岡本茂樹のレビュー一覧
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■内観療法とは過去の自分自身と関係の深かった人物(母親、父親が中心になる)に関して「お世話になったこと」
して返したこと」「迷惑をかけたこと」の三つを考えさせて(内観させて)「こんなにも多くの迷惑をかけてきた私が見捨てられることもなく今もなお生かされている。だから感謝しなければならない」という気持ちにさせるもの。
内観療法の問題点は「迷惑をかけたこと」に重点を置いていること。これだと「迷惑をかけた→自分が悪かった」という反省させるパターンになる。「迷惑をかけたこと」を考えさせるなら「迷惑をかけられたこと」も考えさせないとバランスが悪い。
■心の傷は身体の傷と同じで外に出さない限り消えることは -
Posted by ブクログ
最近自分でたどり着いた結論であった、ネガティブ感情をとことん吐き出すことの重要性について、エビデンスや犯罪者の更生に関わってこられた著者が正しいと証明しれくれたようでとても嬉しい出会いだった。
最近、職場でパワハラとまでは行かないまでも弱いものいじめをする人がいて、その人への対応について頭を悩ませていた。正直周りも傍観者となって誰も助けようとしない状況がいじめのような状態なのだと感じていた。
そんな状況でこの本を読んで、改めて冷静になることができた。いじめる側への怒りが沸騰していて、私自身その人のやった行為の重みを思い知らせて反省させたい衝動に駆られていたが、その人自身の心の本音を聞いた方がよ -
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まえがきからとても興味をひかれ、気がつくと一気に読み切ってしまいました。
第一章は筆者が交通事故を起こしたときのエピソードから始まります。私も経験があるのでそのときの気持ちを思い出し、そうそうと頷きながら読んでしまいました。
「なんてことをしてしまったんだ」「自分はこのあとどうなるのだろう」、という自己保身の気持ちがまず先にきて、落ち着いてからようやく、「申し訳なかった」という謝罪や反省の気持ちが生まれるということ。
これは誰しも心当たりのある感情の推移であると思います。筆者は、問題が起こったあといきなり謝罪や反省を促していくことによって、『本当の』つまり『自分のためではなく相手のことを -
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ネタバレ悪いことをしてしまったときに、反省だけさせても、意味はない
なぜ、そのような行動を起こしたのか、共に考え、自分の心の奥底にある、悲しみ、苦しみ等のネガティブな感情を吐き出させる
(幼少期に自分の欲求を吐き出すことができず、感情を抑圧されていることが多い)
そこから、自ずと被害者の心情に思いを馳せたり、反省したりすることができるようになる
「〜しなければ」というしつけが厳しいほど、それができない人への寛容がなくなり、いじめをうむ。
「相手に抱く不快感は、自分の心に植え付けられた価値観から。」とりあえず、そのことに「気がついている」だけでも、よし。
いじめ防止の教育について。
「被害者が「かわ -
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「子供にはたくさんの愛を与えましょう」
「自己肯定感を育てましょう」
「子供の話をよく聞いて、アイ・メッセージで伝えましょう」
のような、子育てのスタンスやテクニックを示した本は世にあふれている。言っていることは正しいし、役に立つのだろう。
しかし実際に子供と相対しても、どうにも上手くいかない。ワガママな態度には怒りを覚えるし、ウソを付かれたら指摘せずにいられない。
この本はそういう小手先ではなく、もっと心の奥底を掘り下げた上で、臨むべきスタンスやテクニックを示している。一言で言うならば「受容」だろうか。
作者の遺稿である。この愛情に満ちた素晴らしい本が、もっと広く知られることを望む。 -
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悪いことをした時、早々に反省させることがどう危険なのか、非常に興味深く勉強になった。
条件が揃った時に自分から自然と反省するのであって、人から言われて無理矢理させても意味ないどころか余計抑圧を強める。
結局関係者が「反省している姿を見たい」だけなんだよな。だから厳罰化のムードがいつまでたっても変わらない。悪いことをしたやつをこらしめたいという処罰欲求が働いているだけ。処罰より再犯しないことが何より大切なのにね。
まずは加害者感情を十分に扱うこと。これに尽きるんだな。
もう少し再犯率などエビデンスがほしいなと思いながら読んでいた。
後半はちょっと大雑把で「そんなシンプルなことではないよう