僕のマリのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
私はいつも、できるだけ和かに、愛想良く、お客様と接するように心がけている。
せっかく来てくれたのに、店員の態度で嫌な思いをしてほしくない。私もお客様の立場ならしたくない。そう思っている。
しかし、嫌な客というのはいる。なんだその文句は、なんで来たんだよ、なんだその態度は、みたいに思うことも時々ある。
今までは、仕方ない、そういう人もいる、と自分に言い聞かせていた。でもこの本を読んで、ああ、私も声を張り上げて、「出禁です!」と言ってみたいなあ、と心から思った。
例えそれが実際にはできなかったとしても、嫌な客が来た時、嫌な思いをした時に、この本の言葉たちを思い出すと、心の中だけではちょっと強気でいられて、救われる。そんな本です。
うちのお店で見つけて気になって手に取ったのだけれど、読んでよかった。面白エピソードが多々あって、店内で声を出して笑いそうになってしまった。
同僚にもオススメしようと思う。 -
Posted by ブクログ
「常識のない喫茶店」でファンになり、手に取った。やっぱり彼女の文章は素敵だった。
・「一服しに来る」という日常の余白を楽しむ人たちの放つ雰囲気が、わたしはただただ好きなのだった。
・自分のお気に入りを誰かに勧めるとき、純粋な気持ちとは別に処方箋のように届けることもある。
・思い出すということは忘れてなくて、自分の頭の引き出しにとっておいたんだと思う。
話したことも話さなかったことも全部本当で、全部確かなことだった。わたしはこんなふうにずっと、自分の欠片を探して続けるのだと思う。
など、素敵なフレーズがたくさん出てくる。
結婚をされたようで、旦那さんとの微笑ましい穏やかな生活も描かれている。
記憶力がいいなんて、うらやましいな。
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Posted by ブクログ
喫茶店で働きつつ文章を書いてはブログや同人誌を発表の場にしていた著者。前作『常識のない喫茶店』出版が契機となり、新しい生活に踏み切ることにした。
「常識のない喫茶店」を退職。結婚。パート勤めと、生活環境の変化に対する気持ちを綴ったエッセイ。
◇
ある日、嫌いだった常連の訃報を聞いたとき爆笑した。わたしにはそういうところがある。
そんな書き出しの本を書いた。
2021年9月、『常識のない喫茶店』、それがわたしの商業出版デビュー作だった。
当時わたしが働いていた (実在する) 喫茶店で起こる出来事を、ありのままに綴ったエッセイである。
クリームソーダを3杯続けて飲む暑苦しい客、お気に入りの女性店員にスケスケのタイツをプレゼントする中年男、来るたびに小さな灰皿を盗む男とゆで卵用の塩入れを盗む女のカップル……etc 。
かように迷惑客は多いが、店の者も負けていない。
他の客に席を譲らない老人と喧嘩する(これまた老人の)マスター、暴言を吐く半グレ風男性客を店の外まで追いかける同僚のしーちゃん、ゴミを持ち込んだ客に「うちもいらないです」と突き返すわたし。
まさに刺激的すぎる毎日だ。だが、間違っていることにNOを突きつける、嫌なことに我慢しないという店の理念に、わたしは随分と救われていた。
「仕事なんだから我慢しろ」とか「店員なら耐えろ」とかいう感想も見かけたが、その我慢や忍耐がいったい何になるというのだろう。正しさとは、何なのだろうか。
本を読んだ人に嫌われたってよかった。我が儘とか、気が強いとか、こんな店行きたくないとか、そう感じる人は多かったと思う。
でも本当のことを書きたかった。
この「常識のない喫茶店」は、苦しい20代を過ごしたわたしの「再生の物語」でもあったのだから。(「はじめに」) ※全3章と「はじめに」及び「おわりに」からなる。
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前作とは正反対とも言えるテイストのエッセイでした。
前作では、マリさんが勤める喫茶店で罷り通っている、世間的な客商売の常識とは別次元の価値観が描かれていて、個性的なカフェエッセイといった内容でした。
かいつまんで紹介すると、マリさんが働く店には確固とした自治権があり、その運営者たるマスター (オーナー) をはじめとする従業員には自衛のための裁量が (オーナーから) かなり認められている、そんな様子が描かれていました。
そして、そういう接客姿勢でありながらも店は人気店として繁盛している、というところがおもしろかったのを覚えています。
でも、本作で描かれるのはマリさんのプライベートが中心で、続編というよりも生活エッセイというべき内容です。
件の喫茶店独特の常識を楽しむという点ではあてが外れましたが、マリさんの過去から現在までのことや気持ちや考え方の変化が書かれていて、興味深く読むことができたし、マリさんに共感することも多いことがわかってうれしく感じたりしました。
また、前作を読んだ時点では、マリさんのことを「クールで迷いなく物事を進めていける強さのある人」という印象で捉えていましたが、そうではなかったことを本作で思い知りました。
繊細で傷つきやすいメンタルを持った女性であり、他人が踏み込んできてもうまくかわせない気の弱さもあったマリさん。20代半ばぐらいまで生きづらさを感じながら日々を過ごしてきた、そんな人でした。
その苦しい日々からマリさんを救ってくれたことが3つあります。
いちばん大きかったのが、「書く」ということです。日々の思いを文章として昇華させることは、マリさんの中に入った悪いものを解毒する効果があったのです。
それから、「常識のない喫茶店」の接客理念を知ったことも大きかった。
相手が客であっても、自分に非がないのなら我慢する必要はないのだ。イヤなものはイヤと言っていいのだ。迷惑客は客ではない。
この店で学んだ「割り切って考える」ということが、どれだけマリさんの心を楽にしたかは、想像に難くありません。
そして、パートナーとの出会い。
彼の持つ包容力は、ときどき顔を出すマリさんの弱さをきちんと補完してくれます。
マリさんが「常識のない喫茶店」勤めを卒業できたのは、ひとえに彼と出会ったおかげだと言えます。
そういったことがらが、順を追ってマリさんらしいサラッとした文章で書かれていました。
続編というよりエピローグとして読まれた方がしっくりくる、そしてマリさんにエールを贈りたくなる、そんな心温まるエッセイです。 -
Posted by ブクログ
前作の常識のない喫茶店とは違った雰囲気。
今回は勤めていた喫茶店を辞める直前、その後の話。
喫茶店を辞めた後の引越しなどの環境の変化など、マリさん自身のことが多く書かれていました。
出版後のインタビューが印象的でした。
カウンセリングの先生が、「スキーマ」という心理学の概念を教えてくれました。自分の経験や、長年積み重ねてきた価値観による思考のくせみたいなものなんですけど、スキーマが「自分は無能だ」と思い込んでいると、例えば掃除と料理と洗濯をしていたとしても、その事実を跳ね返して「今日も何もできなかった」と認識してしまうそうです。でも、やったことを書いておくと「ちゃんとやれてるじゃん」と思える。
日々、文章を書くという筋トレをされている、納得です。
このスキーマ私も身に覚えがあるかもしれない…
書くことが支えになる、伝わるエッセイでした。
我喜屋位務さんの装画が好きです。
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5年間働いていた喫茶店でのバイトをやめ、作家さんとして各時間をより優先した生活、そしてパートナーさんとの2人暮らし、という新しい生活を始める記録。そんな新生活の過渡期の日記。読んでいて、僕のまりさんのの高揚感が伝わってきました。
東京での暮らしというのは変わりないけれど、
そして新しくまた飲食店でのバイトを始めるのだけれど、
気持ちは以前とは違っていて。
「ゆるく働きたい、給料以上の働きはしたくない、というのはこの国ではタブーなのだろう。」
人と違う、自分の生き方や考え方を肯定している姿があるように思いました。
また、僕のまりさんにとって、書く行為が、自分の爆発的エネルギーをもってこの世とつながる手段であることが言語化されていました。
そんな行為を仕事にできる幸せも伝わってきますね。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ「言わなかったことや
言えなかったことが、
なかったことにならないでほしい。
そう思い続けて、
そう思うから、
そう思っていることを、
わたしはずっと
書いてきたのかもしれない。」
『書きたい生活』帯文より
本屋でフラフラしていたら、
『常識のない喫茶店』を書かれた僕のマリさんの名前を見つけて、続編にして完結編、そして冒頭にある帯文に惹かれて購入。
『常識のない喫茶店』がお店も文章も人もインパクトがあって好きだったのですが、残念ながら喫茶店は退職なされていました。
喫茶店を辞めて次に進むと決めた自分
物書きとしての自分
30を過ぎた女性としての自分
色んな自分をさらけだして
素直な言葉が書き綴られた日記は
なんてことないような毎日が
本当はとてもかけがえのないものだと教えてく
れる。
きっと書いているマリさんも
それを読んでいる私も。
(よろこびや楽しさだけで生きていけるのが人間ではない。だってわたしは、苦しいときこそ前に進んでいた。)
という言葉に力をもらった。
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Posted by ブクログ
「常識のない喫茶店」の筆者、僕のマリさんのエッセイ第二弾。
最初のエッセイを出した後、なんとあの喫茶店はやめられたそうで少しびっくりしたが、転職、転居、結婚と一歩づつ着実に進んでいく姿にとても力をもらえる。
器用に適当にぱぱぱっとやるのではなく、一つづつ、自分で決めて納得して生活している感じがとても好きだ。
もしかして身近にいたら、めんどくさいと思うかな?(笑)
マリさんのご主人は古本の販売をされているみたいだけど、どうやら実店舗を持たずにやっていらっしゃるようなのが少し残念だ。
店舗を構えて、マリさんがコーヒーを淹れてくれて…そんなお店があったらいってみたいと思うのに。 -
Posted by ブクログ
「常識のない喫茶店」の続編にして完結編!!
喫茶店の卒業そしてその後の生活を綴った日記集!
日記ってふとした部分にその人のいろんな色が見えてニマニマしてしまうわ〜心温まるニマニマがいっぱいでドラマのような衝撃的な出来事が無くても日常が大きなニマニマから小さなニマニマまで筆者の魅力を存分に醸し出してくれて何度も言うけどニマニマしてしまう。
というかニマニマの雰囲気があんまりわかりにくいかもしれへんけどこの作品を読んだ時の読者の顔がニマニマなんやと思うから鏡で確認してください。
前作のように筆者のマリさんの日常で感じることや周りの人々との生活をマリさんの感性で描いているけどなんか親しみが湧きすぎて2作目やのに4シリーズ目のストレンジャーシングスの主要メンバーを見てるくらいの親近感じでる。