緒音百のレビュー一覧
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新しい作家さんたちの実話怪談集。
何度か読んだことのある人からはじめての人まで盛りだくさんでてんこ盛りで読み応え相当ありです!!
ワタシのとくに気に入った作家さんは緒音百さん、千稀さん、高倉樹さんでした。
緒音百さんのはどれもめちゃくちゃ好みだった。
全部あげられないのですが、他の作家さんも異界のにおいがぷんぷんする作品が多くて大満足でした。
『まぁだだよ』『じんこく』『ビー玉』『油まみれの紙人形』『ハシビロコウ』『牛蛙』『失敗』『養老渓谷の蛭』『幽霊ドッキリ』『安藤くんと松岡くん』『何を売っても食べたい美味しさ』『廃屋のお通夜』『三すくみ』『学祭公演』『わたしの母さん』
とくに好きなのは『油 -
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新人実話怪談作家を集めた1冊。
とても新鮮で書き手のレベルも高く、恐ろしい幽霊の話から不可解で奇妙な話、ほっこりする不思議な話、そして忌まわしい人の話までとても楽しめる1冊。
とても読みやすく、書き手の作家さんの個性を感じつつも違和感を感じない文章が読んでいて気持ちがいい。
よくある創作臭さやスピリチュアル感が無く「人から聞いた不思議な話を又聞きしている」感覚が強くとても良い。
特に「ハシビロコウ」のようなほっこりするおめでたい不思議な話が好きなのでとても嬉しい。
「もんちゃん」や「河童」のノスタルジックで悲しい雰囲気も好き。
「Pのクラス」のような「これは一体…?」となる不思議な感覚もとても -
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現代で読みやすい因習村。
不幸な主人公、外部を拒絶する村、そこで暮らす血縁、信仰、怨霊、昔話と呪い、儀式、死体、自己のために犠牲を強いる村人と、王道の流れで綴られるホラー。呪いなどまやかしだと主人公も読者も信じ込ませようとして、最後に紙に染み込んだ油のような後味を残させるホラー。主人公の心の語りが多いなと思ったけれど、彼がこれを受け入れるのはしょうがないんだと思わせる為に積み上げられたのだと思えば納得できる。
謎も先が見えやすく、ミステリーよりもホラーに寄っているのがいいし、現代の人が読んでも嫌悪感や拒否感を強く起こさせない村なのですっきりと読めた。 -
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ちょっとNot for meかなと思いつつもジャケがカッコよかったので手に取ってみた、呪術にフォーカスした実話怪談コンピ。
呪術というと呪う方と呪われる方、つまり因果と応報があって、その間にある呪いという“わからなさ”よりも、人の怨みや悪意が怖いのかもしれない、そんな話でもつくね乱蔵さんの各編は体験も語りも厭さも流石だな、などと思いながら読み進めていたけれど、後半に収録されている久田樹生さんの長尺の一編「巧妙」が「本当に呪われているのか。呪われているのなら目的は何か。全てが分からない」まま長期間に渡って進行していく話で凄かった。更には最後に紐解かれそうになりつつ隠されたまま終わる因果にも人の禍 -
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天涯孤独の小説家・津雲佳人の元に伯母を名乗る人物から手紙が届いた。
その手紙の中には、幼い佳人と、十数年前に自死した父の写真があった。
親戚などいないと思っていた佳人だったが、小説を読んだ伯母が住んでいる島の描写が克明だったことから探していた甥ではないかと…。
佳人が孤島の陽炎島に渡ってみると、そこは異人殺しの伝説が残る忌まわしき島だった。
すべてが怪しく、島民の結束力も強く、何十年にも渡って数々のタブーを守り継承していることは、とても悍ましく精神を麻痺させるような事だった。
白一族こそが異人であるとわかったとき、セイの企みも見えて…
すべては焼きつくされるのだが…。
孤立した島は土 -
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夏はホラー!今年2冊めのホラーで酷暑に涼をと書店で見つける、何の予備知識も無く手に取って読んでみようと即決で購入!「孤島」「過去の忌まわしい惨事」「信仰」「妙によそよそしい島民」「猟奇殺人」「記憶の断片」常に何かの伏線であろうと予想してしまう展開、そして謎の解明!個人的に好みの要素が多くサクサク読み進める事が出来た。
どうしても過去の名作に近いものを連想してしまう、「獄門島」というより「悪霊島」に近い!物語の中で「幻覚」だけで片付けられないホラー要素と伝承、何点か解明されない謎も残るが、個人的人は非常に楽しめた。
今年も「夏はホラー、第二弾」となった! -