あらすじ
物理法則に反する少女の無重力な青春!
「宇良々川さん、最近ちょっと浮いてね?」
学校の休み時間、すやすやと眠る宇良々川さんは浮いていた――物理的に。
物理学的にあり得ない宇良々川さんの秘密を知った物理学信奉者の菊池一成(通称ハカセ)は考えた。無重力状態にある彼女の体重はゼロの可能性がある……宇良々川さんがパイロットになれば、鳥人間コンテストで大会新記録を出すことも夢ではない! 交通事故で負傷した自分の代わりに人力飛行機のパイロットにするべく宇良々川さんを飛行機部に勧誘するハカセと個性的すぎる部員たち。だが、彼女には誰にも話せないある事情があって……。
物理法則に反する少女と、物理学を信奉する少年。何もかも正反対な二人が織りなす、悲喜こもごもな青春グラヴィティ小説。
「このラノ2023」新作総合部門 第1位『わたしはあなたの涙になりたい』、
「このラノ2024」新作総合部門 第2位『バスタブで暮らす』の四季大雅が放つ待望の新作!
※「ガ報」付き!
※この作品は底本と同じクオリティのカラーイラスト、モノクロの挿絵イラストが収録されています。
感情タグBEST3
観測できて理論に裏打ちされた事しか信じられない主人公・ハカセ、そして人間関係的にでは無く物理的に無重力になってしまうヒロイン・宇良々川さん、その他にも現実と乖離した世界で動けてしまう仲間たち。
鳥人間コンテストで現実的な苦悩を綴るのかと思ったら、この著者の過去作同様になかなかにぶっ飛んだ世界感と描写に置いてけぼりを喰らった感じ…。
「言葉では表せない真実がある」って感じなのかな~と思いつつ、小説という媒体を否定しているとも取れる難解な進行、でも不思議と腑に落ちるところもある作品でした。
Posted by ブクログ
物理の知識が出てきて
ただの恋愛ではなくて
面白いけど、もうちょっと浮いてることが
プラスになったストーリーが
あればもっと
面白かったし
登場人物のキャラが強いから
続きもできたのにな〜
Posted by ブクログ
あらすじを読んだ感じでは鳥人間コンテストを題材にした情熱的なヒューマンドラマかと思っていたが(実際にも部分的にその通りではあったが)、思ったよりも重たい内容で、鳥人間コンテストよりも登場人物の過去や現在の葛藤について描かれるシーンの方が圧倒的に多かった。
読後の感想としては、正直、非常に読みにくかった。ハカセ(主人公)の心の中の描写と夢の中の描写、そして現実がどんどん境目を曖昧にしていき、中盤以降は何がどうなってるのかついていけなかった。またなんらかのメッセージ性はありそうなのに、色んな要素が浮き沈みしすぎてて結局何がテーマだったのかも読み取れなかった。
全体的に、読者の理解力と想像力が試されているような感じがした。
作中ではアインシュタイン博士が登場し量子力学について解説するシーンが度々描かれるが、おそらく作者自身も量子力学に詳しくないのか、抽象的な単語による説明が多く、素人にもわかりやすく噛み砕いて説明するという感じではなかった(一度読んだだけでは頭に入ってこなかったので、2回以上は読み返した)。
ただ、クライマックスの鳥人間コンテスト本番のシーンは感動的だった。読後感も悪くないので、買って損したというほどでもない。ある程度の時間が経ってから、暇な時に読み返したら今度は違った読み方ができるかなと期待。