エリー・グリフィスのレビュー一覧
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ネタバレシリーズ3作目。
ロンドンの高校の同窓会で発生した殺人事件。
下院議員やロックスターに有名女優と今や華々しい面々の高校時代の因縁に遡って繰り広げられる、
前作とは舞台も背景も異にするプロットを存分に楽しめた。
主にハービンダー・カー警部と登場人物の女性らの目線で描かれており、女性作家らしい展開。
個人的には事件解決後の回想で触れられた映画作品が思い出深いものだったので、近い世代として懐かしさもあった。
ただこのシリーズ、面白いのだけど、微妙に読みにくいと感じるのは文体のせいか訳のせいか。
それと、ひねくれ者のミステリ好きにはわりと早い段階で犯人の目星がついてしまった。そこが惜しい。
とはいえカー警部をメインに据えた謎解きミステリとして読みごたえは十分。
本筋とは関係ないが前作で活躍したメンバーのその後も垣間見られたのは嬉しかった。
そして一点、これは作者翻訳者に非はないことで、1作目の感想にも書いたが、【意外な犯人に驚愕】というような帯は興ざめなので本当にやめてほしい… -
Posted by ブクログ
ネタバレ伝統あるマナーパーク校の同窓会で、下院議員の男が殺害された。捜査線上には、被害者と特に親しくしていた「ザ・グループ」の面々が浮かび上がる。メンバーは女優に歌手、そして警察官と個性的。特に警察官のキャシーは、主人公ハービンダー警部の部下でもある。調べを進めるうちに、被害者は殺される前、「ブリーディング・ハート」と書かれた手紙を受け取っていたことが判明する。そしてそれは、被害者がたびたび会合を開いていた通りの名前を指していた。そんな中、「ザ・グループ」の中から新たな被害者が出る。ハービンダー警部は、事件の真相は「ザ・グループ」のメンバーの過去に起因していると睨む。というのも、過去に彼らはデイヴィッドという同級生が電車に轢かれ死亡した事故の現場に居合わせていたからだ。デイヴィッドはもしかしたら、メンバーの誰かによって故意に線路へと突き落とされ殺されたのかもしれない。「ザ・グループ」のメンバーは、過去の事故を再現することで真相に迫ろうとする。
ハービンダー警部をはじめ、登場人物のキャラが立っているのでこのシリーズはさくさく読める。この作品を読むと毎回本場のカレーが食べたくなる。 -
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ネタバレ2025年の42冊目は、エリー・グリフィスの「小路の奥の死」です。以前「窓辺の愛書家」という彼女の作品を読んだ記憶が有りますが、内容はうろ覚えです。
主人公は、同じくハービンダー・カー刑事です。舞台は、サセックスからロンドンに移ります。ハービンダーが、シク教徒という設定で有り、シク教徒について調べた記憶が蘇ります。
事件は、マナーパーク校の同窓会で、下院議員のゲイリーが不審死する所から始まります。ゲイリーの死は、殺人で有る事が明らかになり、容疑者の中には、その同窓会に参加していたハービンダーの部下キャシーもいました。事件の発端は、マナーパーク校在学中のある事件に関わって起きたのではないかと推測されます。
とにかく、事件に関わる関わらない含めて、数多くの伏線が登場しますので、そこが読み所ではないでしょうか。「以外な犯人に、驚愕」という宣伝文句ですが、感の良い読者ならば、気が付くかもしれません。
ポイントは、同窓会です。
☆4.4 -
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主人公ハービンダー・カーは「ロンドン警視庁の警部」となって登場。おお、出世している。彼女もつい浮ついた気持ちになって、自分のオフィスを歩き回ったり、朝刊に載る自分を家族にも見てほしいと意識したり。外からはクールな女性警部と思われている?が、本心は割と俗っぽい。でも堂々とチームを率いている姿はカッコいい。
高校の同窓会で殺人事件が起きる。被害者は下院議員のゲーリー。彼の同級生のグループには歌手や女優など有名人ばかり。その一員にハービンダーの部下のキャシーも含まれていた。今回の殺人事件は、21年前に死んだデイビッドの事故に関係があるのではないか?ハービンダーのチームは、一人ひとりに話を聞いていくが・・・。
キャシー、アナ(同級生)、ハービンダーの視点で話は進んでいく。他の同級生の話から、それぞれの人格がリアルに浮き上がってくる。
キャシーは、あんな過去を背負っておいて刑事になっているのにはびっくり。意外としたたかだけれど、今回の事件で何かが壊れた感じ。唯一クールなイメージのアナも、卑屈で感情的になり、時々記憶が飛ぶらしい。なんだこれ、みんな怪しいではないか。最後まで犯人が分からなかった。
このハービンダー・カーのシリーズは今回で3作目何だけど、どれもテイストが違う。今回が1番、オーソドックスな警察ものミステリだった。やっぱりこれが好み。 -
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海沿いの高齢者集合住宅の窓辺で、一人の老婦人が心臓発作で亡くなっていた。
老婦人は推理作家の創作を手伝っている愛書家だった。
第一発見者の介護士ナタリカは、老婦人の死に不審を抱く。
「見知らぬ人」シリーズ。
「見知らぬ人」のようなクラシックかつゴシックな雰囲気ではなく、明るく軽快。
介護士ナタリカ、カフェを経営する元修道院のベネディクト、老紳士のエドウィンの素人探偵団と、インド人で女性で同性愛者というマイノリティの集合体のようなハービンダー・カー部長刑事がナタリカに協力を要請されて活躍する。
登場人物が多くない?という数だが、気にならないテンポの良さ!
そして、「見知らぬ人」の時と同じく最後まで犯人が判らなかった。読み終えてから、あれもヒントだった、これもヒントだったと悔しく思う。ぐぬう。
ウクライナ人のナタリカの実家はウクライナの南。
ナタルカがイギリスにやってきたのは、ロシアのウクライナ侵攻が始まる前、2013年。作品中はロシアの脅威が高まりだした頃だろうか。
ナタリカの弟ドミトロは「いつか。いつか帰るよ。ロシア人がいなくなったら」と言う。
ナタルカがベネディクトを連れてウクライナに行けるのはいつの日だろう。一日も早くそんな日が来て、素人探偵団とハービンダー部長刑事でウクライナでの事件解決にあたる作品が読めたらいいなと思う。 -
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〈殺人コンサルタント〉の名刺を持つペギーという名の老婦人が死んだ。
ナタルカ、エドウィン、ベネディクト
生前関わりのあった三人が犯人を探す。
謎解きのなかに、年齢も育ちも全く違う女一人男二人のロードノベルのような爽やかさがスパイスされている。
この輪に入って、ハービンダー刑事は前の事件よりなんだか随分と心を開くようになった。
前作『見知らぬ人』には無かった味だ。
導入部はとても興味深い描写だったのにそのあと少しまわりくどさをかんじた。
それも束の間、途中からギア一段上がって加速し、最後まで引き込まれた。
読後感が柔らかいのがとてもいい。 -
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ざっくりと一括りにしてしまうのは甚だ乱暴かつ恐縮ながら、ここからもうひとひねりふたひねり、というところで意外やあっさり素直に終わってしまい、職人芸に欠けると思わされる物語が欧米のミステリーには少なくない中、この作品については良い方に期待を裏切り、しっかり骨太の構成で成り立っていることを見せつけてくれた。
主要人物たちのキャラクター造形という点ではぽやっとしている印象もあるが、プロットは実に巧みで、作中作も有効に活かされている。
いかにも英国らしい、どんよりした空模様が似合いそうな雰囲気を醸し出しているとも言える。
シヴィアな読み方をすれば瑕疵は色々と出てくるが、充分良質なパスタイムではある。
ひと段落、という誤用が訳文にあるのはいただけない。 -
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謎解きの原点にのめり込む……。
「誰が犯人?」の面白さは、その意外性のみにあるのではない。誰だかわからないうちに変化していく状況を演出することで、先の見えない不安感を読者に共感させる。そこに読者は次第にはまり込んでいく心地よさがある。
捜査中に連続する殺人事件
意味深なシェイクスピア作品からの引用文
古いホラー小説とその作者にまつわる謎
古い洋館と階段に残された足跡
いつの間にか誰かに書き加えられた自分の日記
オカルチックなサークル
自らを「白魔女」と呼ぶ女性教師
学校に伝え続けられる怪談
ひと癖ある刑事の独断と行動が、ときより読者を謎解きへ戻してくれる。
どっぷり浸かる心地よさ……イイですね。 -
Posted by ブクログ
ネタバレエリー・グリフィス初読。
刑事ハービンダー・カーの第1作。
これぞイギリスミステリ、と言いたくなる作品。
(私の中のイメージでは)どことなく暗く冷たい北欧作品、外連味があり大技を繰り出すフランス作品、ミステリより家族との絆が根幹にあるアメリカ作品。それらに比べ、どことなくミステリ色が強く、必要以上に残酷な描写にならないのがイギリスミステリのイメージ。
舞台は、ホラー作家の邸宅だった学校。被害者はホラー作家の小説に見立てられ殺されていたというもの。
正直星3寄りの星4かなぁ。。。
キャラもストーリーも、あんまり残らない。ゴシックホラー味のあるミステリだなぁとは思ったけど。。。
帯の文句で「この犯人は、見抜けない」となっているが、正直ヒント少なすぎたわからないだけでした。
次作の評判が高いので楽しみ。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ高齢者用の共同住宅に住んでいたペギーが死んだ。
発見したのは通いの介護士のナタルカ。
90歳という年齢で心臓疾患を抱えていたのだから、死因が心臓発作であることに問題はないはずだった。
しかし彼女は海の見える窓辺の椅子にいつも通り座ったまま亡くなったのだ。
目の前のテーブルには薬があったにもかかわらず。
彼女は同じフロアに住むペギーの友人だったエドウィンと、ペギーの行きつけのカフェの店長であるベネディクトと3人で、事件の真相を探る。
元修道士のベネディクトはミステリが好きで、観察力や推理力に優れている。
エドウィンはBBCで働いていたこともあり、孤独な生活を送っている割にはコミュニケーション能力が高く、現実対応力もある。
ナタルカはウクライナ人。
数学が得意だったので、イギリスの大学に留学し、一瞬だけイギリス人と結婚したことにより、イギリスへの永住権を持つ。
最低賃金の保証のない介護士をしているが、実は財テクの特技を持つ。
これだけだと普通のミステリなのだけど、亡くなった(殺されたのかどうかも不明)ペギーが、殺人コンサルタントとして多くのミステリ作家にアドバイスをしていたことから、作家や編集者、ブックブロガーやイベントなど、現在のイギリスの出版事情も垣間見える。
そして、なぜペギーは殺人コンサルタントと名乗るようなことができたのか。
そこにはヨーロッパの、主に東欧の歴史が大きな影を落とすことになる。
この本が書かれたのは2020年だが、ウクライナ人はイギリス人にとって縁起の良くない民族と思われている節がある。
ナイチンゲールの時代からずっと戦時中であるというクリミア半島。
まあ、少数民族に対するマジョリティーの偏見というのは、刑事のハービンダー(イギリス生まれのインド人)も常に感じているところだが。
ナタルカの弟は反ロシア行動をとったということで、ロシアの捕虜になっていたことがあとでわかる。
トランプ大統領の口利きの捕虜交換で解放されて、政治難民としてイギリスへ来た。
祖国に帰らないのかと聞かれて、彼は答える。
「いつか、いつかは帰るよ。ロシア人がいなくなったら」
ポーランドも大きなカギだ。
ポーランド人の介護士。
第二次世界大戦中ポーランドにいた人物も。
ポーランドの「女学生暗殺者」。
日本のマスコミだけではわからない、世界の今と過去がこの本には書かれている。
「人は本のなかで世界を旅することができる」
前作『見知らぬ人』の時も思ったけれど、作者は本当に読書が好きなんだということが、今作では随所に現れていて楽しかった。
前作の主人公であるクレアがちょっとだけ出てきて、「ウィルキー・コリンズもディケンズもミステリを書いたことがあるのよ」という。
中世の文学が好きなクレアはミステリなんて読まないでしょという、ハービンダーの問いに対する答え。
「え?読むんだ!」と読者に思わせたかったのだろうけれど、私は逆にウィルキー・コリンズってミステリ以外も書いてたんだ!と驚いた。
ディケンズの遺作『エドウィン・ドルードの謎』はミステリだが未完なので、知らずに読んで衝撃を受けた。全集に入れるなよ!
タイトルの『窓辺の愛書家』もとても良い。
原題は『The Postscript Murders」という味気ないもの。
年を取ったら海の見える家(サ高住でも老人ホームでも)で、窓辺の椅子に座りながら膝の上にはいつも本。
テーブルの上にはクロスワードパズル。
そして海を眺めながら息を引き取ることが出来たらいいなあ。