藤沢周平のレビュー一覧

  • 風雪の檻 獄医立花登手控え(二)
    久々に藤沢さんを堪能させて貰いました。
    兎に角文章に無駄が無く、昨今の作家には無い爽快感に浸れました。藤沢様、ありがとうございます♪
  • 風雪の檻 獄医立花登手控え(二)
    (1)で止めようと思ったのだけど、ブリが付いてやめれなくなった。若いイケメン獄医と不良娘あがりの美人の従姉妹との進展も気になり、本巻はまるまる五つの短編を通して獄医の柔術仲間・新谷弥助の転落を後一歩で止めるという顛末も描かれていた。次第とシリーズモノらしき仕掛けも増えてくる。

    文庫うしろにある年譜...続きを読む
  • 愛憎の檻 獄医立花登手控え(三)
    「獄医立花登手控えシリーズ」全四巻の第三巻です。
    起承転結に当てはめれば「転」のはずですが、むしろ少々中だるみ感が有ります。
    不良娘だった従姉妹のおちえもすっかり大人しく、悪く言えば平凡になり、口煩かった叔母も登に頼る事が多くなって、そのぶん登を大切にするようになって、なんだか淋しい(笑)。登の身辺...続きを読む
  • 風雪の檻 獄医立花登手控え(二)
    「獄医立花登手控えシリーズ」全四巻の第二巻です。
    何度目かの再読です。新装版では無く、昭和58年の講談社文庫の第一刷。本は崩壊寸前です。
    主人公の登は牢医という仕事にもすっかり慣れ、時には与力にも強く抗議するまでになっています。また、蓮っ葉だった従姉妹のおちえは事件に巻き込まれた(前巻)事に反省した...続きを読む
  • 用心棒日月抄
     許嫁由亀の父平沼喜左衛門を斬って、祖母を残し脱藩した青江又八郎26歳の江戸での用心棒として過ごす2年。
    妾宅の犬の番や大店の娘の送り迎え、そして浅野家、吉良家に関わる用心棒などを。夜鷹おさきの心意気に惚れ、おさきを殺した侍に仇を討つ男気も。国元の騒ぎを耳にし、家に帰れば、祖母の面倒を見ながら自分を...続きを読む
  • 春秋の檻 獄医立花登手控え(一)
    「獄医立花登手控えシリーズ」全四巻の最初の作品です。
    医者になる夢を叶えるべく江戸に出た主人公の立花登を迎えたのは、はやらない町医者の叔父と、口うるさい叔母、驕慢な娘ちえ。叔父宅の居候として代診や小伝馬町の牢医者の仕事にこき使われる登は、一方で起倒流柔術・鴨井道場の高弟でもある。
    小伝馬町の牢を起点...続きを読む
  • 春秋の檻 獄医立花登手控え(一)
    この医者無敵か!?と思うくらい、柔術が強い…
    やり切れない、なんでこの人がこんな目に…みたいな話が多いけれど、登場人物たちが魅力的で、軽快に読める。
  • レジェンド歴史時代小説 義民が駆ける
    研究発表をする前に読むのはやめようと思っていたので
    学会が終わってやっと読みました。
    父をはじめ庄内の人達からいろんな思いを聞いていました。
    華々しい記録と共に、動員された百姓達がどれほど大変だったか。
    そうした中、なぜここまで農民が立ち上がったのか、藤沢さんの小説を読んでも答えは出ませんでした。
    ...続きを読む
  • 用心棒日月抄
    藩の陰謀を偶然知ってしまったことから義父となる人を斬り、許嫁と祖母を置いて脱藩したお兄ちゃんが、江戸で用心棒をしてなんとか暮らしていくお話。

    短いお話が続いていく中で、藩が送ってきた刺客との対決や、赤穂浪士の討ち入り話がからんで、なかなか面白かったです。

    創作話だから歴史の勉強になるとかはないん...続きを読む
  • 用心棒日月抄
    内容紹介

    家の事情にわが身の事情、用心棒の赴くところ、ドラマがある。青江又八郎は二十六歳、故あって人を斬り脱藩、国許からの刺客に追われながらの用心棒稼業。だが、巷間を騒がす赤穂浪人の隠れた動きが活発になるにつれて、請負う仕事はなぜか、浅野・吉良両家の争いの周辺に……。江戸の庶民の哀歓を映しながら、...続きを読む
  • 市塵(下)

    心の修行でした。

    ようやく時間が出来て、65の手習い?として、落ち着いて本を読めるようになり、難しくはありますが、大変読みごたえがありました。藤沢周平の世界観といいますか、精緻な資料に基づいた構成と文章に、老いてからの心の修行をしている感を受けました。今後も読み続けたく思います。
  • 人間の檻 獄医立花登手控え(四)

    面白いよ

    時代物の本を買ったのは、初めてだったけど、読んでて面白いと思った。
    この本、シリーズものらしいから、他のも買ってみようと思ってる。
    事件が短編で書かれてるから、どこから読んでもいいっていうのも読んでて楽かな。
  • 用心棒日月抄
    のっぴきならないワケがあって脱藩し浪人となった青江又八郎が、用心棒稼業を通じ、江戸で遭遇する事件の数々を描いた短編連作。青江が遭遇する事件すべてに赤穂浪士の討ち入りが絡んできて忠臣蔵アナザーストーリーになっているのが巧いし、スマート系(青江)×ワイルド系(細谷)のブロマンスなバディものとしても面白い...続きを読む
  • 用心棒日月抄
    すでにやっていると思うが、これを基にしてテレビ時代劇をリメイクしたいなと感じた作品。

    内容はやんごとない理由で脱藩した武士が江戸で用心棒を稼業とするなか、赤穂浪士の敵討ちが絡む痛快時代劇。
    出てくるキャラクターが存在感があり、それぞれのその後を追いたくなるぐらい魅力的だった。

    藤沢周平はやっぱり...続きを読む
  • 用心棒日月抄
    1978年初版の、藤沢周平さんの大人気時代小説。
    恐らく中学生くらいの頃に読んだのですが、30年ぶり?くらいの再読。
    某藩藩士の青江又八郎さんが主人公。

    藩内の陰謀(藩主の毒殺とか)を知ってしまって、首魁(藩の家老)に殺されかかって、反撃して殺してしまいました。
    そして面倒なことに殺した相手は、自...続きを読む
  • 闇の歯車
    藤沢周平の初期の少ない長編のひとつ。
    4人の男たちが、消えてしまった恋人、別れられない愛人や、病気の妻、などのしがらみから押し込みを働くのだが・・・。この作品も初期のものであり、全体に非常に暗いトーンで物語が流れていく。登場人物の一人一人が暗い影を持ち、題名のごとく闇の中にいる。一方すさんだ姿であ...続きを読む
  • 用心棒日月抄
    藤沢周平の作品は、映画「たそがれ清兵衛」(2002年 出演:真田広之、宮沢りえ)、「隠し剣 鬼の爪」(2004年 出演:永瀬正敏、松たか子)、「武士の一分」(2006年 主演:木村拓哉、檀れい)で観たことがあったが、小説を読むのは初めて。

    時代小説を読むのは、隆慶一郎がほぼ初めてだった、
    読むべき...続きを読む
  • 人間の檻 獄医立花登手控え(四)
    すべて読み終わってみて、感想を一言でいうと、さわやかな物語だった、ということ。

    小伝馬町の牢獄医師という主人公の設定の他に、4冊それぞれのタイトルに「檻」という単語が用いられているので、窮屈で真面目な話というイメージもあったのだが、そんなことはまったくなかった。

    なぜそういうタイトルにしたんでし...続きを読む
  • 風雪の檻 獄医立花登手控え(二)
    解説を読んだら、物語の主要な眼目がネタばれされていて、興覚め。

    しかもそれでもって作品を誉めたつもりになっている。

    こういうのって、サッカーの録画を見る前に結果を告げられるのと同様で、せっかくの楽しみがおじゃんである。
    物書きを生業とする人間が、その程度の最低限度のマナーをわきまえていないという...続きを読む
  • 愛憎の檻 獄医立花登手控え(三)
    主人公が江戸時代の牢獄医という設定から、暗くて陰惨な話が中心だろうとイメージしていたが、読後感はカラッとして明るい。

    おもわずニヤッとするやりとりがたくさん出てくる。

    この設定から、こういう楽しい読物を創り出すのは、作者の力量というほかない。