ハンナ・アレントのレビュー一覧

  • 人間の条件

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    すごい名著!ただ難解で解説が必要。科学万能主義への批判であり、人間はただ健康で長生きすれば良いという現代の健康重視の価値観に疑問を投げかけている。これが1958年に出ている事にもびっくり。ハンナアーレントの思想は、多くの人に触れて欲しい。

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    2026年03月22日
  • 人間の条件

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    人間の存在について考えさせられた。許しと約束、しかしそれも自由。まさに、人生は自分次第という結論に帰着しそうで、でもそのなかに人間としての条件が残っている。頭が痛くなりそうなくらい考えた。しかし、難解だった。

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    2026年03月14日
  • 今を生きる思想 ハンナ・アレント 全体主義という悪夢

    匿名

    購入済み

    よい

    100P足らずで、入門できるので初学者にオススメです。しっかりした文章で読み応えもあります。
    この本を足掛かりにアーレントの思想を学びたい人にお勧め

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    2024年03月08日
  • 人間の条件

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    アーレントの軽快な文章構成のおかげでスラスラ読み進められるが、一つの言葉に対して特有の意味をもたせる彼女のスタイルに慣れるまでが大変。

    本著で考察される労働、仕事、活動という三つの題目が西洋の歴史のなかで、どのようにして各時代を渡ってきたのか、その経緯をアーレントは入念に考察する。
    古代ギリシャを筆頭に言語の起源を辿ることで、その「言葉」そのものの語源、根本に立ち返りながら、意味の変遷過程を見据え、現代性を再考し、今一度冷静に捉え直す。
    プラトンやソクラテスによってテオリアが活動の上位に置かれ、それ以降の西洋史を大きく支配することに至るが、近代において生産消費の活動そのものがその上位の位置を奪うに至る。
    デカルト的懐疑も、その内省という終わりのない精神的活動を促進させる原動力ではあったが
    そうしてアルキメデスの点を見出したことこそが、近代特有の有用性、つまり自然そのものを理解する以上に、その生成「過程」を対象に向ける契機へとつながっていく。

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    2024年02月14日
  • 責任と判断

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    “凡庸な悪”とは何か、アイヒマンが法廷に立ったあの時と、アウシュビッツにいたあの時とはどう違うのか。
    政治、道徳というテーマを、古代ギリシャからカントやマキャベリ、ニーチェ等の思想も踏まえながら、組織に生きる我々はどのように生き、そして「無批判に行動すること」の危険性を示唆する内容となっている。
    研究が進み、アイヒマンの行動それ自体にも本書(本講演?)登場時よりも明らかになった部分も増えていると聞く、そのため究極は最新の学説も踏まえて解釈する必要はあるが、思考することの必要性、戦後世界における道徳と政治の関係性および危険性に触れることができる一冊。

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    2024年01月28日
  • 人間の条件

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    私的領域よりも公的領域に、そして労働や仕事よりも活動に、人間としての善き生を思い描くアーレントの議論は、ポリス的な生き方(公的領域で人々が交わる)を理想化しすぎでは?という不満はある。

    でも、読むといろんな疑問がわいてきて、つまりそれだけいろんな閃きの可能性に満ちていて、興奮ずくめの読書だった。とくに活動についての第5章は、§24の誕生と始まり、§33の許し、§34の約束など、人間への希望を感じさせる発想がたくさんあって感動した。

    むずかしくて分からない箇所も多かったけど、何度も読み返して食らいつきたい。

    【疑問リスト】

    Q. 公的領域における「現れ」だけがリアリティのすべてなの?
    ・他人によって見られ、聞かれること=「現れ」が世界と自分自身にリアリティを与える、というふうに言ってしまうと、たとえばレイプ被害者や自死遺族などのように、誰にも言えないし言いたくもない、自分自身思い出したくもないような経験をした人たちの、辛い過去や傷つきにはリアリティがない、と見放すことになってしまわないか?

    Q. アーレントは「喜び」についてどんな考えを持っていたのだろう?
    ・アーレントは「私的なもの」を生命ゆえの必然性や必要の領域として描いているが、「私的なもの」の典型である家は、必然(生命への従属)だけでなく喜び(生命への愛)もあるのでは?
    ・自然と人間の物質代謝を支える労働ではなく、自然の循環過程に抗して世界を作り上げる仕事=制作の方により高い価値を置いたアーレントは、書く人ではあったかもしれないが、「喜んでオムレツを作る人」ではなかったのかもしれないと思った。労働のくりかえしにだって喜びはある、と個人的には思う。

    Q. 書かれたものだけがすべてなの?
    ・活動、言論、思考は物になる(=書かれる)ことで初めてリアリティを得るという考えは、たしかにその通りだなと思ういっぽうで、書くことを特権視する西洋の知的伝統そのまんまだとも思った。また人間のあり方をめぐって、ギリシャ語やラテン語の語源にさかのぼって考えようとするなど、アーレントの議論にはエリート主義の傾向がひそんでいるように感じられた。
    ・書かれた歴史の後ろで人知れず世を去っていった数多の無名の人たちの、書かれることのなかった生のリアリティは?
    ・歴史的資料として残らなかった口承は?

    【目次】

    プロローグ

    第一章 人間の条件
    1 〈活動的生活〉と人間の条件
    2 〈活動的生活〉という用語
    3 永遠対不死

    第二章 公的領域と私的領域
    4 人間──社会的または政治的動物
    5 ポリスと家族
    6 社会的なるものの勃興
    7 公的領域──共通なるもの
    8 私的領域──財産
    9 社会的なるものと私的なるもの
    10 人間的活動力の場所

    第三章 労働
    11 「わが肉体の労働とわが手の仕事」
    12 世界の物的性格
    13 労働と生命
    14 労働と繁殖力
    15 財産の私的性格と富
    16 仕事の道具と労働の分業
    17 消費者社会

    第四章 仕事
    18 世界の耐久性
    19 物化
    20 手段性と〈労働する動物〉
    21 手段性と〈工作人〉
    22 交換市場
    23 世界の永続性と芸術作品

    第五章 活動
    24 言論と活動における行為者の暴露
    25 関係の網の目と演じられる物語
    26 人間事象のもろさ
    27 ギリシア人の解決
    28 権力と出現の空間
    29 〈工作人〉と出現の空間
    30 労働運動
    31 活動の伝統的代替物としての製作
    32 活動の過程的性格
    33 不可逆性と許しの力
    34 不可予言性と約束の力

    第六章 〈活動的生活〉と近代
    35 世界疎外
    36 アルキメデスの点の発見
    37 宇宙科学対自然科学
    38 デカルト的懐疑の勃興
    39 内省と共通感覚の喪失
    40 思考と近代的世界観
    41 観照と活動の転倒
    42 〈活動的生活〉内部の転倒と〈工作人〉の勝利
    43 〈工作人〉の敗北と幸福の原理
    44 最高善としての生命
    45 〈労働する動物〉の勝利

    謝辞

    訳者解説
    文庫版解説(阿部齊)

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    2023年09月08日
  • 人間の条件

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    本当に読み応えのある深い本でした。本書は20世紀の哲学者ハンナ・アレントの代表作の一つで1950年代に書かれました。訳者の志水氏も最後に述べているように、どちらかと言えば難解な本ですが、アレントの言葉の定義がわかってくると徐々にスラスラと読めるようになってきます。志水氏が最後に本書の概要をとてもわかりやすく説明されていますが、読者の皆さんはまずは自力で本書を読み進め、最後に自分の理解を補う上で志水氏の解説を読むと良いかと思います。

    本書は人間の「活動的生活」を「労働」「仕事」「活動」の3つに分類し、アレント氏がそれぞれを定義づけます。そして人類の歴史(古代ギリシャ以降)において、この3つの序列がどう変化してきた、そしてその理由は何か、を解き明かしています。最初はどう違うのか良くわからないかと思いますが、アレントの言葉の使い方に慣れてくるにつれ、本書の後半ではだいぶ違いが理解できます。

    アレントは本書の最後の章で「アルキメデスの点」の話を出します。これは何かといえば、人類は地球に拘束されている生き物であるにもかかわらず、地球を離れて宇宙のある点から地球を見ることが出来るようになったことを、ガリレオ・ガリレイの地動説をもって説明しているのですが、私はアレント自身も「アレントの点」なるものを持っていると思いました。しかもこのアレントの点は、空間的に遠く離れた点という意味だけでなく、時間的にも遠く離れた点に自分をおくことが出来る、という意味で時空間を超えた点だと思います。自身を古代ギリシャにおくと、いかに現代社会(20世紀)の常識が非常識であるか、が描写できるというようなことがたびたび登場します。アレントは非常に視野が広いだけでなく深い(つまり事象の根源を突き止める)ことができる卓越した人物であったと感銘を受けました。

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    2023年04月30日
  • 今を生きる思想 ハンナ・アレント 全体主義という悪夢

    購入済み

    はじめの一歩

    ハンナアレント。いつか読もうとしていたけど、著書の分厚さに尻込みしていた。この本はうまくまとまっていた。著書を買うことにした。

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    2023年01月02日
  • 人間の条件

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    おもしろすぎる!!!!いま自分たちの生きる「社会」への嫌悪の正体がかなり明瞭に示される。均一化や消費主義ときいてポジティブな印象を受けるひとは稀だろうが、そのことが生命過程との同化といった点から語られる。そこにはなによりも労働の優位がある。しかし本書がそのような啓蒙をめざしたものではないとはいえあえて苦言を呈すれば、このただ生命過程を維持するものとしての労働、消費の終わらない循環のなかにあって、いかに公的領域、仕事、そして活動をとり戻せばよいのだろう。そのことを思うと絶望的にならざるを得ない。

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    2022年04月13日
  • 人間の条件

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    おそらく半分くらいしか理解できていないだろうが、「出生が人間事象への唯一の希望」という表現は心に残っている。

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    2021年02月26日
  • 責任と判断

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    責任と判断
    (和書)2012年03月07日 19:48
    2007 筑摩書房 ハンナ・アレント, ジェローム・コーン, 中山 元


    あまり期待していなかったけど、読んでみるととびきり良い本だった。なんだか今までの自分自身を問い直すことができるように感じた。

    ・・・十分な数の人々が「無責任に」行動して、支持を拒んだならば、積極的な抵抗や叛乱なしでも、こうした統治形態にどのようなことが起こりうるかを、一瞬でも想像してみれば、この〈武器〉がどれほど効果的であるか、お分かりいただけるはずです。・・・

    自分自身と矛盾することができない。

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    2020年09月27日
  • 人間の条件

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    人間の条件
    (和書)2012年01月17日 19:52
    1994 筑摩書房 ハンナ アレント, Hannah Arendt, 志水 速雄


    最近ハンナ・アレントさんの影響を非常に受けている。

    去年、地震があった頃、大杉栄さんの本を読んでいた。そのあたりが奇遇ではあったが、政治哲学というものを自分自身の関係性の中で考えることが必要だと感じるようになった。

    僕は政治というものを軽蔑していた。なぜならばナザレのイエスもソクラテスも政治的敗北によって死んでしまったと思っていたからである。どうせ政治的には負けるに決まっていると半ば絶望だと認識していた。しかし自分が生きるなかの関係性において政治的に負けるとわかっていても、やらなければならないことがある。それはマルクスに言わせれば無条件的命令、カントだと至上命令、ナザレのイエス、ソクラテスなら何になるだろうか?

    その中で僕は柄谷さんに言わせれば深刻な病に陥った。僕個人にとっては徹底的な政治的敗北を痛感した。それに対しどうすればいいか途方に暮れるばかりだった。イエスのように「何故神は我を見捨てた給うたのか」と言いたい状況だった。政治的敗北ではあったが宗教的には成功したのか?そういう見方もあるだろう。それは考えない。そんなことを期待すること自体間違っていると感じる。

    そんな中で政治的敗北を考えるより政治哲学としてそれを止揚するというか乗り越えることを僕は考えるべきだった。実際、考えていた。しかしそれをもっと明確にして行くべきだと考えるようになった。そのためにハンナ・アレントさんの作品はずば抜けて有益である。

    これからも他の作品を読んでいきたい。

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    2020年09月26日
  • 人間の条件

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    長かったし、半分も理解できたのか分からないのだが、「何かの始まり」であるような気がする。つまり、数十年後に読み返したとき、「これは自分の思索の出発点だった」と振り返るような予感である。

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    2019年10月19日
  • 責任と判断

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    アレント後期の未刊行論文集。講演やスピーチとして聴衆に語る形式になっているので、いくぶん分かりやすい。なかで「独裁体制のもとでの個人の責任」は全体の要約ともいえるもので、国家の命令で犯罪に手を染めた個人の責任を問いかける。人間の責任の意味と判断の能力について考察する。判断の基準を喪失した現代こそ、アレントがもっと認められてもいいと思う。

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    2018年04月13日
  • 人間の条件

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    読み直したさ:★★★
    労働・仕事・活動。世界性。多数性。マルクス。第六章にて「最大多数の最大幸福」についての指摘あり(その点に関して、功利主義の失敗などにも他箇所で言及あり)。
    〈感想〉
    たしかに、しかし、〜だからである、と分かりやすく文章が続くので読みやすい。最初のうちは諸概念の理解に苦労したが、考えて読んでいれば後半は楽になる。自分のもつ視点によって得られるものが違うと思うので、また読み返したい。

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    2015年01月28日
  • 人間の条件

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    アーレントのいう「人間の条件」とはつまり、生命それ自体=生命を維持しなければならないということ、世界性=耐久性をもった人工的環境がなければならないということ、多数性=一人一人違った人間が共生しているということ、の3つである。
    そして人間はこの3つの条件に基づき、消費物を生産する「労働」、耐久財を製作する「仕事」、公的領域に出現して他者と関係を結ぶ「活動」を行っている。
    本書は、「労働」「仕事」「活動」それぞれの特性を、哲学史的背景とともに掘り下げながら、3つのうち何が最も重要だとみなされてきたかという、ヒエラルキーの変遷を記述するものである。
    アーレントの議論は時系列に沿って展開するわけではないが、あえて時系列に沿って整理すると次のようにいえると思う。

    古代ギリシアにおいて市民たちは、「労働」「仕事」を私的領域(家政)に属するものとして軽蔑した。自分たちはといえば、ポリスという公的領域において自らの卓越を表現する「活動」に余暇を費やした。【活動>仕事>労働】
    プラトンは、「知っている者=思考する支配者」と「行為する者=実行する被支配者」を二分する哲人政治を提唱し、「活動」=政治のもろさを「仕事」の確実性に置き換えようと試みた。【仕事>活動>労働】
    キリスト教は、個人の生命の不死を説き、生命を神聖視した。「労働」「仕事」「活動」のすべてが生命に従属するものと見なされ、均質化をもたらした。結果として、労働はかつてのように軽蔑されなくなり、むしろ奨励されるようになった。【労働≧仕事=活動】
    あらゆるものに「疑い」の目を向けたデカルトは、あの有名な「われ思う、ゆえにわれあり」という一つの真理を、自己の精神の内側に見出した。「デカルト以降」の近代人は、自己の外側を取り巻く世界のリアリティを失い、他者の存在や人間一般に対する関心は薄れた。【労働?仕事>活動】
    マルクスは「労働」こそが最高の価値であるとし、ニーチェは生命こそが人間のすべての力の根源であるとした。【労働>仕事>活動】
    そしてデカルト的懐疑によりかつての信仰は失われ、近代人は再び死すべき存在となった。が、世界は依然としてリアリティを欠いている。人間はいわば自己の精神の内部に幽閉された。その結果、唯一不死のものと見なされうるものとしては、「種としてのヒト」の生命だけが残った(種として永遠の循環を繰り返す動物と同じレベルに成り下がった)。

    アーレントは現代における「活動」の地位低下を嘆く。
    自由な「活動」を保証するということ。日本はどうか?
    市民参加を是とする政治制度、異なる意見を尊重する成熟した雰囲気、公的領域と私的領域の峻厳な区別……いずれも日本はまだまだ未熟と言わざるを得ない。
    党議拘束が存在する議会政治は民意を正しく反映していないし、人々の間で政治的話題はタブー視される。ほとんどすべての選挙において、本来的には公的領域に属さない「経済」が争点となる……

    もちろん、アーレントが理想としたような“純度”の高い公的領域は、現代では実現不可能だろう。しかし、「活動」が軽んじられ、個人が尊重されない現状に甘んじていれば人間の自由は侵されかねない。人間は自らの尊厳を保つために、絶対的真理など存在しないこの世界で、終わりのない「活動」に身を投じなければならない。

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    2014年10月11日
  • 人間の条件

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    10年程前に精読し、書き込みなどでかなり痛んでしまったので、今回新たに買い直して再読しました。
    私は長年「なぜこんなに辛いのに死んではならないのか?」「なにを心の中心に置けば安心できるのか?」「私はなにのために生きれば良いのか?」といった問いに苦しまされ、若い頃から哲学や宗教などの思想を学んできましたが、この本以上に心にしっくりくる思想には未だに出会ったことがありません。かなりさりげなくですが、アレントも指摘している通り、あらゆる哲学は、それぞれに参考になり面白みもあるけれど、結局は都合の良い究極の真理(=神)を創造しているに過ぎないようにしか思えないからです。宗教も同じことですが、それはただ神という架空の概念に寄り掛かり、思考停止しているだけであるように私には思えます。アレントはそういったわかりやすい神を創造せず、そのために人類の絶望的な状況への対策も提示していません。この意味でアレントの思想はインパクトに欠けるかもしれませんが、でも誠実だと私は思います。
    難解ではありますが、古代から近代までの様々な思想を網羅し、「労働・仕事・活動」や「公的領域・私的領域」といった興味深い概念を用いて「我々がしていること」を精密に分析していますので、少しでも哲学に興味のある方にはぜひ読んでいただきたい一冊です。

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    2014年09月07日
  • 人間の条件

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    読み終わるのに3ヶ月ぐらいかかった。
    本書の内容は殊更に述べる必要もないだろう。人間の活動力を労働、仕事、活動(言論など人々の間で行われるもの)に分け、今日は人々が種々の利害に囚われず活動する公的領域がなく、労働だけが支配し、人々が政治に参加せず(=活動せず)ただ生産と消費に終始する虚しい社会になったよね、という話。

    僕が注目するのは、以下のようなことである。
    アレントは、ただ食っちゃ寝の「労働」の虚しさから人を救うのは永続する世界を作り出す仕事で、何のために作るんだかわからない「仕事」の虚しさから人を救うのは物語を作り出す「活動」であるという。
    そして、注目すべきは(あとがきでもスルーされているが)、何やっても思い通りにはいかない「活動」に救いを与えるのは「許し」と「約束」であるということである。
    これは目に見える人と人との関係性の中でのみ生まれ、あらゆる形で概念化され習慣化されている。しかし今までそれはよく研究されてこなかった。それは手段としてしか考えられてこなかったからだ。しかし、それはもしかしたらそれ自体として重要な……あるいは可能性としては絶対的な……価値を持つものかもしれない。

    何を言っているかわからないという人はよろしい。ともあれ、本書はあまりに示唆に富み、学ぶところ多い書である。是非根気よく取り組んでみてほしい。

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    2012年03月23日
  • 今を生きる思想 ハンナ・アレント 全体主義という悪夢

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    ハンナアーレントの思想に興味があったので、その入門の1冊目としてチョイスした。
    アレントの思想は言葉の定義も独特で、入門であっても読み進めるのが難しい。
    しかし、現代社会とらこれからの未来に刺さりまくる要素が詰まっているので、これから必須級の教養になるのでは、と思う。
    本書は原典と違って100ページぐらいの短さで全体を外観できるので、入門として優秀。
    実際に今原典を読んでいるが、役に立っている。
    気をつけた方がいいのは、速読・読み流しには向かない、ということ。
    先にも述べたが、アーレントの思想は言葉の定義が一般の用法と少し異なる上、普遍的テーマを扱っているため、いくらでも誤読できてしまう。
    引っ掛かりを放置すると、何を言っているかわからなくなってしまう。
    本書は入門書で、全体をまとめた本ではあるが、それは同様。精読向きの本。
    おすすめの読み方は、ChatGPTなどのAIを読書メモ兼解説者として並走させながら、引っ掛かるところを潰しながらじっくり読み進めること。
    原典はその読み方でないと本当についていけなくなるし、誤読してしまいそうになる。
    原典に向けた読み方の訓練本としても短いのでおすすめ。
    ただ、アーレントの思想を全部カバーしているわけではないため、注意が必要。(例えば"赦し"の概念については本書では触れていない。)

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    2026年02月08日
  • 今を生きる思想 ハンナ・アレント 全体主義という悪夢

    Posted by ブクログ

    最初、新書にしては、たった100ページ程度だと、思っていたが、内容は濃縮還元ジュースのように、濃かった。
    1ページごとに内容が濃いので、じっくり読んだ方が良い。

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    2024年05月31日