岡ノ谷一夫のレビュー一覧

  • 〈生きもの〉 ハダカデバネズミ 女王・兵隊・ふとん係

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    日本で最初にハダカデバネズミの飼育と研究に携わった岡ノ谷教授による、デバ(研究者は愛情を込めてこう呼ぶ)の飼育と研究、生態についての入門書。
    とはいえ、生態についてはまだ知られていないことが多いようで、未知の生物に悪戦苦闘する学生さんたちの青春群像も垣間見えてなかなか楽しい。
    デバはアリやハチのような真社会性を持つ希少なほ乳類である。
    彼らは乾燥した砂漠の地下に延々とトンネルを掘り、一匹の女王デバと生殖担当の数匹の王デバ、時に蛇に自ら食べられることで群れを守る兵隊デバ(兵隊ではなく生け贄デバといったほうが近いかも知れない)、働きデバで群れを構成し、各構成員は均質な遺伝子をもつ。
     何より驚くのは女王デバが37歳(当時)という齧歯類では特異な長寿を保っていることである。先日、NHKの番組でこの女王デバがまだ健在だといっていた。
     デバの研究はまだ始まったばかりで、分からないことだらけである。読んでいてもなんだか歯がゆい思いをすることもあるのだが、それはすなわち研究の進行をリアルタイムで見守っていけるということでもある。
     今も研究を続けている若手研究員さんたちの活躍を期待したい。
    そして、今関東に偏っている飼育施設が全国に広がってくれたらなぁと、いちデバファンは思うのである。

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    2011年03月05日
  • 〈生きもの〉 ハダカデバネズミ 女王・兵隊・ふとん係

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    以前mixiレビューに書いたものをここにもUPしておきます。
    岩波科学ライブラリー151です。
    岩波科学ライブラリーといえば、鈴木忠先生の「クマムシ?!」がそうでした。この本は、「クマムシ?!」を編集した岩波の塩田さんが手がけて本にしたものだそうです。塩田さんの「次はデバネズミやります」で生まれた本は、クマムシに劣らず楽しい本です。

    表紙から転載。
    ひどい名前、キョーレツな姿、女王が君臨、哺乳類なのに変温動物?
    愛すべき珍獣、その名は『裸・出歯・鼠』
    動物園で人気急上昇の珍獣・ハダカデバネズミと、その動物で一旗上げようともくろんだ研究者たちの、「こんなくらしもあったのか」的ミラクルワールド。
    なぜ裸なの?女王は幸せ?ふとん係って何ですか?人気イラストレーター・べつやくれい氏のキュートなイラストも必見!

    キュートなイラストというか、最初はあのイラストなので見れるともいえます。はっきり言って写真は見慣れないと気持ち悪い。大人のハダカデバネズミ(以後デバと表記)でも、生まれたてのカンガルーの赤ちゃんやパンダの赤ちゃんに似てます。似てるけどしわしわなので、ぱっと見可愛くない。連想してはいけないと思いつつ、いもむしを連想したりして・・・・。
    それがなぜかあの愛情こもったイラストに親しんでから写真を見ると、あら不思議。可愛いじゃないのこのデバたち!

    私はこういう研究をしている人は理系の研究者だと思ってました。それが岡ノ谷先生は今では理化学研究所にいらっしゃいますが、最初にデバ研究を始めたときは千葉大文学部の助教授だったのです。言語と情動の研究から、生物言語研究へ、そのひとつとしてデバ研究があったのです。デバの前にはジュウシマツの歌の文法の本も出されてます。へえ~っです。
    デバは飼育がなかなか難しい動物ですが、生物言語学から言うと興味深いことが多いとのこと。
    多くのネズミが鳴き声でコミュニケーションをとることは知られていますが、人間に聞こえない音も使っていることが多いのです。しかしデバはネズミの中では耳が悪い。悪いという表現はちょっと違うかもしれませんが、ほとんどは人間に聞こえる鳴き声を使うのです。しかも鳴き声の種類がとても多い。
    すごく面白くて、まだまだ続いている先生たちの研究は『言語の起源を解明』しようというもの。
    いろんな研究をしている人がいるんだなあと思うと、楽しくなりました。

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    2010年11月19日
  • 人間の心が分からなかった俺が、動物心理学者になるまで

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    文章が好き ◯
    作品全体の雰囲気が好き ◯
    内容結末に納得がいった ◯
    また読みたい 
    その他 

    「人間の心が分からな」いというわりには、まわりには人がいるし、恋愛もきちんとされている。きっと素敵な方なんだろうな、と想像します。
    一人称が、僕、浪人、俺など、ステージごとに変わっていくのがおもしろいです。

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    2026年09月24日
  • 人間の心が分からなかった俺が、動物心理学者になるまで

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    ネタバレ

    タイトルの「人間の心が分からなかった俺」は大げさかなぁ〜。研究の説明は難解だった。語り口はユーモラスで飄々としてよかった。
    青春期だと言いながら、肝心な奥様とのエピソードがないじゃないの〜!

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    2026年09月19日
  • 人間の心が分からなかった俺が、動物心理学者になるまで

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    動物の心理を研究している教授の学生時代から大学で職を得るまでのエッセイ
    なかなか赤裸々なことが書いてあったが、文体が昭和な感じであるため軽く読めた。
    大学に職を求めるのは自分では経験することはなさそうなので、こういう感じなのかと知れたことは良かった
    人間の心が分からないわけではなさそうなので、このタイトルにしたのは謎である

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    2026年04月05日
  • 人間の心が分からなかった俺が、動物心理学者になるまで

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    「動物の音声コミュニケーションから言語や心の機嫌を探る研究で知られる」という大学教授である著者の青春記。
    研究を続けることの苦労、ポスドク問題、研究の実利性問題などにも忌憚なく言及しており、まさに研究職にある人の生の声が伝わるように感じられた。
    ユーモアのある語り口で、良くも悪くも昭和の雰囲気が伝わってくるのも懐かしい。

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    2026年01月03日
  • 人間の心が分からなかった俺が、動物心理学者になるまで

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    『中瀬ゆかりのBOOK ソムリエ』で紹介されていた本。
    『考える人』で66回に渡って連載したものを改稿・再編集しているせいか、文章の雰囲気が章によって違ったり、一人称が「俺」「私」僕」になっていたりと、バラバラになっています。それが「おっ?どうした?今回はすごくフレンドリーな文章」とつっこみながら読めるところが面白い。

    動物心理学者という肩書なので、文系のお話かと思っていたら、実験はがっつり理系。論文のことになると私にはちんぷんかんぷん。それでも淡い恋愛のところや、頑固な先生たちの話にほっこり。
    研究者の厳しい現状を知り、人との繋がりの良さを感じることができる本でした。

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    2025年11月10日
  • 言葉の誕生を科学する

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    鳥やクジラに見られるような、求愛の時に行われる歌のような声から言語が始まったという仮設は面白と思うし、納得感がある。
    しかし、それなりに長い対談の中で刺激的な話題が他にはあまりなかったのが残念。
    対談というのもは基本的にしゃべったままを記録するものなので、あまり内容が詰まったものにはなりにくいのかな。

    発声というのは本質的には呼吸を制御することであるというのは目から鱗が落ちる思いだった。鳥のように上空を飛んだり、クジラのように海に深く潜ったりするためには、意図的に呼吸を制御する必要があり、その副産物として多彩な歌を歌うことができる。他の動物は無意識的な呼吸のみを行っているのだろう。人間は呼吸を制御できる必要がなかったのに発声を学ぶことができたのが不思議だということ。(59ページあたり)

    あと、コミュニケーションには、コミュニケーションしたいという意図のコミュニケーションと、内容のコミュニケーションに分かれるということ。(99ページあたり)

    答えのない問いに対して考え続けるのは大切なことだと思う。

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    2021年01月23日
  • 言葉の誕生を科学する

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    人間が言葉を生み出した謎に小説家と科学者が迫る。言葉の原型をもとめて人類以前に遡る対談形式の入門書。
    言葉とはコミュニケーションの最たるものなのか。自分の気持ちを伝えるための進化か退化か。ただひとつ言えるのは、言葉から派生した文章表現には美しさが伴うということ。

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    2018年07月10日
  • 〈生きもの〉 ハダカデバネズミ 女王・兵隊・ふとん係

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    成毛眞氏「面白い本」の一冊。
    奇妙な外見のネズミ。東アフリカの乾燥地帯に地上下50cmに3キロものトンネルを掘って鎖国状態で暮らす。たった1匹の女王が母親で、1〜3匹のオスのどれかが父親だけど、母父も兄弟のこともあるという近親相姦密室家族。働きアリや兵隊アリに相当する子供達。でも、階級は生まれながらに決まっているわけではないところはアリとは違う。哺乳類のくせに自分で体温を維持できない。ネズミのくせに何十年と生きる長寿。
    もうこれだけで十分、おもしろいよね。
    勢いで同じシリーズの「シロアリ」も買っちまいました。

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    2014年12月23日
  • 言葉の誕生を科学する

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    歌をうたう種、不協和音についての考えかたがおもしろかった。

    68「音楽や動物の歌のような、特定の意味のないところでこそ形式が複雑化して文法は進化てきるということですね」

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    2014年04月13日
  • 〈生きもの〉 ハダカデバネズミ 女王・兵隊・ふとん係

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    【読み物】
    このような動物がいるとは!
    毛がなくて出っ歯のネズミ、パッと見た瞬間少しヒキますが、よく見ると可愛く見えます。
    ハダカデバネズミは群れで生活します。社会環境も成り立っており、しかも哺乳類ですが、変温動物のため30年以上も生きるのです。
    すごいですね。

    変温動物であるゾウガメも200~250年も生きるそうです。それだけ生きれば、「この短い人生では何もできない」とは言えません。なんでもできそうです。しかし、なんでもできると思って、活発に動くと寿命は短くなるのでしょうね。おそらく。。。

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    2013年04月27日
  • 〈生きもの〉 ハダカデバネズミ 女王・兵隊・ふとん係

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    そもそもなぜ、「ハダカデバネズミ」に関する本を読んだかというと、僕の記憶違いでなければ、『新世界より』(貴志祐介著)という小説の中に「バケネズミ」というキャラクターが登場するのですが、それの祖先だったかモデルだったか(ここらへんがあいまいで...)が「ハダカデバネズミ」ということで、まあ頭の片隅に残っていたんでしょうね、読んでみたということです。

    『ハキリアリ』という本を読んだときも感じたことなんですが、いやー彼らはすごいですね。もう人間と一緒ですよ。非常にシステマティックな世界です。本書から得たことをちょこっとメモ風に書いていきますね。

    ・個体識別するときは背中に小さな入れ墨をする。
     ※『新世界より』のバケネズミは額に入れ墨をしていたなあ。

    ・一つの群れには80~300匹ほどおり、女王、繁殖オスが1~3匹、兵隊デバ、働きデバの階級制である。兵隊デバは普段は巣でゴロゴロしているんだけど、他のコロニーから襲撃があった場合に出撃する。働きデバは主にエサ探し、巣の清掃と子育ての手伝い。働きデバの一部は、仔の養育期間のみ「肉ぶとん」係になって、子どもたちのふとん係に徹する。

    ・デバの役割分担は体の大きさや、群れの仲間との関係に応じて変化してゆく。※シロアリの役割は生まれつき決まっている。

    どうですか?ちょっと興味湧いてきませんでしょうか?本書にはカラーの図も収録されてるので、視覚的にも理解しやすいですし、薄いので(でも内容は濃い)すぐに読めちゃいます。ネズミの本とかってよほど好きな人じゃないと手に取ろうと思いませんよね。でも、人間以外の動物の世界って思ってるよりもすごいです。ぜひご一読を。

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    2013年01月22日
  • 〈生きもの〉 ハダカデバネズミ 女王・兵隊・ふとん係

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    漢字で書くと「裸・出歯・鼠」ですね。カタカナよりもインパクトが強くなります。
    このネズミ、蟻みたいに女王ネズミや兵隊ネズミなどに分かれているそうです。兵隊ネズミが仕事をサボっていると女王ネズミに叱責されます。そうすると兵隊ネズミは謝罪するそうです。その姿がユーモラスです。

    このネズミを見られる場所も何箇所かあるようですが、現物を見る前に本書を読んで基礎知識を得てからのほうが、数倍楽しめそうです。

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    2012年09月21日
  • さえずり言語起源論 新版 小鳥の歌からヒトの言葉へ

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    鳥はどうやって歌を習得するのか、そもそもなぜ歌うのか、種によって異なる鳥の歌はどうやって生まれてきたのか、という研究。
    そして、人間の言語も起源も、鳥のようなさえずりだったのではないか、というのが著者の主張。その部分に関してはあまり説得力がないけれど。

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    2012年06月17日
  • 〈生きもの〉 ハダカデバネズミ 女王・兵隊・ふとん係

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    軽く読めます。ハダカデバネズミかわいい!ちょっとした研究も積み重なることでスゴイ発見になるんですね。

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    2011年02月27日