岡ノ谷一夫のレビュー一覧

  • 〈生きもの〉 ハダカデバネズミ 女王・兵隊・ふとん係

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    著者の岡ノ谷さんが、カナダで鳥類の研究をしてゐると、いろいろあって帰国せざるを得ない状況が出る。
     しかもハダカデバネズミとやらいふ社会性のネズミを押し付けられる。しかも発見し、それが社会性と言ふ奇怪な習性を持つのを発見したJ・ジャーヴィス御大の飼ひ鼠と言ふありがたすぎるものの!!
     いろいろあって帰国した岡ノ谷先生は、大学といふa勉強とb動物の飼育に不適合な環境で、ジュウシマツと共にデバを飼ひつつ言語の研究をする。
     なんか知らんけど、このデバさんは、ジェスチャーだけでなく、その言語のやうなものを操る能力も持つ。
     最後に、「歌う!ハダカデバネズミ!」は、謎の感動が。

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    2018年02月16日
  • 〈生きもの〉 ハダカデバネズミ 女王・兵隊・ふとん係

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     グロカワイイ?

     毛がほとんど生えていないしわくちゃの皮膚、
     目が退化してあるのかないのかわからない、
     デカイ鼻の下には突き出したげっ歯類の歯、
     脚が短く胴長。
     
     その名は、ハダカデバネズミ。
     哺乳類なのに変温動物、昆虫に特有の女王を頂点とする真社会性を有する。
     しかも寿命は破格の三十年以上。

     なんなんだ、こいつら。
     そんなハダカデバネズミたちの生態について。

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    2017年04月05日
  • 〈生きもの〉 ハダカデバネズミ 女王・兵隊・ふとん係

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    一時期、一部の間で流行っていたらしい「ハダカデバネズミ」を、遅まきながら読んでみた。
    アフリカ北東部のソマリアあたりに生息し、毛がないのは寄生虫対策との説が有力らしく、歯は口唇を突き破って生えているといった、いわゆる生態などが説明されている。
    また、その生活は集団で過ごし、アリやハチのような真社会性(繁殖は女王デバの役割で働きデバなどそれぞれに役割が決まっている)を持っているとのこと。
    子どもが生まれたら体温をキープするためにひたすらふとんの役目をするふとん係もいるそうだ。
    研究対象としてデバを選んだ理由として、その脳と行動を調べることにより社会が特化していく際の生物学的な変化を調べることを期

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    2016年05月16日
  • 〈生きもの〉 ハダカデバネズミ 女王・兵隊・ふとん係

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    ああ、『クマムシ』と同じ人の企画・編集なのね。さもあらんってとこ。

    いやもう、反則に近い。例を挙げれば、小学校低学年の男子に「うんこ」をテーマにしたギャグを言うようなもんで、こんなインパクトでかい動物をテーマにした本で、面白くならないわけないわな。
    著者やその他登場人物の「デバ愛」を感じる良書。

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    2015年11月29日
  • 〈生きもの〉 ハダカデバネズミ 女王・兵隊・ふとん係

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    言語と情動の研究者である著者が、ハダカデバネズミの生態について紹介する本。
    ただの生き物図鑑としてではなく、ハダカデバネズミを観察することで何が分かるのか、人間の言語についても分かるのではないかという著者の研究についても触れられていてとても面白いです。

    切なかったのは、ハダカデバネズミの女王はアリやハチの女王とは違って下克上によって作られるため、死因が病死か下克上ということ。
    あと兵隊のハダカデバネズミは自らを犠牲にして仲間を守るということ。

    そして音の高さや低さや声の出し方でコミュニケーションを取っていて、身体の小さい個体が大きな個体に対してだけ出す鳴き方などもあるらしく、すごく面白い。

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    2015年03月22日
  • 言葉の誕生を科学する

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    小説家の小川洋子と、岡ノ谷一夫教授の対談形式で、一気に読めました。
    ジュウシマツやハダカネズミの歌の観察も面白く、歌や言葉を獲得した人間の不思議を思いました。
    言葉ができたことにより、時間や死を認識し、神を生み出し、物語を紡ぎ出す…、当たり前だと思ってたことにスポットライトが当たり、正に目から鱗が落ちる思いでした。

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    2014年07月05日
  • 言葉の誕生を科学する

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    楽しい!小川洋子のように、言葉遣いに意識的で異分野異文化に好奇心をもつ作者だからこその「科学者に聞く言葉の起源」。
    共著者の岡谷氏は、鳥(ジュウシマツ)やハダカデバネズミを使って研究している。オスメスの求愛や集団内の社会的なコミュニケーション手段としての言語が出発点。
    本書の指摘で特に面白くヘェ〜と唸ったのは2点。
    一つは、言葉が時間を生み出したということ。もう一つは、コミュニケーションが持つ"つながること"そのものの魅力。
    私はそれを、「言葉の持つ再生機能が『今、ここ』ではない時間と空間を可能にした、その装置の名は『物語』と読んだ。そしてそれが死という時間の流れが止まって

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    2013年12月25日
  • 言葉の誕生を科学する

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    面白かった。言葉の起源は「歌」ではないか?まさか小鳥と人間に共通点があるとは思わなかった。
    文系の私でも分かりやすく書かれていてお二人の対談に引き込まれる。
    赤ちゃんや雛の泣き声について、現代のコミュニケーションについてなど、興味深い話がいっぱいだった。

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    2013年11月14日
  • 〈生きもの〉 ハダカデバネズミ 女王・兵隊・ふとん係

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    デイリーポータルZでべつやくさんのハダカデバネズミ愛を知っていたし、本に関わったとかちらっと聞いていたので、本屋で見かけて足買い。

    イラストがやはり良い。内容としては、大学での研究で論文とか博士号とかそういうワードがよく出てくるのが気になったが、まあ全体的にハダカデバネズミを知ってもらいたい感がよく伝わってくるので、こちらも千葉大学に見に行きたくなったりしてしまった。

    やはり中々に強力な見た目の生物で、イラストだけではなく写真もチラホラあるので、ご飯食べながら読むとかは余りオススメできない、とご飯を食べながら読んで思った。

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    2013年06月26日
  • 〈生きもの〉 ハダカデバネズミ 女王・兵隊・ふとん係

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    ネタバレ

    タイトルにある”ふとん係”が気になって手に取りました。

    この変わった外見と驚きの生態をわかりやすく、かわいいイラストとともに教えてくれます。

    同じ地中に住む生物でありながら、モグラは毛があるのに、なぜ彼らは毛をなくしたのか・・・どんどん謎は深まるばかりの不思議な生き物です。

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    2012年07月17日
  • 〈生きもの〉 ハダカデバネズミ 女王・兵隊・ふとん係

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    ハダカデバネズミの生態や研究の歴史、現在進行形の研究についての報告等、ハダカデバネズミファン必携の書。
    大学などでの研究ライフを垣間見る事も出来ます。
    本書で紹介されている鳴き声や行動などが、ウェブサイトで観たり聞いたり出来るようになってます。痒いところに手が届くとは正にこの事!
    最年長の女王デバが、私より年上だった事には驚きました。ああみえてご長寿!
    ハダカデバネズミなんて身も蓋もない名前で、更にその名前の通りのルックス。あの姿と暮らしを選んだ進化の過程に思いを馳せれば、そりゃ興味深い研究対象だろうなあ。

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    2012年06月18日
  • 〈生きもの〉 ハダカデバネズミ 女王・兵隊・ふとん係

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    成毛眞さんが、『儲けたいなら科学なんじゃないの』で薦めていた本。
    役割分担をしてコロニーで暮らすハダカデバネズミには、ただひたすらに子ネズミを暖める「肉ぶとん」階級なるものがあるという。
    そのユニークさに興味を持ち、購入した。

    王座を巡る熾烈な闘い。ストレスを受けたり、コロニー内の個体数が増えると子ネズミを食べてしまう。階級差による鳴き声のルール。
    ぷっと笑ってしまったり、信じられずえ~と唸ったり。
    超ユニークな生き物の生態を楽しんで読める。カラー写真も満載。

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    2011年11月08日
  • 〈生きもの〉 ハダカデバネズミ 女王・兵隊・ふとん係

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    裸で出っ歯のネズミ、名が体を表しすぎているハダカデバネズミ。その生態や研究生活を記したこの本、中高生向けか?挿絵も写真も豊富でとてもわかりやすく、楽しく読むことができました。女王は実はストレスフルとか、肉ぶとん階級など興味深いデバの暮らしが丸わかり!デバかわいい。

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    2011年10月26日
  • 〈生きもの〉 ハダカデバネズミ 女王・兵隊・ふとん係

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    アリやハチの社会は階級社会というのは有名な話だけど、珍獣ハダカデバネズミも階級社会ということに興味津々。その強烈な姿。ひどい名前。でも読み終えるととってもかわいい動物なんだと思い、機会があれば是非動物園に行ってみたいと思わされる一冊。

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    2011年05月26日
  • 〈生きもの〉 ハダカデバネズミ 女王・兵隊・ふとん係

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    読みやすくて面白い。生物の世界は奥深いなあ、と思った一冊。つい本物が見たくなって上野動物園まで実際に見に行ってしまいました。

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    2011年04月13日
  • 〈生きもの〉 ハダカデバネズミ 女王・兵隊・ふとん係

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    日本で最初にハダカデバネズミの飼育と研究に携わった岡ノ谷教授による、デバ(研究者は愛情を込めてこう呼ぶ)の飼育と研究、生態についての入門書。
    とはいえ、生態についてはまだ知られていないことが多いようで、未知の生物に悪戦苦闘する学生さんたちの青春群像も垣間見えてなかなか楽しい。
    デバはアリやハチのような真社会性を持つ希少なほ乳類である。
    彼らは乾燥した砂漠の地下に延々とトンネルを掘り、一匹の女王デバと生殖担当の数匹の王デバ、時に蛇に自ら食べられることで群れを守る兵隊デバ(兵隊ではなく生け贄デバといったほうが近いかも知れない)、働きデバで群れを構成し、各構成員は均質な遺伝子をもつ。
     何より驚くの

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    2011年03月05日
  • 〈生きもの〉 ハダカデバネズミ 女王・兵隊・ふとん係

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    以前mixiレビューに書いたものをここにもUPしておきます。
    岩波科学ライブラリー151です。
    岩波科学ライブラリーといえば、鈴木忠先生の「クマムシ?!」がそうでした。この本は、「クマムシ?!」を編集した岩波の塩田さんが手がけて本にしたものだそうです。塩田さんの「次はデバネズミやります」で生まれた本は、クマムシに劣らず楽しい本です。

    表紙から転載。
    ひどい名前、キョーレツな姿、女王が君臨、哺乳類なのに変温動物?
    愛すべき珍獣、その名は『裸・出歯・鼠』
    動物園で人気急上昇の珍獣・ハダカデバネズミと、その動物で一旗上げようともくろんだ研究者たちの、「こんなくらしもあったのか」的ミラクル

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    2010年11月19日
  • 人間の心が分からなかった俺が、動物心理学者になるまで

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    『中瀬ゆかりのBOOK ソムリエ』で紹介されていた本。
    『考える人』で66回に渡って連載したものを改稿・再編集しているせいか、文章の雰囲気が章によって違ったり、一人称が「俺」「私」僕」になっていたりと、バラバラになっています。それが「おっ?どうした?今回はすごくフレンドリーな文章」とつっこみながら読めるところが面白い。

    動物心理学者という肩書なので、文系のお話かと思っていたら、実験はがっつり理系。論文のことになると私にはちんぷんかんぷん。それでも淡い恋愛のところや、頑固な先生たちの話にほっこり。
    研究者の厳しい現状を知り、人との繋がりの良さを感じることができる本でした。

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    2025年11月10日
  • 言葉の誕生を科学する

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    鳥やクジラに見られるような、求愛の時に行われる歌のような声から言語が始まったという仮設は面白と思うし、納得感がある。
    しかし、それなりに長い対談の中で刺激的な話題が他にはあまりなかったのが残念。
    対談というのもは基本的にしゃべったままを記録するものなので、あまり内容が詰まったものにはなりにくいのかな。

    発声というのは本質的には呼吸を制御することであるというのは目から鱗が落ちる思いだった。鳥のように上空を飛んだり、クジラのように海に深く潜ったりするためには、意図的に呼吸を制御する必要があり、その副産物として多彩な歌を歌うことができる。他の動物は無意識的な呼吸のみを行っているのだろう。人間は呼吸

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    2021年01月23日
  • 言葉の誕生を科学する

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    人間が言葉を生み出した謎に小説家と科学者が迫る。言葉の原型をもとめて人類以前に遡る対談形式の入門書。
    言葉とはコミュニケーションの最たるものなのか。自分の気持ちを伝えるための進化か退化か。ただひとつ言えるのは、言葉から派生した文章表現には美しさが伴うということ。

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    2018年07月10日