この世の喜びよ
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この世の喜びよ

小説・文芸
660円 (税込)
330円 (税込) 10月22日まで

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第168回芥川賞受賞作!

娘たちが幼い頃、よく一緒に過ごした近所のショッピングセンター。
その喪服売り場で働く「あなた」は、フードコートの常連の少女と知り合う。
言葉にならない感情を呼びさましていく芥川賞受賞作「この世の喜びよ」をはじめとした作品集。

ほかに、ハウスメーカーの建売住宅にひとり体験宿泊する主婦を描く「マイホーム」、
父子連れのキャンプに叔父と参加した少年が主人公の「キャンプ」を収録。

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  • カテゴリ
    :
    小説・文芸
  • ジャンル
    :
    小説 / 国内小説
  • 出版社
    :
    講談社
  • 掲載誌・レーベル
    :
    講談社文庫
  • タイトル
    :
    この世の喜びよ
  • タイトルID
    :
    1697117
  • ページ数
    :
    288ページ
  • 電子版発売日
    :
    2024年10月16日
  • コンテンツ形式
    :
    EPUB
  • サイズ(目安)
    :
    1MB

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この世の喜びよ のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    えもいわれぬ喪失感を感じる女性の表現がすごく美しく自身の母親と重ね合わせながら読み終えました。
    素敵なお話しでした。

    0
    2025年05月06日

    Posted by ブクログ

    あなたは、嘗ての幼い娘達と多くの時間を過ごしたショッピングセンターの喪服売り場で働く。そんなあなたは、そこのフードコートの常連である少女と知り合う。一歳の弟の子守りに苦労していると語る少女の姿に、あなたは嘗ての自分を重ね合わせる———
    (この世の喜びよ)

    語り手はフードコートの少女と、かつての自分を重ねている。1歳の娘を持っていたかつての自分と、1歳の弟の世話を焼く少女を。少女の目線から見れば、語り手の存在は、子育ての先輩という面も持っていたが、同じ悩みを持つ友人と思っていたのではないかと思う。それは、語り手自身が、人と会話するときに、自分と相手の間に若いときの自分を一枚挟んでいることが原因であるとも考えられる。そして、何度目もの会合の先に、二人の関係は深まっていく。少女は気の知れた友人として日常の様々なことを相談していく。弟のこと、母のこと、受験のこと、スキンケアのこと。そこまでは語り手も同じであり、自身の娘のことを中心に相談し合っている。しかし、そんな語り手の少女への思いは、少女がそうであってほしいと思っていた友人同士という関係から少々逸脱し、母娘に近い関係へと変化してしまったように思えた。少女は自身の肌荒れを語り手に相談する。そこで彼女が望んでいた返事としては、同情や共感、そして励ましであったと思う。しかしながら、語り手が少女にかけた言葉は心配であった。それは、これまでの二人の会話に何度も登場してきた、語り手が自身の娘に届ける言葉のような姿をしていた。聞きたかった言葉とは似つかぬ形を突きつけられた少女は語り手の目に、どんどん小さくなる自身の背中を見せつけた。そんな光景は奇しくも、少女の年齢に見合った、母に対する小さな反抗のように見えた。
    そんな展開、見ているこちらの胸が痛むような語り手と少女の思いの交錯からの、ラストシーンまでの流れが、本当に美しかった。この世にあるいくつもの喜びのなかから、自らの胸をいっぱいに満たす喜びを再び手にした語り手。若者でなくても、自分の胸は何度だっていっぱいにしてもいい。その喜びを、語り手にはこれからも手放さずに大切にしてほしい。

    少女を通して、語り手は過去の自分と今の自分が混じり合う。かつての私があのときとった行動は、今の私のこの行動へとつながっている。私というあなたと、あなたという私がつながって、少女というあなたともつながった。自身とのつながりが、他者とのつながりがこの物語には紡がれて、ショッピングセンターでの一幕という、小さなお話を幾十にも層が積み重ねられ、これほどまでに大きく魅せている。

    0
    2026年04月12日

    Posted by ブクログ

    表題作は、他者に伝えることが得意ではない主人公の「あなた」と、他者に屈託なく伝えることができる「少女」を中心とした小説。
    「あなた」の中を絶えず流れ続ける言葉を、そのまま写したような文体で話は進む。癖はあるが、現在から記憶まで思考が転々とする様子がとてもリアルで、ここまで文字で表現できるものなのかとびっくりした。





    0
    2025年06月02日

    Posted by ブクログ

    詩でも小説でも、井戸川射子の言葉は、過去を慈しみ、今を鮮やかにうつしとり、未来に開かれている。
    『石井千湖 解説』
    不思議な小説でした

    0
    2025年01月15日

    Posted by ブクログ

    詩のように書かれた物語。本来なら句点で区切られるような文章が読点で繋がれてゆき、不思議なところで句点が打たれる。解説を読み、まるで川のような文章だと思った。道端を這う水が流れ行く先を見ようと水を辿っていくが、思いもよらないタイミングでその水が途切れるような、そんな感覚。視点もそのように移り変わっていく。“あなた”の目の前の出来事が書かれていると思いきや、段落を変えず次の文章では、“あなた”の過去の出来事に視点が移り変わる。思考の自然な揺らぎを文章で読むことにしばらくは慣れなかったが、慣れると意外にも読める。目の前の少女と、自分の二人の娘の小さな頃を重ねる“あなた”。親として娘たちを大切に思う気持ちと、目の前の少女を大切に思う気持ちが、ゆっくりと重なり合っていく。それは親心ではなく友愛なのだが、“あなた”はそれをまだ受け取る心の準備が整っていない。「この世の喜びよ」とは新たな自分に出会えることや、大切なものや人が増えていくこと、自分の中に新たな感情が芽生えることの喜び、なのだろうか?

    0
    2024年12月09日

    Posted by ブクログ

    内側から溢れ出る水を、言葉の形に押し留めているような詩的な文体。頭の中で響く言葉のように、連綿と読点で繋がれ流れている。「私の頭は私の考えにいつも付き合ってくれる」自分の記憶を呼び起こせたことをあたたかな言葉に紡げるのが素敵。

    0
    2024年10月31日

    Posted by ブクログ

    読んでいる間はずっと灰色のイメージ。暗いと言うのは違うのかもしれないが、晴れやかな気持ちには一度もならなかった。けれど読み終えるとなんだか、まぁ人生とはこんなもんだなとしっくりくる。なにもうまくはいかないし、とびっきりキラキラした出来事もそうそう起きない。

    1
    2025年06月02日

    Posted by ブクログ

    文体が好みではなく、他の収録作は読まなかった。ただ、表題作の中で描かれているあなたが思い出してるのは、まさしく今の私(32歳)と娘(2歳)の生活。ワーママから専業主婦になって最初は本当に辛かったけど、この日常が当たり前じゃなくなったとき、きっとこの毎日が猛烈に懐かしく、愛おしく感じるんだろうなと思うと、専業主婦を選んだのも良かったのかもしれないと思えるようになったという点で、今の私にとっては読んだ価値があった。
    「これがこの世の全てというくらいに肌を擦り合わせた。」という一文のように、今は娘と毎日のように肌を擦り合わせて、身近にというかもはや自分かのように娘を感じている。この平凡で穏やかな毎日を大切にしたい。

    0
    2026年09月09日

    Posted by ブクログ

    タイトルに惹かれて読んだ1冊。
    主語がなく、倒置文のような表現が多い為、誰が、誰に言っているのか分かりづらく、また句読点の使い方も独特であるので、その場面を想像する事も難しい。
    こんなにも読みづらい本が、過去にあっただろうか!と思う。
    同じ文を何度か読み直しても、結局よくわからなくて(方言なのか?)読み飛ばした部分も数ヶ所。

    友達ではなく、"知り合い"の愚痴を、上の空でただ延々と聞いているような、最初から最後までそんな感じだった。

    私がこの本を書いた作者の国語担当教師であったら、赤ペンでの訂正が盛りだくさん!
    と思ったら、なーんと著者は国語教師なんだって!
    あちゃーー。
    こんなにも読みづらいものが芥川賞を受賞とは、小説とは芸術なんだなーと思う。
    難しい!

    だがしかし、それらは、巻末の"解説"を読むと、まるで伏線回収か、いや、ゲームの攻略本と言った方が近いかも。
    ほぉ!!なるほど!!そういうことか!!
    とスッキリする。
    小説とは文学なんだなーと思う。
    面白い!

    0
    2026年04月25日

    Posted by ブクログ

    三編の短編集。

    表題になっている『この世の喜びよ』
    は読んでいて なかなかその文章に慣れることができなかった。
    主人公は“あなた”という二人称で語られる 穂賀という ショッピングセンターの喪服売り場で働く中年女性。
    社会人と大学生の娘がいる。

    ある日“あなた”はフードコートに頻繁に一人で来ている十五歳の少女と話しをするようになるのだが 何度か話すうちに口下手な“あなた”は 少女を怒らせてしまう。

    文章がなんとなく詩のようだ。
    “あなた”の目に映っている場面や、その時々に入り込んでくる回想を思いつくまま語っているような感じで、まとまりがなく 散らばっているような印象を受ける文章だった。

    正直 私には なかなか手強い作品だったけれど、売り場に立つ人間の目線や広いのに閉塞感が漂うショッピングセンターの空間はよく描かれていると思った。


    0
    2025年09月26日

この世の喜びよ の詳細情報

  • カテゴリ
    :
    小説・文芸
  • ジャンル
    :
    小説 / 国内小説
  • 出版社
    :
    講談社
  • 掲載誌・レーベル
    :
    講談社文庫
  • タイトル
    :
    この世の喜びよ
  • タイトルID
    :
    1697117
  • ページ数
    :
    288ページ
  • 電子版発売日
    :
    2024年10月16日
  • コンテンツ形式
    :
    EPUB
  • サイズ(目安)
    :
    1MB

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