中川淳一郎のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
この本では、インターネットが普及したことで、その便利さだけではなく、かつてなかった炎上などの問題が次々起こっている問題に警鐘を鳴らしています。
最近ではツイッターが「バカッター」とも呼ばれ、ネットユーザーがアルバイト中に店内の冷凍庫に入った写真をアップしてアルバイトをクビになったり、就活生が荒れた日常生活を投稿することで内定を取り消されたりと、数々の炎上騒ぎが起きています。
このようにネットは誰でも気軽に使えるからこそ、自分の手が届かない範囲にまで多大な影響を及ぼしています。
私もネトゲやはてな界隈にはびこる重度のネットユーザーですが、炎上しないようにネットでの身の振り方を気をつけ、現実世 -
Posted by ブクログ
ネットニュースの編集、フリーライターとして有名な中川淳一郎さんの出世作。
Web2.0をはじめ、Web・インターネットを礼賛ばかりする理論家の頭の良い人たちの論壇とは真逆で、実際にインターネットを長年ウォッチしてきた現場の著者だから言える「ウェブにはバカと暇人しかいない」という主張は清々しく腑に落ちるものだった。
テクノロジーの進化というものは、礼賛と危険性みたいな極端な未来ばかりが語られるが、実際はそんな綺麗なもんじゃないという姿勢は、誰しもが理解しておかないといけないリテラシーじゃないかなと思う。
Webに関わる人なら必読な書だろう。 -
Posted by ブクログ
『ウェブはバカと暇人のもの』で有名なネットニュース編集者の著者が、シビアなネット社会を分析した一冊。
リアル社会よりもネット社会の方が格差社会だし、最初の人、あるいは後発でも現実社会で力を持つごく一部のものが勝ち組になるというもの。
(自分はやらないけど)芸能人ブログのアフィリエイトを開いたり、商品ページで「いいね!」を押したりするのは、情報強者に搾取されてるだけだと看破する。
そして最終章の前では、「ネットは特別」であり続けるのは、過度な自己承認欲求の持ち主かネトウヨか、もしくはネットのエヴァンジェリストであると。
頷ける点が多々ある一方、自分はネットの力をまだ信じてるし、信じてるか -
Posted by ブクログ
過度にネットに期待する人が多い?
学校でも「とりあえずHPを立ち上げないと」なんて考えている人が多く,立ち上げたはいいが,更新ができない…なんてこともよく聞く話。これまで,学級通信や学校だよりでまにあっていたことを,ネットで発信して,なにか大きく変わるのか?
ネット事大主義のような現状を嘆き,「ネットに期待するな」「ネットは暇人のするもの」とバッサリ。本人はネットで仕事をしている人なのだが,だからこそ,このバッサリ感は気持ちいい。
わたしがこうして読書後に本の感想を書いているのも,ある意味暇人だから…。時間があるから…。
ただ,今までも,自分の備忘録の意味で,一太郎に書きためてきた。 -
Posted by ブクログ
強烈なタイトルとは、裏腹にとてもメッセージ性のある本質を突いた内容となっている。
広告に関わる人間として、「口コミ」について書かれているところなどは、表面的に考えるのではなく、もっと「本質的にブロガーとは」のように考えるきっかけになるし、ツイッターはどのようなツールかなど、ものごとを流行に乗った答えではなく、一歩踏み込んで考えられるようになる。
著者はネット系編集者であるので、ネットでウケるネタ・叩かれるネタなどの編集系ネタも満載なのだが、上記の広告に対する示唆もとても勉強になる。
ネットが当たり前になり、ネットリテラシーの問題などが表面化しているが、ネットを使うだけでは、個人の能力があ -
Posted by ブクログ
ステマやソシャゲなどについて共感できる内容が多いが、中でも一際目を引いたのは嫌韓に関するものだ。特に最近では2chまとめブログなどを読んでその思考を加速させる人も多いようで目も当てられない。中韓叩きから来る愛国心は本物ではない。テレビが報じないニュースがネットにはあると信じ込み、結果としてまたネット上の偏った思想に染まっているだけなのである。
その点著者の冷静な視点は称賛に値する。この記事の冒頭でなんとなくわかってたと書いたが、本書ではそれを鮮やかに切っていくかのようだった。今置かれている状況を落ち着いて、客観的に眺めて分析することの重要性を学んだ。