藤沢周平のレビュー一覧

  • 用心棒日月抄

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    藤沢周平、用心棒もの、第一弾。雇われ用心棒の読み切りものかと思いきや、赤穂浪士の話に絡んで、数珠つなぎで物語が展開し、ワクワクする。

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    2015年09月11日
  • たそがれ清兵衛

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    始めて藤沢周平さんの作品を読みました。
    どれも勧善懲悪で読んでいて気持ちが良いものでした。
    特にそれぞれの短編ごとの作品名が好きです。音の響きが良いです。「たそがれ清兵衛」や「ごますり甚内」、「日和見与次郎」など、このように呼ばれている主人公たちが物語の中でどのように活躍するのか、読む前からわくわくしました。個人的に「うらなり与右衛門」と「ど忘れ万六」の終わり方がくすりと笑えて好きです。

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    2014年03月25日
  • 人間の檻 獄医立花登手控え(四)

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    ネタバレ

    獄医立花登手控えシリーズ第4巻完結。《女の部屋》病気の亭主に代って、店を取り仕切るおむらに挑みかかった槌屋彦三郎の頸をしめた手代新助は、情状を汲まれて八丈遠島と決まった。新助の身を案ずるおむら。裁きを終えた事件の裏に匂い立つ女の性。小伝馬町の牢内に沈殿する暗く悲しい浮世の難事を、人情味あふれる青年獄医がさわやかに解決する。だがある日、かつての捕物の恨みから、登の命をもらうと脅す男が現れた…。最終話《別れゆく季節》前巻から事件に巻き込まれたおあきも幸せをつかみ、登もついにちえとの距離がなくなり完結。

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    2013年11月17日
  • 愛憎の檻 獄医立花登手控え(三)

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    ネタバレ

    獄医立花登手控えシリーズ第3巻。《奈落のおあき》従姉妹ちえのグレ仲間で登に好意を寄せていたおあきをたどる編、《白い骨》入牢中の鋳かけ屋嘉吉が、登に頼んだ娘の重病を治してもらったお礼にと、未解決の3年前の1家7人殺しの情報をもらしたのだが、その直後牢の中で巧みに殺されてしまい登は、犯人を追って江戸の町を駆けることになるのだが…。叔父の代理を勤めさせられ世話になる叔父一家に不満を持っていた登が、心身共に十分に成長し起倒流の柔術の技と冴える推理で、捕り物に人情とミステリを上手く絡める次巻で完結は残念。

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    2013年11月17日
  • 風雪の檻 獄医立花登手控え(二)

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    ネタバレ

    獄医立花登手控えシリーズ第2巻。シリーズの副タイトルが各「~檻」と重苦しいイメージが有りますが、柔術を得意とする熱血青年の成長を、豊かな人情味溢れる情景で描く作品。登の柔術道場仲間新谷弥助が姿を消した。その後、深川の遊所でよからぬ男たちと歩いているところを目撃されたという。行方を追う登の前に立ちはだかる悪の背後に、意外や弥助の影があった。彼に何が有ったのか?。今回は道場仲間弥助の行方捜索、叔父の代わりに勤める獄医に持ち込まれた事件・登と従姉妹のちえの恋模様をうまく絡めた物語。時代物を意識せず読める。

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    2013年11月11日
  • 春秋の檻 獄医立花登手控え(一)

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    ネタバレ

    獄医立花登手控えシリーズ第1巻・全四部作の市井物連作短編。NHKでドラマ化され主人公立花登に中井貴一がドラマデビューし、相手役従姉妹の小牧ちえ役に、当時ミノルタカメラのテレビCMで大反響となった女子大生タレントの宮崎美子が演じている。江戸小伝馬町の牢獄に勤める青年医師・立花登。居候先の叔父の家で口うるさい叔母と驕慢な娘にこき使われている登は、島送りの船を待つ囚人からの頼みに耳を貸したことから、思わぬ危機に陥った。起倒流柔術の妙技とあざやかな推理で、獄舎に持ちこまれるさまざまな事件を解く。全巻購入分

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    2013年11月11日
  • たそがれ清兵衛

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     表題作は以前映画にもなった、有名な短編集。
     それぞれに腕に覚えはあるものの、剣豪などではなく、ひとかどの剣客と一目置かれているわけでもなく、小藩の下級武士として平凡な日々を送る主人公たち。すでに若くもなく、生活に追われ、修行からも遠ざかっていたはずの彼らが、それぞれよんどころない事情により、心ならずも再び剣を握る。
     刃一閃。そしてまた日常にかえっていく男たち。彼らがヒーローであり続けないことが、何より心に残る。

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    2011年12月01日
  • 人間の檻 獄医立花登手控え(四)

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    最後、泣きました。青年が大人になる、もう何の曇りもない若者では居られない、仲間で集まったあの気楽な日々は戻ってこない・・・と主人公が自覚するシーンが秀逸でした。いきものがかりの「Yell」の歌詞に通じるところがあるなあ。

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    2011年06月08日
  • 春秋の檻 獄医立花登手控え(一)

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    牢医として獄に繋がれたものの生き様をみたり、一青年として将来をふと考えたり…その時代に、立花登、その人が本当にいたかのような描写にひきこまれる。

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    2009年10月04日
  • 市塵(下)

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    朝鮮使節の出来事が入ってきて、上巻以上に政治面が押し出されている。他の歴史小説にありがちな主人公を持ち上げすぎるところがなく、歴史研究家のように冷静に見つめている。これを読むと『蜜謀』がいかに政治の部分をテーマとして優先させていないかがよくわかる。文章については、この作者なので不満点は当然ない。

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    2009年10月04日
  • 市塵(上)

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    新井白石を主役にした歴史小説。白石を歴史上の人物として冷徹な視線で見つめる面と、この作者の持ち味である『いつの時代にも、どんな立場や生まれであっても人間は人間である』という面がしっかり書き分けられている。しかし政治の話が大半を占めているため、政治に興味のない方にはしんどいと思う。

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    2009年10月04日
  • 闇の歯車

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    登場人物たちの人生の歯車が予期せぬ方向へ回っていく。はらはらどきどき。面白くてあっという間に読み終えました。

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    2009年10月04日
  • 長門守の陰謀

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    ネタバレ

    短編集。最後の表題作のみ史実系っぽいやつで、あとはいつもの下級藩士……ではなく、武士ですらない町人もの。

    下級藩士の妻が夫に文句を垂れる『夢ぞ見し』が『臆病剣松風』っぽいのだが、若侍の溝江との交流が良かった。
    極端に明るいとか暗いとかの話ではなく、小さな波が大きくうねって感じられるような話だったが、『長門守の陰謀』だけ浮いているな。なんで一冊にまとめたんだろう。

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    2025年08月27日
  • 用心棒日月抄

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    すぐれた時代エンタメ小説である。この人の小説の主人公はみな男らしくてやさしくて強い。その意味で安心して読める。

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    2025年08月18日
  • 用心棒日月抄

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    初めて藤沢氏の作品を読んだのですが、文字が小さくて辛いことはさておき、とても面白い。
    脱藩して江戸に出てきた浪人が、生活のために口入屋からもらう仕事は日当の高さから用心棒が多いのですが、何故かそこに赤穂浪人の姿がチラホラ見える。
    吉良邸への討ち入りが終わり、又八郎が国元に戻ると許嫁は恨むどころか祖母の世話をしながら帰りを待っていて、再仕官も叶い、何の問題もないはずなのに今後もシリーズが続くということは、国元で悲しい出来事が起こるのだろうか。
    魅力的な密偵おりんとの再会を期待します。

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    2025年08月04日
  • レジェンド歴史時代小説 義民が駆ける

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    すごい。天保一揆の農民のモチベーションが、藩の武士と思惑が一致し、幕府に運動を起こす。ここのところの本間家の動きは興味深い。

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    2025年06月18日
  • 愛憎の檻 獄医立花登手控え(三)

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    藤沢周平の連作時代小説『新装版 愛憎の檻―獄医立花登手控え〈3〉』を読みました。
    『麦屋町昼下がり』、『春秋の檻―獄医立花登手控え〈1〉』、『風雪の檻―獄医立花登手控え〈2〉』に続き、藤沢周平の作品です。

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    娘の病を治したお礼に未解決事件の情報を教えてくれた男が牢内で殺害される。
    悠々と出牢した犯人を追い、登は江戸の町を駆けるが。
    藤沢周平の代表的時代連作集「立花登」シリーズ全4巻の3巻目。

    医者になる夢を叶えるべく江戸に出た登を迎えたのは、はやらない町医者の叔父と、口うるさい叔母、驕慢な娘ちえ。
    居候としてこき使われながらも、叔父の代診や小伝

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    2025年01月04日
  • 人間の檻 獄医立花登手控え(四)

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    立花登は、20代の若い町医者にして、獄医、そして柔術の達人という設定である。町医者だから底辺の庶民の暮らしの中にいる。獄医なので犯罪仲間や冤罪等々凡そ世の事件の様々に関わるし医師だから彼らの本音と向き合いやすい。そして柔術達人なので、危ない橋を自ら渡り早急な解決も可能である。尚且つ、若いので、熟れた女房の女の匂いに敏感だったり、下宿先の姪となし崩し的に恋仲になったりする。清廉潔白のスーパーマンでないところに、読者の共感も得やすいだろう。本書が連作短編でありながら、四集まで続いたのも宜(むべ)なるかな。

    なし崩し的に三集までレビューしたので、最終巻まで付き合うことにした。最終巻なので、最初叔父

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    2024年04月22日
  • 決闘の辻

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    剣豪小説。決闘の場面、自然の表現がリアル。宮本武蔵の永雄らしからぬ人物像が固定観念を破る。
    2024.1.6

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    2024年01月07日
  • 春秋の檻 獄医立花登手控え(一)

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    昔、ドラマもやっていたそうなので見てみたいな。
    今回の主人公は医学を志す者であり、柔の達人でもある。

    江戸の医療、どんなものだったのだろう。
    そして牢獄という特殊な環境を舞台にしながらも、人情や駆け引きなど、盛り沢山で面白い。
    どの話も一話完結だけれど、次へ次へと読み進んでしまいました。

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    2023年10月14日