井戸川射子のレビュー一覧

  • この世の喜びよ

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    ネタバレ

    句読点の少ない文章で平凡な日常の描写が続くので読みづらく、最後まで辿り着くのに忍耐が必要だった。どうタイトルに繋がるのかという疑問を抱えながら読んが、ラストの1文で全てが回収された。"何かを伝える喜び"、これは全ての人が持つ喜びかも知れない。作者が幼い娘をもつ母親であり、高校の国語教師である事は、日本の未来にとって大きな価値があると感じた。

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    2025年12月27日
  • ここはとても速い川

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    「ここはとても速い川」
    施設で暮らす主人公「集」は5年生。
    一緒に生活している一つ下の親友「ひじり」とのやり取りや、ひょんな事から知り合う若者「モツモツ」と決行したある作戦、夏休みの宿泊訓練など、日々の出来事が集の目線で語られます。
    ダダーっと一気にしかも次々に話題が移っていくこの文体がすごくいい。整っていなくて子どもが話しているそのままの感じ。あっちこっちに飛びながら時々フッと出てくる言い回しや比喩によって、この世界にググッと近づく感覚が読んでいておもしろい。
    子どもらしい文章の中に急に差し込まれる、集やひじりの抱える問題にギクッとしたり。集の心境が垣間見えて切なくなったり。出てくるアイテム

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    2025年12月14日
  • 曇りなく常に良く

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    描きわけがすごい。おお、こんな感じなのかな。シイシイのわからないからやってみようと部活を選んじゃう話が自分がやっちゃったのととても近くて泣けた。

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    2025年06月06日
  • この世の喜びよ

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    えもいわれぬ喪失感を感じる女性の表現がすごく美しく自身の母親と重ね合わせながら読み終えました。
    素敵なお話しでした。

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    2025年05月06日
  • 曇りなく常に良く

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    めちゃくちゃ良い。まず文体がすごく自由で、縛られない感じがすごく良い。センスの塊。
    ポエムとエッセイの中間のような、大人と子供の中間のような、女の子達の感情と文体がマッチしてて、自分もこの本の中に溶けていく感じがする。
    読み終わって、なんだか知らないけどすごく感動した。何も解決していないし、解決するほどでもない日常が日々続いていくけど、解釈して納得して生きていくしかないですね

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    2025年04月11日
  • この世の喜びよ

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    なかなか一文が終わらない、句読点が少ない文で、ちょっと読みにくいです。あと誰が何を喋ったのか、場面転換がいつあったのかが分かりにくかった。(私の読解力の問題ですし、そこが良いところでもある)

    ・表題作
    若者と喋るとパワーが貰えるし、子育ては人生2周目の追体験、みたいな話。著者の作品を初めて読みました。文体もそうですが、心地良いゆらぎを感じて、読んでいて新感覚で面白かったです。

    ・3本目のお話
    お母さんになると、お母さんじゃなかった頃には戻れないのだと思いました。

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    2025年01月26日
  • ここはとても速い川

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    表題作は児童養護施設の小学生の視点でそっけない関西弁で綴られる。なんとなく泣けちゃうんだよー
    『膨張』はアドレスホッパーの物語。アドレスホッパーって初めて知った。

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    2025年01月13日
  • ここはとても速い川

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    これはすごい。
    井戸川射子、詩人の姿を見た。

    表題作「ここはとても速い川」は、集の発する言葉から彼の生命力と危うさと素朴さに満ちた目つきを想像させられる。嘘なんて存在しない集の世界に入り込むと、気づいたら泣き出しそうになっている

    「膨張」は、ラストにかけてが物凄く良い。
    速度のある文章から吹き付けられる風。

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    2024年02月04日
  • 共に明るい

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    これまでの2作より更に詩的に。
    情景の切り取り方、リズム、グルーブは詩。
    この文体はクセになる。

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    2024年01月15日
  • ここはとても速い川

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    「ここはとても速い川」「膨張」の2作品が収められている。

    「ここはとても速い川」は児童養護施設に住むこども「集」の語りで物語が進む。子供がそうであるように、目に映るものを次々言葉にしていく。だから、話は突然方向を変えるし、句読点もあえてずらしているのかと思う。それが子どもっぽい揺らぎを感じさせる。

    形容詞がほとんどない。見たままを語る集。詩人でもある井戸川射子さんの描写力がすごいと思った。

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    2023年10月17日
  • ここはとても速い川

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    井戸川作品2冊目。
    文章のリズム感、グルーブに浸る。
    人が記憶の隙間に落っことしてしまっているような、ディテールを丁寧に掬い上げる作風はとても好き。
    これはいい。

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    2023年03月04日
  • ここはとても速い川

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    ネタバレ

    井戸川射子さんは詩人だそうだ。
    詩はまだ読んでおらず、この小説が凄いと、石井千湖さんの紹介をきいて、手に取った。

    なんという繊細にして大胆な子どもらの描写。
    ワンパラグラフが長いように思う。そして、あまりに息継ぎもなく、流れるように、日常の中で意識が止まらないのと全く同じように、主語、語り手である集くんの、頭の中によぎることや確信に至るか至らないかに限らず考えていることが、情景風景ほかの人との会話なども絡みながら、さらさらと、ちくちくと、織り出されていく。
    パラグラフは一気に読まないとダメだし、一気に読ませる。ここに伝えたいこと、他人じゃなくても自分に言い聞かせたり残しておきたいことだから息

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    2023年01月22日
  • この世の喜びよ

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    あなたは、嘗ての幼い娘達と多くの時間を過ごしたショッピングセンターの喪服売り場で働く。そんなあなたは、そこのフードコートの常連である少女と知り合う。一歳の弟の子守りに苦労していると語る少女の姿に、あなたは嘗ての自分を重ね合わせる———
    (この世の喜びよ)

    語り手はフードコートの少女と、かつての自分を重ねている。1歳の娘を持っていたかつての自分と、1歳の弟の世話を焼く少女を。少女の目線から見れば、語り手の存在は、子育ての先輩という面も持っていたが、同じ悩みを持つ友人と思っていたのではないかと思う。それは、語り手自身が、人と会話するときに、自分と相手の間に若いときの自分を一枚挟んでいることが原因

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    2026年04月12日
  • 曇りなく常に良く

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    家族に、友人に、将来に、そして自分自身に悩む。そんな日々を送る高校二年生の仲良し五人組。彼女達の悩みは多感な今の時期であるからの悩みであり、今の時期であるからこそ、結果を望む。なんともない日々も思い出となり、未来の自分へと繋がっていく———

    良い。
    高校二年生。彼女達は様々な悩みを抱えるのが常。母の再婚で姉となったり、恋愛に明け暮れたいがスポーツにも取り組みたかったり、自らの顔の一部がコンプレックスだったり、自らの空気の読めなさを自覚していたり、姉妹で仲が悪かったり、家計のためにアルバイトに打ち込んだり。そこでの日々は様々な事象から悩みを刺激されていく。友人間での会話、先輩との会話、家族との

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    2026年04月07日
  • 私的応答

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    1980年
    1987年
    1993年
    1995年
    2003年
    2023年
    1996年
    2004年
    2011年
    2022年
    2024年

     家族のことが淡々と語られていきます。
    父がいない家庭で、兄弟にもまれて貧乏性に育つ女の子は、なぜか母を引き継ぐように父がいない子を育てていく。
     そして起こる2度の震災。。。
    忘れたいけど忘れられないトラウマを持ちながら、日々を暮らしていくしかない。
     母がばばになり亡くなる。子どもだった自分が母になる。そして、、、

     人って何でしょう。生きていくってどういうことでしょう。。。
     淡々と、営々と続きます。
    そこに勝ち負けはあるのでしょうか?
    そこに生きがいは

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    2026年03月29日
  • 曇りなく常に良く

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    独特の文体は、女子高生の心の声をリアルに録音できたとしたらこんな感じなんやろなと思えるもので、良い意味で生々しい。
    よく、他人と自分を比べず、自分の評価は自分ですればいいなんてことを言うけど、自分が高校生やったころを振り返ってみても、そんなことは到底無理で、周りと比べて自分のいけてないことばかりがみえてしまって、高校生の時分ってそんなヒリヒリしてしまうもんなんやろうなぁ。
    その意味でもすごくリアルやった。

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    2025年08月14日
  • この世の喜びよ

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    表題作は、他者に伝えることが得意ではない主人公の「あなた」と、他者に屈託なく伝えることができる「少女」を中心とした小説。
    「あなた」の中を絶えず流れ続ける言葉を、そのまま写したような文体で話は進む。癖はあるが、現在から記憶まで思考が転々とする様子がとてもリアルで、ここまで文字で表現できるものなのかとびっくりした。





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    2025年06月02日
  • この世の喜びよ

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    詩でも小説でも、井戸川射子の言葉は、過去を慈しみ、今を鮮やかにうつしとり、未来に開かれている。
    『石井千湖 解説』
    不思議な小説でした

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    2025年01月15日
  • この世の喜びよ

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    詩のように書かれた物語。本来なら句点で区切られるような文章が読点で繋がれてゆき、不思議なところで句点が打たれる。解説を読み、まるで川のような文章だと思った。道端を這う水が流れ行く先を見ようと水を辿っていくが、思いもよらないタイミングでその水が途切れるような、そんな感覚。視点もそのように移り変わっていく。“あなた”の目の前の出来事が書かれていると思いきや、段落を変えず次の文章では、“あなた”の過去の出来事に視点が移り変わる。思考の自然な揺らぎを文章で読むことにしばらくは慣れなかったが、慣れると意外にも読める。目の前の少女と、自分の二人の娘の小さな頃を重ねる“あなた”。親として娘たちを大切に思う気

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    2024年12月09日
  • 共に明るい

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    あるものの行動を、章を区切るでもなく、ごく自然に、すぅっと視点を移動させていくのが面白い。ひとつの物事を共有してる人が複数人いて、人と人は繋がってないわけではないんだということをすとんと心に落としてくれる。周りの人全員が生きているんだということを分からせてくれる。

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    2024年11月27日