藤沢周平のレビュー一覧

  • 市塵(下)

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    朝鮮通信使や貨幣改鋳のくだりが少々冗長および予想通りの展開ということで少々★評価を落とす。
    結局白石の零落ぶりに品を見出すか否かでこの作品の印象は随分と変わってくるんだろうなと思うけれども、当方は自らの正義の貫徹を追求する求道者というより顕示欲にかき乱される俗な(あるいは普通の)お方といった印象を持ちましたな。
    間部詮房といい権力という悪魔に取り憑かれるということは人間の業そのものなのかもしれません。

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    2015年07月04日
  • 市塵(上)

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    ★評価は再読後に。
    新井白石を主人公として、いや、登場人物として扱った小説って読んだことあったかなぁ?少なくとも当方にとっては珍しい訳ですが、この作家の文体というか佇まいにマッチしていてなかなか面白く読んでおります。
    白石については享保の改革前の停滞期の政治家みたいな印象を遠い昔に日本史の教科書で植えつけられたきりもあって、本作凄く新鮮で刺激的であります。
    それにしても教科書ってやはり危険な代物、当方のような浅い人間を時の為政者の思うがままに簡単に操作できる手段な訳だから。本作の林家の描写にも繋がるようで、おそらくは作家の意図とは違うところでも当方には響いてくる上巻です。さて下巻でどうなることやら、この作家であれば何となく結末は分かるような気はしますが、楽しみに進みませう。

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    2015年07月04日
  • 人間の檻 獄医立花登手控え(四)

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    シリーズ最終巻。
    子供が攫われ、身代金を払っても遺体で発見されるという痛ましい事件があり…。

    牢医のまま終わるのかと思っていた。自分も先々のことを考えて動き出さないといけないなと考えさせられました。

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    2012年11月21日
  • 人間の檻 獄医立花登手控え(四)

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      前にも読んだ気がするけどと思いつつ読んだ。たぶんもう一度読んでも前にも読んだ気がすると思いながら読むだろう。そんな話。
     ごく普通の町の人たちの物語。登が牢医で人情があるため囚人が気を許して犯罪の端っこの方を語ることが事件解決の糸口になっていく。何気ない話だけれど、登の人情がほっとさせてくれる。さすが藤沢周平さんだと思う。
    けれどもインパクトがないので絶対にすぐに忘れると思う。

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    2012年11月12日
  • 愛憎の檻 獄医立花登手控え(三)

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    獄医シリーズの第3弾。

    1、2巻はさほど印象に残るシーンもなく読み終えてしまったが、この巻はなんともいえない切なさが感じられた。
    罪人となってしまった人々の悲哀が胸に迫る。

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    2012年11月05日
  • 風雪の檻 獄医立花登手控え(二)

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    獄医として働く登は、懲りることなく囚人の声に耳を貸し、自ら騒動の渦中へと乗り込んでいく。
    前巻で救われた従妹のおちえが随分と大人しくなっていた。この調子だとそのまま夫婦になるのかな。

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    2012年10月04日
  • 春秋の檻 獄医立花登手控え(一)

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    ネタバレ

    立花登は町医者である叔父の元に居候しているが、怠け者の叔父の代わりに代診だけではく獄医の仕事まで押し付けられてしまった。まだ若い登は罪人達の言葉を聞き流すことが出来ず…。「雨上がり」「善人長屋」「女牢」「返り花」「風の道」「落ち葉降る」「牢破り」の八編からなる短編集。

    やわらの達人である登が格闘するシーンが熱い。でも、藤沢周平の書く獄医の話!おもしろそう!と読む前からの期待が大きすぎたのか、あまり印象に残りませんでした。読者を江戸の世界に引き込む巧さはさすがの一言。2巻以降の展開に期待します。

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    2012年08月27日
  • たそがれ清兵衛

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    一見、風采の上がらない貧乏武士や嫁に冷遇される隠居。
    しかしその剣の冴えたるや…
    剣技をひけらかすことなく、淡々と剣を振るう姿がまた粋である。

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    2012年08月26日
  • 春秋の檻 獄医立花登手控え(一)

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    小説にもペース配分が必要。短編なら完全試合も狙えるが中編になると難しい。初回からのバッタバッタの三振奪取の挙句、後半完全にバテてしまった『遠い海から来たCoo』、余りにも感傷的な滑り出しの為、失速に気付かぬ裡に読み終わっていた『さらば甘き口づけ』。さて、本作であるが短編の名手 藤沢周平にしては至って平凡な出だし。世評に高い作品なのに何故?と思いつつ読み進めると、いつもとは違いゆっくりと江戸の町に引き込まれてゆく。そう言えば短編は短編でも、四巻本を成す連作集。ゆったりとした完投ペースで先ずは一巻目が終わる。

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    2012年02月11日
  • 市塵(下)

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    新井白石について知っていることといえば正徳の治という言葉くらいで、漠然とすごい人なんだろうとしか思っていなかった。市塵というタイトルの示す意味を知り、後世に伝わる偉人でも人間味ある人には違いないと思った。
    2012/1/26

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    2014年01月25日
  • 人間の檻 獄医立花登手控え(四)

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    獄医立花登手控えの完結編。
    過去の事件が蘇り、そして登とおちえは?

    用心捧日月抄 シリーズとは異なりこのシリーズは、よくも悪くも最後まで爽やかな風が吹く。

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    2011年10月03日
  • 春秋の檻 獄医立花登手控え(一)

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    全4巻。
    シリーズ物。
    獄医立花登手控え(四)まである。

    NHKで中井貴一がドラマデビューした作品の原作らしい。
    中井貴一まだ大学生。
    若い。

    それなりの野心もって田舎から出てきた主人公が
    牢獄の医者のバイトみたいなのやりながら
    いろんな事件に関わっていく、
    青春終わりめな年代の青春小説な感じ。


    なんか、普通。

    用心棒シリーズみたいな勢いは無く、
    市井ものみたいに暗くもなく、
    なんだかニュートラルな印象。

    主人公も、
    柔術強かったりってちょっと面白い設定なんだけど、
    ヒーローじゃなくてとても普通。
    それなりに野心もって上京してきたのに、
    日々の暮らしで少しずつ諦観していって
    これはこれでいっかみたいになってく感じとか、
    凄くリアルに普通だなあと思った。

    登場人物も家族とかはアクが強くて魅力的なキャラなんだけど、
    忘れられてくキャラとかもいるし、
    シリーズ通して1本って見ると
    物足りない感じがある。


    でもきっと
    この普通が描きたかったんかなとも思った。


    最終話は爽やかでなんかぐっときた。

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    2011年09月26日
  • 愛憎の檻 獄医立花登手控え(三)

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    獄医立花登手控えの第三弾。

    この第三弾では、自らやっかいごとに首をつっこんで解決してゆくようなる登。医者としての性分か、正義感か。ものごとをうやむやにできない性格なのか。

    おちえとの仲も進展あり。

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    2011年09月17日
  • 風雪の檻 獄医立花登手控え(二)

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    獄医立花登手控えの第二弾。
    前作同様、おせっかいな立花登の周りで起こる様々な事件。おちえとの恋愛など読みどころ満載。

    4弾まであるので、青年医師の成長が今後も書かれてゆくと思われる。

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    2011年09月10日
  • 春秋の檻 獄医立花登手控え(一)

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    獄医 立花登が牢獄を舞台とした様々な謎を解いてゆく時代小説。全四冊からなる連作。

    藤沢作品の連作もこれが最後ではないかというぐらい読み進んできてしまった。残りの作品をしっかりと読んでゆこうと思う。

    武家ものと市井ものの丁度中間のような作品となっているので武家、市井ものが苦手な人も読むことができる。

    立花登がこの先、大人になってゆく過程が楽しみな作品。

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    2011年08月31日
  • たそがれ清兵衛

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    映画に感動したので原作が読みたくなりました。その様な人他にもいると思うのですが、”あり?”と思いませんでしたか?表題作は映画と比べて随分とあっけ ないのです。他の短編のエピソードも併せて映画化している様ですが、あの感動作にまとめ上げた脚本・監督はすごいな、と思ってしまいました。

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    2011年06月07日
  • たそがれ清兵衛

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    「たそがれ清兵衛」「ごますり甚内」「だんまり弥助」など
    あだ名をつけられ、変人扱いをされたり
    笑われたりしているけれど、実はすごい人だった。
    そんな話が8話集まった短編集。
    「かが泣き半平」「祝い人助八」がおもしろかった。

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    2010年02月01日
  • たそがれ清兵衛

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    表題作は映画にもなっております。
    短編集ですがどれも下級武士の生き様がサラリーマンとしての自分に重なったりして奥深い。
    私は武士のように奥ゆかしくないので上役にはむかったりもちろんいたしますが。

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    2009年11月23日
  • 春秋の檻 獄医立花登手控え(一)

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    医者である叔父の家に居候する、下級藩士の次男坊であり柔術の使い手でもあり、獄医を勤める主人公という設定。囚人の悩みや相談を自身の善悪の概念と葛藤しながらも巧みに解決していく様に、単純な勧善懲悪モノという線引きを安易に許さない人情味も感じたり。

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    2009年10月04日
  • たそがれ清兵衛

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    映画 になったよね。つか短編なんですよ、これも。武士の一分といっしょで。どんなふうに肉付けして引き伸ばしたのかなぁ。

    八篇の「たそがれ清兵衛」やら「うらなり与右衛門」やら○○ナントカみたいに 形容詞+名前 というタイトルの物語集。「だんまり弥助」とかもいい。「ど忘れ万六」なんかも味わい深いよねえ。「ごますり甚内」なんか世のリーマン層にウケそう。

    「たそがれ清兵衛」は夫婦愛が根幹なのよね。江戸時代って、男が女に愛情表現なんてできないような時代だけれども、そんな時代だからこそ、にじみ出るように感じる愛ってあるよね。藤沢作品、今後も読んでいきたいです。

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    2010年05月14日