四季大雅のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
〈僕らは薄闇の街へと、一緒に歩き出した。街には不気味なくらい人気がなかった。誰ともすれ違わない。まるでこの世界にふたりだけになったみたいに。ミリがそういう未来を選んで歩いているのだとわかった。〉
コロナ禍の真っただ中に東京にある国際仙庵大学に入学した紙透窈一は、警察官の拳銃紛失のニュースを聞いた直後に、銃声と女性の悲鳴を聞く。現実か夢なのか。境目の曖昧な感覚の中で、窈一は猫の瞳を覗き込む。世界が切り替わる。瞳を覗き込むことで他者の過去の記憶の光景を視ることのできる能力を持つ窈一はそこで、今までにない体験をする。過去の光景にしかいないはずの少女が、窈一に語りかけてきたのだ。「未来が視える」と -
ネタバレ 購入済み
観測できて理論に裏打ちされた事しか信じられない主人公・ハカセ、そして人間関係的にでは無く物理的に無重力になってしまうヒロイン・宇良々川さん、その他にも現実と乖離した世界で動けてしまう仲間たち。
鳥人間コンテストで現実的な苦悩を綴るのかと思ったら、この著者の過去作同様になかなかにぶっ飛んだ世界感と描写に置いてけぼりを喰らった感じ…。
「言葉では表せない真実がある」って感じなのかな~と思いつつ、小説という媒体を否定しているとも取れる難解な進行、でも不思議と腑に落ちるところもある作品でした。 -
Posted by ブクログ
めっっっちゃ良かった。
序盤は就職先でパワハラに遭い
実家に帰ってきた女の子めだか。
実家のバスタブを住みやすくカスタムし、そのうち配信ユーチューバーになっていって、、、
で、こっから先はこれではイカン、と自分なりに立ち上がって再生していくストーリーだろうと思ってたけど、まぁ、最終的には立ち上がるんだけど、途中のストーリーがまぁ
シュール。
でもそれがおもしろくて考えさせられる事もあり、つい人にお勧めしたいなぁと思った。
バスタブで暮らすって、そんなに快適か?と思うけど一人になりたい時は狭い空間でフタを閉じてすべてシャットアウト!できたらいいのだけど。
最後に主人公のめだかもそうだけど
家 -
ネタバレ
『バスタブで暮らす』を読み、四季大雅さんという作家さんを知り、そして手に取った一冊。
生物の眼に宿った過去の記憶を見る事ができる青年と、未来視の能力を持った少女が、猫の瞳を介して繋がる一風変わった設定に最初は途惑いました。
しかし、読み進めるとスルスルと心に染込んでくる、特徴は無さげでも多分独特な文体。
そして、青年か少女のどちらかしか生き残れない運命で、それを避けようとして迷い込んだ連続殺人事件の渦中に入り込むルート。
3年前に死んだ事になっている少女を取り戻そうとする青年。
なのに、サスペンスじゃない? -
Posted by ブクログ
ネタバレ近年読んだ本の中でも、素晴らしい作品でした
ライトノベルでカテゴライズされているので
文体は読みやすく、するすると文章が入ってくるのですが
内容は文学の要素が強いと思います
主人公は大人になりきれない、生き辛さを抱えた女の子なのですが
私は母の視点で読んでました
ここからネタバレ含んだ感想です
かなり良い本ですので、是非読んだ後で見てください
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母視点で読んでます
ブラック企業に就職して心を病み、絶対安全地帯のバスタブに引きこもってしまった娘
たぶん家族はめだかの心を守るため
いつも通り接して、いつも通り過ごそうと
暗黙の了解があったんでしょうね
ホント -
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