藤沢周平のレビュー一覧
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獄医立花登手控えシリーズ第3巻。《奈落のおあき》従姉妹ちえのグレ仲間で登に好意を寄せていたおあきをたどる編、《白い骨》入牢中の鋳かけ屋嘉吉が、登に頼んだ娘の重病を治してもらったお礼にと、未解決の3年前の1家7人殺しの情報をもらしたのだが、その直後牢の中で巧みに殺されてしまい登は、犯人を追って江戸の町...続きを読むPosted by ブクログ
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獄医立花登手控えシリーズ第2巻。シリーズの副タイトルが各「~檻」と重苦しいイメージが有りますが、柔術を得意とする熱血青年の成長を、豊かな人情味溢れる情景で描く作品。登の柔術道場仲間新谷弥助が姿を消した。その後、深川の遊所でよからぬ男たちと歩いているところを目撃されたという。行方を追う登の前に立ちはだ...続きを読むPosted by ブクログ
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獄医立花登手控えシリーズ第1巻・全四部作の市井物連作短編。NHKでドラマ化され主人公立花登に中井貴一がドラマデビューし、相手役従姉妹の小牧ちえ役に、当時ミノルタカメラのテレビCMで大反響となった女子大生タレントの宮崎美子が演じている。江戸小伝馬町の牢獄に勤める青年医師・立花登。居候先の叔父の家で口う...続きを読むPosted by ブクログ
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最後、泣きました。青年が大人になる、もう何の曇りもない若者では居られない、仲間で集まったあの気楽な日々は戻ってこない・・・と主人公が自覚するシーンが秀逸でした。いきものがかりの「Yell」の歌詞に通じるところがあるなあ。Posted by ブクログ
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牢医として獄に繋がれたものの生き様をみたり、一青年として将来をふと考えたり…その時代に、立花登、その人が本当にいたかのような描写にひきこまれる。Posted by ブクログ
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朝鮮使節の出来事が入ってきて、上巻以上に政治面が押し出されている。他の歴史小説にありがちな主人公を持ち上げすぎるところがなく、歴史研究家のように冷静に見つめている。これを読むと『蜜謀』がいかに政治の部分をテーマとして優先させていないかがよくわかる。文章については、この作者なので不満点は当然ない。Posted by ブクログ
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新井白石を主役にした歴史小説。白石を歴史上の人物として冷徹な視線で見つめる面と、この作者の持ち味である『いつの時代にも、どんな立場や生まれであっても人間は人間である』という面がしっかり書き分けられている。しかし政治の話が大半を占めているため、政治に興味のない方にはしんどいと思う。Posted by ブクログ
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立花登は、20代の若い町医者にして、獄医、そして柔術の達人という設定である。町医者だから底辺の庶民の暮らしの中にいる。獄医なので犯罪仲間や冤罪等々凡そ世の事件の様々に関わるし医師だから彼らの本音と向き合いやすい。そして柔術達人なので、危ない橋を自ら渡り早急な解決も可能である。尚且つ、若いので、熟れた...続きを読むPosted by ブクログ
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昔、ドラマもやっていたそうなので見てみたいな。
今回の主人公は医学を志す者であり、柔の達人でもある。
江戸の医療、どんなものだったのだろう。
そして牢獄という特殊な環境を舞台にしながらも、人情や駆け引きなど、盛り沢山で面白い。
どの話も一話完結だけれど、次へ次へと読み進んでしまいました。
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「獄医立花登手控え」シリーズ完結編。
最終話「別れゆく季節」より
幼馴染のおあきを賊の手から救い出し、おあきや、従妹のおちえとの若き日々が終わり登も大坂に医術を学びに旅立つ。
「若さに任せて過ぎてきた日々は終わって、ひとそれぞれの、もはや交わることも少ない道を歩む季節が来たのだ。おあきはおあきの道...続きを読むPosted by ブクログ -
各話区切りが良くて、少しずつ読み進められます。先に「刺客」を読んでしまったのですが、興が削がれることはありませんでした。忠臣蔵との関わりもあって、ハラハラドキドキがとまりませんでした。Posted by ブクログ
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1話完結でありながら、ストーリーも少しずつ進んで仕事も大きくなっていく。
最終的には自分の藩の問題も解決して、ラストのシーンは特に何かあるわけではないけれど、きれいに終わっていてかっこいい。Posted by ブクログ