四季大雅のレビュー一覧

  • わたしはあなたの涙になりたい

    Posted by ブクログ

    なんて素敵な話だろう。美しくて切なくて本を綴じてからしばらくの間放心していました。生きることの素晴らしさと辛さ、喪失によって空いた心を埋めることの難しさ、何事もコンテンツとして消費してしまうことの是非など、様々なことを考えさせられる物語でした。到底、言葉では表し尽くせない作品です。素敵な話を書いてくれた四季先生に感謝をお伝え致します。

    0
    2025年08月03日
  • わたしはあなたの涙になりたい

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    美しい物語だった。
    所々作者の考えの芯のようなものが見え隠れして情熱が伝わってきた。
    2人が幼少期から大人になるまでの全てを物語に起こしているので当然ではあるが、それ以上に彼らの人生の全てを綴っているように感じた。それが登場人物の心の深みを生み出していて、まるで仲のいい友達の話を聞いているかのようだった。
    細々とした比喩も綺麗で、コミカルな擬音も物語の可愛らしさを演出していて読んでいて楽しかった。
    この本は長い間心の片隅に残り続けると思う。美しい作品に出会えてよかった。

    0
    2025年07月31日
  • わたしはあなたの涙になりたい

    Posted by ブクログ

    すごく、優しい物語だった。
    最初は、穏やかなラブコメかなぁ、なんて思っていたけど愛する人の存在やそれを失うということ、徐々に重くなっていくけれど深いものが感じられた。
    八雲くん、よく前に進めたと思う。すごい。あなたの明日が健やかになりますように、なんて優しい言葉だろう。救われる思いだった。

    0
    2025年06月17日
  • バスタブで暮らす

    Posted by ブクログ

    あたたかくて、どこかひんやり涼しくて、優しくて、温もりを抱きしめてるような感覚になった。なんと表せばいいのかはわからない。だけど、家族のなんとも言えない何かが寄り添うような不思議な物語だった。
    追記:一日だけでも、少しの時間だけでもバスタブで暮らしてみたい。

    0
    2025年05月26日
  • わたしはあなたの涙になりたい

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    とても綺麗な話だった。題名の理由に涙した。キーワードも特殊設定も上手く生きてる。体が塩になる病気が登場する小説はあったけれどこれは完全に別物。現代社会にうまく溶けてる。自分が福島県出身故に『そうなるか…?』みたいな疑問は残ったけれどご愛嬌。ピアノの美しさや引用されている過去の方達が主人公に反映されてていい。『物語化』をひとつの物語で語るのが好き。人生がコンテンツになってしまうこと、それを消費してしまうことへの提示が鮮やか。最後のビデオが別れと未来を象徴していて辛くも美しい。すごく、小説を書きたくなった。

    0
    2025年04月06日
  • バスタブで暮らす

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    予想外のハートフルストーリー。家族愛ってすごい。
    就活に失敗して実家に出戻り、バスタブに籠ってVTuber活動を始めるという流れで物語が進むが、その字面からは想像できないくらい、深くて温かい話だった。
    良い意味でラノベらしくないと思った。
    でもラノベみたいな読みやすさは備えつつ、~のパラドックスみたいな心理学?とかの内容を取り込んだり、色んな心理描写があったりでユニークな文章で飽きない。

    0
    2025年02月13日
  • ミリは猫の瞳のなかに住んでいる

    Posted by ブクログ

    〈僕らは薄闇の街へと、一緒に歩き出した。街には不気味なくらい人気がなかった。誰ともすれ違わない。まるでこの世界にふたりだけになったみたいに。ミリがそういう未来を選んで歩いているのだとわかった。〉

     コロナ禍の真っただ中に東京にある国際仙庵大学に入学した紙透窈一は、警察官の拳銃紛失のニュースを聞いた直後に、銃声と女性の悲鳴を聞く。現実か夢なのか。境目の曖昧な感覚の中で、窈一は猫の瞳を覗き込む。世界が切り替わる。瞳を覗き込むことで他者の過去の記憶の光景を視ることのできる能力を持つ窈一はそこで、今までにない体験をする。過去の光景にしかいないはずの少女が、窈一に語りかけてきたのだ。「未来が視える」と

    0
    2025年02月13日
  • バスタブで暮らす

    Posted by ブクログ

    ラノベ、舐めていたかもしれない。ごめんなさい。
    絵が素敵すぎる。青基調だけど暖かみも感じられる、ずっと眺めていられる絵。
    社会と家族、そして個人という人間への考え方、在り方などが想像したこともないようなものだったり、読むたびに思い描かれる情景が適切な言葉が出ないほど胸にくるものだったり…
    家族って、こんなにもいいものなんだと感じられた一冊だった。
    私には、この本が必要だ。

    0
    2025年01月06日
  • クラスで浮いてる宇良々川さん

    ネタバレ 購入済み

    観測できて理論に裏打ちされた事しか信じられない主人公・ハカセ、そして人間関係的にでは無く物理的に無重力になってしまうヒロイン・宇良々川さん、その他にも現実と乖離した世界で動けてしまう仲間たち。

    鳥人間コンテストで現実的な苦悩を綴るのかと思ったら、この著者の過去作同様になかなかにぶっ飛んだ世界感と描写に置いてけぼりを喰らった感じ…。
    「言葉では表せない真実がある」って感じなのかな~と思いつつ、小説という媒体を否定しているとも取れる難解な進行、でも不思議と腑に落ちるところもある作品でした。

    0
    2024年12月26日
  • バスタブで暮らす

    Posted by ブクログ

    めっっっちゃ良かった。
    序盤は就職先でパワハラに遭い
    実家に帰ってきた女の子めだか。
    実家のバスタブを住みやすくカスタムし、そのうち配信ユーチューバーになっていって、、、

    で、こっから先はこれではイカン、と自分なりに立ち上がって再生していくストーリーだろうと思ってたけど、まぁ、最終的には立ち上がるんだけど、途中のストーリーがまぁ
    シュール。
    でもそれがおもしろくて考えさせられる事もあり、つい人にお勧めしたいなぁと思った。
    バスタブで暮らすって、そんなに快適か?と思うけど一人になりたい時は狭い空間でフタを閉じてすべてシャットアウト!できたらいいのだけど。

    最後に主人公のめだかもそうだけど

    0
    2024年08月17日
  • バスタブで暮らす

    ネタバレ

    感想をどう書いても野暮になりそうで、この読了感を何か言い表せれる言葉を見付けられませんが、現実感を伴った夢遊感と寂寥感に喜びや悲しみや哀愁が混ざり合った心象風景の描写に妙な立体感、って書いてて自分でも分からなくなります。

    この心境の分からない「へのへのもへ人」な人たちには理解されない作品なんでしょうか?
    それとも「へのへのもへ人」逹も社会の軋轢の中で再造形されてしまっただけなのか…。
    磯原めだかはどうにかして再起できたけど、月見里さんは大丈夫だったんだろうか?
    日村さんは見切りが早かった分、きっと大丈夫…?

    #共感する

    0
    2024年07月28日
  • ミリは猫の瞳のなかに住んでいる

    ネタバレ

    『バスタブで暮らす』を読み、四季大雅さんという作家さんを知り、そして手に取った一冊。

    生物の眼に宿った過去の記憶を見る事ができる青年と、未来視の能力を持った少女が、猫の瞳を介して繋がる一風変わった設定に最初は途惑いました。
    しかし、読み進めるとスルスルと心に染込んでくる、特徴は無さげでも多分独特な文体。
    そして、青年か少女のどちらかしか生き残れない運命で、それを避けようとして迷い込んだ連続殺人事件の渦中に入り込むルート。

    3年前に死んだ事になっている少女を取り戻そうとする青年。
    なのに、サスペンスじゃない?

    0
    2024年07月28日
  • バスタブで暮らす

    Posted by ブクログ

    表紙の宣伝文句にすっかりつられて購読したのですが、非常に大満足の一冊でした。普段ライトノベルを読まない人にこそ、読んでほしい! なんとなくモヤモヤする生きづらさや閉塞感を抱えがちな現代、この小説に元気をもらえる人はきっといると思うし、自分もまたその一人だ。また何度も読みなおすだろう傑作です。

    0
    2024年07月22日
  • バスタブで暮らす

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    近年読んだ本の中でも、素晴らしい作品でした

    ライトノベルでカテゴライズされているので
    文体は読みやすく、するすると文章が入ってくるのですが
    内容は文学の要素が強いと思います

    主人公は大人になりきれない、生き辛さを抱えた女の子なのですが
    私は母の視点で読んでました

    ここからネタバレ含んだ感想です
    かなり良い本ですので、是非読んだ後で見てください












    母視点で読んでます
    ブラック企業に就職して心を病み、絶対安全地帯のバスタブに引きこもってしまった娘
    たぶん家族はめだかの心を守るため
    いつも通り接して、いつも通り過ごそうと
    暗黙の了解があったんでしょうね
    ホント

    0
    2024年06月14日
  • バスタブで暮らす

    Posted by ブクログ

    これもけんごさんのTikTokを見て購入。
    ライトノベルにしては、重い。
    何故ライトノベルなのか?
    まあ、私としては読めれば言い訳で、あまりジャンルとかは関係ない。
    ライトノベルというジャンルに偏見のある人にも読んで欲しい。
    読んでて思ったのは、安部公房とかカフカとかを思ってしまった。
    新しい作家さんが、どういう風に成長していくのか楽しみ。

    0
    2024年06月13日
  • わたしはあなたの涙になりたい

    Posted by ブクログ

    人は儚く脆いから、支え合う。
    完璧でない自身の想像力を働かせて。

    鮮やかなストーリーの中に考えさせられる事がたくさんありました。

    まさに、「花々の中に隠された大砲」のように。
    まるで、シューマンがショパンの音楽をそう表現したように。

    心に刺さる作品です。

    0
    2024年04月23日
  • わたしはあなたの涙になりたい

    Posted by ブクログ

    塩化病というこの作品独自の奇病がこの小説を儚く仕上げています。終盤の物語を読んでいくうちに涙が募り、結末に涙が止まりませんでした。読み終わった後、しばらく余韻に浸って本当に良い作品だと感じました。

    0
    2024年04月19日
  • バスタブで暮らす

    Posted by ブクログ

    「人間はテンションが高すぎる」世界に違和感を持ち、生きるのが苦手なめだか。彼女は上司のパワハラにより心を病み、実家に戻りバスタブで暮らすことにした。
    家族を核に世界との付き合い方を模索する。自分の気持ちに寄り添い、自分を表わす道を知る。
    ラノベは単なる娯楽消耗品にあらず。
    このテーマ、この題材(特に後半部)をラノベレーベルで描くのかという驚き。(というのが古い感覚なのかも)これが今のラノベ、いやガガガの読者層の心に届くものなのだろう。
    学生主人公ではないが、YAとしても推したい、届けたいと強く感じた作品でした。

    0
    2024年03月24日
  • バスタブで暮らす

    ネタバレ 購入済み

    いい作品

    すごく良かったです
    おもしろい作品とは表現しづらいですが
    どんな作品といわれればいい作品でした

    バスタブ暮らしが楽しそうになってから
    やっぱり最後はバスタブ卒業かな~と思い読んでいましたが
    くじらさんの癌再発からによる別れと成長は
    わかっていても目が離せず
    また作者の表現方法により最後まで止まれず読みきりました

    しつこいですが私には本当にあえあお作品でした

    #泣ける #感動する

    0
    2024年03月23日
  • バスタブで暮らす

    Posted by ブクログ

    生きづらい人のもとに届いてほしいな。
    ありきたりかもしれないフレーズなのに
    ゆっくり生きなさい。
    慎重に生きなさい。
    がとても身に染みた。

    0
    2024年01月08日