藤沢周平のレビュー一覧

  • 春秋の檻 獄医立花登手控え(一)

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    小説にもペース配分が必要。短編なら完全試合も狙えるが中編になると難しい。初回からのバッタバッタの三振奪取の挙句、後半完全にバテてしまった『遠い海から来たCoo』、余りにも感傷的な滑り出しの為、失速に気付かぬ裡に読み終わっていた『さらば甘き口づけ』。さて、本作であるが短編の名手 藤沢周平にしては至って平凡な出だし。世評に高い作品なのに何故?と思いつつ読み進めると、いつもとは違いゆっくりと江戸の町に引き込まれてゆく。そう言えば短編は短編でも、四巻本を成す連作集。ゆったりとした完投ペースで先ずは一巻目が終わる。

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    2012年02月11日
  • 市塵(下)

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    新井白石について知っていることといえば正徳の治という言葉くらいで、漠然とすごい人なんだろうとしか思っていなかった。市塵というタイトルの示す意味を知り、後世に伝わる偉人でも人間味ある人には違いないと思った。
    2012/1/26

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    2014年01月25日
  • 人間の檻 獄医立花登手控え(四)

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    獄医立花登手控えの完結編。
    過去の事件が蘇り、そして登とおちえは?

    用心捧日月抄 シリーズとは異なりこのシリーズは、よくも悪くも最後まで爽やかな風が吹く。

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    2011年10月03日
  • 春秋の檻 獄医立花登手控え(一)

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    全4巻。
    シリーズ物。
    獄医立花登手控え(四)まである。

    NHKで中井貴一がドラマデビューした作品の原作らしい。
    中井貴一まだ大学生。
    若い。

    それなりの野心もって田舎から出てきた主人公が
    牢獄の医者のバイトみたいなのやりながら
    いろんな事件に関わっていく、
    青春終わりめな年代の青春小説な感じ。


    なんか、普通。

    用心棒シリーズみたいな勢いは無く、
    市井ものみたいに暗くもなく、
    なんだかニュートラルな印象。

    主人公も、
    柔術強かったりってちょっと面白い設定なんだけど、
    ヒーローじゃなくてとても普通。
    それなりに野心もって上京してきたのに、
    日々の暮らしで少しずつ諦観していって
    これは

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    2011年09月26日
  • 愛憎の檻 獄医立花登手控え(三)

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    獄医立花登手控えの第三弾。

    この第三弾では、自らやっかいごとに首をつっこんで解決してゆくようなる登。医者としての性分か、正義感か。ものごとをうやむやにできない性格なのか。

    おちえとの仲も進展あり。

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    2011年09月17日
  • 風雪の檻 獄医立花登手控え(二)

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    獄医立花登手控えの第二弾。
    前作同様、おせっかいな立花登の周りで起こる様々な事件。おちえとの恋愛など読みどころ満載。

    4弾まであるので、青年医師の成長が今後も書かれてゆくと思われる。

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    2011年09月10日
  • 春秋の檻 獄医立花登手控え(一)

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    獄医 立花登が牢獄を舞台とした様々な謎を解いてゆく時代小説。全四冊からなる連作。

    藤沢作品の連作もこれが最後ではないかというぐらい読み進んできてしまった。残りの作品をしっかりと読んでゆこうと思う。

    武家ものと市井ものの丁度中間のような作品となっているので武家、市井ものが苦手な人も読むことができる。

    立花登がこの先、大人になってゆく過程が楽しみな作品。

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    2011年08月31日
  • たそがれ清兵衛

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    映画に感動したので原作が読みたくなりました。その様な人他にもいると思うのですが、”あり?”と思いませんでしたか?表題作は映画と比べて随分とあっけ ないのです。他の短編のエピソードも併せて映画化している様ですが、あの感動作にまとめ上げた脚本・監督はすごいな、と思ってしまいました。

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    2011年06月07日
  • たそがれ清兵衛

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    「たそがれ清兵衛」「ごますり甚内」「だんまり弥助」など
    あだ名をつけられ、変人扱いをされたり
    笑われたりしているけれど、実はすごい人だった。
    そんな話が8話集まった短編集。
    「かが泣き半平」「祝い人助八」がおもしろかった。

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    2010年02月01日
  • たそがれ清兵衛

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    表題作は映画にもなっております。
    短編集ですがどれも下級武士の生き様がサラリーマンとしての自分に重なったりして奥深い。
    私は武士のように奥ゆかしくないので上役にはむかったりもちろんいたしますが。

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    2009年11月23日
  • 春秋の檻 獄医立花登手控え(一)

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    医者である叔父の家に居候する、下級藩士の次男坊であり柔術の使い手でもあり、獄医を勤める主人公という設定。囚人の悩みや相談を自身の善悪の概念と葛藤しながらも巧みに解決していく様に、単純な勧善懲悪モノという線引きを安易に許さない人情味も感じたり。

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    2009年10月04日
  • たそがれ清兵衛

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    映画 になったよね。つか短編なんですよ、これも。武士の一分といっしょで。どんなふうに肉付けして引き伸ばしたのかなぁ。

    八篇の「たそがれ清兵衛」やら「うらなり与右衛門」やら○○ナントカみたいに 形容詞+名前 というタイトルの物語集。「だんまり弥助」とかもいい。「ど忘れ万六」なんかも味わい深いよねえ。「ごますり甚内」なんか世のリーマン層にウケそう。

    「たそがれ清兵衛」は夫婦愛が根幹なのよね。江戸時代って、男が女に愛情表現なんてできないような時代だけれども、そんな時代だからこそ、にじみ出るように感じる愛ってあるよね。藤沢作品、今後も読んでいきたいです。

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    2010年05月14日
  • 雪明かり

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    雪明かりというタイトルにふさわしい小品が集っている。

    しんしんと降る冷たさのなかで
    雪の美しさに心打たれるように
    貧しさの中で生きる人たちが
    特別なわけでもなくかなしくいとしく心ひかれる。

    生きることはつらくとも美しいのだなと息がもれた。

    星:★★★☆(3.4)

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    2009年10月04日