井戸川射子のレビュー一覧

  • この世の喜びよ

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    表題作

    過去と今、未来を行ったり来たり。
    語りかけられているようにも聞こえる。

    ぼんやりと過去を懐かしんだり、
    過去を通して今を見ていたり、
    心と時間、思い出とか考えが同じ一直線上にあって、
    1人の人間の営みを内側から感じられた気がする。

    読み慣れない文章で句読点も少なく、
    流れるようで、一冊が詩集のようだった。

    新鮮、と言う意味で星四つにしました

    後半くらいまでずっと走馬燈見てるんかと思った笑

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    2025年01月26日
  • この世の喜びよ

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    ネタバレ

    表題作は、スーパーの喪服売り場で働く中年女性が、いつもフードコートにいる中学生と話をするようになる様子を、同じスーパーで働く人たちとの交流を交えて描くお話

    何か大きな事件があったり、決定的に悲しい出来事があるわけではないのだけど、日常を送る中で孤独を募らせている中年女性が、自らの子育てが終わりを迎えようとしている中で、中学生に心を開こうとするというような内容で、読んでいて切ない気分になる作品でした。

    二人称で書かれているのが特徴的だけど、過去を振り返ってやさしく自分に語りかけているように感じたけれど、二人称は同時にその語りかけが読者にも向けられるように感じられるから、情報の処理のプロセスが

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    2024年12月19日
  • ここはとても速い川

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    読み始めは中々内容が理解しづらく感じる文体であるが、読み進めていくと著者が作り出す物語の中にまるで沈んでいくようにして浸っていける。そしてそれは現実と離れすぎた内容だからわからないとかではなく、あまりにも現実すぎて物語と認識しづらいような感覚が読者に与えられる。その繊細且つ濃密な語りは、詩人でもある作者の言葉へのひたむきさと忠誠心だと捉えても良いのかもしれない。ちなみに本の詳細のページ数が288になっているが、手元の2022年12月15日第1刷発行の文庫本はどう見ても162でノンブルが終わっている。

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    2024年12月12日
  • この世の喜びよ

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    言葉(文章)の使い方が独特で、どうしても「あなた」だったり「彼女」だったりで読むリズムが崩れてしまった。

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    2024年12月04日
  • この世の喜びよ

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    音声で聴いていたので、この小説のすごさがわかるほどのレベルに達してはいないのだが、淡々とした描写のまま何事もなく、小説は閉じられる。表現方法が特徴的とのこと。芥川賞受賞時の選評を引いておく。

    平野啓一郎
    「V・ウルフ風の「意識の流れ」を二人称で描くという難しい挑戦が成功している。」「「あなた」という穂賀への語りかけは、ヤング・ケアラーの少女への「あなた」へと転ずる最後の場面で、彼女の子育てを否定する、唯一の真の他者へと開かれる筈だったが、その対立性は曖昧に呑み込まれ、結局、全篇を貫く自己承認回路へと吸収されてしまう。」

    小川洋子
    「(引用者注:「荒地の家族」と共に)丸をつけた。」「特異なの

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    2024年11月14日
  • この世の喜びよ

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    地の文と台詞、誰が今何をしているのかが掴みにくく、私の中で曖昧になってしまうことがあった。ただその詩のような文章が魅力的でもあるのだが。

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    2024年11月12日
  • この世の喜びよ

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    いま自分がどこにいて何をしてどんな立場であるのかが分からなくなる感覚。どれも現実で過去でもあり今なのだ。かつての空気や音を思い出す不思議な気持ち。句読点の付き方があまり馴染みのないリズムなのだが途中から慣れた

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    2024年11月12日
  • 共に明るい

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    簡単に読み進めることはできないし、著者が表現したかったことを読み取れた自信はない。
    でも、文章のリズム感や生み出されるグルーヴにはノリノリに乗れた。
    それだけでも読んだかいがあった。
    著者は詩を書かれんですね、なるほど。

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    2024年10月16日
  • ここはとても速い川

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    2つの物語は繊細で、むなしさが残りました。
    全てが報われるとは思っていませんし、自分の価値観を押し付けるのは違いますが、やっぱりどこかで報われていてほしいなと思いました。

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    2024年07月03日
  • ここはとても速い川

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    二作品収録の細くて薄いそれでいて濃いまるでカルピスの原液のような作品。
    まずはじめに、ここはとても速い川ですが、これだけならよかった。少年期の目まぐるしいほど環境の移り変わりが速いなかで彼らはあまり変わることなく過ごしている感じが流されてくように感じて文学としての表現が素晴らしいと思いました。その刹那さに心がグッときます。
    ただ最後の膨張に関して言えばなんだかよくわからない、どう消化すればいいのか、あるいは噛み砕けばいいのか、終わり方もパッとしません。共感が持てないのも原因かもしれませんが、おそらく概念にない話なので僕は読んでも何も思いませんでした。ただよく書けている。と言った具合です。文学と

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    2024年06月24日
  • 共に明るい

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    どれも長い詩みたいだった。
    頭の中を全部書き出していくような。
    文章に呼吸を合わせていくと、ほの明るい静かな気持ちになる。

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    2024年03月07日
  • 共に明るい

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    短編になるとなおさら一文がミニマムに。句読点で視点の切り替えだけでなく話者の切り替えまでおこなってしまう。気付けばずぶずぶと、この文体に飲み込まれる。

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    2024年02月29日
  • ここはとても速い川

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    もともと詩を書かれてた作者さんだからか、比喩表現が多く、癖のある独特な文体にはじめは苦労したがそのうち慣れる。
    その比喩表現のところに話の核となる関係性の象徴など現れている感じなので結構かみくだいて読んだ。
    淡々と思考が湧き出てはとめどなく流れるように綴られていく。初めは違和感あったけど、普段私たちもこうやって思考が流れ、湧き出てをくり返しているのだろう。
    ストーリーも、文の感じもまさに表題のように流れの速い川のよう。また暫く時間を置いて、再読時は流されないようにじっくり読みたい。

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    2024年02月22日
  • 共に明るい

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    独特の文体に
    ワンフレーズ読んでは立ち止まり読み直した。視点がコロコロ変わる。
    でもその描く世界が癖になった。

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    2024年02月18日
  • 共に明るい

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    短編集5篇
    新神戸駅からのバスの中の風景の「共に明るい」、レオパを飼育する新しくできた彼氏との日々を描いた「素晴らしく幸福で豊かな」が良かった。人との距離感、関係性に独特の感性を持つ作者の表現が面白い

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    2024年01月18日
  • 共に明るい

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    芥川賞作家で詩人でもあるらしい。
    読点の位置が、フツーの感覚とはずれていて、倒置法とか連帯どめとかが多用されてて、慣れるまで、ことごとくつっかえる感じ。
    内容は、あまり残ってない。「素晴らしく幸福で豊かな」が中では1番面白かった。

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    2023年12月10日
  • ここはとても速い川

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    児童養護施設に暮らす小学5年生の集(しゅう)。園での年下の親友・ひじりとの楽しみは、近くの淀川にいる亀たちを見に行くことだった。

    ▽感想
    子どものような日記で、何となく句読点や文章が幼く感じる。子ども目線で物事がかかれており、慣れるまで読みにくさが多少あった。

    話の道すじもまっすぐではなく、あっちにいったり、こっちにいったり。

    モツモツと集とひじりで紫色の花の世話をしたり、養護施設の中の様子を話す様子も全部、愛しい子どもたちの目線だった。

    子どもならではの狭くて、だけどいろんなところを見てる独特な視点をよくここまで書き込んだなと思った。

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    2023年11月07日
  • ここはとても速い川

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    ネタバレ

    モツモツのアパートから集やひじりが移動させた紫色の花が、まるで集たち自信を表しているようでなんとも言えない気持ちになった。

    どこから来たのかも分からない、なぜそこにあるのかも。

    まるで孤児である集なようで、

    また、
    おばあちゃんの家に移された花も一見育ちやすい、幸せそうな環境になったようには見えたが、

    おばあちゃんに掘り返されたかどうかは謎なまま。

    まるで、
    お父さんの元へ帰ったひじりのようだった。

    なにが本当の幸せなのか考えさせらる本だった。

    P48
    浅いところは石で痛くて、深いところは怖いんやった。注がれてくる水が水をまたいで、川は群れでめっちゃ飲んでしまう。勢い、流れ落ちひ

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    2023年05月22日
  • ここはとても速い川

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    子供目線で書かれているのが新鮮で気付かされることが多かった。

    私自身もこういう思考の時代があったのかなと考えるが今では全然記憶に残っていない。
    子供は大人より狭い生活範囲で行動しているから思考は見えているものだけであり俯瞰してみることはあまりない気がする。でも俯瞰してみることで遠回りの思考になることがある。たまには子供の思考に戻って見える範囲を整頓することで気付かされることもあるから子供の思考も尊重されるべきだと思った。

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    2023年05月18日
  • ここはとても速い川

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    文章が独特で馴染みづらかった。作者が詩人とあとで知って納得。慣れるまでつまらなく感じ、終盤やっと慣れて途端にすごくおもしろく感じた。丁寧に読まないと、お話の流れこそとても速い川のようなので、足を掬われてしまう。時間の説明がなく、区切りのわからない散文を読んでる感覚になるのかなと。
    大人びた少年の感情の抑制と放出。園長に胸の内を話すシーンは泣いてしまった。

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    2023年04月19日