芝田文乃のレビュー一覧

  • 踊る熊たち:冷戦後の体制転換にもがく人々

    Posted by ブクログ

    兎に角、地名、人名、モノ名が南米や東欧の言葉で書かれており、とても理解するのに時間かかりました。
    私ども資本主義で、しかも遠く離れたアジアで生活してる私には、わからない元共産主義社会で暮らす人々のお話が凄く良くわかりまして、知りたい、もっと知りたい気持ちに駆られまして、三百ページ近くありましたが、一気に2日間で読破しました。
    社会問題に興味ある人には必読です!

    0
    2026年03月16日
  • 捜査・浴槽で発見された手記

    Posted by ブクログ

    SFは読まない(あと歴史物と推理小説と恋愛物も読まない)とふだん公言してるんだけどブラッドベリとか筒井康隆とか読むしむしろ好きだしレムもそう。SFへ分類するほうをやめたらいいんじゃないかな

    0
    2025年05月01日
  • 独裁者の料理人:厨房から覗いた政権の舞台裏と食卓

    Posted by ブクログ

    独裁者が支配する中、いつ殺されるかも分からない状況で飯を作る料理人たちのルポ。
    男らしいガキ大将系の独裁者にはおふくろの味を、インテリ系のコンプレックス持ちには西洋の料理を出すと殺されないという学びを得た

    0
    2025年01月03日
  • 独裁者の料理人:厨房から覗いた政権の舞台裏と食卓

    Posted by ブクログ

    料理人の視点から見た独裁者は独裁者ではなかったようにも思える。でも、それは食事の時だけなのかなあ。
    そして、作者さんがすごい。尊敬できるわ…。5人も探し出すことができたなんて…。

    0
    2024年11月20日
  • 踊る熊たち:冷戦後の体制転換にもがく人々

    Posted by ブクログ

    この本は旧共産圏のブルガリアに伝わる「踊る熊」をテーマに、旧共産圏に生きる人々の生活に迫る作品です。

    この本もすごいです・・・!

    ロシアに関する本は山ほどあれど、旧共産圏のその後に関する本というのはそもそもかなり貴重です。

    しかも、その地に伝わってきた「熊の踊り」というのがまさに旧共産圏から「自由」への移行劇を絶妙に象徴しています。

    「踊る熊」を通して私たち自身のあり方も問われる衝撃の作品です。これは名著です。ぜひぜひおすすめしたい作品です。

    0
    2024年08月19日
  • 捜査・浴槽で発見された手記

    Posted by ブクログ

    レム・コレクション第2期も順調に出版されて喜ばしい限りです。
    今回はレムの作品の中でも最も謎めいたものが2篇。レムの作品は危険だ。捜査はタイトル通りミステリーを感じさせるし実際ロンドン警察庁の刑事が主人公で動く死体という不可解な謎に挑むというものです。しかしなんのヒントも得られないうえに解決不可能性がほのめかされるしSF的な方向に向かうかと思えば不気味な描写もあってホラーの雰囲気。読者が思い込んでしまうカテゴリーをことごとく外していってあれ?あれ?あれ?これはどういうこと?と頭がぐるぐると回っていきます。浴槽で発見された手記にしても同様に前書きと称する部分だけガチガチのSFで架空の手記自体は全く違う。ホロコーストありソ連時代の共産主義体制批判ありで、これは完全に検閲逃れのためにSFに包んだものだろう。翻訳の巧みさにより文章自体は頭にスイスイ入ってくるのですが、理解使用とすると途端に頭がぐるぐるする。まるでウィルスを送り込まれたコンピューターのようにロジックはアクセスしてはいけない記憶域にアドレスされたり、思考がループして暴走してしまう感じか。カテゴリーも破壊し自分の思い込みや思考パターンも破壊される刺激はエンタメ作品とは別物。危険だ。レムは危険だ。すげー。

    1
    2024年06月17日
  • 捜査・浴槽で発見された手記

    Posted by ブクログ

    アンチミステリのカップリング。警察ものとスパイものの枠組みだけど、どちらも結論がない。こういうの好き。

    1
    2024年05月24日
  • 独裁者の料理人:厨房から覗いた政権の舞台裏と食卓

    Posted by ブクログ

    「これでもうわかっただろう、大統領のために働くというのがどういうことか」

    この言葉に集約されている。
    大変面白かった。同じ著者の「踊る熊たち」も素晴らしい本だった。ポーランド人である著者だからこそ書けた内容だと思う。

    0
    2024年04月24日
  • 独裁者の料理人:厨房から覗いた政権の舞台裏と食卓

    Posted by ブクログ

    独裁者に気に入られつつも、いつ殺されるか分からない恐怖に怯える

    独裁者のこどもが腹痛をおこし、急ぎ病院に連れて行く話や、仲のよかった友人が実は自分を密告していたり

    もう小説のようなエピソードがたくさん

    一方で独裁者の優しい一面を語る料理人もいる
    決して歪んだ認識というわけでなく、おそらく正しい一面なのだろう

    そういう点も含め素晴らしい
    ハンターハンターの蟻編のストーリーみたいだ

    0
    2023年08月12日
  • 火星からの来訪者

    Posted by ブクログ

    楽しみにしているレム・コレクション。第二期は順調に出版されていて誠に喜ばしいです。
    実質のデビュー作である表題作含め非SF短編も含む初期作品集。書かれたタイミングは戦時中でありしかも場所は現在も禍中にあるリヴィウ。ドイツに占領されていたりポーランド領だったりソ連だったりと過酷な経緯を辿る街で、また今も翻弄されています。ホロ・コーストのストレートな場面を描かれた短編も含まれており、ユダヤ人でもあったレムはこんな環境のなかでも作品を書き続けていたのがよくわかります。「ヒロシマの男」も印象的です。発表されたのは原爆投下後の二年後と早く、いかにレムも衝撃を受けていたことがわかります。感情的なじとじとした表現ではないだけに一層印象に残ります。
    どれもいわく付きの作品ばかりですが、作品の観点と密度はすごい。以降の作品群にもつながる芽が含まれていて、レムは最初からレムだったことにもうなづけます。レムの作品を読むと激しく頭がかき乱され、考えることを要求されることが刺激的で大好きです。短編でも変わらないので、立て続けに読むことは難しいですが・・・次巻が楽しみ。

    0
    2023年03月28日
  • 踊る熊たち:冷戦後の体制転換にもがく人々

    Posted by ブクログ

    今年一番、すすめたい本。

    前半はブルガリア・ロマの熊使いの伝統の終焉の、人と熊と。自由は社会の設定ではないのだと感じる。しかし社会の設定は自由な社会を設定しようとする。これは社会の過渡期なのだろうか?そう考えるよりも、自由は能力のように上達させるものなのだろう。

    日本に限らないと思うが、自由は置かれているのに閉塞感が強い。いや、足枷はないがルールがある。社会なら仕方がない質のものはあるだろうけど、問題なものもあるだろう。ただ、案外に好きにすればと放任されている。こういった暮らしを知ると。例外は一旦置いといて。

    便利なのだ。道具だけでなく仕組みも。広い意味での道具が便利で、扱いに注意しなくてもセーフティなものに多く囲まれるようになった。街道一の建具や職人のひ孫の僕は、以前の「道具」を知っているし、その感覚はどことなく身につけた。以前の道具は、付き合い方がうまくならないといけなかった。

    道具で仕事をするのではなく、道具と仕事をしていた。人間が道具の能力に合わせる面があり、素材の都合に合わせる面があった。そしてその結果が匠だった。それを考えると今は、素人向けの道具に囲まれ、多くの人が同じようにそうやれる。そして扱いが悪くても道具を壊してしまったり、大怪我をしてしまうこともだいぶ減った。

    自由を手にするとは、自由さんという道具のようなものとお互いに擦り合わせて、能力が上達することで手にするものなのだろう。便利な道具だらけではその能力のなさに気づきにくく、謙虚な心がなくても、道具はいうことを聞いてくれる。自由力とは慎みや片付けなどの基本動作の筋力アップで付くものだった。今はそれをしにくい。自由という吊るしの完成品、むしろ初心者ほど、効き目が高いものを求める。自分の頭をすてて自由が手に入るものだったが、それこそできない。自我。わがまま。やさしさ社会。

    「自由なのに自由にできないものたち」

    後半は、長くなったので省略する。哲学思想のように難しい文はないので読みやすい本ではある。「読書は好きになる必要がある」。映像画像音声などは便利な道具だ。便利で知を得ることができるが、自由からは遠ざかる。

    0
    2022年06月19日
  • 厨房から見たロシア:包丁と鍋とおたまで帝国を築く方法

    Posted by ブクログ

    ルポルタージュを読むことができるようになって嬉しい。読みやすかった。
    食べるものがない、飢えで苦しんだ時代。
    「こんな場所で言える言葉などない」
    「たいていは夜明け前の日没後に食べていたんだ、煙で厨房の位置がばれないように。」
    切ない。

    0
    2026年04月15日
  • 火星からの来訪者

    Posted by ブクログ

    特に印象に残った二作の感想。

    『火星からの来訪者』
    粗削りながらも、すでに後の『ソラリス』に通じるテーマ──人間にとって“他者”とは何か──が浮かび上がっていたのが印象的だった。作中、謎めいた異星生命体と人類の科学者たちが接触を試みるが、そこに成立したのは「対話」ではなく、どこまでも一方的な「観測」だったように思う。特に、教授が体験する“火星のヴィジョン”の場面は、人間側の希望的観測の象徴に感じられた。リオンが何かを伝えようとしたのではなく、教授自身が「意味を見出したい」という欲望から幻を見たのではないか。この作品を通じて、レムは早くも「知性とは、他者と本当に理解し合えるのか?」という問いを投げかけている。その問いは、今なお新しく、静かな余韻を残す。

    『異質』
    スタニスワフ・レムの短編『異質』は、少年が「永久機関を発明した」と物理学者の家を訪ねるという、ユーモラスな導入から始まる。しかし、物語は思いがけない方向へ進み、ラストは唖然とさせられる。
    作中では「プランク定数」や「シュレーディンガー方程式」などが語られ、科学の理論がいかに不確実性と隣り合わせであるかが示唆される。確率的に“ありえない”はずの出来事が、ほんの僅かな可能性のもとで起こり得る——その問いかけが、後の『ソラリス』や『無敵』に通じる「人間には理解できない存在」や「科学の限界」というレムの核心的テーマに直結している。短くも鋭いこの作品は、知性への皮肉と想像力への畏怖が詰まった、まさに“プロト・レム”的一編。

    0
    2025年06月27日
  • 電脳の歌

    Posted by ブクログ

    順調に刊行が続くレム・コレクション。誠に喜ばしい限りです。人間よりも人間らしいロボット二人の寓意に満ちた珍道中。とは言ってもそこはレム。歯応えありすぎるほどあるよ〜。簡単には噛み砕けないよ〜。言葉遊び部分も多く、原文が読めたらもっと楽しめるんだろうなぁと思うと同時に、日本語への落とし込みに翻訳者は悶絶ものだろうなと思いました。この文化間ギャップが興味深くもあります。

    1965年の作品ですが現在の生成AIを先取りする記述があまりに現代的で驚愕する。主人公のロボットたちが建造師と言われているのもシビれます。英語ではなんて訳されているのだろう。builder?クリエイターも今やソフトよりの印象となってしまったし。建造師となるともっと重厚長大なハードウェアも作る感じがしていいね。物語中ではビルほどもあるAIを作っていてこの辺りもリアル。

    作ったものが世界を消滅させかねないトラブルの元になったりもするけれど、やっぱり何か作り出せる人でありたいと思う。その方が楽しいし。
    次回刊行の「地球の平和」も楽しみ。

    0
    2025年06月14日
  • 独裁者の料理人:厨房から覗いた政権の舞台裏と食卓

    Posted by ブクログ

    ファーストインパクトは著者のポートレート写真だった。
    「一度料理人になりかけた」というジャーナリストの佇まいは、満面の笑みでもカバーしきれていないほどの強面。こんな人物に訪ねて来られたら、嫌でも口を割らねばなるまい…。
    だが本書でインタビューを受けるのは「独裁者」に仕えていた元料理人たち。強面の来訪とは比べものにならないほど、恐ろしい瞬間に立ち会ってきたはずだ。(何より貴重な生き証人である)

    「世界の運命が動いたとき、鍋の中では何が煮立っていたのか?[中略](料理を)見張っていた料理人たちは横目で何に気付いただろう?」

    ポートレートを皮切りに、そこからは本の構成に魅せられていった。
    著者は各大陸の独裁者(実は結構厳選されている!)に仕えた料理人に、独裁者の人物像や彼らが口にしたものを聞き、時には好物を再現して貰っている。
    面白いのが、「第◯章」の代わりに「朝食」等食事にちなんだ名称で振り分けているところ。その間に提供される一風変わった「オードブル」も、今振り返るとシビれる演出だ。

    朝食:
    スターリンを手本にしていたというサダム・フセインだったが、料理人の口を通すと表だった冷酷さは見られず。
    寧ろ「(フセイン時代のような)強権でしかイラクを統治できない」という世論さえ存在するという…。フセインのイメージが味変した瞬間だった。

    昼餉:
    途中から著者の存在を忘れるほど、オドンデ・オデラの身の上話に聞き入った。イディ・アミンらの料理人として職務を全うし、裏切りに遭ってもなお生き永らえている…。
    天命で定められたかのような人生、もう誰にも乱されずにいて欲しい。

    午餐:
    面白半分で本書を選んだことを後悔した章。人々が音もなく粛清されていくのが自然と映像化され、気分が悪くなった。
    エンヴェル・ホッジャ(アルバニアの独裁者)を知らなかったので、得体の知れない感じが余計恐ろしさに拍車をかけていたのかも。

    夕食:
    カストロさん、2016年までご存命だったんだ…。トップに上がる前は思いつきで食事を摂る人だったらしいけど、食べることは大好きだったそうな。乳製品消費を推進する食育家みたいな一面もあったというのが、あまり独裁者らしくない笑

    デザート:
    本書唯一の女性料理人。取材中は常に笑顔を絶やさず、ポル・ポト時代に笑顔を強いられたせいだと思っていたけど、本心から彼のことを慕っていた…。政権下を生き抜いた一般人との落差が凄くて、今も色々と違和感が拭えない。

    全「メニュー」で共通していたのは、どの独裁者も料理人に親切で厚待遇だったこと。「相手の胃袋を掴む」とはよく言ったもので、料理人が毎日命懸けでメニューを考案するたびに、独裁者は彼らに期待と信頼を寄せていった。

    本書の原題は直訳すると『独裁者に食べさせる方法』になるらしい。「食がその人を作る」と言うように独裁者にも、おふくろの味をはじめ一口食べれば活力が湧く一皿があった。
    同時にその積み重ねが、独裁者を作り上げる一助になってしまうとは…。

    0
    2024年05月24日
  • 独裁者の料理人:厨房から覗いた政権の舞台裏と食卓

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    サダム・フセイン、イディ・アミン、エンヴェル・ホッジャ、フィデル・カストロ、ポル・ポト。
    独裁者たちが何を食べてどんな顔を見せていたかを、彼らの専属の元料理人たちが語っている。
    彼らは今もあまり過去を喋りたがらない。食事で何か問題が起きれば自分の命が危ないというギリギリの現場だったようだ。当時一般の人々よりは良い暮らしをしていても、独裁者の身近に仕えていただけに色々と危険も多く、周囲の人に過去を知られることも避けたいと考える人がいてもおかしくない。
    印象的だったのはイディ・アミンの料理人。料理人というより職人のような雰囲気だった。料理の腕と安全性と信頼がすべてであり、失敗は許されない。読む限りでは安定した職業とは決して言えず、権力に翻弄されて激しい人生を送ってきたのだなと思った。
    ポル・ポトの料理人は別の意味で興味深かった。とても盲目的で、私には異様に見える。でも彼女はそうやって命を繋ぎ止めたのだろうし、個人の生き方だからなんとも言えない。これほどの年数が経過しても冷めない愛というのはどういうものなのだろう。真実の愛なのか、そう思いたいだけなのか、それとも自分を守るためのものなのか、興味があるけれど想像するしかない。

    0
    2024年05月23日
  • 独裁者の料理人:厨房から覗いた政権の舞台裏と食卓

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    かつて独裁者だった人物、イラク共和国のサダム・フセイン、ウガンダのイディ・アミン、アルバニアのエンヴェル・ホッジャ、キューバのフィデル・カストロ、カンボジアのポル・ポトの料理人のインタビュー集。

    料理人になった経緯と仕事をしていたときの心理と主人の失脚後の人生は様々。大体は「いつ捨てられるのか、いつ殺されるのか」と怯えながら仕事をしていた。

    その中で一人だけ異彩を放っていたのはポル・ポトの料理人のヨン・ムーン。インタビューされた人間では唯一の女性。彼女はポル・ポトに心酔しきっていた。

    料理人以外の現地の人間にもインタビューを行い、独裁者が当時現地でどう思われていたのか詳しく描かれている。

    少し駆け足で読んだのでまた機会があれば手に取りたい。

    0
    2023年06月21日
  • 踊る熊たち:冷戦後の体制転換にもがく人々

    Posted by ブクログ

    前半が熊使いにまつわる話、後半は共産主義から資本主義に移行して戸惑う人々の話。後半の章ごとに冒頭に差し込まれる前半の言葉が心模様を端的に表している。100%の社会など存在しない。ソ連解体に伴う意識の変化を通じ、社会の成り立ちの基本を見直せる良書。

    0
    2022年02月14日
  • 踊る熊たち:冷戦後の体制転換にもがく人々

    Posted by ブクログ

    鎖の付いた鼻輪を付けられて、男の指示に従って二足で立ち上がり、見せ物として”踊る熊”。動物虐待に他ならないこの伝統は、ブルガリアにおいてかつて脈々と受け継がれていたー過去形を使ったのは、ブルガリアが共産主義から資本主義社会へ展開した後、動物愛護団体によって全ての熊が庇護され、この伝統は消滅したからである。

    では、この熊たちは庇護され、幸福な生活を送っているのかと言えばそうではない。生まれてから長きに渡って鼻輪で拘束された熊たちが自由を味わったとき、自由の重さに耐えきれなくなる。そして熊たちはすっくと立ち上がり、鼻輪で拘束されていたときと同様に、踊ってしまうのだ。

    本書は、ブルガリアのような、かつての共産主義国家が資本主義に転換したことによって、”自由の重さ”に社会が耐えきれなくなっているということを描いたノンフィクション作品である。

    冒頭のブルガリアにはじまり、ウクライナ、ポーランドなど、様々な国を巡りながら、”自由の重さ”、そして”自由の痛さ”がどれだけ人々を痛めつけているかを、知ることになる。

    0
    2021年06月06日
  • 独裁者の料理人:厨房から覗いた政権の舞台裏と食卓

    Posted by ブクログ

    久々のノンフィクション。食に関わるものはやはり定期的に買ってしまうな。

    サダム・フセイン、イディ・アミン、エンヴェル・ホッジャ、フィデル・カストロ、ポル・ポトの5人の独裁者の元料理人達が語る、彼らの素顔とは。一国の全権を掌握する独裁者が、恐らく一番無防備になるであろう瞬間、「食事」を供するリスクとリターンはどちらも甚大で、自らの命だけでなく、家族や親類縁者の命を賭す代わりに、金と名誉、要職まで得ることができる。そのようなポジションに就く者たちは、やはりどこか頭一つ抜きん出ていて、独裁者らの胃袋を掴み、懐に入り込む術を知っている。例えば、茶請けに必ず焼きたてのクッキーを添えたり、母の味を再現するために秘密の特訓を重ねたり、不機嫌の兆候を察知するや否や、先回りして好物を作っておいたり。それだけでなく、不都合なことを見て見ぬふりをしたり。むしろ一番最後の能力の方が、料理の腕や気配りよりも重要なのかもしれない。劣っているものは結局インタビューに答えられるまで生き延びられなかっただろうから。

    0
    2026年02月06日