感情タグBEST3
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人は儚く脆いから、支え合う。
完璧でない自身の想像力を働かせて。
鮮やかなストーリーの中に考えさせられる事がたくさんありました。
まさに、「花々の中に隠された大砲」のように。
まるで、シューマンがショパンの音楽をそう表現したように。
心に刺さる作品です。
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塩化病というこの作品独自の奇病がこの小説を儚く仕上げています。終盤の物語を読んでいくうちに涙が募り、結末に涙が止まりませんでした。読み終わった後、しばらく余韻に浸って本当に良い作品だと感じました。
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この一冊は聖ライトノベル
ショパン、田中希代子、マルタ·アルゲリッチ、聖光学院、東日本大震災、太宰治、ファミリーマート、『ニュー·シネマ·パラダイス』、
五十嵐揺月
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少し前にミリ猫を読み、感想を書きたくなりまして。
作中でも出てきますが、
ショパンの、花に隠された大砲という表現がそのまま当てはまる作品なのでは? と読後しばらくして思います。
「感動」といった帯が巻かれたり、そうしたレビューが増えるほど、この作品はさらに完成していくのだと思いました。
大砲を探してもよいし、花を眺めるももちろんOK。感動してもよいし、感動しなくてもよい。あらゆる姿勢を許してくれるといいますか、優しい物語を作られるなぁと思いました。
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【その涙が哀しみではなく、暖かな物に変わりますように】
塩化病による運命に抗う少年達の物語。
己の人生が運命に支配されるならどうすべきだろう?
母の病による死によって心に欠落を抱えた八雲は、圧倒的にピアノの才能に秀でた揺月との出逢いにより、孤独だった心象風景が彩りを帯びていく。
時が経ち、プロピアニストとして外国に留学した揺月と並び立てるように小説家として活動をし始める八雲。
運命的な再会を果たした二人は、揺月の病によって蝕まれた時間を共有する。
哀しみで溢した涙がいつしか暖かな涙に変わるように最期まで寄り添うのだ。
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泣いた。涙で始まって涙で終わるって書いてあったから2回も泣くのか…と思ってたけど最後だけ泣いた。揺月ちゃんの優しい、でも自分の芯がちゃんとあるっていうところがかっこよかった。八雲くんはとてもダメダメだけど素直な所もあって優しいんだなぁ~。と思う所が多かった。柚月ちゃんが死んでしまうときの八雲くんの優しさが包み込まれるようで優しい涙になった。どんな人でもこの本を読んでいるときは優しくなれるような気がした
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紛うことなき名作。
「ラノベ」の枠組みで、ここまで大いなる感動を味わえる作品は他に無いと思う。誰もが絶賛することが納得の、素晴らしい作品でした。
時間が飛び飛びに展開する作品で、各時間軸におけるエピソードが終盤に向かって収斂してゆく様は見事。
奇抜な展開は無く、正直ほぼ予想通りの展開であったのだが、それにも関わらず感動を得られたのは、ひとえに、登場人物への共感しやすく描かれているからであろうか。
塩化病から、塩の街(有川浩)を連想し、なーんとなく避けていたのだが、正直、勿体なかった。
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ぱっと見の「よくある難病もの」というコーティングを剥がしてみれば、根底にあるのは感動を消費することへの批判と、世の中に溢れる「泣ける作品」への肯定。
特に災害や病気を当事者の意志関係なく勝手にお涙頂戴として軽く消費することについての否定は、揺月だけじゃなくて著者自身の気持ちでもあるんじゃないかなって思った。
(著者さん、地元郡山でなんかそういう嫌な目に遭ったのかな……)
もちろん素直に難病ものとして読むのも正しい楽しみ方だと思う。
この小説自体が「泣ける作品」のガワを纏っている以上、読み手が感動したならそれもまた「アリ」な読み方なんじゃないかなって。
よき物語
一冊でこのくらいの読み応えがある小説を欲してた。まあ、これを読んだらどう足掻いて多少なり悲しい気持ちにはなるだろうから、めちゃくちゃ楽しくてハッピーな気持ちになりたい時に読むものではないかなーとだけ。
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本屋さんでオススメされていたこの本
福島に知人がいるということもあり読んでみました
胸がぎゅっとなって涙がこみ上げるシーンがいくつもあり‥それでいて決して切ないだけでは終わらない素敵なお話でした
なんとなくだけど、福島の事まだまだ忘れちゃいけないと感じました
機会があれば舞台の地にいってみたいです
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タイトルや表紙から受ける印象通り、泣ける系小説でした。
中高生で本をあまり読んでいない人にはお勧めします。読みやすいし、いろんなことが起こるのですらすらと読めると思います。
ただ、いろんなこと盛りすぎて「一人の周りでありえないこと起こりすぎだよー」って突っ込みたくなるから、普段たくさん読書している人には勧めません。
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舞台は福島県郡山市。
福島、、、、となると、タイトルとあいまって震災が題材かなと思った。ピアノを弾く少女が表紙なので、あの「奇跡のピアノ」かな、と思った。
ダイビングシーンがプロローグにあるので、
震災で沈んだものを連想して、なおさらそう思った。(震災の物語、ではなかった)
2022年、今年の夏の高校野球。ベスト4まで勝ち進んだ聖光学院の野球部が実名で出てくる。
主人公八雲の母が、塩化病という難病にかかってしまうところから物語は始まっていく。
震災や聖光学院、太宰治の『トカトントン』や、
ショパンコンクール、ワルシャワ侵攻、という本物が出てくるので、塩化病がなんかポーンと突き抜けた不思議な感覚だった。
天才ピアニストの揺月との出会いと成長。
母を失い、心のよりどころを揺月に見出していく八雲。揺月もまた、八雲は心の支えだったようで。。。その後イタリアに留学した揺月は、塩化病になってしまう。。
私としては、清水のエピソードと、ポーランドワルシャワ(ショパンの物語)がいいなと思った。
軽さと軽やかさの違い、という文章があって、
揺月の魂は軽やかだけど軽くはない、と書かれていた。なるほどなと思った。
たまたま重なってしまったのだろうが、
戦禍のワルシャワは現在のウクライナを思わせ、
さらに聖光学院が出てくるので、それら「現在」と
震災という「少し前の過去」が、実生活の時間の経過という妙なリアリティを持って、
病でも戦でも災でも、愛するもの(人も街も、腕や足も)が失われるということ、を私に突きつける気がした。それらを何か別のことに利用する是非も。
ただ、あちこちに小さな違和感があって、ん?と、ひっかかると、スッと引き戻される気がした。
たとえば、母を失ってひとりになった小3の八雲が
ひとり暮らしをしてる違和感。これは父のところに行くか施設に入るとこだよなと思ってしまう。
(児童相談所に保護される案件だわ)
揺月を失って家に引きこもるにも、大量の食料を買い込んでいるところも違和感。
憔悴してたら食べることなんて考えないと思うが、、、と思ってしまった。
連絡がつかなかったら心配して家に来そうなものなのに、2年もの間、清水も父さえも来ないのかという違和感。とか。。
ともあれ、読んでいてピアノの調べが聴こえる気がしたし、
あの義手や義足は本当に出来ればいいなと思うし、
揺月のビデオはすてきだった。ラストで初めてタイトルの意味がわかった。
リアルとファンタジーを合わせた「濃い」物語だった。