あらすじ
チアダンス部の活動に憧れて、青明女子中学校を目指しているつむぎ。同じ体操クラブに入っていて塾も同じのクラスメイトとうまくいかなくなり、5年生の終わりに転塾することに。新しい塾「エイト学舎」には、いろいろな子がいた。父親に厳しく管理指導される涼真。マイペースで得意不得意が凸凹している唯奈。受験に失敗した姉とずっと比べられている伽凛。受験をする事情や環境、性格、目指す学校もそれぞれ違う4人の物語。
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Posted by ブクログ
読みやすさ★★★★★
誰かにあげたくなる★★★★★
満足度★★★★★
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うつのみやこども賞の作品をいつか全制覇するぞ!と決め、一番最新の令和5年度第40回にて受賞された『きみの鐘が鳴る』を読みました。
児童書だからって甘く見てました。登場人物の子供たちの心情にリンクするように、まさかこんなに自分の心までぎゅっと締め付けられるなんて……。
中学受験に挑む小学6年生子供たちが主人公のお話ですが、中学受験を経験したことがない人、もしくはこれから自分の子供が中学受験を経験するという場面になった時こそ、親が読んで欲しい一冊だと思います。
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こちらも、子どもが四年生くらいになったら読ませたい。
成績の上下、合否判定、塾のクラス移動、
この年代の子どもたち特有の、クラスの友人との関係悪化や、教育虐待の毒親(私立小学生…)、保健室登校、いじめ。
中受の模様もさることながら、そういった環境面で辛いことがあった時のケアが何より親には重要なんだなと。
★家庭を安心できる場所にすること。
★友人や兄弟と比べないこと。
★子ども自身の意思で行きたい学校を目標とすること。(少なくとも強制ではなく)
息抜きの時間を尊重すること。
転塾を選択肢に入れること。
★模試やテストの結果に一喜一憂しないこと(無理かも)
★未来を見据えること。幸せな未来を信じること。
他人は客観的に見て、愚かだと判断したら気にしない、相手にしないこと。逃げは大事。
万が一のことがあっても子どもを責めない。親がBプラン、Cプランを考える。全落ちは禁忌。
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中学受験に挑む少年少女の姿を描いた青春小説でした。
『青春小説』というと、青春時代を描いた作品=中高生〜青年の作品というイメージがありました。小学生が主役の話をあまり青春ものとして捉えたことがありませんでしたが、こちらの話は中学受験というものに挑む彼らの、ともすれば早すぎると思うほどに濃い青春の話だと思いました。
中学受験。どこも受験せずとも、どこがいいと自分で選ばずとも、住んでいる地域で自動的に振り分けられた学校に通うことができる中学校であるのに、あえて小学生のうちから必死に勉強に取り組んで、身も心も追い詰めて、そこまでする必要があるのだろうかと私などは思っていたものですが、読んでいて少し考えが変わりました。
他のお友達が遊んでいても、ゲームをしていても、他の楽しい習い事やクラブ活動をしていても、その分の時間を塾や勉強に費やして、受験に向けた勉強一色にしてしまうなんてと思っていたし、楽しいことなんて何もなさそうだと思っていたものですが、12歳というのは私が思うよりずっと強くて、繊細で、しなやかな時期なのかもしれないと感じました。
自分の未来を掴み取るために必死で、全力で挑む彼らに、『勉強ばかりで可哀想』なんて感想は違ったな、と今の私は思っています。
何の努力も選択もなく行ける中学校だからこそ、それに全力で向かった人にしか見えない景色がある。
彼らと、彼らの保護者たちが、最後にどんな未来を掴み取るのか、読んでいるこちらまで最後までドキドキとさせられる話でした。
私にはもう挑むことのできない山ですが、いつか機会があれば、選択肢としても良いだろうと思います。
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成績やおかれた環境も違う6年生が、中学受験に挑む姿が描かれている。
まだまだ子どもなのに、いろいろな葛藤を抱えながらも頑張る姿が涙ぐましい。
中学受験独特の問題についての描写も出ており、経験者は特に共感できると思う。
中学受験に限らないけれど、主人公はあくまで子ども本人。
誰の受験かわからないようになってしまっては、本末転倒だなと思った。
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中学受験の塾に通う子どものお話。友だち関係や家庭問題を抱えた4人の視点で語られる。特別新鮮さはないが、読みやすく高学年向きの本としておすすめできる1冊。
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今年、中学受験を終えたムスメが読みたい!と言って、読み始めた本。
ついでなので、ワタシも読んでみた。
たぶん大人よりも、子ども向けのないような感じで、あっという間に読み終わり。
大人からすると、ちょっと物足りないかも。
でも、子どもはすごい読みやすそうに読んでいるので、そのぐらいの年頃の子におススメです。
軽く読めるけれど、ちょっと不合格すぎるところが気になった。
もちろん、出来なかったり、体調悪かったり、不合格になることはよくあることだろうけれど・・・、A判定のところが自分的にいつも通りにできた!と思えれば、それはたぶん合格するんじゃないの?
ワタシ個人の話になるけれど、うちの中学受験は家族全員でチームになったような気持ちでした。(親だけかもしれないけれど)
またやるか?と言われたら、またやりたい。子どもの本心は分からないけれど、ワタシは楽しかったし、いい思い出だな~
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テンポよく、4人の子どもたちの受検物語が進みます。クラスでのカースト、女子同士の嫉妬、空気が読めない発達障害、親からの教育虐待。どの子もさらっと問題提起されていますが、それぞれ深く掘り下げた話を読んでみたかったです。流れるように話が終わってしまい、少し物足りなかったです。
Posted by ブクログ
おもしろかった。
中学受験をする4人の子どもたち。それぞれの悩みをかかえ、それでも塾のみんなと受験に向かって頑張るお話。
ただ、受験生の子こそ興味を持ちそうなのに、これだけ落ちると縁起でもないと思われそうで、無闇にすすめられない笑
Posted by ブクログ
爽やかな中受小説。合格、偏差値アップという共通目的があり、その目的に照らして進捗が良い子が偉い、うまく行っていると捉えられがちだが、受験生という側面は人間としての一側面。塾のペルソナ、他者からの認識と学校、家庭でのそれは違うこともある。
そして中受はとても難しいもの、関わるステークホルダーの多さや受験にむけたメンタリティ、当日のデリバリーなど変動要素が極めて多い。やると決めた以上、本人の体験が良いものになるように親が覚悟させること、本人にいち早く受験生としてのマインドセットを獲得させるため手綱をうまく引いてあげる必要がある。
我が子への態度を考え直し、自己を省みる機会になった。
Posted by ブクログ
中学受験、こわい。こわいけど、これを無事に乗り越えられたら、強い人間になれそう。いろいろな子、いろいろな親がいる。どの親子が正しく、どの親子が間違いともいえない。中学受験をした人々が、その後どのような人生を送ることになるのか、追跡調査して発表して欲しい。
Posted by ブクログ
中学受験に挑む四人の物語
元いた塾での友達との仲がこじれ、「エイト学舎」に転塾してきたつむぎ
そこには
父親に厳しく管理指導される涼真
マイペースで得意不得意が凸凹していて、算数は得意だけれど、小学校ではうまくやっていけない唯奈
優秀だった姉の中学受験不合格を引きずる母親との関係をもどかしく思う伽凛
それぞれの家庭の様子が描かれる度に
息子の受験期を思い出して胸が切なくなった
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中学受験する5人の物語。
父親が先走っている涼真
学校で友達と上手くいっていないつむぎ
周りと感覚が違う唯奈
トップ層だが姉との比較や家族関係で疲弊している伽凛
まさに最難関校をめざす比呂
彼らの周りでおきる出来事、心中を描く。
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やはり現実はそんなにうまくいかないものだ。というか、実際には簡単にうまくいく人と、毎度毎度思い通りにいかない人の2パターンあると思う。
でも、そこまで頑張ってきた経験や、強い意志だけは裏切らない。
何年後にそう思えるんだろうか?
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こんなに意地悪な子がそこかしこにいるものだろうか。
子供の学校は平和だったなと思う。
中学受験を通した学校崩壊と家庭崩壊、そして復活を描いた物語。
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エイト学舎という塾に通う4人の中学受験のお話。
我が家の娘さんが中受したいと言うのですっかり現実味を帯びてしまった中学受験…
塾に通っていますが、成績は伸び悩み、やる気も落ちて、さあてどうすっかなーというときに出会った本なので、何かしらの兆しを求めて購入。
娘さんは面白く読んだようだが、結局みんなそもそも偏差値高いし、上目指しすぎてて自分と違いすぎるから大変だねーって感じで読んだ、だそうな…まじか。そこか。
中受は親子の受験と言われますが、しかし実際に受けるのも審査されるのも子供たち。
だからこそゴールが偏差値を上げることでも、志望校判定でAを出すことでも、合否に一喜一憂することでもなく、あえてゴールを設定するのであれば、どんな自分でいたいか、どんな自分になりたいか、そこはそれを叶えてくれそうな学校か、あるいは叶えられそうな学校か、そうした部分にゴールを見てほしいし、そこに辿り着いてもなお切り開いた道の先を行くのは自分なのだというところに手応えを感じてもらいたい。
そのために親も必死で、叶えるために子供では難しいことのサポートをなんでもしてやりたいと思う。
中学受験とはそういうものでありたい、と改めて思わせてくれる一冊になった。
内容に触れると、伽凜ちゃん章が泣けちゃって泣けちゃって。
まず伽凜ちゃんが若干惣流アスカラングレーなのもぐっとくるんですが、この子のお姉ちゃんが先に中受を経験していて、それで親子共に精神的に崩れてしまって、お姉ちゃんは受験に失敗してしまうんです。
その後、第一志望ではなかった学校に行くんですが徐々に通えなくなってしまって、それがこの家族の膿になっており、お母さんはお姉ちゃんの受験を「失敗だった」と結論付けてしまっている現状なのでまずお母さんがお母さんとして機能していないわけです。
そんなお母さんはいま、まさしく頑張って受験を乗り越えようとしている伽凜ちゃんを「失敗」のレッテルを貼ったお姉ちゃんを通してみるので、伽凜ちゃんとしては自分の頑張りも結果もちゃんと見てくれないというモヤモヤが生まれてしまって何とももどかしく切ない。
そんな中、ラストでは引きこもってたお姉ちゃんが伽凜ちゃんに寄り添う場面があって、そのときに掛けてくれる言葉のなんと心強いことか。
そしてそんな台詞を言わせてしまった現実に気づいたお母さんの痛みたるや…
でもそれが「わたしはお姉ちゃんのようにはならない」と言っていた伽凜ちゃんのどんなに支えになったことか…とああ、だめだ、支離滅裂に…
中学受験を控える親子ならうんうんと頷いてしまうところや、やること多すぎでこんがらがった生活を一度立ち止まって立て直すきっかけにもなる一冊だと思います。
Posted by ブクログ
中学受験に挑む4人の6年生の物語。
中学受験に挑む子どもを持つ親としては、胸がいっぱいになるようなシーンもある。
学校や教室で居場所のない唯奈やか凛に、保健室の先生が「いつかは外に出られる」「これからどんどん広い世界に出ていく」辛い気持ちを押し殺してまで教室に行かなくてもいいんだよ・・というような言葉を送るシーンがある。
学校という狭い世界が全てになりがちな子どもたちに対して、それが全てではないんだよということを伝えられる本。
そして、中学受験というのも、その世界を広げる一つだよ・・ということも伝わるかな・・?
Posted by ブクログ
中学受験を題材にした小説の中でも、ソフトなタイプにあたると思う。
東京の受験が加熱していると感じるが、今のままで良いのかな?
むしろ、周りが受験をしている人が多いから、中学受験をする側より「しない」側の方が色々な葛藤があるんじゃないかと思う。「しない」側の小説が読みたい。
(受験させないと何となく不安だから受験させる親も多いと思う。確固たる理由がある受験生ってそんなに多いかな?)
なお、2022年11月が第一刷なので、小学生のみんなの描写が現代風で良かった。
下記の表現は、新卒で入った部署でパワハラされていた時に私が考えていたことと 全く同じ!その時は上手く言葉で表現出来なかったんだけど、まさにこれです!!
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本当なら自分の気持ちに正直になって、学校を休みたい。でもそれと同じくらい、そうしたくない、という気持ちがあるから面倒なのだ。学校に行かなくなったら、穂月の思うつぼになる。それは悔しい。上靴を隠されても、「うざっ」って言われても反撃できないのに、負けたくないと思ってしまう。そんな自分のせいで、現実が面倒になっているのはわかっている。でも、しょうがない。それが自分だから。
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私の場合は、休むのではなく退社や転職だけど、転職のタイミングは自分で決めたいし、「何でコイツ(上司)のせいで私が辞めないといけないの?そうはいくか!!!」って思って、耐えていたなぁ。そして、人事部に報告してバトルになりました笑。今はそこまでのガッツはないけれど、その時はまだ若くて負けん気も強かったな。