しらこのレビュー一覧

  • Kの昇天(乙女の本棚)

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    河合隼雄先生の影の現象学で紹介されてたので気になって読んでみました。
    読んでいくうちにこんなに美しい文章があるのかと驚かされた。とにかく繊細で、触り方を間違えれば割れてしまいそうなガラス瓶のような話だな、という印象。特にK君の儚さというか、想像力を掻き立てられるような人物像が素晴らしくて、彼の言動に目が離せなかったです。
    風景描写も本当に良くて、夜の海や月明かりみたいな冷たい空気感が好きな人にはたまらないんじゃないかと…
    短い話なので皆読んでほしーーー!そんでもってK君について話したいよーーー!!

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    2025年03月31日
  • きみの鐘が鳴る

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    読みやすさ★★★★★
    誰かにあげたくなる★★★★★
    満足度★★★★★

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    うつのみやこども賞の作品をいつか全制覇するぞ!と決め、一番最新の令和5年度第40回にて受賞された『きみの鐘が鳴る』を読みました。
    児童書だからって甘く見てました。登場人物の子供たちの心情にリンクするように、まさかこんなに自分の心までぎゅっと締め付けられるなんて……。
    中学受験に挑む小学6年生子供たちが主人公のお話ですが、中学受験を経験したことがない人、もしくはこれから自分の子供が中学受験を経験するという場面になった時こそ、親が読んで欲しい一冊だと思います。

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    2024年09月07日
  • きみの鐘が鳴る

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    こちらも、子どもが四年生くらいになったら読ませたい。

    成績の上下、合否判定、塾のクラス移動、
    この年代の子どもたち特有の、クラスの友人との関係悪化や、教育虐待の毒親(私立小学生…)、保健室登校、いじめ。

    中受の模様もさることながら、そういった環境面で辛いことがあった時のケアが何より親には重要なんだなと。

    ★家庭を安心できる場所にすること。
    ★友人や兄弟と比べないこと。
    ★子ども自身の意思で行きたい学校を目標とすること。(少なくとも強制ではなく)
    息抜きの時間を尊重すること。
    転塾を選択肢に入れること。
    ★模試やテストの結果に一喜一憂しないこと(無理かも)
    ★未来を見据えること。幸せな未来

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    2024年01月31日
  • きみの鐘が鳴る

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     中学受験に挑む少年少女の姿を描いた青春小説でした。

     『青春小説』というと、青春時代を描いた作品=中高生〜青年の作品というイメージがありました。小学生が主役の話をあまり青春ものとして捉えたことがありませんでしたが、こちらの話は中学受験というものに挑む彼らの、ともすれば早すぎると思うほどに濃い青春の話だと思いました。

     中学受験。どこも受験せずとも、どこがいいと自分で選ばずとも、住んでいる地域で自動的に振り分けられた学校に通うことができる中学校であるのに、あえて小学生のうちから必死に勉強に取り組んで、身も心も追い詰めて、そこまでする必要があるのだろうかと私などは思っていたものですが、読んで

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    2023年11月02日
  • きみの鐘が鳴る

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    成績やおかれた環境も違う6年生が、中学受験に挑む姿が描かれている。
    まだまだ子どもなのに、いろいろな葛藤を抱えながらも頑張る姿が涙ぐましい。
    中学受験独特の問題についての描写も出ており、経験者は特に共感できると思う。
    中学受験に限らないけれど、主人公はあくまで子ども本人。
    誰の受験かわからないようになってしまっては、本末転倒だなと思った。

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    2022年12月07日
  • Kの昇天(乙女の本棚)

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    Kの昇天について、「私」が「あなた」に、ただ話している。綺麗で幻想的な挿絵と共に唯一無二の日本語で述べられた「私」の語りは、吸い込まれるように美しい。
    ドッペルゲンゲルに魅入られ、影が立ち上がって月へと昇天して行ったKの魂は、飛翔し去る。

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    2022年03月18日
  • きみの鐘が鳴る

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    ネタバレ

    小学校の友達と上手くいかず転塾するツムギ、親が厳しすぎるリョウマ、発達凸凹のユウナ、リーダーだけど姉が受験に失敗しているカリン。

    我が家は真面目なこどもに教育熱心な父親という牛窪家のようになりそうなので、彼の母親のように子どもを守れるだろうか、と思った。彼の家の結末はエピローグで家出したと語られる程度なので、もっと読みたかった。ツムギが滑り止め落ちた時の母親の豹変っぷりも怖かった。

    受験によってこどもに負担をかけないように、と思っていたのでカリンの「期待され過ぎないのも辛い」というのは盲点。こどもによって伴走方法は考えなければならないのだろうな。

    ツムギを虐めてた子は途中からフェードアウ

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    2025年12月01日
  • Kの昇天(乙女の本棚)

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    今まで読んだ乙女の本棚シリーズの中では絵が写実的。
    もっと漫画っぽい絵の方が好みかなぁ。
    溺死してしまったKの夜中の海辺の散歩や影や月への情景が、主人公の共感?ドッペルゲンガーのように分裂?それともBL?と毎回読み込もうとしてしまうな。

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    2025年10月10日
  • きみの鐘が鳴る

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    中学受験に挑む4人の子どもの群像劇。
    登場する4人の子どもたちは、それぞれに問題を抱えている。学校での人間関係であったり、家庭環境であったり。
    そして、彼らの親もまた、未熟な一人の人間として、中学受験という魔物を前に狼狽え、迷いながら対峙し、乗り越えていく。(乗り越えない人もいる)

    そんな4人にとって、塾はもう一つの居場所であり、受験勉強は彼らを結び付ける共通言語となる。
    傷つき、迷いながらも、自分が掲げた目標に向かって突き進む。まるで、その努力が彼らの迷い、悩みを浄化していくようである。
    もちろん、受験というものは合否が伴うもので、時に残酷な結末を寄越す。しかし、合否を超えたところに、中学

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    2025年10月06日
  • きみの鐘が鳴る

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    子どもが面白いと言っていたので、本棚から拝借して読んだ。小学6年生5人の男の子や女の子が塾の同じクラスになり、中学受験という同じ目標に向かって進んでいく話し。それぞれが違う事情を抱え、悩みもがき、友情を育み、成長していく。
    ついつい親視点で読んでしまい、自分自身の子どもへの接し方など考えさせられることも多かった。ひとりの人として尊重することが何よりも大切。

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    2025年09月10日
  • きみの鐘が鳴る

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    親の子供への接し方が特に重要なのだと感じた。子供の受験、子供の人生。悔いのない受験をしてくれればそれで良いと思えるようになった。頑張った経験は無駄にならない。子供と向き合い、個性を伸ばしていけるような、そんな手助けができれば良いと思った。自分自身、未来像を把握・想像できるような仕事を続けていきたい。

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    2025年06月29日
  • きみの鐘が鳴る

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    子供目線の中学受験の話。子供もこのように思っていたりしてたのかな?と考えると、小6は既に大人の考え方に近いなと思った。

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    2025年03月11日
  • Kの昇天(乙女の本棚)

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    はい、32オネエかな?

    いやもう画集やん!
    普通に画集やん!

    陳腐すぎる感想で申し訳ないんだが、梶井基次郎さんの世界としらこさんの世界がピタッとハウス過ぎて、今回も立東舎ほんと仕事出来るなと唸る

    文章が美しいのよな

    不知不識(しらずしらず)とか絶対どこかでしれっと使いたい
    ひまわりめろんさん凄い文章書くなとか思われたい
    燐寸(まっち)とかもいつかレビューで使いたい
    ひまわりめろんさん放火魔かとか思われいや思われたくないわ!

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    2024年10月09日
  • きみの鐘が鳴る

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    中学受験の塾に通う子どものお話。友だち関係や家庭問題を抱えた4人の視点で語られる。特別新鮮さはないが、読みやすく高学年向きの本としておすすめできる1冊。

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    2024年08月07日
  • きみの鐘が鳴る

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    ネタバレ

    今年、中学受験を終えたムスメが読みたい!と言って、読み始めた本。
    ついでなので、ワタシも読んでみた。

    たぶん大人よりも、子ども向けのないような感じで、あっという間に読み終わり。
    大人からすると、ちょっと物足りないかも。
    でも、子どもはすごい読みやすそうに読んでいるので、そのぐらいの年頃の子におススメです。

    軽く読めるけれど、ちょっと不合格すぎるところが気になった。
    もちろん、出来なかったり、体調悪かったり、不合格になることはよくあることだろうけれど・・・、A判定のところが自分的にいつも通りにできた!と思えれば、それはたぶん合格するんじゃないの?

    ワタシ個人の話になるけれど、うちの中学受験

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    2024年05月23日
  • Kの昇天(乙女の本棚)

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    梶井基次郎文学忌、結核の為死去。
    1926年の作品。
    イラストレーターは、しらこさん。

    魂が影に移り 月へ向かう そんな情景

    去年も「Kの昇天」レビューしている記憶が。同じような事書いてしまうな。
    Kと療養地で知り合った「私」
    満月の夜 海岸の砂浜
    Kは、影が人格を持ち月へ昇るという
    Kは、溺死する
    「私」は、Kの死因について語る
    それは魂の昇天
    痛みのない死
    病気に苦しむ梶井基次郎の希望だったのか

    京極堂の「魍魎の匣」の少女達が月夜に影を見る場面は、この作品を思い出していた。意識されてたんじゃないかと思っている。

    しきみさんのイラストが独特な哀愁ある色合いで良い。とてもよく小説とあっ

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    2024年03月24日
  • Kの昇天(乙女の本棚)

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    作者が結核を患っていて、いつも死を意識していたかと思うと、この作品も本人の心境、様子を反映したものだと思えてきて切迫した気持ちになる。きっともう、病気で苦しみすぎたのだろう。作者の安らかに死にたいという思いが映し出されているようで、いたたまれなくなった。
    普通の元気な人なら、夜、海に出ても、自分の影に見とれたりはしない。何度も阿片という単語が出てくるように、精神的に参っていて、早く楽になりたいという思いで一杯だった様子がよく伝わる。
    イラストが穏やかで美しく、その透き通るような綺麗さばかりが印象的なこの作品。彼の自殺かもしれない死が美しく見えるけれども、荒々しさも、抵抗する様子も描かれることも

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    2024年02月20日
  • きみの鐘が鳴る

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    テンポよく、4人の子どもたちの受検物語が進みます。クラスでのカースト、女子同士の嫉妬、空気が読めない発達障害、親からの教育虐待。どの子もさらっと問題提起されていますが、それぞれ深く掘り下げた話を読んでみたかったです。流れるように話が終わってしまい、少し物足りなかったです。

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    2024年02月18日
  • きみの鐘が鳴る

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    ネタバレ

    おもしろかった。
    中学受験をする4人の子どもたち。それぞれの悩みをかかえ、それでも塾のみんなと受験に向かって頑張るお話。
    ただ、受験生の子こそ興味を持ちそうなのに、これだけ落ちると縁起でもないと思われそうで、無闇にすすめられない笑

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    2023年10月02日
  • きみの鐘が鳴る

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    爽やかな中受小説。合格、偏差値アップという共通目的があり、その目的に照らして進捗が良い子が偉い、うまく行っていると捉えられがちだが、受験生という側面は人間としての一側面。塾のペルソナ、他者からの認識と学校、家庭でのそれは違うこともある。
    そして中受はとても難しいもの、関わるステークホルダーの多さや受験にむけたメンタリティ、当日のデリバリーなど変動要素が極めて多い。やると決めた以上、本人の体験が良いものになるように親が覚悟させること、本人にいち早く受験生としてのマインドセットを獲得させるため手綱をうまく引いてあげる必要がある。
    我が子への態度を考え直し、自己を省みる機会になった。

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    2023年09月14日