藤沢周平のレビュー一覧

  • たそがれ清兵衛

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    剣以外に特徴のある剣豪が、剣で問題を解決していく、短編。
    とりあえず、一話に一人は斬られる…。そのストーリー展開に慣れるまで、数話かかりました。
    江戸時代って、そういうものなんでしょう。
    慣れてくると、興味深く読めました。
    私が好きなのは、
    ど忘れ万六。定年後のおじさんが頑張る話。
    だんまり弥助。普段無口な男が理路整然と話して、周りを黙らせる、というのは、なんかカッコいい。

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    2023年01月15日
  • 人間の檻 獄医立花登手控え(四)

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    「獄医立花登手控え」シリーズ完結編。

    最終話「別れゆく季節」より
    幼馴染のおあきを賊の手から救い出し、おあきや、従妹のおちえとの若き日々が終わり登も大坂に医術を学びに旅立つ。
    「若さに任せて過ぎてきた日々は終わって、ひとそれぞれの、もはや交わることも少ない道を歩む季節が来たのだ。おあきはおあきの道を、おちえはおちへの道を。そして俺は上方に旅立たなければならぬ。」

    「春秋の檻」にはじまったシリーズの4作は立花登青春記だったな。

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    2022年08月30日
  • 用心棒日月抄

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    久々の藤沢周平作品。
    私の時代小説好きのきっかけは「蝉しぐれ」です。


    今作は、とある事件から脱藩することとなり、江戸で用心棒ぐらしをする浪人、又八郎の連作短編集。繋がっていないように見えて、赤穂浪士討ち入りの動きも見えてくるという構成。

    用心棒の又八郎、めっぽう強くて惚れぼれする。
    藤沢周平さんの描く武士たち、とにかくかっこいいんです。おちゃめな用心棒なかまの細谷との掛け合いもおもしろい。


    隠し剣シリーズを読み直したいよなあと思いながら最後まで読み進めてきたけど、なんとまあ、このシリーズも続きあるじゃん……

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    2022年08月13日
  • 用心棒日月抄

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    各話区切りが良くて、少しずつ読み進められます。先に「刺客」を読んでしまったのですが、興が削がれることはありませんでした。忠臣蔵との関わりもあって、ハラハラドキドキがとまりませんでした。

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    2022年05月11日
  • 長門守の陰謀

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    ネタバレ

     藤沢周平「長門守の陰謀」、2019.2発行、5話が収録。「夢ぞ見し」が一番のお気に入り。「春の雪」と「夕べの光」も楽しめました。

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    2022年01月11日
  • 用心棒日月抄

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    1話完結でありながら、ストーリーも少しずつ進んで仕事も大きくなっていく。
    最終的には自分の藩の問題も解決して、ラストのシーンは特に何かあるわけではないけれど、きれいに終わっていてかっこいい。

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    2022年01月08日
  • 風雪の檻 獄医立花登手控え(二)

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    久々に藤沢さんを堪能させて貰いました。
    兎に角文章に無駄が無く、昨今の作家には無い爽快感に浸れました。藤沢様、ありがとうございます♪

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    2021年12月12日
  • 風雪の檻 獄医立花登手控え(二)

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    (1)で止めようと思ったのだけど、ブリが付いてやめれなくなった。若いイケメン獄医と不良娘あがりの美人の従姉妹との進展も気になり、本巻はまるまる五つの短編を通して獄医の柔術仲間・新谷弥助の転落を後一歩で止めるという顛末も描かれていた。次第とシリーズモノらしき仕掛けも増えてくる。

    文庫うしろにある年譜を見ると、1978年「小説現代」に連載を始めた頃、藤沢周平は月に2つも3つも短編を書いていて「隠し剣」や「用心棒日月抄」シリーズを次々と産み出していた。80年6月に(1)を刊行、81年3月にこの(2)を刊行している。脂の乗り切った頃の作品である。

    それぞれに哀しい女が出てくる。
    悪人を避けて何度も

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    2021年10月03日
  • 愛憎の檻 獄医立花登手控え(三)

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    「獄医立花登手控えシリーズ」全四巻の第三巻です。
    起承転結に当てはめれば「転」のはずですが、むしろ少々中だるみ感が有ります。
    不良娘だった従姉妹のおちえもすっかり大人しく、悪く言えば平凡になり、口煩かった叔母も登に頼る事が多くなって、そのぶん登を大切にするようになって、なんだか淋しい(笑)。登の身辺が波立たなくなると、どうしても捕物要素頼りになってしまいます。
    代わってと言えば変ですが、おちえの友達が活躍。「片割れ」ではおちえの最近の友・おちかのとんでもない悪相の亭主が捕物を惑わせ、「奈落のおあき」では昔の友で登に懸想するおあきの転落が描かれます。
    とは言え、単純明快な捕物に仕立てること無く、

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    2021年06月08日
  • 風雪の檻 獄医立花登手控え(二)

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    「獄医立花登手控えシリーズ」全四巻の第二巻です。
    何度目かの再読です。新装版では無く、昭和58年の講談社文庫の第一刷。本は崩壊寸前です。
    主人公の登は牢医という仕事にもすっかり慣れ、時には与力にも強く抗議するまでになっています。また、蓮っ葉だった従姉妹のおちえは事件に巻き込まれた(前巻)事に反省したのか、次第に落ち着いてきます。なんと、これまで呼び捨てにしてたのが「登兄さん」と呼ぶようになり、登もまんざらでは無いようです。
    登と共に鴨居柔術道場の三羽烏の一人である新谷弥助の行状不良を背景にして、牢内の罪人たちの話を聞き、例によっておせっかいにも首を突っ込み、事件を解決して行く連作短編です。

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    2021年05月03日
  • 用心棒日月抄

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     許嫁由亀の父平沼喜左衛門を斬って、祖母を残し脱藩した青江又八郎26歳の江戸での用心棒として過ごす2年。
    妾宅の犬の番や大店の娘の送り迎え、そして浅野家、吉良家に関わる用心棒などを。夜鷹おさきの心意気に惚れ、おさきを殺した侍に仇を討つ男気も。国元の騒ぎを耳にし、家に帰れば、祖母の面倒を見ながら自分を待っている由亀が。藤沢周平「用心棒日月抄」、1981.3発行。

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    2021年04月06日
  • 春秋の檻 獄医立花登手控え(一)

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    「獄医立花登手控えシリーズ」全四巻の最初の作品です。
    医者になる夢を叶えるべく江戸に出た主人公の立花登を迎えたのは、はやらない町医者の叔父と、口うるさい叔母、驕慢な娘ちえ。叔父宅の居候として代診や小伝馬町の牢医者の仕事にこき使われる登は、一方で起倒流柔術・鴨井道場の高弟でもある。
    小伝馬町の牢を起点にした様々な事件を解決する捕物要素に加え、柔道の名手としてのアクション要素、全体としては青年医師・登の成長物語であり、また従姉妹のちえとの恋愛模様も有り、色んな要素を含むエンタメ系連作短編です。
    これらは『小説現代』に1979年1月号から1983年2月号まで連載され、連載中の1982年からはNHKに

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    2020年10月04日
  • 春秋の檻 獄医立花登手控え(一)

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    この医者無敵か!?と思うくらい、柔術が強い…
    やり切れない、なんでこの人がこんな目に…みたいな話が多いけれど、登場人物たちが魅力的で、軽快に読める。

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    2020年03月31日
  • レジェンド歴史時代小説 義民が駆ける

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    研究発表をする前に読むのはやめようと思っていたので
    学会が終わってやっと読みました。
    父をはじめ庄内の人達からいろんな思いを聞いていました。
    華々しい記録と共に、動員された百姓達がどれほど大変だったか。
    そうした中、なぜここまで農民が立ち上がったのか、藤沢さんの小説を読んでも答えは出ませんでした。
    宗教者側の動きも、いまだよくわからない。
    更なる課題を与えられたような気がしました。

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    2019年09月23日
  • 用心棒日月抄

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    藩の陰謀を偶然知ってしまったことから義父となる人を斬り、許嫁と祖母を置いて脱藩したお兄ちゃんが、江戸で用心棒をしてなんとか暮らしていくお話。

    短いお話が続いていく中で、藩が送ってきた刺客との対決や、赤穂浪士の討ち入り話がからんで、なかなか面白かったです。

    創作話だから歴史の勉強になるとかはないんだけれど、電車に乗っているときに読む本としては最適でした(笑)

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    2019年04月07日
  • 用心棒日月抄

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    内容紹介

    家の事情にわが身の事情、用心棒の赴くところ、ドラマがある。青江又八郎は二十六歳、故あって人を斬り脱藩、国許からの刺客に追われながらの用心棒稼業。だが、巷間を騒がす赤穂浪人の隠れた動きが活発になるにつれて、請負う仕事はなぜか、浅野・吉良両家の争いの周辺に……。江戸の庶民の哀歓を映しながら、同時代人から見た「忠臣蔵」の実相を鮮やかに捉えた、連作時代小説。

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    2018年07月27日
  • 市塵(下)

    購入済み

    心の修行でした。

    ようやく時間が出来て、65の手習い?として、落ち着いて本を読めるようになり、難しくはありますが、大変読みごたえがありました。藤沢周平の世界観といいますか、精緻な資料に基づいた構成と文章に、老いてからの心の修行をしている感を受けました。今後も読み続けたく思います。

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    2018年02月05日
  • 人間の檻 獄医立花登手控え(四)

    購入済み

    面白いよ

    時代物の本を買ったのは、初めてだったけど、読んでて面白いと思った。
    この本、シリーズものらしいから、他のも買ってみようと思ってる。
    事件が短編で書かれてるから、どこから読んでもいいっていうのも読んでて楽かな。

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    2018年01月15日
  • 用心棒日月抄

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    のっぴきならないワケがあって脱藩し浪人となった青江又八郎が、用心棒稼業を通じ、江戸で遭遇する事件の数々を描いた短編連作。青江が遭遇する事件すべてに赤穂浪士の討ち入りが絡んできて忠臣蔵アナザーストーリーになっているのが巧いし、スマート系(青江)×ワイルド系(細谷)のブロマンスなバディものとしても面白い。

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    2018年01月08日
  • 用心棒日月抄

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    すでにやっていると思うが、これを基にしてテレビ時代劇をリメイクしたいなと感じた作品。

    内容はやんごとない理由で脱藩した武士が江戸で用心棒を稼業とするなか、赤穂浪士の敵討ちが絡む痛快時代劇。
    出てくるキャラクターが存在感があり、それぞれのその後を追いたくなるぐらい魅力的だった。

    藤沢周平はやっぱり安定した面白さがあると再認識した。

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    2017年12月31日