エリー・グリフィスのレビュー一覧

  • 窓辺の愛書家

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    読書家の老婦人が亡くなった。
    事件性はないと思われたが、彼女の部屋に侵入者があって本が盗まれ‥?
    素人探偵たちが活躍します。

    海辺の街に建つ高齢者向けの共同住宅で、ペギー・スミスという92歳の女性が亡くなった。
    介護士の若い女性ナタルカは、部屋の片づけに入って「殺人コンサルタント」という名刺を見つけ、有名作家らの本にペギーに感謝する献辞があることに気づきます。
    警察に相談し、ハービンダー・カーという女性刑事に話を聞いてもらうのでした。

    ペギーは一体何者だったのか。
    ペギーの友人で80歳の男性エドウィンと、行きつけのコーヒーハウスのオーナーであるベネディクトと3人で語り合い、素人探偵と相成り

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    2025年09月19日
  • 見知らぬ人

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    2020年MWA賞最優秀長編賞受賞作品。
    イギリスの古風な学校の英語教師のクレア、クレアの娘ジョージア、担当刑事インド人のハービンダー。この三人の目線で事件が語られて行く。
    現代イギリス文学にゴシックホラーが重なったような作品。
    最後まで犯人が誰か判らなかった。ぞくっとする結末!
    こわいー!
    着るもの、使う香水、読んできた本で階級やその人の人生が見えてしまうのが、いかにもイギリス的。
    そして、美貌で強がりなクレアも、マイノリティ要素を集めたかのような強いハービンダーもすごくかっこいい。
    続編があるようなので、それも読みたい。

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    2025年08月08日
  • 見知らぬ人

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    イギリスの著名作家エリー・グリフィスの作品として、初めて手に取ったが、王道的な欧米ミステリー文学のようだった。スティーブン・キングの作品のような陰鬱で物憂げ、オカルトチックな雰囲気を持ちながら、アガサ・クリスティーやダン・ブラウンのような鮮やかなミステリーの構成が見事に調和している。あたかも、ホランドという作家が実在したような設定の現実感や、視点を常に入れ替え続けそれぞれの人間模様、人としての特性を巧みに描き出して読者を魅了している。もう一度しっかり読み返すことで、充実感が増すであろう作品。

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    2023年11月16日
  • 見知らぬ人

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    イギリスの学園で起こる事件。
    文学作品に絡んだ重厚なムードと繊細な描写が魅力的な作品です。

    クレアは娘を連れて、地方の中等学校の英語教師として赴任してきました。
    もともと文学の研究課題としていたR・M・ホランドの邸宅が校舎となっている学校で、今は放課後の成人向けのクラスでホランドについての講座も持っています。
    旧館にはホランドの書斎がそのまま残されているのだった。
    そしてそこで、ホランドの作品「見知らぬ人」を思わせるような事件が‥

    離婚してロンドンを離れたくなり、娘のためにもと移り住んできたクレア。
    以前からずっと日記をつける習慣があり、その日記の内容と、クレアの視点、娘のジョージー、女性

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    2023年08月06日
  • 窓辺の愛書家

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    ハービンダー・カーシリーズ第2弾。
    前作同様、架空の小説や小説家が生み出した物語が鍵を握る本作。
    推理作家にアイデアを提供していた老婦人のペギーが、心臓発作により亡くなった。ペギーの死を不審に思った介護士のナタルカが、ハービンダーに相談しつつ、友人でコーヒーショップを営むベネディクト、老人のエドウィンと共に事件解決に乗り出すが、その後も殺人事件が起きて……というお話。
    読者が真相に辿り着くためのヒントがあらゆる場面に散りばめられており、フェアな犯人当て作品と言える。

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    2023年05月14日
  • 窓辺の愛書家

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    介護士のナタルカが尋ねた時には犯罪小説好きの老婦人ペギーが自宅で息を引き取っていた。不審に思ったナタルカはカー刑事に相談して友人2人と勝手に捜査を開始する。本と小説家を巡る事件の真相とは?個性的なキャラが魅力なシリーズ二作目→

    謎解きとしても面白いんだけど、とにかくキャラクターがいい!
    前作から引き続きのハービンダー・カー刑事はインド系の同性愛者で30代で実家住まい。
    ヒロインのナタルカはウクライナ出身の20代で謎多き美人介護士。
    友人のベネディクトは元修道士でカフェのオーナー。しかもかわいい嫁さんが欲しい→

    80歳のエドウィンは元BBC勤務でオシャレに気を使う気のいい老人。
    この4人だけ

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    2023年03月20日
  • 見知らぬ人

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    ネタバレ

    英語教師のクレアは、同僚で友人のエラが殺された事件の容疑者になってしまう。二人が勤務するのは、ヴィクトリア朝時代の怪奇小説作家R・M・ホランドの屋敷を校舎にしたため、自殺した彼の妻の霊がでると噂されるいわくつきのタルガース校。エラの殺害現場には、ホランドが短篇「見知らぬ人」に引用した『テンペスト』のセリフ、「地獄はからだ!」というメッセージが残されていた。教師の傍らホランドの文学研究をしているクレア、事件の担当刑事ハービンダー、クレアの娘でタルガース校に通うジョージアの三視点を行き来しながら、ゴシック小説とSNSテキスト文化を巧みに混ぜ合わせたポップなミステリー。


    『窓辺の愛書家』より先に

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    2023年03月01日
  • 窓辺の愛書家

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    海辺のシニア用共同住宅で、90歳のペギーが心臓発作で亡くなる。当然自然死と思われたが、介護士のナタルカは「殺人コンサルタント」なる肩書きがついたペギーの名刺と、部屋にあるミステリー小説の献辞にペギーの名前がいくつもでてくることを見つけ、警察に相談する。話を聞いたハービンダー刑事部長は捜査を開始するが、ナタルカもまた、生前のペギーと親しかったエドウィンとベネディクトを巻き込み、ペギーに献辞を捧げた作家たちに会いに行ってしまう。素人探偵団と刑事たちの群像ミステリー。


    面白かった!くっちゃべりながらメシ食って、旅行気分で調査するコージーミステリー。表紙のおどろおどろしくオールドスクールな印象とは

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    2023年02月28日
  • 窓辺の愛書家

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    「見知らぬ人」に出ていたハービンダー・カー刑事が登場するミステリ。前回は誰にも愛着が湧きにくかったが、今回の話はカー刑事(とその家族)も含めて魅力的で読んでいて楽しかった。90歳で亡くなったペギー・スミス。彼女はミステリ本の謝辞に、頻繁に載っていたことが分かる。彼女が言っていた”殺人コンサルタント”とは?彼女はもしかして殺されたのでは?ウクライナ出身の女性、もと修道士の男性、ペギーと友人だったゲイの老人と、一見チグハグなトリオが謎に向かって突き進む。そこにカー刑事も加わって・・・。どんでん返しも何度もあり、前回同様、犯人は全く分からなかった。もっと英語が分かれば楽しかったかも。

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    2022年11月13日
  • 見知らぬ人

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    ネタバレ

    見立て殺人とフーダニットに焦点を当てたイギリス発のミステリ。
    イギリスの中等学校タルガース校に勤める英語教員のエラが何者かによって殺害されることから物語は始まる。
    サセックス警察のカー部長刑事は、エラを殺した犯人はエラの知り合いであろうという推測の元、エラの同僚であり友人だったクレアやその同僚、タルガース校の生徒たちに聞き込みをし、犯人の足取りを追う中で、第2の殺人が起き……。
    この物語は3人の主要人物たちが見聞きしたことと架空の短編小説『見知らぬ人』とが足りない情報を補い合う形で物語が進んでいく。実は読者が犯人に気がつけるように少しずつヒントが散りばめられているのだが、かなり注意深く読んでい

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    2022年10月23日
  • 窓辺の愛書家

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    ネタバレ

    ナタルカと愉快な仲間たち~
    とでも表現できそうな、ミステリだけれど
    真犯人は誰?とマジで深入りしてしまうほんでした。
    中心人物、ペギー・スミスは冒頭で死んでしまうし(有意義なメッセージを残し)次々と、登場人物は殺されてゆくし、それでいて、
    本に対する人々の礼を尽くしたマナーなども十分感じられるし。本読み人のためのミステリ-という感慨深い一時をもてました。

    一作目とはかなり異なる印象だったけどこちらも楽しい読書タイムでした。

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    2022年10月02日
  • 小路の奥の死

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    ネタバレ

    シリーズ3作目。
    ロンドンの高校の同窓会で発生した殺人事件。
    下院議員やロックスターに有名女優と今や華々しい面々の高校時代の因縁に遡って繰り広げられる、
    前作とは舞台も背景も異にするプロットを存分に楽しめた。
    主にハービンダー・カー警部と登場人物の女性らの目線で描かれており、女性作家らしい展開。
    個人的には事件解決後の回想で触れられた映画作品が思い出深いものだったので、近い世代として懐かしさもあった。
    ただこのシリーズ、面白いのだけど、微妙に読みにくいと感じるのは文体のせいか訳のせいか。
    それと、ひねくれ者のミステリ好きにはわりと早い段階で犯人の目星がついてしまった。そこが惜しい。
    とはいえカ

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    2025年11月23日
  • 小路の奥の死

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    ネタバレ

    伝統あるマナーパーク校の同窓会で、下院議員の男が殺害された。捜査線上には、被害者と特に親しくしていた「ザ・グループ」の面々が浮かび上がる。メンバーは女優に歌手、そして警察官と個性的。特に警察官のキャシーは、主人公ハービンダー警部の部下でもある。調べを進めるうちに、被害者は殺される前、「ブリーディング・ハート」と書かれた手紙を受け取っていたことが判明する。そしてそれは、被害者がたびたび会合を開いていた通りの名前を指していた。そんな中、「ザ・グループ」の中から新たな被害者が出る。ハービンダー警部は、事件の真相は「ザ・グループ」のメンバーの過去に起因していると睨む。というのも、過去に彼らはデイヴィッ

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    2025年11月20日
  • 小路の奥の死

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    ネタバレ

    2025年の42冊目は、エリー・グリフィスの「小路の奥の死」です。以前「窓辺の愛書家」という彼女の作品を読んだ記憶が有りますが、内容はうろ覚えです。
    主人公は、同じくハービンダー・カー刑事です。舞台は、サセックスからロンドンに移ります。ハービンダーが、シク教徒という設定で有り、シク教徒について調べた記憶が蘇ります。
    事件は、マナーパーク校の同窓会で、下院議員のゲイリーが不審死する所から始まります。ゲイリーの死は、殺人で有る事が明らかになり、容疑者の中には、その同窓会に参加していたハービンダーの部下キャシーもいました。事件の発端は、マナーパーク校在学中のある事件に関わって起きたのではないかと推測

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    2025年11月20日
  • 小路の奥の死

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    主人公ハービンダー・カーは「ロンドン警視庁の警部」となって登場。おお、出世している。彼女もつい浮ついた気持ちになって、自分のオフィスを歩き回ったり、朝刊に載る自分を家族にも見てほしいと意識したり。外からはクールな女性警部と思われている?が、本心は割と俗っぽい。でも堂々とチームを率いている姿はカッコいい。

    高校の同窓会で殺人事件が起きる。被害者は下院議員のゲーリー。彼の同級生のグループには歌手や女優など有名人ばかり。その一員にハービンダーの部下のキャシーも含まれていた。今回の殺人事件は、21年前に死んだデイビッドの事故に関係があるのではないか?ハービンダーのチームは、一人ひとりに話を聞いていく

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    2025年11月14日
  • 窓辺の愛書家

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    海沿いの高齢者集合住宅の窓辺で、一人の老婦人が心臓発作で亡くなっていた。
    老婦人は推理作家の創作を手伝っている愛書家だった。
    第一発見者の介護士ナタリカは、老婦人の死に不審を抱く。

    「見知らぬ人」シリーズ。

    「見知らぬ人」のようなクラシックかつゴシックな雰囲気ではなく、明るく軽快。
    介護士ナタリカ、カフェを経営する元修道院のベネディクト、老紳士のエドウィンの素人探偵団と、インド人で女性で同性愛者というマイノリティの集合体のようなハービンダー・カー部長刑事がナタリカに協力を要請されて活躍する。
    登場人物が多くない?という数だが、気にならないテンポの良さ!
    そして、「見知らぬ人」の時と同じく最

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    2025年08月31日
  • 窓辺の愛書家

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    多様なキャラクターが絡み合って、それらが皆、きっちり役割を果たしている。各キャラへの作者からの愛が感じられ、意外性もあって良質。

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    2025年06月21日
  • 見知らぬ人

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    語り手になる人々の描写が丁寧でイメージしやすかったしその人に感情移入し一緒にドキドキ出来た。はじめはなかなか読み進まなかった。だけどどんどん引き込まれて派手な推理やトリックではないけど最後はドキドキして一気に読めた。

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    2025年02月05日
  • 見知らぬ人

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    2025年1冊目。
    伝説的作家ホランドの短編小説にまつわる殺人事件なのか?ということだけど前半はその話に入って行けなくて進まず。ハービンダーが出てきてピリっとする。そして意外な犯人だった。ハーバード(犬)の存在に癒される。サモエドカフェに行きたいな。昨年読んだ窓辺の愛書家が良かったので読んだが、こちらを先に読むべきだったかな。

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    2025年01月05日
  • 窓辺の愛書家

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    エリー・グリフィス初読。
    趣味の良いミステリを読ませていただきました。充実した読書時間。とても殺人コンサルタントにはなれませんが、ペギーのように老後を送れたらいいなと思います。エドウィンの若者たちへの目線は優しいし、作者自身がジェンダーについても暖かい捉え方をしている方なのかなと思いました。「見知らぬ人」も読んでみたいです。

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    2024年12月17日