ハンナ・アレントのレビュー一覧

  • 責任と判断

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    ゼミの読書会で読みました。ガザで起きていることを踏まえて、先輩方が選んでくださってありがたかった。一読する価値は十分にあるかと思います。

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    2024年03月20日
  • 今を生きる思想 ハンナ・アレント 全体主義という悪夢

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    全体主義は拠り所を失った人々に首尾一貫した説明を与えます。依拠できる指針を求める人は荒唐無稽な説明を受け入れます。孤立した個人を巻き込んでいく運動が全体主義の本体です。これに抵抗するには絶対に揺るがない真実や事実といった拠り所が必要となります。

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    2023年02月18日
  • 今を生きる思想 ハンナ・アレント 全体主義という悪夢

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    去年飲み友だちのまりちゃんが「最近アレントが流行っているし、私も買ったんだよね」と話していて、私はアレントはかろうじて聞いたことがあるくらいだったから、相槌を打つのに焦った。そして、その夜まりちゃんと解散して一人で家の近くのバーに入ったら、アレント関連の本が数冊置いてあった。このバーには何度も来ていたけど、今まではなかったはず。バーテンダーに聞いてみたら、彼のお父さまがアレントに憧れてやまない学者さんらしく、確かに置かれた本のうちの数冊には彼と同じ苗字の著者の名前も見られた。ウクライナ戦争で再びアレントのことを思い出している人が多いらしく、バーテンダーも店に置く本を入れ替えることにしたらしい。

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    2023年02月05日
  • 今を生きる思想 ハンナ・アレント 全体主義という悪夢

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    ジャンルで言えば「全体主義」についての本ということで「社会」にあたるのでしょうけど自分は「思想、考え方」寄りの内容と捉えました。
    前半の方はアレント入門といったテイストでしたが、4章から趣が変わりアレントの考え方を引用した著者自身の全体主義というものの考え方というか向き合い方の主張?のような内容となっているように思います。私自身はアレント自身について書かれた本は何冊か読んだことがありますがその思想についての本はほぼほぼ読んだことがなく、そこの知識がないので入門として読むのに良かったです。
    しかしあんまり理解できなかった気がする。著者の方は、多分私のように興味はあってもなんの知識もない人間のため

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    2023年01月02日
  • 今を生きる思想 ハンナ・アレント 全体主義という悪夢

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    アーレントを100ページで紹介する入門書。

    アーレントは屈折の多い思想家なので、100ページにまとめるのは無理だろうと思いつつ、読んでみたら、かなりいい線でまとまっていると思った。

    もちろん、議論はかなりフォーカスされていて、「全体主義の起源」を中心に説明されている。あとは、それに関連するところとして、「人間の条件」がすこし、ポスト・トゥルースの時代に参照されることが多くなった「真理と政治」や「政治における嘘」に言及。そして「エルサレムのアイヒマン」を紹介という感じかな。

    つまり、全体主義の歴史解釈とそれと比較的関連性の高いものにフォーカスされているということ。アーレントのコアな政治哲学

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    2022年12月29日
  • 今を生きる思想 ハンナ・アレント 全体主義という悪夢

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    ナチスについてのハンナ・アレントの考察が,不気味な程現在の日本に付合する…まるで『1984』の様なdystopiaと薄い膜一枚で辛うじて隔てられている様な,実はその膜は半透膜で,エッセンスは既に充分に流れ込んでしまってるんじゃないかと息苦しくなる様な内容だった.人間の完全な均質化は不可能,故にfascismの永遠の完全な勝利はあり得ない,と言う記述に希望はあれど,与えられた時間はないなぁ,と.

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    2022年12月12日
  • 今を生きる思想 ハンナ・アレント 全体主義という悪夢

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    ネタバレ

    コンセプトがはっきりしており、分量も短くて読みやすかった。もちろん、あとがきにも書かれているように、ある思想の概要を可能な限りコンパクトにまとめるという作業は非常に困難だろうし、これだけを読んでわかったつもりになってはいけないのだろうとは思った。
    全体主義について、何となくの言葉のイメージはもっているつもりでも、暴政や権威主義体制といった他の体制との違いや、全体主義の中にいる人はどのような状態になるか、等の新たな発見があった。一方で、共通の感覚が失われる、リアリティを信じられず、想像力、一貫した論理を信じる、といった、全体主義がもたらす状態は、少しだけでも理解できたようにも思うが、では、本当に

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    2022年12月04日
  • 今を生きる思想 ハンナ・アレント 全体主義という悪夢

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    ハンナアレントの思想がわかりやすい言葉で述べられている。稀有な人間の行為が、社会的全体を変える。一人一人が良心との対話で思考し、行動することの大切さを思わせる、


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    2022年12月03日
  • 今を生きる思想 ハンナ・アレント 全体主義という悪夢

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    リテラシー、判断力は、受け売りや忖度、わがままで意見を表すものではなく、他者への思いやり、想像力を働かせてつくりあげていく。そこで過ちがあってもいい、その都度訂正していけばいいのであって、決して誤魔化したり逃げたりしてはいけない。全体主義は、一人ひとりの判断力が軽んじられ、瞬間の心地良さに安穏としてしまう先にある。常に私たちは考えよう。その日常が辛くても当事者性へのアプローチが大切であり、正しくないものへの寛容へと広げていく。千差万別の意見が飛び交う民主主義はひとつの答えが見つからなくてもその過程から気付くものがあればいい。そして自他共に修正を行っていく。そこに保身や体裁は不要である。このこと

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    2022年11月04日
  • 今を生きる思想 ハンナ・アレント 全体主義という悪夢

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    全体主義とアーレントの思想がコンパクトにまとまっている。100ページちょっとなので、スラスラ読めて入門書としても最適。

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    2022年09月17日
  • 責任と判断

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    ナチスドイツの体制のもとで、想像を絶する反人道的な犯罪行為を犯したアイヒマンたち。自分は組織の歯車に過ぎなかったと主張する被告たちの個人としての責任を追及できるのか、また、普通の人がなぜこのようなおぞましい行為に加担できたのかをハンナ・アーレントは懸命に思考した。そのことに並々ならぬ思いを感じた。
    本書に「過去に立ち返って自分のしたことを思い出すことを拒む」と「人格であることを拒んだ人」になり、最大の悪を犯し得るというようなことが書かれていた。
    現代においてもこの考えを持っておきたいと思った。そうすれば大きな声で無責任なことを喚いている人々を注意して見ることができると思った。

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    2022年06月04日
  • 人間の条件

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    公的領域。活動。言論活動で政治生活。差異をもった他者との対話。集会での発言。言葉で説得。各個人の経済利益の調整ではなく、共通の利益や関心について話し合う。自分がだれであるかを示す開かれた場。多様な意見をもつ人々が自発的に政治に関わる。政治に自ら積極的に参加し、公共的な役割に身を投じ、戦争のときには国のために勇敢に命を捧げる。スポットライトを浴びる場。自らの卓越さをしめす場。素晴らしい領域。人はポリス的動物(アリストテレス)。言葉を発することのできる存在。古代ギリシアのポリス素晴らしい▼しかし、経済論理で動く政府、政治の大衆化が公的領域を侵食し始めた。社会的領域。大衆の世界。画一主義(全体主義の

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    2024年05月29日
  • 人間の条件

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    人間の条件すなわち労働と仕事と活動を分析し考察することで近代社会における思想的体系の再構築を図る。

    ハンナ・カレント氏自身、ナチス政権下で祖国ドイツそしてパリを追われ国家の庇護を得ぬ脆弱な基盤を背景に、思想と行動をより強固により具現にすべく社会運動家と思想家として彼女の熱量を感じる。

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    2021年04月17日
  • 責任と判断

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    「道徳性というのは一種の習慣」
    これは恐ろしくも鋭い指摘だと思う。

    現代で「いいも悪いもない、価値観だ」
    みたいな語り方がされるのは、ある種
    的を得ているんだろう
    そしてアーレントはそれに
    挑戦しようとしていた。

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    2020年10月04日
  • 人間の条件

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    (01)
    一義的には労働批判であり,特に近代の人間の条件として現れた労働についての批判である.しかし,射程は宇宙的であり,地球規模をも超えており.個と全体との間にある様相を世界として,活動と仕事という人間の他の条件により,労働に並置して,批判を企てている.
    古代ギリシア(*02)の市民文化を説き起こし,近代英語の語幹に残る原義を用い,デカルトやマルクス,あるいはハイデッガーを越える議論を目論んでいる.宗教,経済はもちろん,政治や権力,そして科学の姿をひととおり描いたうえで,家や個人,プライバシーの領域にも縦横無尽に切り込んでいる.
    芸術や歴史,あるいは倫理,そして愛や救済についても筆は及んでお

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    2019年06月02日
  • 人間の条件

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    アーレントの『人間の条件』をおもむろに手にとって読んでいた。「人間の条件は、自然にも人工物にも条件づけられた存在である」というテーゼ。特に、人工物に条件づけられる存在であることがポイント。

    人工物を生産するのは、工業化の中での生産や、科学的実験における人工的状況の生産。

    近代科学の始まりとともに、それまで自然を対象にしていた(人類の)思考は、自らの行為を対象にした。科学は、自然の中の真理ではなく、自らで仮説を創造し、その仮説の中の真理を確認する営みであるとしている。

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    2018年05月22日
  • 人間の条件

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     人間の活動を分析した本。生命を維持するための労働。物による人の世界をつくり出すための製作。人と人のつながりをつくり出す活動。今まで一度たりとも考えたことがなかった視点から人間が分析されていた。
     差別や貧困、政治的腐敗、終わらない戦争等々なんと人類は愚かなのだろうと絶望していたが、この本を読むとそれが当たり前なのかなという気がしてきた。そして、その人間の本性は少しづつ変化しながら未来へと続いていくのだろうな。
     希望は持てないが多少冷静にはなれる本。

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    2018年03月11日
  • 人間の条件

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    人間の条件 ハンナ・アレント ちくま学芸文庫

    政治思想家と言う触れ込みだけれど
    哲学者と言うべきだと思う
    しかし法律書を読むように気の重い文章である
    単語がシックリとこないしクドイ
    それでも内容に惹かれて五百ページも読むことになる

    プルードンの格言に
    「財産とは盗みなり」とあるという
    しかも彼は財産をすべて人間社会から
    取り上げてしまうことで
    暴政を発生させてしまうことの方を恐れたとある
    コレこそ何とかしなければならない
    パラドキシカルで皮肉な話だ
    視野を広げた意識の成長によって邪な自らを
    管理する方法を編み出せるはずであると思う

    (私とあなたが双方に選び合うことで出合いが起こる
    個と集

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    2018年01月30日
  • 人間の条件

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    ハンナ・アーレントの代表作の一つ。vita activaの三類型として、労働、仕事、活動が提示され、その各々の領分が、古代ギリシャ以来の思想や歴史を参照することによって、画定されていく。極めて多くの素材が取り込まれており、『全体主義の起原』や『革命について』など他の彼女の作品との関連も匂わせる記述が多々見られる。そういう意味で、彼女の代表作と呼ばれてしかるべき一冊だろう。

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    2016年04月16日
  • 人間の条件

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    第1章 人間の条件

    [要旨]

    〈活動的生活〉は人間の3つの基本的な人間の条件である、労働・仕事・活動を示すものである。その中核は、不死への努力である。一方で、それと本性上矛盾する形であるのが、〈観照的生活〉である。これは、絶対的な「静」を理想としており、永遠なるものの経験をその中核にもつ。そして、ローマ帝国の没落や永遠なる個体の生命を説くキリスト教の福音が、西洋人の排他的な地位を占めるようになったという2つの事件を通して、不死への努力が空虚なものとなったことで、前者は後者の侍女となり下がってしまった。近代がこうした伝統と訣別し、ヒエラルキーの転倒がマルクスとニーチェによって行われたが

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    2015年02月24日