【感想・ネタバレ】呪術怪談のレビュー

あらすじ

怪談の中の怪談…それは「呪い」。

「跡取りを六人あの世に連れいてく…」
ある家を絶やすための呪詛掛け軸。
不自然な絵の空きスペースに何が…
(「六仙図」より)

憎いと思った瞬間から呪いは発動する。
最恐にして最凶、禁忌の実話怪談!

この世でもっとも恐ろしい怪談、「呪い」に纏わる怖い話を集めた実話集。
・六人の仙人を描いた掛け軸。だが、それは跡取り候補を六人あの世に連れて行く呪術絵…「六仙図」
・白い裏面に白インクで印刷してくれと依頼された謎の図案。それには恐ろしい仕掛けが…「ステッカー」
・亡き娘の日記に残されたいじめの事実と復讐のための呪法。母の決断は…「引き継ぐ」
・山中で偶然縊死体を発見した男。警察から見せられたのは<私を見つけた者を呪います〉と書かれた遺書…「呪います」
・ある児童の机の中に入っていた手紙。その子を褒めちぎる内容だが、翌日から異変が…「悪筆と達筆」

他、ズシンと36話収録!

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Posted by ブクログ

ちょっとNot for meかなと思いつつもジャケがカッコよかったので手に取ってみた、呪術にフォーカスした実話怪談コンピ。
呪術というと呪う方と呪われる方、つまり因果と応報があって、その間にある呪いという“わからなさ”よりも、人の怨みや悪意が怖いのかもしれない、そんな話でもつくね乱蔵さんの各編は体験も語りも厭さも流石だな、などと思いながら読み進めていたけれど、後半に収録されている久田樹生さんの長尺の一編「巧妙」が「本当に呪われているのか。呪われているのなら目的は何か。全てが分からない」まま長期間に渡って進行していく話で凄かった。更には最後に紐解かれそうになりつつ隠されたまま終わる因果にも人の禍々しさが想像出来て、そっちsideの怖さもしっかり味わったのでした。

卯ちりさんの「ホテルの壁に」はそんななかでも唯一の完全に全てわからない話で、このなかで読むと異質というかぶち込んできた感もあってそんな感じも最高でした。

呪術の話をまとめて読むと、この前のあのトラブルや最近辛くなってきた腰痛もまさか……みたいな勘繰りもしてしまうけれど、最後が「呪いに打ち勝つ術」という実用的な一編で〆ていて、そんなわたしのような読者にも親切な編集だなと多少安心しながら思ったのでした。

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2024年12月22日

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