僕のマリのレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
日々生活していて、店員さんに当りが強い人、横柄な人を見るとに「なんであんな言い方するの?」「人をストレスのはけ口にするなよ…」ってモヤモヤすることがある。そのモヤモヤを吹き飛ばしてくれるような力強い文章だった。
本文中にも似たような話があったけど、海外旅行に行くと店員さんが日本よりのびのび働いていて眩しく思えることがある。日本におけるサービスの質、おもてなしの心は素晴らしいものがあるけど、私としてはこの喫茶店のようなAIにとって代わられない接客のお店も生き残ってほしいな。
実はエッセイの体をした創作だと思って読んでいて、終盤に差し掛かって「あ、これリアルに?」と驚いた。 -
Posted by ブクログ
新刊の棚からまたしてもジャケで選んだ。
やはり我喜屋位瑳務さんの絵は目を惹く。
喫茶店の日常のエッセイなんだけど、客と店員が対等というか喧嘩上等スタイル。
強すぎる自己主張であったとしても、生きる上での芯の通し方としては絶対に間違ってないはず。あくまで倫理観を自衛する為なのだろうなと。
どうしようもなく堕ちた自分から、今の自分へと「変われた」自覚があるからこそ、その理由が其処にあるからこそ、力強い言葉からその気持ちや意志が伝わる。自分たちやその居場所を守るためのものなのだなと。
笑えて泣けて痛快。
やさしさとは対極にあるような話ではあるのだけれど、作中で何度か出てくる「強さはやさしさを裏打ちす -
Posted by ブクログ
スラスラ読める、楽しい本だった。
私も接客業をしており、気持ちがよくわかる。
私は著者よりも世代が上で、より常識的に『お客様は神様』として叩き込まれた世代。
今でもその癖は抜けず、必要以上にお詫びしたり頭を下げたり、丁寧に接しすぎたりしてしまう。
今一緒に働く若い子達の接客態度に驚いたりもしていた。そんな中この本を読んで、正直これで良いんだ、と感じた。
なぜか高圧的な態度や不機嫌さを隠さない人、少しもたついただけで、『このバカが!』などと吐き捨てるおじさん。会計中に言われた事を勘違いしてしまっただけで『すごく失礼な人がいたんだけど!』と大声で電話相手に話しながら(会計中ずっと電話していた)去っ -
Posted by ブクログ
前作とはまた違った作品に仕上がっている。
今回は勤めていた喫茶店を辞めた後の話。
前作では、コロナ禍の喫茶店での出来事の表現がリアルだった。「あ、こんな人いる」という。
日常と非日常の間を、喫茶店を通して描かれる市井の人々の記録としてとても良いと思った。
今回は、喫茶店を辞めた後の引越しなどの環境の変化など、マリさん自身のことが多く書かれている。
「頑張らない」という言葉が多く出てくる。
以前なら、頑張ることがよしとされる世の中であったと思う。
けれど頑張った末に、キャパオーバーで健康を害する人がいることが知られてきた。
マリさんの頑張らない生活、心が救われる人もいるのではと思う。
そし