白石雅彦のレビュー一覧

  • 「ウルトラマンレオ」の出発

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    ネタバレ

    川上は、隊長として最初の命令をレオに与える。川上は大きくジャンプすると中空でキリモミをしてすっくと降り立った。キリモミキックをマスターしろ、それはレオのために必要なことだと川上は言う。そしてマスターするまで現場に出動することを禁じる。

    戦い方を知らない(技を持っていない)という意味も含めて、ウルトラマンレオの実力は兄弟達に劣ると明確にしているのである。 そもそも『ウルトラマンレオ』の企画は、『ウルトラマンタロウ』で頂点を極めたウルトラファミリー路線の反省から生まれたものだ。兄弟最強と言われたウルトラマンタロウとは逆に、あえてウルトラマンレオを弱く未熟なヒーローと設定したのも前作からの決別であ

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    2024年11月09日
  • 「ウルトラマンタロウ」の青春

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    タロウはたぶんウルトラマン原体験で、バードンにはトラウマも受け付けられている。
    そんな昔を懐かしもうと軽い気持ちで読んでみたが、レベル7オタク向けの濃い目の内容であった。レベル3くらいだとふんいきは楽しめても濃さについていけないところがある。ファン向けでもあろうが、史料であらんという著者の意思を感じる。
    とはいえ、内山まもるがウルトラの国をデザインしただとか、初耳にして意外な事実を知ることもできた。

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    2024年01月20日
  • 「ウルトラセブン」の帰還

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    ネタバレ

    テレビ側と視聴者のニーズのズレがあったままだったんだ
    後半は現場も空気が悪かったんだな
    監督によってタイプがあったんだな
    成城など馴染みのある店が出てくる
    テーマ主義エンタメ主義
    視聴率との戦い
    マイティジャックの失敗
    沖縄の話
    色んな未出の話や宇宙人があって面白い
    脚本おもしろい
    いかにしていい番組にしていくか知恵をねりあげる様子
    チームプレー
    ノンマルトの話、酒の席
    円盤が来たの裏話
    子供たちおいてけぼり
    視聴者がどんなものを見たいか欲しているかマーケティングが大事なんだな!
    『ウルトラセブン』は、『レッドマン 覚え書き』に記された〝大人の鑑賞に堪えるものを、但しこれまでの圧倒的な支持を

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    2022年11月29日
  • 「ウルトラマンA」の葛藤

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    このような時期にスタートした『ウルトラマンA』は、他番組との差別化、視聴年齢層の低下という二つの問題をクリアするために、いくつかの斬新な設定を試みている。男女合体変身、ウルトラ兄弟の登場、怪獣を超える超獣の登場、シリーズ初の共通の敵、ヤプールの存在などがそうである。ヒーロー、ウルトラマンAのデザインも戦闘的で派手になり、多彩な光線技や切断技を繰り出して子供達の目を楽しませた。


    その意味で超獣という発想は、キャラクターのマンネリ化にいち早く対応した新機軸だったと言える。

    三人の脚本家を競わせるという試みには、『帰ってきたウルトラマン』以上の企画を産み出そうという橋本の気迫が感じられる。そ

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    2022年11月29日
  • 「帰ってきたウルトラマン」の復活

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    ネタバレ

    ブルマァクの由来
    第二次怪獣ブーム
    人間ドラマや成長物語、すポコン
    内部対立不評
    ウルトラマンはアウフヘーベン
    監督脚本は人それぞれ、スタイルがある
    テーマ重視
    ハッピーエンドを避けて、めでたしめでたしを覆すのを意識的にやる
    序破急
    33話げきぎれ
    円谷一の功績、借金返済
    視聴率の回復
    俳優のスケジュールあわせにこっちが巻けちゃいけない
    変わるなら変わるでやっぱり劇的にして、その印象みたいなものを見てる人に残さなきゃいけない
    反権力の作家
    グロテス星人の三下ぶり
    たいけんてきにひとのうらがわを観察する術をみにつける
    商業ベースにのせられたくない

    原因はいくつか考えられる。『帰ってきたウルトラ

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    2022年11月26日
  • 「帰ってきたウルトラマン」の復活

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    「ウルトラQ」「ウルトラマン」「ウルトラ
    セブン」の制作現場をドュメントしたシリー
    ズの続編です。

    今でこそ傑作として評価が高いウルトラセブ
    ンですが、やはり特撮にはお金がかかるため
    借金を重ねたので、とても続編を作る余裕は
    なかったらしいです。

    なのでウルトラセブンの後の「帰ってきたウ
    ルトラマン」までの間隔は、なんと2年半ほ
    ど空いているのです。

    TV局側はもともとシリーズ化の考えはなかっ
    たようですが、制作側の円谷プロは違いまし
    た。特撮に情熱を傾け続けていたのです。

    晴れて放送が実現しましたが、内容がヒュー
    マニズムなど高度な内容であった為に、子供
    らに受けなかったとか。

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    2022年04月20日
  • 「ウルトラセブン」の帰還

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    「ウルトラQの誕生」「ウルトラマンの飛翔」に続く三部作。近年再評価されるウルトラセブンだが、当時の下降線。円谷プロの迷走と脚本家、スタッフの奮闘が楽しい。

    幻のプロット等埋もれた資料を基に当時の番組制作の実像に迫る三部作。星人との抗争を主題に対象年齢も上げた意欲作、だが怪獣ブームの中、視聴率は下降していく。円谷プロの赤字は続き制作費も削減されていく。

    ウルトラセブンは丁度NHKBSでデジテルリマスター版の放送が行われているので、リアルタイムに興味深く読むことができた。

    セブンのスーツアクターの方がウルトラマンに比べ顔が大きいのでバランスを取るため鎧形にしたなど、細かいエピソードも多い。

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    2022年02月09日
  • 「ウルトラマン」の飛翔

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    ウルトラQに続く続編。円谷プロの空想特撮シリーズでの迷走は続く。人気とは裏腹の自転車操業の中で生まれた名作の裏側に迫る。

    ウルトラマンは、その後の特撮の形を決定づけた作品だろう。「Woo」「レッドマン」としての企画の始まり。試行錯誤の中から始まった作品。常に40%弱の視聴率を取っていたことに驚かされる。日本中の子供がリアルタイムで見ていたのだろう。

    コンセプトが固まらない中で、複数の脚本家、監督で形を作っていく。偶然の積み重ねの中奇跡的な番組となっている。

    制作費のかかる特撮。制作に追われる円谷プロだが赤字は変わらない。39話で終わった原因もここにあったようだ。

    人気番組だけにウルトラ

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    2022年01月31日
  • 「ウルトラセブン」の帰還

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    誰もが知っているようにウルトラセブンの前作はウルトラマンです。
    この特撮作品は子供達のハートを鷲掴みにして、
    怪獣ブームなるものを呼ぶほどヒットしました。

    そして2作目です。
    普通なら1作目のフォーマットを利用して、
    次々と新作を作りそうなものですが、
    当時の円谷プロは違いました。

    挑戦したのです。

    よりリアルな特撮、そして対象年齢の引き上げに。
    それがゆえに当時はあまりウケが良くなかったのは
    周知の通りです。

    今でこそ評価の高い、単に怪獣が暴れるのとは違う
    ストーリーなども実は予算の都合などの大人の事情が
    あったとか。

    世の中何が幸いするかわかりません。
    ただ根底にあるものは「いい

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    2019年07月18日
  • 「ウルトラQ」の誕生

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    TV特撮創世記を描く。
    読む順番が逆になったが、「ウルトラQ」あっての「ウルトラマン」であり特撮ブーム、もっと狭い範囲で言うところの怪獣ブームの立役者だ。
    ウルトラマンはウルトラQの発展形だったけれどウルトラQは全くの新番組。隠密剣士の後番組だった事は覚えていないけれどテレビで怪獣が受けるかどうかは見当も付かず、全くの手探り状態であったことは想像に難くない。
    TV特撮関係者の悪戦苦闘が延々と描写される。
    関係者がどんどんお亡くなりになっている現在、ドキュメントとして描くのは今が最後の機会なのかもしれない。
    読み応えあります。

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    2018年03月13日
  • 「ウルトラマン」の飛翔

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    ウルトラマンは好きです。
    ウルトラQが幼稚園の年長組の時で、ウルトラマンは小学一年生でした。それはそれは凄いブームでした。もちろん家にあるのは白黒テレビです。
    銀のコスチュームに赤いラインと知ったのはだいぶ後になってからです。今でも連綿と続くウルトラシリーズの原点をなし、しかも最高傑作と言われる「ウルトラマン」。巨大ヒーローがいなかった時代に一から作り上げた人々の記録を丹念に調べ詳細に描いたドキュメントです。Wooからベムラーになり、レッドマンを経てウルトラマンに至る。ファンには良く知られた話だけれども制作側で携わった人達の記録、メモ、記憶を頼りに丹念に変遷を追っかけていく。成田亨や高山良策は

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    2018年03月02日
  • 「ウルトラマン」の飛翔

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    子供の頃大好きだったウルトラマン。
    それがどの様に製作されたのか、知りたくて購入しました。

    子供の頃は、「怪獣博士」と呼ばれていたくらい、ウルトラマンが大好きでした。ですから、この本に出てくる怪獣の名前を聞くだけで、どんな怪獣で、どんな話だったか、すぐに思い出すことが出来ます。

    当時はビデオなんてなかったですから、一撃必殺、すごい集中力を持って、テレビの前に正座して毎週見てました。

    ジャミラ、ウー、ギャンゴ、ドドンゴ、シーボーズ、キーラ。結構マイナー系の怪獣が好きでしたので、これらの話が出てきたときは夢中にそのページを読んでしまいました!

    色々な葛藤がありながら、情熱を持ってどの作品も

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    2025年02月23日
  • 「ウルトラマンレオ」の出発

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    このシリーズはどれも面白いし、今回も力作です。リアルタイムで視聴してた小学校低学年の頃。一番自然に楽しみにしてた番組でした。それでも、最終クールの路線変更には、変だなと感じてました。その辺りのスタッフの様子が見えるのは、取材と分析の丁寧さによるものですね。ラストにザ・マンと80のことも触れてますが、これもこのシリーズで読めたいですねー。

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    2024年09月24日
  • 「ウルトラマンA」の葛藤

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    迷走したウルトラマン。
    ただ、苦悩の新機軸は魅力的でもあった。
    そんなウルトラマンエースの制作裏話。
    初めてこのシリーズを読んだけど読み応えがあって面白かった。
    でもエピローグのシルバー仮面の章は不要だったかな。

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    2022年10月15日
  • 「帰ってきたウルトラマン」の復活

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    ウルトラマン、ウルトラセブンならブランクを経て復活したウルトラマンシリーズ。それは時代を反映した青春ドラマと時代の閉塞感。ウルトラシリーズの行先を決定づけた傑作シリーズを関係者の視点から画く。

    円谷英二の死去から息子の一の急逝まで。赤字の続く円谷プロがようやく軌道に乗るという皮肉な結果。

    あらためておらすじ等で振り返ると「帰ってきたウルトラマン」も傑作が多い。郷秀樹が極限に追い詰められると返信する設定は、人間がベストを尽くした結果としてウルトラマンの力が現れるという意味だったことを初めて知る。

    引き続きエース、タロウ、レオと筆者の続編に期待。

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    2022年03月04日
  • 「ウルトラQ」の誕生

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    これから30分、あなたの目はあなたの身体を離れて、この、不思議な時間の中に入っていくのです…

    テレビ草創期、伝説の特撮番組「ウルトラQ」が生まれるまで。TBSと円谷プロの試行錯誤の末にようやく完成し放送される。そこに至るまでの数多くの偶然の積み重ね。多くの証言から丹念に描かれている。

    筆者自身が子供の頃に本作を見て、大ファンであることが本書の執筆に良い影響を与えているように思う。

    着ぐるみの使い回しやシナリオの見直しなど予算削減のためのスタッフの苦労がエピソードとして楽しい。

    筆者はウルトラQ、ウルトラマン、ウルトラセブンで3部作にする構想を持っており現に刊行されている。怪奇大作戦と帰

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    2022年01月29日
  • 「帰ってきたウルトラマン」の復活

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    後書きでは、Aからレオまでは違うアプローチで書きたい、といっているけど、どうせなら80を挟んでティガまでを年代記的に書いてくれないかな。
    円谷という会社の変遷を主眼にして。
    (ハヌマーンのこと、とかもね)

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    2021年06月04日
  • 「怪奇大作戦」の挑戦

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    「怪奇大作戦」は超トラウマドラマでした。ウルトラQ、ウルトラマン、ウルトラセブンを幼少期の主食として育った自分が、キャプテンウルトラによって、アレ、なに、今度のテレビ、ちょっと味が違う、子供っぽい、と思った時に、作っている会社が違うからだ、と気づいたのが円谷ブランドを認識した最初でした。だから、たぶん少年マガジンのグラビアかなんかで、またその次回作が円谷モノになる、ってことは知っていてものすごい期待で日曜日7時の「タケダ、タケダ、タケダ」にチャンネルを合わせたのです。だけど、今度はヒーローも怪獣も出ず、だけどガッカリはせず、怖くて怖くてドキドキし、なんか大人の感じに親の視線が気になり、かぶりつ

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    2019年06月30日
  • 「ウルトラセブン」の帰還

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    リアルタイムで視聴した者としては嬉しい。
    ウルトラマン関連はよく読みます。
    「ウルトラマン研究読本」も面白かったけど、この作者が描くウルトラQ〜ウルトラマン〜そして本作は続けて読むと連続性があり、読み応えありました。テレビドラマの変遷から怪獣ブームの到来、そして終焉。たしかに一度怪獣ブームは終わったんだよね。「帰ってきたウルトラマン」からは怪獣バトルを楽しむ娯楽活劇になってしまった様な。
    もちろん其処から観た人には、その人なりの価値観があるのだと思うのだけれども。
    第一次怪獣ブームを体験できて、今から考えると、ホントに幸せでした。

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    2018年05月21日
  • 「ウルトラQ」の誕生

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    私も夢中になって見た「ウルトラQ」を、だれがどのような思いで製作したのか、のドキュメントである。今思えば不思議な話が多かったが、金城哲夫や山田正弘、北沢杏子など個性的なメンバーが、ある意味好き勝手に作ったからこそ名作の数々が生まれたのだ。

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    2018年03月28日