四季大雅のレビュー一覧
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ネタバレ前回読んだ「私はあなたの涙になりたい」よりは難しめだった。謎解きだし主人公達の設定もあるしで。コロナって出てきた時にちょっと嫌悪感出たけど読めはした。コロナで授業無かったのは今のM2か?などと邪推。演劇系の用語はなんとなく分かった。シェイクスピアが読みたくなる。ミリとちとせさんが同一人物かなとはぼんやり思ってた。犯人は全く分からなかったけれど。ナイスバディのお姉さんタイプって言ったから整形もそこに合わせたのかな、四季さんの恋愛健気で好きです。甘酸っぱい。あもうさんの演劇にかける思いが熱くて良い人だな、死んでほしくないなと思ってた。ちゃんと読まないと「?」となるけど噛めば噛むほど深い!ただからくりが重なってて難しかった…
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1巻完結。
前作『わたしはあなたの涙になりたい』のように私たちの日本によく似た地理・歴史が登場する小説世界で、よくよく考えれば鬱で悲惨な状況がコミカライズされたようなフワフワした展開で進んで行く、ざっくり言うと引きこもりお姉さんの再生?再誕生?の話。後半は大切な人の死に行くさまをじっくりと描いていて辛くなります。
作中の重要なアイテムの"能面"の意味が読み解けると面白味が増すと思う。主人公を攻撃する者の象徴?なんて単純なものではないような…
で、主人公もか弱い善人じゃないよね。主人公の親友が見抜いたように相当の切れ者のような気がする。
"家族"のことが多く描かれた本作品、似たような経験をした方にはより刺さるのだろう。自分には若干ホラーに読めた作品でした。
もひとつ作中のワード『寛容のパラドックス』。"「もし社会が無制限に寛容であるならば、その社会は最終的には不寛容な人々によって寛容性が奪われるか、寛容性は破壊される」"オーストリアとイギリスの哲学者カール・ポパーの提唱した概念(Wikipediaより)。
この言葉が出てきた意味は置いといて、本作品では色んな知識が紹介される、vtuber、ASMR、医療費、クジラ、いわき市のこと等々。これも本作品というかこの作者さんの面白さだと思う。 -
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ネタバレいやあ、これはもはやライトノベルではないな。
読み終わった余韻がすごい。
内容的には生きるのが下手で挫折した女性の快復物語。
それだけにすごくシリアスで重たい内容なのだけど序盤は話のテンポやエピソードがコミカルで楽しく読めてしまう。
けれど中盤以降母親の病気が進行するあたりからグッと読むのが苦しくなってきて息を詰めて誌面を追っている自分に気づいた。
物語の結末は何かを失う事で大人になるという青春物語のある種の約束を踏襲しているのだけれど、その平明な温かさにやっぱりホッとしてしまう。
あと時代性を感じさせる作中のエピソードがライトノベル的には結構珍しい。
これはラノベ好きだけでなくいろんな人に読んで欲しい作品。 -
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ネタバレ本日定時後から読み始めて、先ほど読み終わりました。
『バスタブで暮らす』、最初奇異なタイトルだと感じましたが、いろいろな出来事を経て、めだかがバスタブにこもっていく流れはごく自然に感じられました。また、家族の中でも、妹のめだかの様子に細心の注意を払い、デスクトップPCから冷房から全ての機材をコンパクトにまとめてバスタブ周囲に配置し、快適な空間にして、やりたいことをすべてかなえてしまう兄のいさき、小学校の頃の『腎臓のかたちをした漬物石』と『うんこ太郎の冒険』、いずれも妹に対する思いやりから生まれたエピソードであり、小さいころから大人になるまで、独自のやり方で妹を守る姿にはちょっとほだされるものがありました。
ライトノベル、異世界系の長編シリーズは最近Audible中心に数冊読んで(聴いて)いたのですが、このような一冊読み切りのお話もいいですね。作者の四季大雅さんが小学館ラノベ大賞を取った前作も読んでみたいと思いました。 -
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猫の瞳を通じて、美里と出会った窈一が、演劇部に所属しつつ殺人事件の解決に乗り出すちょっと変わったお話。
詳細な資料に基づいた上で描かれたと思われる、作中で展開される様々な演劇が、比喩表現や地の文の表現力の良さと相まって非常に良かったです。
また、所々に現れる日常系ミステリーは、次々に予想外のポイントに視点が移ってゆく所が好み。特に、最初の火事事件は良かったです。
ミリとの対話、演劇、ミステリーの3要素が複雑に絡んだ作品で、視点の変化や登場人物の多さから読みにくさも有りましたが、独特の面白さを感じる作品でした。
ただ、ミステリーと残り2つとの絡み方が微妙で、犯人が誰か?の部分に興味を持って読めなかった、というのが正直な所です。
また、要素が多すぎてラブコメも描ききれて居ない印象でした。
もっと要素を減らすか、日常系ミステリーに留める等の方が良かったのでは?と感じました。 -
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あらすじを読んだ感じでは鳥人間コンテストを題材にした情熱的なヒューマンドラマかと思っていたが(実際にも部分的にその通りではあったが)、思ったよりも重たい内容で、鳥人間コンテストよりも登場人物の過去や現在の葛藤について描かれるシーンの方が圧倒的に多かった。
読後の感想としては、正直、非常に読みにくかった。ハカセ(主人公)の心の中の描写と夢の中の描写、そして現実がどんどん境目を曖昧にしていき、中盤以降は何がどうなってるのかついていけなかった。またなんらかのメッセージ性はありそうなのに、色んな要素が浮き沈みしすぎてて結局何がテーマだったのかも読み取れなかった。
全体的に、読者の理解力と想像力が試されているような感じがした。
作中ではアインシュタイン博士が登場し量子力学について解説するシーンが度々描かれるが、おそらく作者自身も量子力学に詳しくないのか、抽象的な単語による説明が多く、素人にもわかりやすく噛み砕いて説明するという感じではなかった(一度読んだだけでは頭に入ってこなかったので、2回以上は読み返した)。
ただ、クライマックスの鳥人間コンテスト本番のシーンは感動的だった。読後感も悪くないので、買って損したというほどでもない。ある程度の時間が経ってから、暇な時に読み返したら今度は違った読み方ができるかなと期待。 -
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わたしこそまさに、へのへのもへ人。
母の喜ぶままに、母の望みが自分のものだと錯覚して生きてきた人種。
そんな私が小さい頃の、いまよりずっと生きづらくて、自由だった頃を思い出すものがたりだった。
わたしは人間で、人形でも歯車でも能面でもなかった。
すっきりした~~♡♡ ポップに悲しみを表現する、と評価されていましたが、わたしは不気味に思いました。
でも全てが不気味に思うのは、わたしが世間に幽閉されている人種だからです。
少なくとも、わたしって歯車人間だったんだって気付いた今は鼓の音や能面が不気味とは思わない。
疲れていても読みやすい、疲れている時こそ読んで欲しい。
全国の歯車人間の皆さん、今日もお疲れ様です。お休みなさい。 -
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なんとなくライトノベルを読みたいなと思い、「ラノベ おすすめ」でネット検索したところ本書がヒットしたので購入。とりあえずガッツリ系のラノベ(主人公最強系とか、転生系とか)ではなく、一般文芸よりの静かなラノベが読みたいと思い本書を選んだ。
読んだ感想としたは、ラノベというより一般文芸っぽく、さらにどちらかといえば純文学っぽいテイストの作品かなと思った。というわけで、けっこう読み手を選ぶと思う。かくいう自分は純文学があまり好きではないので、評価は低めの☆3とした。
本作のあらすじとしては、主人公がブラック企業でメンタルをやられて実家に帰るところからはじまる。で、実家でもバスタブのなかだと心が落ち着くことが判明して、そこに住み着くようになる。さらになんやかんやあってVtuber活動をするようになり、さらにさらに母親の体調が悪くなったりとなんやかんやしながら人間的に成長する、というお話。
キャラクターが個性的だったり、セリフのいい回しなんかはいかにもラノベっぽい。一方、本作の最大の特徴としては、「現実なのか、主人公の妄想世界なのかよくわからない描写」が多く描かれている。登場人物たちがいきなり能面をかぶりだしたり、トンネルの中に入ったりとおもったら突然海のシーンになったりと、一読しただけではつかみきれない幻想的な雰囲気が本作にはある。この「一読しただけではつかみきれない」という部分(悪く言えば意味不明)が自分的には純文学っぽいと思った。
☆3としたけれど、いろんな意味で挑戦的な作品でなかなか面白いと思った。作者さんの別作品もぜひ読んでみたい。 -
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ネタバレ舞台は福島県郡山市。
福島、、、、となると、タイトルとあいまって震災が題材かなと思った。ピアノを弾く少女が表紙なので、あの「奇跡のピアノ」かな、と思った。
ダイビングシーンがプロローグにあるので、
震災で沈んだものを連想して、なおさらそう思った。(震災の物語、ではなかった)
2022年、今年の夏の高校野球。ベスト4まで勝ち進んだ聖光学院の野球部が実名で出てくる。
主人公八雲の母が、塩化病という難病にかかってしまうところから物語は始まっていく。
震災や聖光学院、太宰治の『トカトントン』や、
ショパンコンクール、ワルシャワ侵攻、という本物が出てくるので、塩化病がなんかポーンと突き抜けた不思議な感覚だった。
天才ピアニストの揺月との出会いと成長。
母を失い、心のよりどころを揺月に見出していく八雲。揺月もまた、八雲は心の支えだったようで。。。その後イタリアに留学した揺月は、塩化病になってしまう。。
私としては、清水のエピソードと、ポーランドワルシャワ(ショパンの物語)がいいなと思った。
軽さと軽やかさの違い、という文章があって、
揺月の魂は軽やかだけど軽くはない、と書かれていた。なるほどなと思った。
たまたま重なってしまったのだろうが、
戦禍のワルシャワは現在のウクライナを思わせ、
さらに聖光学院が出てくるので、それら「現在」と
震災という「少し前の過去」が、実生活の時間の経過という妙なリアリティを持って、
病でも戦でも災でも、愛するもの(人も街も、腕や足も)が失われるということ、を私に突きつける気がした。それらを何か別のことに利用する是非も。
ただ、あちこちに小さな違和感があって、ん?と、ひっかかると、スッと引き戻される気がした。
たとえば、母を失ってひとりになった小3の八雲が
ひとり暮らしをしてる違和感。これは父のところに行くか施設に入るとこだよなと思ってしまう。
(児童相談所に保護される案件だわ)
揺月を失って家に引きこもるにも、大量の食料を買い込んでいるところも違和感。
憔悴してたら食べることなんて考えないと思うが、、、と思ってしまった。
連絡がつかなかったら心配して家に来そうなものなのに、2年もの間、清水も父さえも来ないのかという違和感。とか。。
ともあれ、読んでいてピアノの調べが聴こえる気がしたし、
あの義手や義足は本当に出来ればいいなと思うし、
揺月のビデオはすてきだった。ラストで初めてタイトルの意味がわかった。
リアルとファンタジーを合わせた「濃い」物語だった。