じたくて手にとったのですが、体は鍛えておくべき、な内容であったので、自身の来し方を思うと、もうとりかえしがつかず。たそがれました。

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    2024年09月21日
  • 用心棒日月抄

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    以前、蝉しぐれの周辺を調べた際に、蝉しぐれの映画化の折に出版されたムック本で、作家たちが好きな藤沢作品は?ときかれて、この本を挙げるひとが多いのをみて、私も気になって読んでみた。
    事情があって脱藩した青江又八郎が、江戸に出て、ちょっとわけありな仕事斡旋業者、相模屋のタヌキ親父・吉蔵に頼んで、主に用心棒稼業を世話してもらいながら、そこでのアクシデントを体験していく連作集。
    そのなかで、浅野家の浪人たちが吉良邸への討ち入りを計画していることと関わっていく。
    同僚、細谷もユーモラス。全体にシニカルな明るさがある。
    デビュー以降、暗い作風が続いた藤沢作品が、ここから転換点を迎えたと表される作品で、確か

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    2022年08月14日
  • 市塵(下)

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    新井白石ってすごい人だったんだなぁ、というのが感想。
    下積みを経て徳川家宣に信頼され重用を受け幕府の頭脳とも言える働きをし家継の世もサポートして、白石がいなければ日本はどうなっていたのだろうと思わせる存在になりながら吉宗の世になると一気に凋落と言って良いような扱いを受けるようになる。弊履を捨つるが如き扱い。
    1人の人間の栄枯盛衰、かくも残酷なものか。

    講談社文庫で読んだので伊集院静さんの解説が巻末にあった。
    これが良い。
    藤沢周平ファンの思いを代表して語ってくれている。
    フランスの日本料理店で初めて藤沢周平さんの用心棒日月抄に触れてから一気にファンとなってのめり込んでいったエピソードには「そ

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    2021年09月16日
  • 長門守の陰謀

    匿名

    購入済み

    どれもしみじみとして味わい深い。
    「夢ぞ見し」昌江視点で語られ、非常にユーモアあふれ笑え最後はほのぼのさせられた。

    「夕べの光」女の幸せに揺れながらも血を分けた子でない幸助との母子生活に帰するさまが情感溢れる。

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    2022年12月28日
  • 用心棒日月抄

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    藩主暗殺の陰謀を知ってしまった故に許嫁の父を斬り脱藩、刺客に追われる身となった青江又八郎。
    江戸の裏長屋に暮らし、用心棒稼業で糊口をしのぐが、浅野内匠頭の刃傷事件からの浅野浪士討ち入りの噂が流布するにつれ、請け負う仕事に浅野、吉良両家の争いの匂いが立ち込める。
    10篇の連作は忠臣蔵に関わる浅野浪士の動きと心情をとらえている。

    そして青江個人は用心棒生活を続けるうちに時として感じる堅苦しい侍暮らしからの解放感と、そんな暮らしに満足してしまいそうな堕ちていく自分を良しとしないせめぎあいに心を痛める。
    許嫁の娘が自分を仇として討ちに来るならば討たれようという気持ちになる理由の一つにはそんな自分の人

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    2021年01月09日
  • レジェンド歴史時代小説 義民が駆ける

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    三方国替えの義民騒動を描く。庄内の百姓たちの計画的で、周到な準備のもとでの騒動がよく描かれている。決して英雄的というものでもなく、幕末の徳川末期の時代的背景も後押しての成功と思います。
    百姓たちの行動、気持ちがよく描かれています。

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    2020年11月16日
  • 風雪の檻 獄医立花登手控え(二)

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    2017.11.27 完了
    登氏は正義感が強いね
    江戸の男という感じ
    内容としては可もなく不可もなしという感じ

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    2017年12月01日