井戸川射子のレビュー一覧

  • 曇りなく常に良く

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    描きわけがすごい。おお、こんな感じなのかな。シイシイのわからないからやってみようと部活を選んじゃう話が自分がやっちゃったのととても近くて泣けた。

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    2025年06月06日
  • この世の喜びよ

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    えもいわれぬ喪失感を感じる女性の表現がすごく美しく自身の母親と重ね合わせながら読み終えました。
    素敵なお話しでした。

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    2025年05月06日
  • 曇りなく常に良く

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    めちゃくちゃ良い。まず文体がすごく自由で、縛られない感じがすごく良い。センスの塊。
    ポエムとエッセイの中間のような、大人と子供の中間のような、女の子達の感情と文体がマッチしてて、自分もこの本の中に溶けていく感じがする。
    読み終わって、なんだか知らないけどすごく感動した。何も解決していないし、解決するほどでもない日常が日々続いていくけど、解釈して納得して生きていくしかないですね

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    2025年04月11日
  • この世の喜びよ

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    なかなか一文が終わらない、句読点が少ない文で、ちょっと読みにくいです。あと誰が何を喋ったのか、場面転換がいつあったのかが分かりにくかった。(私の読解力の問題ですし、そこが良いところでもある)

    ・表題作
    若者と喋るとパワーが貰えるし、子育ては人生2周目の追体験、みたいな話。著者の作品を初めて読みました。文体もそうですが、心地良いゆらぎを感じて、読んでいて新感覚で面白かったです。

    ・3本目のお話
    お母さんになると、お母さんじゃなかった頃には戻れないのだと思いました。

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    2025年01月26日
  • ここはとても速い川

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    表題作は児童養護施設の小学生の視点でそっけない関西弁で綴られる。なんとなく泣けちゃうんだよー
    『膨張』はアドレスホッパーの物語。アドレスホッパーって初めて知った。

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    2025年01月13日
  • ここはとても速い川

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    これはすごい。
    井戸川射子、詩人の姿を見た。

    表題作「ここはとても速い川」は、集の発する言葉から彼の生命力と危うさと素朴さに満ちた目つきを想像させられる。嘘なんて存在しない集の世界に入り込むと、気づいたら泣き出しそうになっている

    「膨張」は、ラストにかけてが物凄く良い。
    速度のある文章から吹き付けられる風。

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    2024年02月04日
  • 共に明るい

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    これまでの2作より更に詩的に。
    情景の切り取り方、リズム、グルーブは詩。
    この文体はクセになる。

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    2024年01月15日
  • ここはとても速い川

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    「ここはとても速い川」「膨張」の2作品が収められている。

    「ここはとても速い川」は児童養護施設に住むこども「集」の語りで物語が進む。子供がそうであるように、目に映るものを次々言葉にしていく。だから、話は突然方向を変えるし、句読点もあえてずらしているのかと思う。それが子どもっぽい揺らぎを感じさせる。

    形容詞がほとんどない。見たままを語る集。詩人でもある井戸川射子さんの描写力がすごいと思った。

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    2023年10月17日
  • ここはとても速い川

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    井戸川作品2冊目。
    文章のリズム感、グルーブに浸る。
    人が記憶の隙間に落っことしてしまっているような、ディテールを丁寧に掬い上げる作風はとても好き。
    これはいい。

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    2023年03月04日
  • ここはとても速い川

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    ネタバレ

    井戸川射子さんは詩人だそうだ。
    詩はまだ読んでおらず、この小説が凄いと、石井千湖さんの紹介をきいて、手に取った。

    なんという繊細にして大胆な子どもらの描写。
    ワンパラグラフが長いように思う。そして、あまりに息継ぎもなく、流れるように、日常の中で意識が止まらないのと全く同じように、主語、語り手である集くんの、頭の中によぎることや確信に至るか至らないかに限らず考えていることが、情景風景ほかの人との会話なども絡みながら、さらさらと、ちくちくと、織り出されていく。
    パラグラフは一気に読まないとダメだし、一気に読ませる。ここに伝えたいこと、他人じゃなくても自分に言い聞かせたり残しておきたいことだから息

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    2023年01月22日
  • 曇りなく常に良く

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    独特の文体は、女子高生の心の声をリアルに録音できたとしたらこんな感じなんやろなと思えるもので、良い意味で生々しい。
    よく、他人と自分を比べず、自分の評価は自分ですればいいなんてことを言うけど、自分が高校生やったころを振り返ってみても、そんなことは到底無理で、周りと比べて自分のいけてないことばかりがみえてしまって、高校生の時分ってそんなヒリヒリしてしまうもんなんやろうなぁ。
    その意味でもすごくリアルやった。

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    2025年08月14日
  • この世の喜びよ

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    表題作は、他者に伝えることが得意ではない主人公の「あなた」と、他者に屈託なく伝えることができる「少女」を中心とした小説。
    「あなた」の中を絶えず流れ続ける言葉を、そのまま写したような文体で話は進む。癖はあるが、現在から記憶まで思考が転々とする様子がとてもリアルで、ここまで文字で表現できるものなのかとびっくりした。





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    2025年06月02日
  • この世の喜びよ

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    詩でも小説でも、井戸川射子の言葉は、過去を慈しみ、今を鮮やかにうつしとり、未来に開かれている。
    『石井千湖 解説』
    不思議な小説でした

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    2025年01月15日
  • この世の喜びよ

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    詩のように書かれた物語。本来なら句点で区切られるような文章が読点で繋がれてゆき、不思議なところで句点が打たれる。解説を読み、まるで川のような文章だと思った。道端を這う水が流れ行く先を見ようと水を辿っていくが、思いもよらないタイミングでその水が途切れるような、そんな感覚。視点もそのように移り変わっていく。“あなた”の目の前の出来事が書かれていると思いきや、段落を変えず次の文章では、“あなた”の過去の出来事に視点が移り変わる。思考の自然な揺らぎを文章で読むことにしばらくは慣れなかったが、慣れると意外にも読める。目の前の少女と、自分の二人の娘の小さな頃を重ねる“あなた”。親として娘たちを大切に思う気

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    2024年12月09日
  • 共に明るい

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    あるものの行動を、章を区切るでもなく、ごく自然に、すぅっと視点を移動させていくのが面白い。ひとつの物事を共有してる人が複数人いて、人と人は繋がってないわけではないんだということをすとんと心に落としてくれる。周りの人全員が生きているんだということを分からせてくれる。

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    2024年11月27日
  • ここはとても速い川

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    詩的。文章の密度は濃いが、独特な柔らかいことば遣いの表現は心にしみ入るように伝わってくる。
    子どもの心情を深く描き出していると感じた。劇的な展開のある物語ではないが、語り口の柔らかさと伸びやかさが、タイトルに反するように、緩やかな大河の流れを想起させる。

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    2024年11月07日
  • この世の喜びよ

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    内側から溢れ出る水を、言葉の形に押し留めているような詩的な文体。頭の中で響く言葉のように、連綿と読点で繋がれ流れている。「私の頭は私の考えにいつも付き合ってくれる」自分の記憶を呼び起こせたことをあたたかな言葉に紡げるのが素敵。

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    2024年10月31日
  • この世の喜びよ

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    祝文庫化。2023年の芥川賞受賞作品。言葉の可能性を追求していくチャレンジングな作家という印象。こういう作家に光を充てていく芥川賞はやっぱり面白いと思う。

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    2024年10月29日
  • ここはとても速い川

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    『とても速い川』と『膨張』の2つの話。
    決して読みやすい文章ではない。がとても惹かれる。
    主人公は養護施設の少年。感動的なことは何も起こらない展開に心が揺れた。

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    2024年02月18日
  • ここはとても速い川

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    詩人の書く小説らしく、表現が詩的で描写力が素晴らしい。
    井戸川射子さんの小説は、「詩人出身の感じ」が読みにくいという意見を見たことがあるけど、個人的にはこういう、趣向を凝らした美しい描写は好きなので楽しく読めた。
    表題作ももう一作も、人生の一場面を切り取ったような小説だった。良かったです。

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    2024年02月16日