エリザベスストラウトのレビュー一覧

  • バージェス家の出来事

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    良い作品。
    ひとつの出来事の推移の中で、
    登場人物のそれぞれの目線から見た、
    それぞれの考えが語られ、
    それぞれが否定されると思いきや、
    そうでもなくて、
    さまざまな出来事があり、
    ストラウトらしく言葉少なに語られ、
    それでなんとなく、ひとつの主張がある
    そんな良作。

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    2025年06月24日
  • 私の名前はルーシー・バートン

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    お医者さんとの関係がよかった。寂しくて仕方なかったときにそばに居てくれた、既婚者のお医者さん。
    江國さんの解説もとってもよかった。断片、断片、断片。

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    2025年06月11日
  • 私の名前はルーシー・バートン

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    ネタバレ

    ルーシーの日記を読んだのか。
    この本は、ただ思い出した事をパラパラと書き留めた状態なのだが、繋がってまとまってる。
    続編が気になる。

    他人の親切で生きている。
    人の事は分からない。
    自分の事も自分でもわからないんだと思う。

    トラウマは、愛でしか治せないと思う。
    誰しもが何かしらのトラウマがあるだろう。
    ルーシーがウィリアムの財産を放棄したのは、自分に受け取る価値が有るとは思えないんじゃないか。自己肯定感。
    貧乏、夫婦、家族。
    人は自分の知っている、見たことあるものにしかなれないんじゃないかな。
    父、母に似ないように整形をする。
    外見を変えても、考え方や性格とか似ている。
    お金と環境と教育が

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    2025年01月29日
  • ああ、ウィリアム!

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    エリザベス・ストラウトが作り出した作家“ルーシー・バートン”(愛称はボタン)の作風は本作でも全開で、一人称によるストーリーの語りの中にルーシーの脳内コメントがビシバシと差し込まれ、記憶の連鎖と浮かび上がる追憶がおもむくままに、あちらこちらへ回想が飛び回る。

    その辛辣な観察眼と人物評は、ときに嫌味や意地悪な視線でもある一方で、その鋭さと深さが胸の奥まで届く瞬間があってハッと心を揺さぶられる。
    それはまるで、手練れのボクサーがジャブで翻弄しながらリズムを作ったところで、ストレートパンチを鮮やかに差し込むかのよう。
    その言葉は、ラウンドを重ねていくにつれて、けっこう、効く。

    しかしなんとも一筋縄

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    2025年01月17日
  • 何があってもおかしくない

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    家族がテーマの?作品群

    どうということない日常がいつの間にか異化される。
    相変わらずドロっとした読後感

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    2024年12月17日
  • 何があってもおかしくない

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    幸せな家庭も、不幸せな家庭も、はたから上っ面を見ても分からない。だから人の人生を羨むことも、比べることも意味などない。

    まさにその通りなのだが、私の大事な人生だって同じことだよ、いいことなんて続きもしないし、辛く惨めな傷と記憶を抱え込んで、尽きることのない不安と苦労を受け止めていくのが人生だよ、みんな変わりはしないよ、この残酷ともいえる真実を達観したかのように受け止めて、人生なんてそんなもん、とうそぶく境地には、僕はまだまだ至れない。

    本書では、短編ごとの登場人物が己と誰かを語り、また語られ、あちこちに顔を出す。そうやって多面的に描かれて一つの像を結ぶのかというと、そうではない。むしろ逆で

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    2024年09月28日
  • 私の名前はルーシー・バートン

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    不思議な書き方をする作家だ。
    真っ白な画布のあちこちに、ちょこちょこっと描き込みをしていく。決して余白を埋め尽くしてはいかない。
    更に細々としたエピソードは、動き出して大きなストーリーを物語る訳ではない。
    それでも、こんなことがあった、あんな話をした、といったピースで埋められていくと何かが見えてくる。
    いや、正解に言うと、何か書かないものがあることがわかってくる。
    思わせぶりな要素はない。むしろ情報はたくさんあって、上手く読み手を空白の渦の中心へ誘ってゆく。

    ここに時間の遠近法が加わるところがまた、心憎くて唸らされる。
     “いまとなっては昔なのだが、私が入院して、ほぼ九週間に及んだということ

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    2024年08月14日
  • ああ、ウィリアム!

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    不思議な魅力に満ちた本。

    ミセス・ナッシュがルーシーに一揃えの服を買ってくれるエピソードや、パーティで出会った53歳くらいの女が出会い系サイトで人生が変わったという話を見ず知らずのルーシーに話す場面とか、淡々とした語り口の中に、深く刺さるシーンが同じ温度で差し込まれ、ハッとさせられることしばしば。

    訳者の語り口なのか、エリザベス・ストラウトの本来の語り口なのか、わからないのだが。
    繰り返される、「ああ、ウィリアム!」
    という呟きは作者本来のものなので、きっとストラウト自身の語り口をうまく訳者が翻訳したということかな。

    ルーシーシリーズの、順番的には3番目の本なのだが、他の2冊が短編集の形

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    2024年04月14日
  • 私の名前はルーシー・バートン

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    断片的な会話や話。幼少期の頃、これまでのことがやはり断片的に分かってくる。戸惑いはしたけれど、嫌な感じではない。主人公と一体化したい気持ちになって読み進める。これまでにあまりない読書体験だったなぁ。

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    2024年04月11日
  • ああ、ウィリアム!

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    ああ、感動的だった。
    散文的に、言葉少ないのに、こんなにも感動的でよく出来た話を、よくも書けるな。
    そのこともまた感動的、奇跡的だ。
    これは映画化しても描ききれない、この作家でないと書けない世界だ、と思う。

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    2024年03月27日
  • 私の名前はルーシー・バートン

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    不思議な小説だ。
    まるで日記のようで、「私」は作者自身のように思えるのだが、あくまでフィクション。
    だから題名が「私の名前はルーシー・バートン」って念押ししているのか……。

    物語は主に「私」が入院している時のこと。
    あまり関係の良くなかった「母」が、5日間も病院で付き添っていた時のこと。
    母が話すことと娘が感じることは、とても親子愛溢れた話し、とは到底遠い、でも、愛情がある。

    短い段落で淡々とした文章に、ありありと情景を浮かび上がらせる……不思議な小説だ。

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    2024年02月26日
  • ああ、ウィリアム!

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    ルーシーは、別れた夫のウィリアムとウィリアムの父親違いの姉を訪ねるたびに出る。結婚していた頃、気の合っていた姑のキャサリンが小さな娘を置いて、ウィリアムの父となるドイツ人捕虜と駆け落ちしたという事実を知る。ウィリアムもサブスクを使ってネットで調べて初めての知ったのである。
    離婚し、それぞれに再婚もしている二人がそれぞれのルーツを思い、なぜ二人で旅をするのかを考える。不思議な関係に思えるが、読み終わって良い関係だなぁと思えた。

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    2024年01月23日
  • 私の名前はルーシー・バートン

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    文字数など、1章の長さなど、気にならないのでしょうけどバラバラ。そらぞれには言いたいことは書かれていないのだけれど、連なる短い文章が折り重なり、言いたいことが伝わってくる感じ。上手だなって思う。

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    2023年12月31日
  • オリーヴ・キタリッジ、ふたたび

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    最高。前作よりも一般ウケしそう感が増した。言ってみれば、分かりやすくなった。他人のことを、あーだこーだ言うんだけど、あーだこーだの話を聞き、聞かされるんだけど、揺るぎない自分、迎合しない自分が残る。

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    2023年07月28日
  • 私の名前はルーシー・バートン

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    なかなか難しい親子関係。 現実の方も難しい事はたくさんあった。エリザベス ストラウトまた読んでみたい。

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    2023年05月09日
  • 何があってもおかしくない

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    前作「私の名前はルーシーバートン」の登場人物を主人公にした連作短編。登場人物が多く2代に渡るので途中こんがらがってしまった。 しかし名作であり心に残る作品だった。最後に出てくる主人公が無意識に死を感じたのか、あやまりたい、と言う思いが強くなっていく。対象はない。共感する。人生振り返ってあやまりたいとか、そこやり直したいと振り返る事が多くなってきた。良い作品。ルーシーバートンこれからも読み

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    2023年05月09日
  • オリーヴ・キタリッジ、ふたたび

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    「老いる」ことが、切実に我が身へと迫ってくる作品。前作にあったオリーヴの「人となり」は、変わらないが、老いが彼女を絡めとって行く様が少し痛々しく感じた。だけど、これが現実なのだな、と思わせるところが、この作品の凄さだと思う。オリーヴの周辺で生きる人々にも焦点を当てているが、それぞれに問題を抱えつつ懸命に生きる様子になぜか勇気をもらえた。生きることはしんどい。けれど、たまには良いこともあるさ。という、オリーヴの声が聞こえるようだ。

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    2023年02月11日
  • 私の名前はルーシー・バートン

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    難しい母親と繊細な娘のやり取りは何にも酷いところがないのに、読んでてとても息苦しくて、読むのやめちゃおうかなという気持ちで2日ほど空けたけれど、やっぱり気になって読み続けた。
    そのうち今度は読み終えるのが寂しくなって後半は休み休み戻りつつ読んだ。
    でも退院してからはやや退屈だったかな…ニューヨークがなんとなく合ってない気がするw
    うろ覚えだけど、「苦手なことは突撃して対処してがぶりと噛み付くつもりで取り組みなさい」みたいなアドバイスが忘れられない。
    続編もあるようなのでぜひ読みたい。

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    2023年01月28日
  • オリーヴ・キタリッジ、ふたたび

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    これは前作同様、深いのに軽やかで、人生の真実に近づける感じ。老年に達したオリーブと周りの人々の暮らしが描かれるが「なんでもない日常」なんてないのだなと思わされる。今日が人生の変わり目かもしれないのだ。
    80過ぎまでのオリーブの晩年は穏やかとはいいがたい…いや、境遇的には満たされてるけど…で、老いを感じる私としては、そうかこうなっていくのかというリアルな恐れと諦念を感じるが…そうね、それでもいいことも起きるし、自然は美しいし、進んでいかないとね。
    訳が見事!会話の自然さにうなる。

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    2022年12月24日
  • オリーヴ・キタリッジ、ふたたび

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    1作目は自分の読書歴オールタイムベストに入る作品。人生に寄り添ってくれる小説というのでしょうか、中高年の方に強くお勧めできる小説です。で、その続編が10年ぶりに出て迷わず買ってから2年放置しましたが、初読から10年、細部を忘れてるので、今回最初から読み始めやっと通読できました。
    構成はオムニバスと言われる連作短編集で、オリーヴは主役、脇役、チョイ役と年齢順に出てきます。2冊で40代から86歳までのオリーヴが、架空の街、メイン州クロズビーの人々と共に描かれます。その意味で2作はきれいにつながっています。1つの短編を時間をかけてしっかり読んでいくことが吉。
    オリーヴは、かなり嫌味な毒吐き女性で感情

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    2022年12月02日