高野結史のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
ネタバレ孤島の洋館で巻き起こる連続殺人事件。クイーン、カー、クリスティに見立てられた事件は、資産家である「探偵」を饗すための推理ゲームだった。迂闊な言動により犯人役として殺人を犯さざる得なくなった凛子は、一行に潜む「探偵」を見つけ出し、早々に事件の幕引きを計ろうとする。一方、ゲーム運営側でも進行に支障をきたす大きな問題が起こっていた。
前作「奇岩館の殺人」の続編であり、既読だと登場人物の行動(特に真犯人)の意図がわかりやすいが、未読でも問題なく理解できると思う。前作はある意味においてコメディのように感じられたが、今作はミステリーに別のミステリーを重ねられており、最後の最後まで謎を楽しむことができた。前作同様、見立てに使われている古典ミステリー未読だと面白さが目減りするように感じた(特にクリスティ)
この終わり方だともう続編は出ないと思われるのが本当に残念だ。作者の別作品を読んで紛らわせようと思うぐらいにはお気に入りの作品だった。 -
Posted by ブクログ
ネタバレこの作品はミステリー小説の皮を被ったお仕事小説だ!
でもちゃんとミステリー小説でもある。
両方のジャンルをかけ合わせてよりおもしろい傑作だと私は思います。
前作『奇岩館の殺人』と同様に
本当に人が死ぬ「リアルマーダーミステリー」を運営している会社?の興行がお話の舞台。
今回は社内闘争を背景にしたトラブルが、シナリオ中にはない新たな謎を生むという展開。それに巻き込まれた運営スタッフがクライアントのわがままにも対応しながら右往左往する姿にサラリーマンの悲哀を感じさせる。
私はどちらかというと事件の真実よりも運営側の仕事の内情部分に深く共感を覚え、もっともっとこの仕事のことを知りたい!という思いのほうが強かった。
本筋はそこではないのは百も承知だが、私もサラリーマンとして社内での仕事の役割が似通っていることもあり、そのように感じてしまうのだろう。
割ときれいに終わってしまったのでもしかしたら続編はないかもしれないが、運営会社の事業活動にスポットを当てたスピンオフ小説や会社案内風のファンブックみたいなものが出てくれると嬉しいな。 -
Posted by ブクログ
読書レベル 初級〜中級
ボリューム 309頁
ストーリー ★★★★★★!
読みやすさ ★★★★★
トリック ★★★★
伏線・展開 ★★★★★
理解度 ★★★★
読後の余韻 ★★★★★
一言書評:
新たな感覚のミステリに出会えたー!
最初から最後まで面白い!
倒叙ミステリーが好きな方、殺人事件ででお決まりのパターンに飽き飽きした方にオススメ!
「奇岩館の殺人」という題名から、いわゆる殺人系のミステリ小説かなーと思いきや、こ、この展開は読めません(笑。
殺人事件が起きているのにコミカル、主人公の動きにハラハラドキドキ、ラストのある出来事に心地よい爽快感!
途中で、自分は一体何を読んでいるのか、これって殺人事件のミステリだよね、と自問自答。
でも、本質は倒叙ミステリー系の殺人事件。
本当に楽しい読書タイムを過ごせました!
次回作にも期待! -
Posted by ブクログ
ネタバレお金持ちのクライアントが"探偵"役となり、実際に殺人事件が起きる中で推理をしていく。そこにバイトとして"佐藤"という役を与えられた男が舞台となる奇岩館で"探偵"役を推理し生き残るために物語を引っかき回していくという物語。
「不謹慎なエンターテインメント」と書かれているとおり、人の命の感覚が本当に軽く、嫌になりそうな感覚に成りながらも、運営側の小遠間を中心にトラブルや予定変更に右往左往しながらなんとかミッションを遂行するという姿がコミカルで物語のサイコパス性が中和されている感じも有り、とても良いバランスだと思いました。そして普通のクローズドサークルミステリーとは違い役割が与えられ、探偵も主人公側からすると"敵"であるため、その人の推理もしなければいけないところがとても複雑でした。親友を亡くした佐藤が敵の会社にスカウトされるという展開で、ここからどうなるのか、続編があるようなのでそちらも読んでいきたいです。
この作品をアニメ化した際の声優陣を自分なりのキャスティングしてみたので読む際に参考にしてください(敬称略)。
佐藤:小野賢章
山根:関智一
榊:石田彰
御影堂雫久:楠木ともり
小遠間:平田広明
香坂:斉藤貴美子
真鍋:興津和幸
白井:茶風林
天河怜太:岡本信彦
蒲生日々子:早見沙織
船長:土師孝也
九条雅:朴璐美
カー:村瀬歩
盤崎:戸谷菊之助 -
Posted by ブクログ
ネタバレ初読みの作家さん。
自分が鑑定した虐待した親が首つり死体で発見されたという所から始まるミステリー作品。安定している「このミス」シリーズだが今回も面白かった。
16年前の自殺事件が発端となり様々な事件が目まぐるしく起こっているため、クライムサスペンスのような印象を受けた。
衝撃を受けたのは妹の繭が実は主人公の中にしか存在しない、いわば「イマジナリーシスター」であるという所だ。それがそのまま16年前の事件の真相に繋がっていてとても素晴らしいカタルシスを感じる事が出来ました。まさか「ハル」が犯人でその正体が身近で働いている人物だったのも驚きであった。犯人の動機もサイコパスでかつ独善的なものでしかなく一切同情できる要素もない、そしてその人物が天を殺そうとする場面で、繭が天を守ったのにも感動した。頭の中にいるだけじゃない、彼を支えてきたのだなと感じた。天は彼女が成長してこうなって欲しいなと思っていたに違いない。彼が昔のことに向き合う毎に体調不良に襲われながらも、向き合っていき真相に到達したときに、決別できたのと同時に最愛の妹と別れてしまったシーンがものすごく切なかった。かすみの最後の言葉は、彼を救ったのだろうかわからないが、これからは前を向いて生きていけるに違いない。
この作品をアニメ化した際の声優陣を自分なりのキャスティングしてみたので読む際に参考にしてください(敬称略)。
真壁天:細谷佳正
真壁繭:内田真礼
近堂秀一:松岡禎丞
横居先生:平川大輔
青山友則:堀江瞬
宇佐美正彦:堀内賢雄
小野田美姫:小清水亜美
渡久地平八:岩田光央
黒須文乃:高垣彩陽
岸谷静香:戸松遥
岸谷かすみ:諏訪彩花