あらすじ
放送開始50年! かくてヒーローは去った。新事実多数の決定的ドキュメンタリー。圧倒的分析力で「そのとき何があったのか」を再構築する迫真のドキュメント。新発見の資料を総合することから見えてくる“歴史的事実”…。著者にしか書けない驚異の一冊。「ウルトラマン」から半年を経た1967年10月1日、待望の「ウルトラセブン」がテレビに姿を現した。子供達は大喝采で迎え、金城哲夫をはじめとする若きスタッフも自信満々であった。しかし、ある人物が作品の先行きに危惧を抱いていた…。前作2冊でファンの度肝を抜いた著者が、ついにシリーズ最高の人気作に挑む第3弾。豊富な一次資料を駆使し、あくまで同時代の視点で、制作過程を再構築する。かくて「ウルトラセブン」は朝焼けの空へ飛び去った……!
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Posted by ブクログ
「ウルトラQの誕生」「ウルトラマンの飛翔」に続く三部作。近年再評価されるウルトラセブンだが、当時の下降線。円谷プロの迷走と脚本家、スタッフの奮闘が楽しい。
幻のプロット等埋もれた資料を基に当時の番組制作の実像に迫る三部作。星人との抗争を主題に対象年齢も上げた意欲作、だが怪獣ブームの中、視聴率は下降していく。円谷プロの赤字は続き制作費も削減されていく。
ウルトラセブンは丁度NHKBSでデジテルリマスター版の放送が行われているので、リアルタイムに興味深く読むことができた。
セブンのスーツアクターの方がウルトラマンに比べ顔が大きいのでバランスを取るため鎧形にしたなど、細かいエピソードも多い。
「マイティジャック」や「怪奇大作戦」に比べればウルトラセブンは成功作なのだが、なにせウルトラマン、ウルトラQの人気が凄まじかったので大いに損をしている。
Posted by ブクログ
誰もが知っているようにウルトラセブンの前作はウルトラマンです。
この特撮作品は子供達のハートを鷲掴みにして、
怪獣ブームなるものを呼ぶほどヒットしました。
そして2作目です。
普通なら1作目のフォーマットを利用して、
次々と新作を作りそうなものですが、
当時の円谷プロは違いました。
挑戦したのです。
よりリアルな特撮、そして対象年齢の引き上げに。
それがゆえに当時はあまりウケが良くなかったのは
周知の通りです。
今でこそ評価の高い、単に怪獣が暴れるのとは違う
ストーリーなども実は予算の都合などの大人の事情が
あったとか。
世の中何が幸いするかわかりません。
ただ根底にあるものは「いいものを作ろう」
というプロ意識が今の評価につながっていると思います。
そんなプロ魂を知ることができる一冊です。
Posted by ブクログ
テレビ側と視聴者のニーズのズレがあったままだったんだ
後半は現場も空気が悪かったんだな
監督によってタイプがあったんだな
成城など馴染みのある店が出てくる
テーマ主義エンタメ主義
視聴率との戦い
マイティジャックの失敗
沖縄の話
色んな未出の話や宇宙人があって面白い
脚本おもしろい
いかにしていい番組にしていくか知恵をねりあげる様子
チームプレー
ノンマルトの話、酒の席
円盤が来たの裏話
子供たちおいてけぼり
視聴者がどんなものを見たいか欲しているかマーケティングが大事なんだな!
『ウルトラセブン』は、『レッドマン 覚え書き』に記された〝大人の鑑賞に堪えるものを、但しこれまでの圧倒的な支持を受けてきた低年齢層の理解の範囲を超えない事。つまり、サービス精神を忘れない〟を目指して制作された番組だった。だがこの文言が、どっちつかずに思えてしまうのは筆者だけだろうか?
Posted by ブクログ
リアルタイムで視聴した者としては嬉しい。
ウルトラマン関連はよく読みます。
「ウルトラマン研究読本」も面白かったけど、この作者が描くウルトラQ〜ウルトラマン〜そして本作は続けて読むと連続性があり、読み応えありました。テレビドラマの変遷から怪獣ブームの到来、そして終焉。たしかに一度怪獣ブームは終わったんだよね。「帰ってきたウルトラマン」からは怪獣バトルを楽しむ娯楽活劇になってしまった様な。
もちろん其処から観た人には、その人なりの価値観があるのだと思うのだけれども。
第一次怪獣ブームを体験できて、今から考えると、ホントに幸せでした。
Posted by ブクログ
<目次>
まえがき
「ウルトラセブン」放送リスト
第1部 レッドマン再び
第2部 セブン飛び立つ
第3部 下がり続ける視聴率
第4部 ウルトラセブンの帰還
あとがき
<内容>
「ウルトラセブン」の放送の裏側を描いたドキュメンタリー。放送されなかった草稿とかを上原正三、金城哲夫の日記、市川利明のメモ、円谷英二の日記や円谷プロの記録などから丹念に掘り起こしている。当時リアルタイムで見ていたが、視聴率とか番組のコンセプトとか気にすることもなく(子供だから当たり前か)喜んで見ていた記憶がある。再放送も数多いので、本当に面白いと思ったのは何歳くらいだったのか皆目見当がつかないが、この本を読むと大人の世界の論理がよくわかる(今ならね)。