あらすじ
エブリスタ×竹書房が推すホラーの頂点
第3回最恐小説大賞受賞作は、孤島の怪奇ミステリ―!
天涯孤独の小説家・津雲佳人の元にある日届いた、伯母を名乗る人物からの手紙。
そこには幼い佳人と、十数年前に自死した若き頃の父の写真が同封されていた。
一度あなたの故郷へ来てほしいという伯母に、
佳人は九州南西部の孤島・陽炎島に渡る。
しかしそこは地元の者も近寄らぬ禁域、異人殺しの伝説が残る忌まわしき島だった。
島では異人の魂を弔う秘密の神事が行われており、
その神事を担うのが佳人の一族・白(つくも)家であるという。
現在は佳人のいとこにあたる、みのり、ハル、セイの3人がそのお役目を果たしている。
父はなぜ幼い佳人を連れて島を出たのか? 母は?
様々な疑念が渦巻く中、島で起きる殺人事件、奇怪な祭り。
犯人は異人の亡霊なのか、それとも……。
閉ざされた島で起きる戦慄の惨劇、ヴァナキュラーな孤島の怪奇ミステリー!
「あそこは異人殺しの島ですよ」
昔、陽炎島に鬼の一族が漂着した。
島民は金品と引き換えに上陸を許し、その夜、歓迎の酒宴を開いた。
宴は異様な盛り上がりを見せ、ついに島民達は酔った勢いで鬼達とまぐわってしまう。
翌朝目を覚まし我に返った島民は、鬼達が眠っている隙に彼らを惨殺し、金銀財宝を奪って死体を山に棄てた。
「その鬼が異人であると?」
「さあ。ただその亡霊が彷徨うんです、今も」
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
これホラーなの?
全然怖くなかったんだけど?
どちらからと言うと、ミステリなんじゃないか?
序盤からどんどん物語に引き込まれて、一気読みしてしまった。
短時間で読めるから、初心者
Posted by ブクログ
佳人が書いた小説の舞台、自身の心象風景だと思っていた村の風景が九州南西部に浮かぶ島と酷似していたことから、叔母であるという女性より手紙をもらい訪れることに。その島は異人殺しの伝説の島、陽炎(かげろう)島という。そこで行われる秘密の儀式、いまなお残る呪いとは。佳人の知られざる過去とは、白(つくも)一族の秘密とは。頁が進むにつれおぞましさが加速してゆく。たとえるなら何となくだが横溝正史作品を彷彿させるような感じ。ちなみに、かぎろい(陽炎) とは、日の出の1時間ほど前に空が赤く染まる自然現象の事だそうです。
Posted by ブクログ
ホラー。ミステリ。
古い伝統が残る島が舞台のホラー・ミステリ。
良くも悪くも古臭い印象。
最近読んだ作品だと、『金田一少年の事件簿 異人館村殺人事件』の雰囲気が近い感じ。
ホラーやミステリとしては王道の設定で、ストーリーも大体予想通り。
王道だからこそ、安心して楽しめる。
文章の読みやすさと、先が気になる展開でサクッと読めた。
竹書房さんは相変わらず装丁のセンスが良い。
Posted by ブクログ
現代で読みやすい因習村。
不幸な主人公、外部を拒絶する村、そこで暮らす血縁、信仰、怨霊、昔話と呪い、儀式、死体、自己のために犠牲を強いる村人と、王道の流れで綴られるホラー。呪いなどまやかしだと主人公も読者も信じ込ませようとして、最後に紙に染み込んだ油のような後味を残させるホラー。主人公の心の語りが多いなと思ったけれど、彼がこれを受け入れるのはしょうがないんだと思わせる為に積み上げられたのだと思えば納得できる。
謎も先が見えやすく、ミステリーよりもホラーに寄っているのがいいし、現代の人が読んでも嫌悪感や拒否感を強く起こさせない村なのですっきりと読めた。
Posted by ブクログ
天涯孤独の小説家・津雲佳人の元に伯母を名乗る人物から手紙が届いた。
その手紙の中には、幼い佳人と、十数年前に自死した父の写真があった。
親戚などいないと思っていた佳人だったが、小説を読んだ伯母が住んでいる島の描写が克明だったことから探していた甥ではないかと…。
佳人が孤島の陽炎島に渡ってみると、そこは異人殺しの伝説が残る忌まわしき島だった。
すべてが怪しく、島民の結束力も強く、何十年にも渡って数々のタブーを守り継承していることは、とても悍ましく精神を麻痺させるような事だった。
白一族こそが異人であるとわかったとき、セイの企みも見えて…
すべては焼きつくされるのだが…。
孤立した島は土着精神に根付く凝り固まった集団で復讐とは違う呪いの恐怖を覚えた。
Posted by ブクログ
夏はホラー!今年2冊めのホラーで酷暑に涼をと書店で見つける、何の予備知識も無く手に取って読んでみようと即決で購入!「孤島」「過去の忌まわしい惨事」「信仰」「妙によそよそしい島民」「猟奇殺人」「記憶の断片」常に何かの伏線であろうと予想してしまう展開、そして謎の解明!個人的に好みの要素が多くサクサク読み進める事が出来た。
どうしても過去の名作に近いものを連想してしまう、「獄門島」というより「悪霊島」に近い!物語の中で「幻覚」だけで片付けられないホラー要素と伝承、何点か解明されない謎も残るが、個人的人は非常に楽しめた。
今年も「夏はホラー、第二弾」となった!
Posted by ブクログ
排他的な孤島でもって異人殺しの伝説があって奇怪な祭りだとか神事を担う呪われた一族だとか因習だとか全部盛りのそういう民俗ホラー?ミステリ?という。
うーん・・・なんかこう、文章が妙に硬くて・・・いまいち盛り上がりとかぞくぞくするような恐怖感に欠ける。細かいところで「なんで?」という部分も少なくないし。父親の割腹うんぬんとか。
ていうか、物語の結構な部分を「喇叭草の幻覚」が占めてるような気も。便利すぎるだろ。