高野結史のレビュー一覧
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ネタバレ探偵遊戯。それはミステリー好きの金持ちたちの道楽。しかも実際の「死」を伴う……
オーソドックスなクローズドサークルのミステリーだと思って読み始めたからだいぶ面食らった。
運営側が必死で舞台を整える事件の裏側の描写は不謹慎だけど結構微笑ましく感じたし、上役の理不尽さに辟易とする現場の悲哀みたいなものも共感できた。
主人公も主人公で、推理ドラマの中に急に放り込まれた何も知らない一般人みたいな存在だけど、実は登場人物の中では一番のミステリーオタクで洞察力も鋭く、数々のトラブルでシッチャカメッチャカになっていくシナリオの瑕疵によく気づく運営にとっては迷惑なやつで、読んでいるこちらもどちらかというと -
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読書録「臨床法医学者・真壁天
秘密基地の首吊り死体」4
著者 高野結史
出版 宝島社文庫
p169より引用
“ 教育熱心といえば聞こえは良いが、自尊
心を満たすため息子にエリート街道を歩ませ
たいだけの人間に見えた。”
法医学者を主人公とした、長編ミステリ小
説。第十九回「このミステリーがすごい!」
大賞最終選考作品「虐待鑑定〜秘密基地の
亡霊〜」改題加筆修正版。
人と接するのがあまり得意ではない主人
公・真壁天。法医学者として死体と向き合う
仕事を望むが、教授から求められる仕事は
不本意な児童虐待に関するもので…。
上記の引用は、主人公の幼馴染・ハルの
母親についての一 -
Posted by ブクログ
タイトル買い。読みやすくてすぐに読み切れた。
登場人物が多くて、名前も独特で把握が大変な上に表方と裏方と分かれているから、常に こいつはだれだ〜と前のページを遡って読み進めた。しかも構造が複雑で、今どの謎について誰がどこで論じているのかがわからなくなりがちで、すっきり理解するには二度読みは必須だと思う。
探偵遊戯という突拍子もない設定ならではの展開はとても楽しめた。
が!読み終わってから前作が積書にあることを発見。先に読めばよかったと後悔中。。すぐ前作も読もうと思います。
最後に、きっと作者はそんなつもりないと思うけれど、、リアル脱出ゲーム系が好きな身としては、参加することをディスられている -
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富豪が楽しむアンダーグラウンドな探偵遊戯。そこでは本当に人が殺される。バイトとして連れてこられた佐藤は自分の役目が「被害者」として殺されることだと知り、それを回避するために謎を解こうとする。しかし出しゃばった行動をすれば殺されるし、「犯人」も「探偵」も誰なのか分からない。彼は生還することができるのか。最後の最後までトリッキーで痛快なミステリです。
スタッフたちによる舞台裏が描かれていて密室トリックも明かされるので、読者からすると倒叙ミステリのようですが。しかしまだまだ隠された何かがありそうで、気が抜けません。そして「探偵」が誰なのかもまた簡単そうで難しい。そして「事件」の最後まで生き残れたとし -
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ネタバレ2025-1
〈佐藤〉はとある事情があり、「探偵」役のために催される殺人遊戯に「旅人」役で巻き込まれることに。なんとか生き残るためにも、「探偵」に推理をしてもらい事件を終わらせようとするが──。
なかなか面白かった。〈佐藤〉と一緒に推理しつつも、運営側の事情もちらちら垣間見えるので、そちらにも感情移入してしまった。
ナレーションじみたところに違和感があったんだけど、最初私たち“読者”に向けてなのかなって思っていた。小説のなかで読者に向けた、こういう演出はあんまり好きじゃないんだよな〜と思ってたら、まんまと騙されてました。
ミステリー好きで沢山読んだり、映像作品も観たりしてるけれど、私の推理