エリザベスストラウトのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
しっかり二度読み返した。とはいえ難しい話ではない。各篇に一人の話者がいて、ほとんどモノローグで、自分とそのすぐ近くにいる人々について語る、ただそれだけの話だ。特に何があるというわけでもない。貧しい暮らしを送ってきた中西部、イリノイの田舎町の人々の話である。田舎町の常として、人々はほとんどが知り合いで、一族の昔のことまでよく知っている。中には、人に知られたくないこともあるが、田舎人の楽しみというのは、他人に噂話をすることだ。それもひとかけらの遠慮もなく。
全九話。ひとつひとつが互いにどこかでつながっている。ひとつの話の中で話題に上る人物が、次の話の語り手を務めている。そうやって、多くの視点で多 -
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Posted by ブクログ
ネタバレキタリッジさん、いよいよ人生の終幕へ。
前作でそうだった、いつも不機嫌を撒き散らしている態度に、少しずつ自覚が出てくるところがリアル。歳を重ねて、気付くことで変えられること、気付いても尚変えられないこと。
息子の子育てに失敗、と思ったら優しい変化もあって喜ばしいが、その変化をもってさえ、理想の息子像には足らない。過ぎ去ってしまった時代の満たされなさは、埋めようがない。そこもまた、人のリアルさを感じた。
全体として、前作より理解がしやすくなっている。でも、続きはもういらない。訳者あとがきにもあったが、キタリッジさん主人公お疲れ様、これ以上は酷だから、もうゆっくり休んでくださいと、自分も思った。 -
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