僕のマリのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
「常識のない喫茶店」でファンになり、手に取った。やっぱり彼女の文章は素敵だった。
・「一服しに来る」という日常の余白を楽しむ人たちの放つ雰囲気が、わたしはただただ好きなのだった。
・自分のお気に入りを誰かに勧めるとき、純粋な気持ちとは別に処方箋のように届けることもある。
・思い出すということは忘れてなくて、自分の頭の引き出しにとっておいたんだと思う。
話したことも話さなかったことも全部本当で、全部確かなことだった。わたしはこんなふうにずっと、自分の欠片を探して続けるのだと思う。
など、素敵なフレーズがたくさん出てくる。
結婚をされたようで、旦那さんとの微笑ましい穏やかな生活も描かれている -
Posted by ブクログ
喫茶店で働きつつ文章を書いてはブログや同人誌を発表の場にしていた著者。前作『常識のない喫茶店』出版が契機となり、新しい生活に踏み切ることにした。
「常識のない喫茶店」を退職。結婚。パート勤めと、生活環境の変化に対する気持ちを綴ったエッセイ。
◇
ある日、嫌いだった常連の訃報を聞いたとき爆笑した。わたしにはそういうところがある。
そんな書き出しの本を書いた。
2021年9月、『常識のない喫茶店』、それがわたしの商業出版デビュー作だった。
当時わたしが働いていた (実在する) 喫茶店で起こる出来事を、ありのままに綴ったエッセイである。
クリームソーダを3杯 -
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小説かと思ったらご本人の喫茶店員としての経験をもとにしたエッセイだった。スカッとするエピソード満載で面白かった!喫茶店ではないけどコンビニ店員をしていた自分の経験からも「接客業あるある」として共感がたくさん。可愛らしい雰囲気のカバーイラストも、読み終わってあらためて見るとちょっと毒があっていい。
私たち、ほんとうは、最低限のことだけをして、好きなことだけにもっと力を注ぐような生き方でいいんだよな〜ということを思い出させてくれた。この喫茶店でそれができるのは、そうしてよいという店としての明らかな意志があるからで、ままならないことも多い日常の中ではなかなか難しいこともあるだろうけど、説教くさくない -
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『不謹慎の化身』
『常識はなくても良識はあれ』
この二つのフレーズが好きすぎてメモした。
ヤバ客への筆者の考えや対応に首がもげるほど頷いたり爆笑したり、さて自分にもできるかと逡巡したりしながら読んだ。
軽いのにじんわり温かく、数日思い返しては考える絶妙な読後感。
接客業や対人援助職従事者には救いになる作品だと思う。
新卒で入ったおそらくJTCでさんざん傷つき心身ともに疲れ果てた筆者が辿り着いたマスターとの2時間半の面接場面は読みながらうるうるしてしまった。
どこで働くかではなく、誰と働くかなんだよなー。
マスターもだいぶ変わっているけれど、変わっているから味方になってくれる安心感が生まれて -
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前作の常識のない喫茶店とは違った雰囲気。
今回は勤めていた喫茶店を辞める直前、その後の話。
喫茶店を辞めた後の引越しなどの環境の変化など、マリさん自身のことが多く書かれていました。
出版後のインタビューが印象的でした。
カウンセリングの先生が、「スキーマ」という心理学の概念を教えてくれました。自分の経験や、長年積み重ねてきた価値観による思考のくせみたいなものなんですけど、スキーマが「自分は無能だ」と思い込んでいると、例えば掃除と料理と洗濯をしていたとしても、その事実を跳ね返して「今日も何もできなかった」と認識してしまうそうです。でも、やったことを書いておくと「ちゃんとやれてるじゃん」と思え -
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5年間働いていた喫茶店でのバイトをやめ、作家さんとして各時間をより優先した生活、そしてパートナーさんとの2人暮らし、という新しい生活を始める記録。そんな新生活の過渡期の日記。読んでいて、僕のまりさんのの高揚感が伝わってきました。
東京での暮らしというのは変わりないけれど、
そして新しくまた飲食店でのバイトを始めるのだけれど、
気持ちは以前とは違っていて。
「ゆるく働きたい、給料以上の働きはしたくない、というのはこの国ではタブーなのだろう。」
人と違う、自分の生き方や考え方を肯定している姿があるように思いました。
また、僕のまりさんにとって、書く行為が、自分の爆発的エネルギーをもって -
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ネタバレ「言わなかったことや
言えなかったことが、
なかったことにならないでほしい。
そう思い続けて、
そう思うから、
そう思っていることを、
わたしはずっと
書いてきたのかもしれない。」
『書きたい生活』帯文より
本屋でフラフラしていたら、
『常識のない喫茶店』を書かれた僕のマリさんの名前を見つけて、続編にして完結編、そして冒頭にある帯文に惹かれて購入。
『常識のない喫茶店』がお店も文章も人もインパクトがあって好きだったのですが、残念ながら喫茶店は退職なされていました。
喫茶店を辞めて次に進むと決めた自分
物書きとしての自分
30を過ぎた女性としての自 -
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「常識のない喫茶店」の筆者、僕のマリさんのエッセイ第二弾。
最初のエッセイを出した後、なんとあの喫茶店はやめられたそうで少しびっくりしたが、転職、転居、結婚と一歩づつ着実に進んでいく姿にとても力をもらえる。
器用に適当にぱぱぱっとやるのではなく、一つづつ、自分で決めて納得して生活している感じがとても好きだ。
もしかして身近にいたら、めんどくさいと思うかな?(笑)
マリさんのご主人は古本の販売をされているみたいだけど、どうやら実店舗を持たずにやっていらっしゃるようなのが少し残念だ。
店舗を構えて、マリさんがコーヒーを淹れてくれて…そんなお店があったらいってみたいと思うのに。 -
Posted by ブクログ
「常識のない喫茶店」の続編にして完結編!!
喫茶店の卒業そしてその後の生活を綴った日記集!
日記ってふとした部分にその人のいろんな色が見えてニマニマしてしまうわ〜心温まるニマニマがいっぱいでドラマのような衝撃的な出来事が無くても日常が大きなニマニマから小さなニマニマまで筆者の魅力を存分に醸し出してくれて何度も言うけどニマニマしてしまう。
というかニマニマの雰囲気があんまりわかりにくいかもしれへんけどこの作品を読んだ時の読者の顔がニマニマなんやと思うから鏡で確認してください。
前作のように筆者のマリさんの日常で感じることや周りの人々との生活をマリさんの感性で描いているけどなんか親しみが湧き